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「タマえもん 最終話(GS+ドラえもん?)」

キツネそば (2006-09-17 00:01)
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「…私、未来に帰るの」


  〜 タマえもん 最終話 〜


そう言ってタマモは未来へと帰っていった。二日前の夜のことだ。
俺は理由を問い詰めたが、ただ一言『しかたがないの』としか答えてはもらえなかった。

まぁいい。元々俺は一人暮らしだったし、前の生活に戻るだけだ。
美神さんとこでバカやって、学校にいってバカやって…そう何も変わりはしない。


<何も変わりはしない>


そして、俺は今日もバカをやっている。

「うぅぅGSが儲かる商売ってのは本当なんか?」

不貞腐れながら味気のないパンの耳を牛乳で飲み干す。最近の俺の昼食はこれがデフォだ。
悔しいので牛乳は日ごとに『白牛乳』『コーヒー牛乳』『フルーツ牛乳』と変化をつけている。

「今日も『パンの耳』?横島君も好きね〜?」

愛子が呆れた感じで言ってくる。こいつもわかって言っているから性質が悪い。

「…好きで食ってるわけじゃねえぞ」

「まったく…タマモちゃんと喧嘩でもしたの?昨日もそれじゃない?」

「…………」

「いい加減、謝ったら?そうしないとずう〜っとそれよ?」

「…………」

「そういえば、最近タマモちゃん見ないけど?元気?」

「…横島君?」

あぁ、黙りこくっちまった。イカンイカン、美女美少女を待たせるなんて、煩悩魔人横島の名が泣いてしまう。

「いや、あいつさ…」

あれ?なんでだ?搾り出すようにしないと声がでない。

「帰ったんだ」

……………………
………………
…………
……


家に帰るとニュースをつけてみる。株がいくら値下がり値上がりしたとか、どこぞの役人のスキャンダルなんかがトップニュースだ。


<変わらない日々、変わらない平和>


ふと、押入れが目に留まる。
なんとなく引き戸を開けてみる。

もちろん、そこには布団一式が入っているだけ。…まったくセンチにもほどがある。


「タマモ…タマえもん……か…」

押入れの布団を見ながら呟いた。

「あいつ…結局……何しに来たんだろうな……」


<今日も世界は平和だ>


おしまい


後書きのようなもの

え〜と、キツネそばです。
結局こんな、問題のありそうなラストで…
最後わかってもらえたでしょうか?ものすごく不安です;

>スケベビッチ・オンナスキーさん
シロミはもう少し優遇してあげてもよかったかもしれません^^;
何度もレスいただきありがとうございました。

>黒覆面(赤)さん
最終話はほんとに難産でした。
こんな終わらせ方で納得していただけるかと不安です;
やはり何度も感想いただきありがとうございました。

>meoさん
妖ビタンDを放置しておいて、上にキツネ分、下に犬(狼?)分がたまったのでしょうw
どっちも「ダメ」なのには変わりない?です^^
秘密道具のアイデアありがとうございました。
いつも感想をいただいて感謝していました。

>HEY2さん
タマ=9話ですか。なるほど、気づかなかったですw
純然たる偶然ですね^^;
何度も感想をいただいて励みになりました。

>秋桜さん
結局こんな最終話になってしまいました。
いつも丁寧な感想をつけていただいて本当に感謝していました。

>にくさん
猫型妖怪は構想にありませんでした^^;
感想大変ありがとうございます。


最後まで書ききることが出来たのは、ここまで読んでくれた皆様のおかげだと本当に思っています。感謝してもしきれません。
このような駄文に長々とお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
皆様に百万の感謝を。


2006.09 キツネそば

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↓以下は筆者の駄文なので、スルーしてください。


簡潔したことにより、タマえもんも駄作ながらに一応『作品』になることができました。
作品となったので、後書きらしいことを書いてみたいと思います。


タマえもんは次のような作品コンセプトで書くことを決めていました。

 ・1話読みきり型ギャグ(イメージ80年代ギャグ漫画)。
 ・脳空っぽで読めるものを。
 ・テンポ至上とする。
 ・各キャラ心理は直接的描写を用いず、動作と何気ない台詞で間接的に表現する。
 ・完結させる。

このようなコンセプトになった理由は割愛させていただきます。
筆者の力不足で、殆ど満たすことが出来なかった気がしますが、なんとか終わらせることだけはできました。

苦労した点は、とにかくギャグを『毎回出すこと』がまず1つ。
連載ギャグ漫画というものに、改めて畏敬の念を感じた次第です。

そして、自ら定めたハードルは高かった……。
テンポを求め、徹底的に文章をシェイプアップしてみたのですが、今見るともうすこし肉付けをしてもよかったかなと思ったりしています。

…力不足ばっかりですね


次に、各話のコンセプトと小後書きを。

まず骨子をつくり、思いつきで話を挿入をしていこうと目論んでいたのですが、骨子こなすだけで手一杯でした。

1話 タマえもん登場
   小コンセプト
    当作品のテンポの決定→間抜けな会話。
   後書き
    とにかく脱力系の展開を心がけました。
    正直反応悪ければここで終わりました。
   キャラ
    横島  → 原作初期
    タマモ → 天然系

2話 スケスケ望遠鏡
   小コンセプト
    原作のオカルト依存部を未来道具に置き換える。
    連載ベーシックスタイルの提示。
   後書き
    自分としては最も構成に注意した話だったのですが、反響は…;
    改めてSSは難しいと教えてくれた回でした。
    2話と銘打ち、骨子も考えてしまっていたので、突っ走ることに…
   キャラ
    美神  → 原作初期(横島は只の丁稚)

3話 タマえもんの秘密
   小コンセプト
    とにかく萌え。
   後書き
    唯一挿入されたお話し。2話の反響を見て急遽作成。
    無意味にお色気(中身など)に日和ってしまいました。
    その為、レス返しではその火消しに追われます。
   キャラ
    おキヌ → 幽霊キヌ

4話 変わってしまった未来
   小コンセプト
    既存GS路線(ヒーロー横島)の否定、未来変更。
   後書き
    実は中核となる話。ここでのヒーロー横島否定がタマモの召還理由。
    ただし、あくまでもギャグでやっています。
   キャラ
    鬼門  → 原作イメージ
    小竜姫 → 原作イメージ(※小竜姫は結局でませんでした)

5話 忠夫の恐竜
   小コンセプト
    ドラパロディーの壱モデル、完全外伝系の話にする。
   後書き
    4話「変わってしまった未来」は中核の話だったので、少し重くなるかと思い、
    ここに息抜きが予定されていたのですが…4話ちっとも重くなかったです。
    ティラノ親父は蛇足だったな。
   キャラ
    ビー助 → 完全に別物にする。

6話 逆襲の恐怖公
   小コンセプト
    4話「変わる未来」とのセット。反動パロ。
    既存GS路線とタマえもん世界の衝突。
   後書き
    コンセプトの通り4話とセットになるお話です。
    ここでの描写で既存GS路線(ヒーロー横島)は完全に排除されました。
    一番書きやすかった回です。アシュ様は偉大ですね。
   キャラ
    アシュ → 原作の知的アシュ

7話 看病しましょう
   小コンセプト
    最終話を「さよなら」にするため、横タマの結びつきを強調。
    ほのぼの系にする。
   後書き
    ん〜微妙な回でした。
    でも最終話への布石として、どうしても結びつきの強調を詰め込みたかった
    のです。
   キャラ
    なし

7.5話 続く日常
   小コンセプト
    日常の除霊風景。とにかく役に立たない横タマの描写。
   後書き
    ボツりました。
    狙いはGS試験前から間すっ飛ばしてアシュ編後に接続させるような
    イメージでしたが、無くてもまぁ成立するなと。

8話 さよならタマえもん(前)
   小コンセプト
    さよならドラえ○ん のパクリ。
    最後にタマ帰還の事実を告げるよう持ってくる。
   後書き
    正直シロミの扱いは最後までなやんだところ。
    結局、ゲストキャラ扱いにして、タマの未来召還と最後の台詞のつなぎの為の
    登場でした。もう少し書きようがあったと反省

9話 さよならタマえもん(後)
   小コンセプト
    さよならドラえ○ん のパクリ。
    最後だけしんみりシリアスっぽくやる。
    1話と被るような帰還描写を。
   後書き
     難産どころじゃありませんでした。コンセプト充たしてません。
     「さよなら…」を成立させるにあたり「のび○とジャイ○ンのタイマン」が
    必要だったのですが、執筆時点でそれに該当する適当なものが浮かばなかった。
     そこで、タマえもん召還理由のネタバラシを交え、帰還後に殺生石タマモと
    の会合で横島が既視感を受けて終わるという物を途中まで書いてみたのですが、
    これもなかなかしっくりこない(ネタバラシがどうしてもクドイ)。
     結局、横島一人称にし、タマえもんが変えたしまった世界
    <なんでもない平和な世界>を軽く流すことで終わりにしました。


本当に「なんとか書ききることだけは出来た」というのが実感です。
反響のほうも芳しくなく、何度もくじけそうになりましたが、それでも続けることが出来たのは、真に皆様のおかげです。
それでは、この辺で。
皆様に幸多からんことを。

2006.09 キツネそば


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……………………
………………
…………
……

「ん?」

横島は押入れの奥に、なにやら妙な箱があることに気がついた。
不審に思いつつ、それを手に取る。開けてみるとそれは『カップうどん』。

「…まったく、あいつは」

もう居ない同居人の置き忘れなのだろう。横島は苦笑しながら、それを取り出す。
熱湯を注ぎ、うどんは完成した。

「結構うまいな…」

お揚げをハフハフと頬張りながら、独り言を呟く。数ヶ月にわたって、この部屋で独り言を言ったことなどなかった男が。
うどんを食べるペースを上げる。湯気が目にしみた。

「いかん!もうこんな時間じゃねえか」

時計を見て、美神の所のバイトを思い出した横島。

「遅刻したら美神さんに折檻されるぅぅ〜〜!!」

Gジャンを羽織ると、慌てて家を飛び出していった。


「遅刻しましたーーー!!すんまへーーーーん!!」

時を操る呪文を知らない横島は、しっかりとバイトに遅刻した。今日は特に大事な除霊があるとかで、厳重に遅刻厳禁を言い渡されていたのにである。

…あぁ三途の河手前くらいで許してもらえるだろうか?…

横島はすでに臨死体験までは覚悟していたのであるが、

「しかたないわね、今度から注意しなさい!」

と、訓告で済まされた。

「…遅刻したのに…パンチも蹴りもない……これはもう俺への愛の告白としかぁぁぁ!!!」

「んなわけあるかーー!!」

せっかく訓告で済んでいたところを、結局折檻される横島。


「それで、タマモはどうしたの?今日の除霊には付き合ってもらう話だったと思うけど」

美神は何気ない口調で言った。今日の除霊は少し厄介だ。なのでタマモのとんでも道具の手助けを借りる算段になっていたのである。

「…それも忘れてたとか言わないでしょうね?」

美神の口調にプレッシャーが上乗せされる。
が、普通なら泣くか謝り出すかするはずの丁稚は、突然下を向いたまま微動だにしなくなっていた。

「横島君?」

さすがに変だと思ったのか、美神が声をかける。

「あいつ…未来へ帰ったんすよ」

呟くような声が聞こえた。一瞬の静寂。そして…

「あいつはもう居ないんすよ!さっさと帰っちまった!ハハッこれでやっと俺にも平穏が訪れるってもんです」

「横島君」

「もうあんな面倒事はこりごりだ、もうあんな…」

「横島君!!」

美神の叩きつける口調で、横島は止まった。美神は黙ってハンカチを差し出す。

「…とりあえず拭きなさい」

いつの間にか、横島の視界はぼやけていた。


……………………
………………
…………
……


…今日は帰りなさい…

そう言われて、横島は美神除霊事務所を後にした。ノロノロと夜道を帰る。
昨日は現実感がなかった。今朝も実感が湧かなかった。
だが、愛子に尋ねられ、美神に聞かれ、それに答えたことにより、

タマモはもういないのだと理解してしまった。


横島は足を引きずるようにして、アパートの階段を登った。
鍵を使ってドアを開ける。


彼の足はドアを開けたところで止まった。

暗闇にポツリと座っている影がある。
夜目になれてくると、それが○○○だと分かった。

「…横島」

声も聞こえた。横島は息を飲む。たった今、居ないと理解した存在がいる。

「お前……未来に帰ったんじゃ?」

かすれた声でそう呟いた。

「きっと…これね」

そういって、タマモはちゃぶ台の上に放置されているカップうどんの殻を指差す。

『きつねウソん』

うどんではなく『ウソん』とプリントされていた。


横島の体から力が抜ける。

「……なんつ〜ベタなオチじゃ」

「……まったくね」

お互いに目を合わせる。

「プッ「クスッ」アハハハハハハ」

なんとなく笑いあった。


「寂しかったりした?」

「全然、寂しくなかったな」

「悲しかった?」

「ちっとも、悲しくなかった」

「また居てもいい?」

「ずっと居ろなんて、思ってもいない」

「そか♪」

お互いに目を合わせる。やっぱり微笑いあった。

……………………
………………
…………
……


横島邸の朝。

「いいかげん起きやがれ」

押入れをガンガン蹴りながら横島が同居人を叩き起こす。
開かれる引き戸、中からものすご〜く不機嫌そうな顔のキツネ型妖怪が現れた。

「…なんでいっつも私まで起きなきゃならないのよ…」

大層ご立腹なようである。

「お前な、家主が起きてバイトに行こうというんだから、居候としてはせめて見送ろうとか思わんのか?」

「ちっとも思わないわ♪」

グッと堪える横島。最近、堪忍袋の緒を強化タングステン製に変えたので、なんとか堪えることができた。

「…まぁいい…さっさと朝飯にするぞ」

そう言って、横島は台所に向かう。彼はすこしだけ機嫌がいい。
なんといっても冷蔵庫の中には、昨日おキヌちゃんが作り置きしていってくれた、男が泣いて喜ぶ料理ベスト3に入るであろう『肉じゃが様』がいるのだから。
称えよタンパク質。称えよアミノ酸。

だが、そんな期待を込めて開いた冷蔵庫であったのだが、どこにもそんな神々しいモノは影も形も見当たらない。

ふと、シンクを見てみると、見覚えのある鍋が見えた。

「なあ?タマモ?」

「なに?」

なんだかとっても答えは分かっている。だが、男には聞かねばならない時がある。

「昨日おキヌちゃんが作ってくれた『肉じゃが』はどうした?」

「食べたわよ?」

「…全部か?」

「うん、昨日シロがちょうど来てたし」

肉じゃがは二人分。タマモとシロで二人分。計算はとってもよく合う。

「なんでじゃぁぁぁぁ!!!!」

今日も魂の雄叫びは絶好調だ。


The End

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