「横島さん、貴方はいつのそのバンダナをしていますよね。」
「ヨコシマ感激〜〜〜!」
〜ズカッ バキッ ドゴォ メキャ メコッ〜
「こんなんばっかや〜。」
時はGS試験前日、美神が小竜姫の依頼を受け自身と丁稚である横島をGS試験に潜り込ませる事を決めた日の夜。
事件は起こった。
それはテニスボール程の大きさの玉だった。うぶ毛のようなモノで覆われたそれは日本中に降り注ぎ、中からドリル上の突起を頭に持つ蛇の様なモノを解き放つ。
謎の生命体はまるで卵から孵った本能で海亀が海へと進む様に、正に本能で寝ている人間を見つけ、その頭部へと潜りこんで行く。
「ぐへ。ぐえっ・・・・・」
謎の生命体に頭部に潜り込まれた人間は一見外見は変わっていないように見えるが・・・・
所変わって、横島の住むボロアパート。
今、まさに謎の生命体が横島の耳の穴に潜りこもうとしていた・・・
が、安普請のアパートの軋む音対策として購入したイヤーウィスパーに阻まれて侵入できない。
仕方なく。といった様子・・・否、かなり焦った様子で謎の生命体は横島の鼻の穴から進入を試みようとする。
「んがっ! ぶえっくしょん。うぃ〜。・・・な、なんじゃこら〜。く、くるな〜。っうわ〜。」
横島のくしゃみで鼻から飛び出した謎の生命体。寝起きに明らかに異質な生き物を見た横島。ハエ叩きを持ち攻撃する。が、抵抗虚しく謎の生命体は横島の右腕に穴を穿ち、その頭部を目指して潜り込んでいく。
「ヤバイヤバイヤバイ。何か縛るものは・・・あった。 んぎ〜!」
皮下を何かが破り進む痛みに耐えながら横島は最後の抵抗とばかりに手近にあったバンダナで自分の腕を縛る。どうやら謎の生命体もバンダナの部分より先には進めないようだ。
「んぎ〜〜〜〜!」
〜バダンッ〜
「横島さん、夜中にドタバタして、近所迷惑じゃろ〜がっ。」
「んぎ〜・・・あ、、大家さん。これ見て、これ。俺の腕の中に何か入ってきて。」
「あん、なんともないじゃないかい。どうせ夢でも見て寝ぼけたんだろ。まったく、近所迷惑なんだから。」
「いやいやいや、蛇みたいなのが俺の腕にね。」
「横島さん、アンタ変な薬でもやってるんじゃないだろうね。」
「そんなもん買う金があるならこんなアパートにおらへんっちゅうねん。・・・あっ。」
「そがんこと言うのはこの口か〜。」
「ふ、ふひがふへっはんや、はんへん〜。(く、口が滑ったんや、かんべん〜。)」
「夜は静かにするんだよ。いいね。」
〜バタン〜
「えらい目あったぜ。傷口も無いし、夢か。しっかし、リアルな夢だったかなぁ。まあ、色々考えても仕方ないし寝るか。」
腕に巻いたバンダナもそのままに床に就く横島。しばらくは寝付けずに寝返りを打っていたが30分もするうちに瞼は重くなっていく。
そして、薄れ行く意識の中で何かの声を聞いた。
「アタマトリソコネタ」