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▽レス始

!警告!壊れキャラ有り
15禁注意

「イメージトレーニング(GS+範馬刃牙)」

UG (2006-06-05 23:06/2006-06-07 08:45)

 某レンタルビデオ店
 ある分野の品揃えが豊富という、非常にわかりやすい経営方針に加え女性従業員は皆無。
 そのため一部の客層に絶大な支持をうける店の18禁コーナー。
 そこに一人の小学生が足を踏み入れる所から物語は始まる。


 「ボク・・・ここは君には少し早い」

 エプロン姿の店長がニヤつきながらその少年を注意する。
 その笑顔は決して侮蔑ではない。
 彼もまた同じ思いを持って大人になって来たのだ。

 「いいじゃないかよ! こんだけあるんだから貸してくれよ!!」

 少年は怯まず所狭しと並んだパッケージを指さす。
 彼には後に引けない理由があった。
 今日、彼の家は両親が不在であり、
 いい顔したくて家に呼んだ仲間たちが店の外で待っている。
 良くある話だった。

 「貸してくれれば常連になるって! この店の中で一番の利用者になってやるからさ!!」

 「一番?」

 子供が何気なく口にした一言に店長の口元が引き締まる。

 「ボク・・・その言葉は軽々しく口にしてはいけない。特に王者の前ではね」

 「王者?・・・おじさんがそうだというの??」

 王者という聞き慣れない言葉に子供が周囲を見回す。
 店長と自分以外の人影は無かった。

 「俺は残念ながら王者ではない・・・その存在は更なる高みにある」

 「だって、此所には俺とおじさんしか・・・・」

 慌てて周囲を見回した少年の耳元で若い男の声が聞こえる。


 「借りるんだな・・・AVを」


 その声と同時に、声の主が少年のお尻を平手で張り飛ばす。
 数メートルすっ飛び尻餅をついた子供は、気配を絶ち存在を完全に隠していた男にようやく気づいた。

 「今まで誰もいないと思ってたのに・・・・・お、お兄さんが王者?」

 男は不敵に笑うと少年の側に歩み寄る。

 「ここに来る者は気配ぐらい消せないとな。横島忠夫だ・・・」

 「ボクは、鮎川ミルナ」

 自分の名前を正直に名乗ったミルナに横島は手を差し出す。
 そして、力強く握手しミルナを立たせてやるとこう言うのだった。

 「今から・・・親友(ダチ)だ」


 ――― イメージトレーニング ―――


 ボクは横島さんの手を握り立たせて貰う。

 今まで生きてきて・・・・
 12年間生きてきて―――
 ボクは生まれて初めて―――

 「今から・・・親友(ダチ)だ」

 自分が男であることを意識した。


 「ボウズ、こんな所で油売ってる暇ないアルよ」

 「おー厄珍」

 サングラスのおじさんが、まるでなじみの居酒屋に入るような自然体で18禁コーナに入ってきた。
 横島さんの知り合いらしいけどこの人もただ者じゃない。

 「さっき西条から注文が入ったね・・・・」


 厄珍のおじさんが言ったことをボクはしばらくの間信じられなかった。
 横島さんの雇い主を、西条という人が狙っている。

 その人の初恋の相手であり、
 実家はかなりの金持ち、
 イギリス帰りの二枚目で凄腕のGS。

 そんな物語の中にしかいないようなパーフェクト超人が、女の人をオトすために普通ならドン引く程高価なプレゼント、

 【恐竜サイズのアフリカ象】と二つ名を持つ巨大精霊石のアクセサリーを発注したという・・・・・・


 「ボウズ・・・コレが何を意味するかわかるか」

 「・・・次の美神さんの誕生日にキメるつもりって事だろ」

 「お前はソレに対してどう動くネ」


 ホア・・・・


 意外な事に横島さんは厄珍さんの質問に大あくびで答えた。

 「まあ、適当に対策を立てるよ」

 「ダメだよ! 横島さんテキトーじゃ!!」

 ボクは思わず声を荒げてしまった。
 【恐竜サイズのアフリカ象】を購入できる相手に、目の前の横島さんは勝ち目がない様に思えたからだ。

 「ミルナ・・・テキトーとハンパは違う。恐竜にも負けない適当な対策ってこと」

 こう言うと横島さんは前方の空間を撫で回す様な動きを始める。
 その時だった。
 ボクの目の前にとんでもないモノが現れたのはッッ。


 横島さんが始めた動き―――
 これは愛撫だ!


 ハッキリ言ってボクはAV通だッ!!


 小刻みに動く横島さんの指先。


 目の前に相手を想像し、
 想像の服を脱がし、
 想像の性感帯を責める。


 だんだん早くなる、
 だんだん真剣になる、
 ハンパじゃなく真剣になってる。


 目の前に相手を想像する―――というより
 本当に―――
 本物の相手が目の前にいるような

 「え!」

 ボクは思わず驚きの声をあげてしまう。

 ゆらり

 「え―――!!?」

 ぞわっ

 背筋に電流が走る。

 見た・・・・って言うか見てるッッ。
 ボクは自分の目を疑った。
 ハッキリとではないけど、しかし確かにソイツはいるッッ。
 確かに横島さんと向き合っているッッ!


 さわっ

 な、撫でた・・・・???

 モミッ

 もんだ・・・・???


 ・・・・・・・・・ッッッッッッ!!!!!!!!!!!


 もう・・・今起きていることを疑うことはできなかった。
 横島さんが相手として思い描いている相手は・・・

 AV女優だッッ!!


 ハッキリ言ってボクはAV通だ!

 横島さんが真剣になるのも当たり前のことだった。

 ボクには見えている。

 横島さんの手の動き
 横島さんの指の動き
 横島さんの胴の動き

 全部をミックスした全部の動きから見えてくるもの。
 横島さんがヤッているソイツ。

 伝説のAV女優
 【間腿】そのヒトだッッ!!


 間腿・・・
 AV女優を全て知っている訳じゃない。

 でも―――

 この間腿こそが人気No1だと言える時期が絶対にあった。

 その間腿がボクの目の前にいる。
 ビデオの中にしかいない最高の時の間腿が、ボクの前でヤッている。

 ―――最盛期の体だ・・・アッ、まずいッ!

 間腿の反撃を受け横島さんが喰われそうになる。


 「横島さんッ、鼻血ッッ!!」

 「大丈夫・・・そろそろ終わらせる」

 横島さんは一気に動きを速めると宣言通り勝負を終わらせた。


 「よく見えたな・・・」

 「え?」

 目の前の光景に呆気にとられていたボクに横島さんが話しかけてくる。

 「俺の相手・・・」

 「ハッキリ言ってボクはAV通ですから・・・・」

 「ふ〜〜〜ん・・・じゃあ俺がヤッてた相手は?」

 「間腿・・・某大物アイドルも引退を惜しんだという伝説のAV女優」

 ボクが正解を口にしたことに横島さんは感心したような表情を浮かべた。

 「へぇ〜」

 「横島さんが言っていた適当の意味・・・間腿なら文句なしです」

 ボクの賛辞に横島さんは苦笑いを浮かべた。

 「適当があの程度なら俺も楽なんだけどな・・・・・アレはウォーミングアップ。準備体操代わりだ」

 その一言にボクは耳を疑った。
 横島さんはポケットから大切そうに一枚の写真を取り出すと、AVの陳列棚にそっと立てかける。
 その中に混ざっても違和感のないイケイケのボディコン女の写真だった。


 「コレって・・・」

 「そう、俺の雇い主だ」

 呆気にとられたボクの問いに横島さんが答える。

 「これがッスか・・・」

 「こと対戦相手としてその人は強敵中の強敵だ・・・AV女優なんか目じゃない」

 「まさか・・・・軽めのイケイケにしか・・・」

 「冗談で言っているのではない・・・まず金銭感覚が桁違いだ。並大抵のプレゼントにはビクともしない・・・ミルナの時給が255円として、何かプレゼントして心を動かせると思うかい?」

 ボクには横島さんが何を言っているのかわからなかった。
 第一、時給255円なんてバイトが世の中に存在するわけが無い。

 「プレゼントにプラダやシャネルをねだる姉ちゃんは沢山いるが、その人に比べれば可愛いモノだ。その人が欲しいままに使えば一晩に数億の金が浪費されるだろう・・・金ヅルとしてソノ人の好意を獲得する・・・・あの人の欲しいままに金を稼ぐ。そうなったら無事では済まない」

 「じゃぁ、どうやって・・・」

 「此所に連れてきて口説く」

 横島さんは頭と胸に手を当てた。

 「煩悩とイメージで、今はもう引退したAV女優をこの場に連れてきた。創造れるんだ・・・・果てしなく無理目の姉ちゃんとの対戦が」


 ―――横島さんが動いた


 実際の横島さんは一枚も服を脱いでいない。
 しかし、僕の目には写真に向かってルパンダイブをする横島さんがハッキリと見えていた。

 ドカッ!!

 見えない何かに弾かれたように横島さんが壁に激突する。
 その衝撃に数本のビデオが床に散らばった。

 「横島さん、血が!!!」

 「この人を相手にするにはこれ位は覚悟しなきゃな・・・」

 横島さんが緊張している。
 未だボクには見えない横島さんの煩悩が作り出した相手は、かなり凶暴な人のようだった。
 ボクは見ていた・・・何一つ見逃すまいとッッ。
 めまぐるしい横島さんの動きを追い続けた・・・凝視めた。

 すると・・・

 ホルスターを見ると、そこに入るモノの形がワカるように。
 本のケースを見ると、そこに入る本の大きさがワカるように。

 見えてくる。
 何もない空間に少しずつ・・・
 あるハズのない姿が少しずつ・・・
 少しずつではあるけど・・・確実に。
 見えてくる!!!

 横島さんのイメージが作り出した女の人は、実際に目の前にすると・・・
 神通棍を勇ましく装備し、笑ってしまいたくなるほど無理目な姉ちゃんだった。

 「あだだだだだ!!」

 床に叩きつけられた横島さんが、背中を神通棍でグリグリやられ苦悶の表情を浮かべる。
 リアルなイメージはそのまま肉体のダメージに変換される。

 創造したのなら、惚れっぽくって簡単に落とせる女にしてしまえばいいのに・・・
 笑いかけるだけで顔を赤らめるようにすればいいのに・・・


 神通棍でしばかれまくる横島さん。
 壁に繋がれナイフを投げられる横島さん。
 鎖で巻かれ水中大脱出させられる横島さん。

 そんな無茶苦茶やる女の人なんているわけ無いのに・・・・
 なんて・・・なんて自分に厳しいんだ。


 「クソッ、相手が誰であれヤルことは決まっている――普通に」

 普通に唇をとがらし跳びかかる横島さん。
 当然のように神通棍の餌食になった。
 全身血まみれになっても横島さんは、それでも諦めることなく女の人に向かっていった。

 ―――こんなのフツウじゃない

 ボクは思わず叫びだしていた。

 「横島さんもういい!! もうじゅうぶんだッッ」 

 ボクの声は横島さんに届いていないようだった。
 更にボクは叫び続ける。

 「そこまでやっちゃダメだ横島さんッッ! バカバカしいよこんなことッッッ!!」

 しかし、横島さんは止まらない。
 ボクの心配を他所に、女の人は更に実物チックになりまるで・・・体温まで感じる程のリアルさを供え始めた。

 「・・・バカで結構! こんないい女をモノに出来るのなら俺はいくらでもバカになってやる」

 ピクッ

 横島さんの一言に女の人が反応した。
 その微かな変化に横島さんも気付いた様だった。

 「ふ〜ん・・・とりあえずやってみるかぁッ!」

 何かを思い付いた横島さんは、女の人の斬撃をかわすと耳元でなにか囁く。
 その言葉を聞き、女の人は照れたような表情を浮かべた。
 ボクは横島さんの行動が一周まわって、ようやく普通の行動になった事に気がついた。

 「ミルナ・・・この人はツンデレなんだ。攻撃力は強力で抜群だが、防御となるとからっきし・・・決めるぞ」

 ゆっくり歩み寄る横島さんに初めて女の人から攻撃を仕掛けた。
 その手を受け止めた横島さんが、優しく耳元で愛の言葉を囁くと女の人の躰から力が抜ける。
 その後の展開は一方的だった。


 10分後
 横島によって絶頂を迎えた美神のイメージ。
 その頭を横島が優しく撫でているのを見てミルナの目に熱い涙がうかぶ。

 「横島さん・・・後戯までイメージするなんて、アンタってヒトはッ・・・・文句なしの完全勝利だ」

 ミルナがこう呟いた瞬間、18禁コーナーが割れんばかりの拍手に包まれる。
 先程まで気配を絶っていた大勢の客が、横島たちを取り巻き拍手していたのだった。

 「こんなに沢山のお客さんが・・・」

 いままで存在を感じさせなかった客に、ミルナが驚いたように周囲を見回す。

 「すごいだろ・・・彼はこの人たちの頂点に立つ王者なんだ」

 エプロン姿の店長が涙を流しながらミルナに話しかける。
 その隣りに立っていた厄珍の目からも大粒の涙こぼれサングラスを濡らしていた。
 どこからか巻き上がる王者コール。
 それはしばらくの間途切れることは無かった。


 数日後
 オカルトGメン本部

 注文の品を届けにきた厄珍は西条のオフィスに通されていた。

 「令子ちゃんの誕生日に間に合ったな・・・これを令子ちゃんにプレゼントすれば・・・」

 包みの重さを確認した西条は勝利の予感に顔をほころばせる。
 血の涙を流す横島の顔が目に浮かぶようだった。

 「そう簡単にはいかないアルよ」

 小切手に書かれたゼロの数を確認しながら厄珍が呟く。

 「一体どういう意味かな・・・」

 「ボウズも成長しているってことアル」

 確認を終えた厄珍は、ビデオ屋で見た一連の光景を西条に説明する。
 その報告を聞いた西条の顔がだんだんと険しくなった。

 「なにぃッ!・・・・横島君が、ツンデレで処女なのに十分に性感が開発された体を持ち、挿入時に痛がるものの、その後すぐに絶頂を迎える令子ちゃんのイメージを攻略したって!? 」

「そうアル。ボウズは確かにワタシの目の前で、ツンデレで処女なのに十分に性感が開発された体を持ち、挿入時に痛がるものの、その後すぐに絶頂を迎える令子ちゃんのイメージを攻略したアル」

西条は自分の椅子に深く座り直すと複雑な表情を浮かべる。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なあ、厄珍?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ナニあるか?」

「それってただの想像Oナニーじゃ・・・・」


それを聞いた厄珍は西条に聞こえないように呟く。

「うわ、言っちゃった・・・・台無しねコイツ」

ソレはどっかのアホSS書きが、元ネタを読んだときの感想にも聞こえた。


――― イメージトレーニング ―――


  終


NTのみなさんはじめまして。
そしてお願いです。
石を投げないで下さい。

   m(_ _)m

十分反省はします。
でも後悔は・・・しないといいなぁ。


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