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▽レス始

「そして花嫁はブーケを投げた。(GS/はっかい。 さんのイラストより)」

諫早長十郎 (2006-06-03 00:18)

「幸せか?」
 俺の問いに、彼女は花のように微笑って答えた。
「うん、幸せよ?だって、どうしようもなく好きで、どうしようもなく一緒に居たい人と一緒になれたんだもの。
 幸せでないはずないじゃない」
 幸せそうに微笑む彼女に、俺も微笑む。
「そうだね。幸せに、ならなきゃいけないな」
 そう答えて、彼女に笑いかける。
 そうでないといけない。
 幸せにならないといけない。
 思い返せば、数奇な運命だったと言える
 人と、人ならぬ者の恋。
 そして人ならぬ者は只の馬鹿を救うためにその命を投げ出し――
 まるで奇跡のように、彼女は再び現れた。
 今、俺の目の前にいる彼女はあの時よりも綺麗で、
 あの時よりも幸せそうで、
 あの時よりも希望に満ちて、
 未来を信じて笑んでいる。
 ならば良いじゃないか。
 幸せになることは、約束されているのだから。
 俺が、幸せを守るんだ、と。
 そう誓って、駆け抜けて、そしてようやくこの日を迎えた。
 親戚一同に友人一同。
 バンパイアハーフがいる。
 魔装術使いのバトルジャンキーがいる。
 幻術を使う巨体の男がいる。
 人狼、妖狐、竜神の剣士。
 そして蜂と蝶の魔族。
 皆、祝福してくれている。
 俺は万感の想いを込めて彼女を見た。
 たおやかな指先が上がる。
 指輪の交換。
 誓いのキス。
 友人達に見守られ、妹たちに祝福され。
 彼女は、世界で一番幸せな花嫁となり――
 俺は、神と魔に願った。


 願わくば――
 我が娘の未来が、光に溢れていますように。


 そして、
 花嫁は、
 ブーケを投げた。


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