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▽レス始

「獣達のデート(GS)」

寝起き (2006-01-03 02:22)


バタン!!


「おはよーございまーす!」

「あ、横島さんおはようございます」

「つったく朝っぱらから無駄に元気なんだから」

「無駄ってなんスか、無駄って・・・・おキヌちゃんごはんある?」

「あんたココに何しにきたわけ?!」

横島のいきなりの要求に青筋を立てて怒る美神。


「しかたないんやーーー!!!給料日まで後一週間もあるのに米が尽きたんじゃーーーー!!!!」

(こ、このバカは・・・・)


「まぁまぁ何も泣かなくても・・・・・・ちょっと用意してきますね」パタパタ

「うぅ・・・おキヌちゃんはえぇ子やなぁ・・・・」

「ったく・・・生活力たんないんじゃない?」

横島の生活態度に呆れる美神。


「俺がこんな赤貧にあえいでるの見てて給料あげてあげよーとか思いませんか!!?」

空腹でテンションが高いのか美神に噛み付くバカ犬(人間じゃーーー!!!)。


「あ〜ら・・・給料いくらでもいいって言ってきたのは横島クンの方でしょ・・・・ふぅ〜〜っ」

「せ、背中に柔らかいものが!!み、耳に息がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

いつの間にか後ろに回りこみ横島を説得しだす美神。

「で、給料がどうしたって?」

「給料がどうしました?」

美神の説得に簡単に手の平を返す横島。

「その意気よ、横島クン!だから若いコって好き♪」
「美神さん・・・・俺は美神さんの体で払っていただければ!!・・・ブボッッ!!!!!」

「書類整理するからそこで大人しくしててね〜」

ビクン、ビクン

横島にそれを聞き取る余裕などなかった。


バタン!!


「先生!美神殿!おはようでござる」

勢いよくドアを開けて入ってきたのは美神事務所に居候している『人狼』の『シロ』。

「おお、シロおはよう」

「おはよう・・・・師匠が師匠なら弟子も弟子で無駄に元気ね・・・・」

「えへへっ、照れるでござるよ」

「ハァ・・・・褒めてんじゃないわよ」

嬉しそうに笑うシロに呆れてため息が出る美神。

「先生!朝のサンポに行くでござる!」

「ちょっとまってな、、先に朝メシ食べさし「美神殿!行ってくるでござる!」」

「人の話を聞けーーーーーーーーーーー!!!美神さん助け!・・・・ブラッ!ベホッ!!ガフゥ!!!」

「はいは〜〜い、人轢くんじゃないわよ〜〜〜〜」

横島を振り返らず壁や床に叩きつけながら人狼の怪力で腕を握りは知っていくシロ、横島に逆らう力はすでになく、だらりと腕を放り出す横島、それかるく聞き流し書類整理に勤める美神であった。


ガチャリ


「横島さーん、ご飯の準備ができましたよ〜〜〜〜・・・・あれ?」

横島が出て行ってから十分弱たった頃、食事の準備ができたらしくおキヌが呼びに来たが、部屋には横島は居なく、美神が一人で座っていた。

「ああ、おキヌちゃん横島クンならシロとサンポに行ったわよ」

「ええぇ〜〜〜〜・・・・ハァせっかくご飯できたのに・・・・・」

「クスッ・・・そのうち帰ってくるでしょう、おキヌちゃんコーヒーお願いできる?」

「あ、はい」


ガチャ


おキヌが扉を開こうとドアノブに手をかけようとするとかってにドアが開いた。


「おはよう」

「あ、タマモちゃんおはよう」


居たのは金髪を九本のポニーテールにまとめた犬神族に分類される妖狐、『タマモ』である。

タマモは昔国々を騒がせたと言われる『金毛白面九尾』の生まれ変わりと言われているが、前世の記憶などなく何も覚えてい。

ある事件をきっかけにシロ共々美神事務所に居候することになった。


「バカ犬と横島の臭いがするけど・・・・?」

「二人なら一緒にサンポに行ってるわ。そろそろ帰ってくる頃と思うけど」

タマモの疑問に律儀に答えてあげる美神


「朝っぱらから元気ね〜・・・シロはデートのつもりらしいけどね」

「「で、デートぉぉぉぉぉぉ?!!!」」

「うん、シロが何日か前にノロケてたから・・・あの顔はマジね」

「あんの・・・・ヤロォォォ!!!」

「横島さんフケツーーーーーー!!」


タマモの衝撃告白(?)に混乱し、激怒するするおキヌと美神。


「・・・・・なんでヨコシマに対して怒るの?普通はシロに対して怒るんじゃないの?」

「それは・・・」「そのぉ・・・・・・」

顔を赤らめて狼狽する二人を尻目にタマモはさらに話を続ける

「それに、シロはバカで年はまだ子供だけど妖怪なんだしニンゲンの法律にも引っかからないし別にいいんじゃないの?」

「で、でも・・・・・」

オロオロしながら手をモジモジさせるおキヌ

「駄目よ!駄目に決まってるじゃない!!」

完全に否定する美神


「シロは人狼の長老と一族が私に預けてるの!だから!だからシロにウチの丁稚が孕ませたなんてことになったら私の責任問題な訳!!だから絶対だめ!!!タマモ!あんたも横島とシロがなんかおかしな事しようとしてたら絶対止めなさい!!!いいわね?!!」

「ん〜〜〜・・・○○屋の最高級油揚げ十個で手を打ってもいいわよ?」

「乗った!!」「まじ?!やった!!」

「ああ横島さん、シロちゃんと二人同時になんて・・・ああ、でも横島さんなら・・・・・く、首輪なんて・・・・」


熱くなる美神とタマモのそばでネジが数本はずれたおキヌが危ない世界のドアをジェイソンよろしくで叩き切っていた。


「止まらんかーー!!バカ犬!!!」

「キャイーーーン!!!」

「いく時に行ったろうが!!!少しだけだって!!なんなんだココは!!どうすりゃこんな森林地帯に入り込めるんだよ!!!」

「くぅぅぅん・・・・・つい先生とのデートでまいあがってしまったでござる」

「な?!」

顔を赤らめながらしょげるシロの言葉に固まる横島。

「で、デートって・・・・デートだったのか?」

(俺はシロのストレス解消につき合わされてるだけと思ってるんだが・・・・)

「タマモが言ってたでござる、二人っきりで何度もでかけるのはデートだと」

(・・・・あいつもまだまだ社会勉強がたらんな)


この後、横島自身デートのものさしがわかっていないため、とりあへずの否定だけをして話題をご飯の事にしてごまかし家に帰っていった。


「ただいまでござる〜〜〜」

「なんだこの恐ろしい空気は・・・・・」

部屋には二人・・・・いや、二鬼の夜叉が待ちかまえていた

「シロ・・・あんたちょっといらっしゃい・・・・」

「シロちゃん・・・・こっちいらっしゃい」

「な、なんでござるか?!!」

「いいからいらっしゃい!」

「怖くないからね〜〜〜〜・・・」

呪縛ロープと神通棍を持つ美神に笑ってはいるがものすごい威圧感を放つおキヌ。

「い、いやでござるーーーー!!!!センセーーーーー!!!!!!」

「シロ・・・・抵抗するな・・・・・無事だけは祈ってやる・・・・」

「イヤでござるーーーーーーー!!!!!!」

助けを求めるが無情にも手を合わせて無事だけを祈る横島・・・・彼にはそれしかできなかった

「すまん!何もできない俺を許してくれ!!!!」

「イヤーーーーーー!!!!!」

哀れ・・・・シロは二人係で美神の武器庫に連れて行かれるのであった・・・・・。


「ああ・・・・しかし俺のメシはどうなるんだ・・・・」

空腹時にシロのサンポにつき合わされご飯を食べさせてくれるはずのおキヌの変貌・・・・彼のご飯への欲望はピークにたっしようとしていた。

「私が用意してあげようか?」

「ま、マジか?!」

「いいよ・・・・・今度キツネうどんおごってくれるならね」

「な?!ひ、人の弱みにつけ込むとは・・・・・」

「ふふっ・・・どうするの?」

この時彼の空腹はピークだった。

「・・・・給料日の後ならいいぞ」

「ほんとに?!すぐ用意するから五分くらいしたらきてね」

「ちくしょーーーーーっ俺の給料――――!!!」

横島の叫びを聞きつつ嬉しそうに勝ち誇った顔で台所に向かうタマモ。


(ふふっ、ちょろいわね・・・・後はおキヌちゃんが用意したご飯を用意すればキツネうどんゲット・・・・それにこれでヨコシマにちょっかいだすバカ犬の妨害する公然たる名文もできたし・・・・やればやるほど油揚げがもらえるし)ジュルリ


想像してよだれがとまらないタマモ。


(シロがヨコシマをサンポに誘うのも顔を舐めるのも妨害よねぇ・・・・・・・あのバカ犬!!!!ヨコシマは絶対わたさないわ!!!!!)


「タマモ〜〜〜〜〜そろそろできたか〜〜〜?」

「あ、うんいいわよ」

「あ、コレおキヌちゃんが用意したヤツじゃないのか?」

「い、いいでしょ別に用意したことには変わりないんだし・・・いまさら約束なしなんていわせないんだからね!!」

顔を赤らめながらそっぽを向くタマモ。

「わ、わかったって約束は守るよ」
(ドキドキなんてしてないぞ!俺はロリコンじゃない!俺はロリコンじゃない!!)

「ん♪だからヨコシマ大好き!」

横島に駆け寄り横島に飛びつくタマモ

「わっ、バカ!!」

急にタマモに抱きつかれあたふたする横島

「んん〜・・・・いい臭い・・・・・」

「そ、そうか?」

横島の胸板に顔を擦り付けるタマモ

「うん・・・安心する」

(ドキドキしてない!!ドキドキなんてしてないぞーーーーー!!!な)
(な、なんとか話題を変えないと・・・・・)

「そ、そういえばタマモ」

「なに?」

横島の呼びかけに少し彼から離れ、横島の顔を見るタマモ。

「シロにサンポのことデートとか言ったらしいがあれ間違ってるぞ」

「あれ?そうなの?」

「あれはただのサンポだ・・・デートなんてものじゃないぞ」

「ところでデートってなに?男女が二人で歩くのがデートじゃないの?」

「お、お前そんなことも知らずにデートってっていってたのか・・・・」

疲れたように言う横島・・・・動悸も激しく顔も赤い。

「生まれて間もないんだからしょうがないじゃない・・・・で?デートってなに?」

「デートって言ったらアレだよ・・・・え〜〜っと『逢引』ってわかるか?」

「ああ・・・逢引のことだったのね」

「そういうこと・・・もう食っていいだろ?餓死しちまいそうだ」

「はいはい召し上がれ・・・・・」


(でもね、ヨコシマ・・・・・・・・)


(二人でご飯食べに行くのって・・・・・・・・)


(立派なデートだよね・・・・・・・・・・・・・・・・・・?)


その後、腕を組み『うどん・そば屋』に入っていくバンダナを巻いた青年と金髪の女の子の姿が目撃されました。


女の子のほうは大層嬉しそうだったのは言うまでもない事実です。


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