横島クン、なんであなたはそんなに立ち続けていられるの?
愛しい人を失って、体も、心もぼろぼろになって、それでも笑いながら立っていられるの?
昔のあんたは、すぐに逃げて、物陰に隠れて、ひたすら応援するだけだったのに。
ルシオラとの出会いがあんたを変えたのね。
彼女を呪縛から解き放つために、いつもならすぐに逃げ出すくせに、絶対に退かないで、最後まで必死に戦って、戦って、戦い抜いて、いつの間にか私に追いついて、追い越して、それなのに彼女を助けられなかった。
それからね、あんたがどんなに傷ついても倒れなくなったのは。
どんな強力な攻撃を受けても、片ひざすら付かず、私たちを守れたことをうれしそうに笑う。
私たちは傷一つついていないのに、あんたはぼろぼろ。
それでもあんたは笑い、守れて良かったという。
きっとルシオラを守れなかったことが、彼にそんな行動を取らせるのかもしれない。
彼は今日もぼろぼろになりながらも、立ち続けた。
横島クン、何でつらそうな顔をしないの?
何で助けを求めないの?
そんなに私たちは頼りないの?
お願い、もうそんなに立ち続けないで。
辛い顔をして!
助けを求めて!
私たちをもっと頼って!
あんたが、辛そうにしてくれなきゃ、私は支えてあげたくてもあげられないじゃない!!
私たちが無事でも、あんたが倒れたら全然うれしくないのよ?
だから、もう無理して立ち続けないで。
あとがき
二回目の投稿になります。
何があってもすぐに復活して、立ち上がってくる煩悩魔人を令子さんの視点で、美化して書いてみました。
BON JOVIの「LAST MAN STANDING」という曲をイメージして書いたんですが、何か違う感じになってしまった気が……。
色々と修行していきたいと思います。