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▽レス始

「懸案事項666号(絶チル)」

枝垂桜 (2005-11-01 23:45)

 彼女たちは天使になるのか、悪魔になるのか
 それが、問題・・・なのか?


懸案事項666号


 「特務エスパー「ザ・チルドレン」は天使か、悪魔か?」
 それが、懸案事項666号でありバベルで私が取り組む事項でもある。
 局長いわく「彼女たちは世界を救う天使にも、滅ぼす悪魔にもなれる」

 確かにあの3人の能力は強大なものだ。超度7は伊達ではない。
 超能力が国際競争の鍵となる現在、国の宝と言うに足る存在だろう。

 だが、「比類なき存在」とは言えない。
 「現時点」で「国内」において「確認」されている超度7が彼女たちだけ・・・でしかない
 とも言えるはずだ。

 ひとつに、「現時点」ということ。超能力者は世界的に増加傾向にある。
 今後、彼女たち以上の深度の念波を持つ子供たちが生まれてきたとしても不思議ではない。
 例えば、トンネル事故での胎児。葵のテレポートの障害になるほどの念波を出していた。
 生まれてくればどれほどの瞬間移動能力者になることか。
 もちろん、潜在能力が潜在したままで一生を終える凡人が少なくない以上
 実際にあの子が能力を開花させるかは分からないわけだが、可能性は十分にある。

 ひとつに、「国内」ということ。1億2千万人に3人ということは64億人に160人ということになる。
 こんな計算は推計とも言えない適当なものでしかない。
 もちろん、どの国にとっても超度7ともなれば文字通りの秘蔵っ子で正確な数など分かりはしないが
 超度7の超能力者が日本国内の彼女たちだけがで国外に存在しないとは考えられない。

 ひとつに、「確認」ということ。兵部のような奴もいる。
 まぁ、奴の異能は別にしても連続殺人者であった警官の例もあるように定期検査は絶対ではない。
 未確認の超能力者の中に超度7の能力者がいてもおかしくはない。

 これらを考えたとき懸案事項666号は無意味になりはしないか?
 少なくとも適切な問いとは言えなくなる。
 彼女たちだけを対象にしても足りな・・・

 いやいやいや、そもそも兵部の奴が問題だろ。そこらへんどうなんだ?
 懸案事項111号とかでもうやってるのか?それとも、悪魔確定だからそれでいいのか?
 だいたい、あのエロジジイが・・・

 っと、本題に戻そう。彼女たちが天使か悪魔か問うのが適切かどうかだ。
 問題解決を困難にする原因は多くの場合、問題そのものの立て方が間違っているものだ。
 そう省みれば、この問いはいくつもの欠陥を抱えている。

 ひとつには、ここまで検証してきたように彼女たち3人に限定している点だが、
 まぁ、手のあるいは目の届く範囲の懸案から考察していくという点ではあながち間違っているとも言えないか。
 これは保留としよう。

 ひとつには、天使と悪魔の定義だ。定義も定まっていないものになるかどうかなど認識しようが無い。
 局長の言うところの「世界を救う天使」「滅ぼす悪魔」というのでは不十分もいいところだ。
 ここで定義する世界とはなんだ?あいまいに過ぎる。「愛は地球を救う」ぐらいに戯言だ。
 そもそも彼女たちは世界を救わなければならないのか?滅ぼさなければならないのか?
 「天使」か「悪魔」そのどちらかで無いとならないのか?
 私は彼女たちに大きな力を持つ責任を教える立場にいる。
 しかし、それは彼女たちに超人であることを強いるものではない。あってはならないと思っている。
 超能力者は超能力を使える者であって超人ではない。そして、超能力を使わなければならない者でもない。

 私には才能があった研究者としての才だ。そして、私は自分で選択して超能力研究を生業としている。
 だが、それは強制されたわけではない。別の研究をしていても良かったのだし、そもそも研究者でなくても良かったわけだ。
 彼女たちの将来もそうであって欲しいと思っている。才能は能力は未来の選択肢を広げるものではあっても狭めるものでは・・・ないはずだ。

 彼女たちが「天使」か「悪魔」か答えは既に出ているように思う。
 少なくとも私たちが、いや私が目指すべき未来なら出ているように思う。
 それは、「そのどちらでもない」だ。

 懸案事項666号確立変動値が既に指し示しているではないか。
 彼女たちの未来は「天使」か「悪魔」しかないとの仮説においてあの数値を見るから不完全な予知として見えるだけだ。

 仮に少佐の予知が当たっていたとして・・・いや、全力を持ってあんな未来は来させやしないそう思っているが、
 それはおいて、あの予知イメージの中の薫は「悪魔」だったか?あんな死に方を・・・殺され方をする「悪魔」がいるか?
 確かに「天使」ではないが、「悪魔」でもない。あれは「人間」だ。ひどく人間くさい死に様だ。

 彼女たちはどこまでもいつまでも人間だ、その認識に立たなければならない。そこから外れてはならない。
 その中で彼女たちが、それを包む世界が少しでも穏やかであるように全力を尽くすのだ。
 それが、子供たちに対する大人の責任というものだろう。


「おーい!皆本〜。おっきろ〜。」


 さて、今日も大人の責任を果たすとしよう、ガキ達の未来への責任を。


あとがき

覚えている方がいらっしゃいましたら、お久しぶりの枝垂桜です。
 いやぁ、こーめい様の良作が投稿された直後ですので間をとろまいかとも思ったのですが、
勢い任せに投稿してしまいます。雑文ですが読んでいただけたらうれしいです。


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