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!警告!壊れキャラ有り

「横島居候物語(GS)」

寺仕様 (2005-09-06 06:21)

簡単な仕事のはずだった

初めてのターゲットは、ただの女のはずだった

共に行動していた男達は完全に行動不能

切り札すらあっけなく破られた

ただの女のゲンコツひとつで…


       横島居候物語     そしてベリアルは星になった


ベッドの上では一人の少年が眠っている。

一人で眠るには大きすぎるベッドの上で、安らかに眠る少年。

彼の名は横島忠夫。

 本編と同様に…いや、それ以上に特殊な環境にいる高校生である。連日のアルバイトの疲れもあってか、彼の眠りは深い。そんな彼の部屋の前に、一人の人影があった。褐色の肌、長い癖のある黒髪、抜群のプロポーション。家主であり、義姉でもある彼女は名を、小笠原エミといった。


スッ


『たっだおくん〜貴方のおねえちゃんですよ〜』

 音も立てずに部屋の中に忍び込んだエミは、満面の笑みを浮かべてベッドの少年に抱きつく。

「ん〜〜〜〜♪」


 どこか身体に違和感を感じて、目を覚ます横島。

「……ん?」

 右半身にしがみつく義姉発見。

「…ん?ん?」

 穏やかな寝顔で、幸せそうに自分の腕を抱いている義姉に横島困惑。

「ん〜、むにゃ。」 ギュ

「ぎゅって!む、胸が…エミねえ…ってチガ〜ウ、違う、違う」

「ん〜〜ただおくん…うるさいの…」 ギュ


『あぁ…夢か…そうだよな…ピートの事が好きなエミねえが俺に抱きつくわけがねえもんな…でもいい夢だ』

 なにやら自己完結した横島。この幸せな夢が終わらないことを祈りながら、彼は再び瞳を閉じる。


「おやすみ、エミねえ」

「…おやすみなさい」


大事な家族、義姉と義弟の二人だけの空間…

出会った頃は考えもしなかった、幸せな時間…


始めはお金のためだった

彼の面倒を見るのはお金のため

いつからだろうか

自分がもう独りじゃないことに気がついたのは

いつからだろうか

彼が傍にいないと不安になる自分に気づいたのは

いつからだったろうか

大事な大事な弟に悪い虫が寄ってくるようになったのは…


 窓の外からはすずめの声が聞こえてくる。エミと横島が住む、高級マンションの寝室にも朝の光が差し込んでいた。


「…横島クンが来るのが遅いから迎えにきてみれば」


 彼女の名は、美神令子。横島のアルバイト先の所長であり、彼にとってはもう一人の姉と呼べる女性である。


バチッバチバチッ


「エミ…フフフ…ずいぶんと舐めたマネしてくれたわね…」


 発する莫大な霊力に負けて、鞭のようにしなる神通棍は、とてもとても綺麗だった。


△記事頭

▲記事頭

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