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「仮面ライダー K 8(GS+仮面ライダーシリーズ)」

あんでぃ (2005-08-28 12:38/2005-08-28 12:57)

「うわあああ!」
「シロちゃん!」
 乗っていたオートバイから振り落とされるシロ。おキヌが駆けつけてヒーリングを始める。それにしても凶悪なデザインのオートバイだ。古生代の甲冑魚を思わせる。
「人狼の力でも無理か」
 腕を三角巾でつった西条。ほかにも包帯だらけの雪之丞やピートがいる。
「カオス!あんたまた失敗したわね!」
「何を言うか、このジェニー、カオスジェノサイダーはマリアを超えるわしの最高傑作じゃ。何せ予算が違うからの」
「誰にも使えないんじゃ失敗作とおんなじよ」
「おかしいのー、ほかのやつはともかく、美神に使えないとは」
「どういうこと?」
「いや、どうせメインで使うのはおぬしじゃと思ったからの、ジェニーの人工魂のモデルをお主にしたんじゃよ。似たもの同士ならウマが合うじゃろ」
 一同それを聞いて凍りつく。
「なんてもんつくるんですかーーーー!」
「そんな凶悪なもん使えるわけないだろ!」
「美神さんの性格した破壊兵器!」
「あんたら〜」

 仮面ライダー K  第8話 疾走する殺戮者

「俺ももう引退かな?」
 木村将はごちた。彼はいわゆる暴走族の総長である。しかし最近暴走族も下火になってきた。一昔前の漫画に出てくる暴走族にあこがれ走り出した彼だが、時代が変わったのかと思うとやりきれない。
「うん?」
 なにやらメンバーが騒いでる。自分たちの集会に女が紛れ込んだというのだ。
「なんだなんだ」
 大柄な黒人の女だ。モデルだろうか。
「お前たちでいいか」
 その女、G・O・D陸軍司令官アンリは言った。
「なんだあ?」
 アンリに手を触れようとしたメンバーが壁にたたきつけられる。
「何だこの女」
「ぶっ殺せ」
 いきり立つメンバー。
「できるかな、お前たちに」
 足元のアスファルトをぶち抜き、蟻とも人間ともつかない影が無数に現れる。
 もうそれは喧嘩ではなかった。蟻兵鬼による暴走族への一方的な暴行だった。手足を折られ身動きができなくなり、穴に連れ込まれる暴走族。バイクも一緒だ。そして最初に壁にたたきつけられたものとアンリを除き誰もいなくなった。
「おや、首の骨が折れているな。もったいない」
 唇をなめるアンリ。何を思ったか服を脱ぐ。

 バキガリグチャグチャガリガリガリガリガリガリ
 不気味な音が響く。
「ふう」
 満足そうなため息をつくアンリ。その腹は風船のように膨らんでいる。
「う、くく、うぐ〜」
 アンリの下腹部から新たな蟻兵鬼が誕生した。

 Evil率いるG・O・Dは今まで神族魔族の干渉を避けるため小規模な作戦を繰り返すのみだったが、その干渉が時間の問題となった今、大規模な作戦を同時進行させる方針に変えた。組織が拡大し、人手が増えたことで可能になった。

「この間はうちの犬たちを助けてくれてありがとう」
 CJ、本名根岸大治に頭を下げる偽名赤木大樹。
「きにするな」
 ハンバーガーショップの店長は頭を抱えた。いわゆるイケメンが二人店に入ってきて、女性客の目が変わり、外からも二人目当てで新たに入ってくるものもいる。しかしその二人の一見和やかな、しかしその実険悪な雰囲気に恐れをなし、また一人、また一人と席を立つ。
「今日はせっかくのかきいれどきなのに」
 今日はこの店の看板娘とも言うべき少女、花戸小鳩の出勤日だ。彼女が来る日はお客の入りが違う。彼女自身の魅力もそうだが、彼女についてるわけのわからないものが実は福の神らしい。
「なー、店長、これはどうや、小鳩バーガー試作品16号や」
 とてもそうは思えない。特にこのまずいハンバーガーを作ってきた日には。
「あれだけ失敗してまだ懲りないのかね」
「今度は自信作や、ゴーヤチャンプルーに、イチゴ、アジのたたきとごぼうをはさんだんや」
「やめい!」

「どうした、赤木」
 いきなり机に突っ伏した赤木に声をかける根岸。
「いや、なんか疲れたような、懐かしいような」
「?まあいい、今日来てもらったのはだ、お前の意見を聞きたいからなんだ」
「めずらしいな」
 赤木ははっきり言って、根岸が嫌いである。自分よりいい男だからではない。この男は脳を食らうことでその持ち主の力を自分のものにできる。そのことについて嫌悪感はあるが、非難する気はない。自分の手のほうが汚れている。気に入らないのは、自分に敵を倒させ、その脳だけを奪っていくこと、すなわち自分に火中の栗を拾わせ、その栗をただで食べることである。
 つまり自分を一方的に利用しているものが相談を持ちかけてきたのである、これは確かに珍しい。
「まあ、これをみてくれ」
 その週刊誌には暴走族の抗争について書かれている。
「暴走族か、最近聞かんと思っていたが」
 軽い気持ちで記事を読む。その目が一文で留まる。
「抗争相手を拉致する?正体不明の暴走族マッドドッグねえ」
「誰かに似てないか」
「連中のやり口とは思えないが」
「方針を変えたのかもしれない。先日美神令子にばれたんだろう、その存在が」
「なるほど、もうちまちまやってる場合じゃねってか」
「その辺の確認をしたいんだよ。元はやつとひとつだったお前に。横島」
 気温が数度下がった。
「その名は捨てた」
「前々から気になっていたんだが、どうしてそう本名を隠したがる?」
「もう、横島忠夫が生きる場所なんてないのさ。この世には」
 赤木の脳裏に、顔を変える前の、悪夢の日々がよみがえってきた。問答無用で金のために自分を殺そうとする賞金稼ぎたち。手配書を見て化け物とののしる人々。
 何よりショックだったのは、自分が魔物とされたことによる周囲の人への影響だった。魔物が通っていた学校。魔物が住んでいたアパート。何より魔物が雇われていたゴーストスイーパー事務所。人々の正義を気取った悪意が自分と親しかったものたちを襲ったことを逃亡先で少なからず耳にした。魔物になったのは、アシュタロス事件の際、敵中に潜入するためのやむをえない措置だったと偽りの発表がされ、やっと沈静化したほどだ。それでもなくなったわけではない。学校の友人の中には彼を憎むものまでいるという。
「いまさら帰るわけにはいかねーよ。合わせる顔がない。かなわんよな。無実だとわかっているし、それが証明されてるのに意味がねえんだから」
「何で人間に愛想を尽かさないか不思議だな」
「基本的にお人よしなんだろ」
 だからお前にも利用される、と匂わせる。
「しかしお前の分身はそうではない」
「あいつといっしょにするな」
 二人の間で殺気が高まる。はじける寸前根岸が引く。
「やめよう、お前と戦っても何の得にもならん」
「そうだな」

 このとき根岸はともかく赤木は気づかなかった。物陰から仮にも彼の妻だった少女が様子をうかかがっていることを。

「それでどうする」
「とりあえずマッドドッグとやらを追ってみるさ。それとタレコミだな」
「タレコミ?」
「連中が警察の幹部を抱きこんでいるのはどうやら確かだからな。たぶん美神さんたちには情報が伝わってないはずだ」
「美神さんね」
 この間までは名前を出すのもいやな様子だったのに何かあったのか?
「あちらにも捜査して貰うさ、何せこちらには機動力がない」
「確かに」
「まあ、ただの暴走族なら普通の警察で何とかなるだろうが」
「あまい、暴走族なんて出世につながらないから誰もやりたがらない」
「税金泥棒め」

 その晩早速動きがあった。
 なんとオカルトG面の要請に一般の警察が動いたのだ。
「オカルトのプロをなめたらだめなワケ」
 わら人形片手に満足そうなエミだった。
「何をやったんだ、あの人たちは」
「おまえ、よくあんなのといっしょにいたな」
 隠れて様子を見る赤木と根岸。珍しく共同戦線を張る二人、もっともお互い必要なら見捨てる気だが。
「何をやっている貴様ら」
 警官に見つかった、しかし根岸は動揺しない。
「は、申し訳ありません警部補殿」
「いいか、気を抜くな、遊びじゃねえんだぞ、女のけつなんか見てよだれたらしてるんじゃねえ」
 根岸を新米刑事と思い込んで立ち去る警部補。
「そんなに演技力あんのに、なんで売れなかったんだ、お前」
「華がなかったのさ、役者としてのね。それでもよかった、それでもよかったんだ」
 赤木を憎悪の目で見る根岸。赤木ではなくEvilを見ているのであろう。

「きたぞ!」
 誰かが叫んだ。十台の黒ずくめのバイクが二人乗りで走ってくる。
 後ろに乗っていたものが立ち上がり空中に飛び上がった。そのまま落下するようにキック攻撃。
 パトカーが火達磨となる。
「うてええ!」
 射撃命令が下る。命中。
「ばかな!」
 命中した弾丸が体内から排出される。まったくダメージを与えていない。
「これならどうだ!」
 西条が撃つ、さすがに銀の弾丸は効くようだ。
「なんてこった、やはり化け物か、退避!後はオカルトGメンにまかす」
 だがその退避命令は遅かった。炎の中をバイクが突っ込んできた、
「うわああ!」
 眼前に迫り来る車輪を見て悲鳴を上げる刑事。もはやこれまでと観念した瞬間銀色の背中が目の前に聳え立つ。
「どりゃああああ!」
 両手に持った巨大な剣でバイクを一刀両断する。乗り手は飛び跳ねて逃げた。
「あ、あんたは」
「Kと呼べ、それがわが名だ」

「あれは」
 Kの姿を見て戸惑う美神。自分の知るそれと比べ一回り筋肉が厚く、全身に銀色に輝く鎧をまとっている。
 Kの特殊形態のひとつヘビーKである。動きは遅くなるが怪力を誇る。
 今回最悪の場合、バイクの突進を体で止めるつもりで二段変身したわけである。
 バイクから降りた黒いライダースーツたちがKをかこむ。大きな口が閉じるように一斉に飛び掛る。そのキック攻撃がすべてKに命中。一瞬ぐらつくK。
 しかし次の瞬間圧倒的な質量を持った鋼の疾風が彼らを一掃した。地面に紫色の輪が描かれる。
「いかんにげるぞ!マリア、ジェニー、追え!」
 どうやら今死んだものたちは最初から仲間を逃がす捨石のつもりだったらしい。バイクに乗ったままのものは逃亡を始めた。
 ロボット少女は敵を追う。しかし凶悪な武装バイクは沈黙して動かない。
「くそ!何をへそ曲げとんじゃ、こいつは!」
「私が行くわ!」
 ジェニー、カオスジェノサイダーに飛び乗りエンジンを動かす美神。しかし出力を抑えることができず、吹っ飛ばされる。
「きゃああ!」
 美神を受け止めるK。通常の赤い姿に戻っている。
「よ、横島君」
 乱暴に美神をおろし、ジェニーにまたがるK。
 ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ
 獣が絞め殺されるようなエンジン音を出して走り出す、ジェニー。

「こ、こいつ」
 カオスジェノサイダーはKの思うとおりには動かない。ひざを路面でする、ガードレールに肩をこするなんてしょっちゅうだ。自分でなければ振り落とされているだろう。
「くそ、とんだじゃじゃ馬だぜ、こいつは」
 しかしそのうちに慣れてきた、どのようにパワーを制御すればいいかわかってきた。
 同時にエンジンの音も変わってきた。オペラ歌手が歌うような響きのいい音になった。
 それはまさに歓喜の歌だ。彼女はやっと出会えたのだ、自分の力を引き出せるパートナーに。


 すみません、前回の登校の途中で急用ができ尻切れトンボに終わってしまいました。前回の投稿を修正しようとしたのですがパスワードが効かず断念しました。そのため今回新規投稿いたしました。7話から続けてお読みの方、NEXTが使えず申し訳ありません。

 TF様、いつもありがとうございます。西条が左遷されたというのはオリジナル設定というより自分の持論なんですがどうでしょうか?

 THAT様、ありがとうございます。

 裏裏様、ありがとうございます。CJについてですが、あれはカリス・ジョーカーではありません。Jはたしかにジョーカーの頭文字ですが、Cは動物の名前の頭文字です。何の動物か考えてみてください。ヒントは緑です。


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