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▽レス始

「お泊りの日の惨事(GS)」

偽バルタン (2005-08-22 02:20)

・『帰り道』『熱帯夜』から続いてます。


困難だとか、トラブルだとか…そーゆーのは突然、何の前触れも無しに降りかかってくる物だ。
…オレ自身、そんな事は過去に嫌ってゆう程に経験し、骨身に染みて解っている。

でもやっぱり、いざそんな予想外の出来事に直面してしまった時…ヒトは意外に何も出来ない。
頭では理解していても、身体の方がついていかずに、咄嗟に動くコトが出来ない。


「…ぁ〜…」


そう…オレは今困っている。
突然の予想だにしない出来事に見舞われて…非常に困った事態へと陥っている。


「う…うぐ……うあぁぁ〜…」


ぐしぐしと鼻をすすりながら、泣きじゃくる少女…パピリオの事を前にして。


お泊りの日の惨事


SIDE:横島

夜明け前……空が薄らと白み始めたその頃。
オレは奇妙な感触に、浅い眠りから引き起こされた。

そして…


「ぱ、パピリオ!?おまえ…まさか…」

「うッ!?よ…ヨコシマ…これは…」


…妙にキモチ悪く冷たい感触、そしてほんの微かな異臭…

目の前で起こっていた事は…思わず泣きたくなってしまう程に、無常でそして残酷な…
最も、それはオレではなく“パピリオにとって“という事でだが。


「…ぁ〜…」

「う…うぁ…うぅうあ〜んッぅ…ぅ…ぅぅ」

「…あッ…パ、パピリオ?」


泣き出してしまった…いや、泣かせてしまったのか。
その可愛らしい顔をくしゃくしゃに歪め、ぽろぽろと涙を零すパピリオを前にオレはかける言葉も無い。
…オレが悪いのだろうか?
や、どちらかとゆうと此方のが“被害者”と言えなくも無い様な…

しかし、オレの無思慮な言動がパピリオの事泣かせてしまう、その原因となってしまった…らしい…というのもまた事実。


「うッ…うぅッ…うぇ…あ…ぁ…」

「え〜と…その…しょ、しょーがねーよこれは。お前まだ小っさいんだからさ?な?」


『もうヤダ』とか。
恥しくて情けなくてキモチ悪くて哀しくて…消えたいとか、死んじゃいたいとか…

パピリオのヤツ、きっとそんな事を考えてる…何となくだがオレには解る。
なぜならば、オレもまた同じ様な“経験“を、過去にしたコトがあるのだから。

…或は、それは恐怖感。
叱責…仕置き…嘲笑…侮蔑…
目の前のこのオレからの仕打ちを思い、彼女はそれに恐怖している…その可能性も高いだろう。
無論、オレはそのどれも大事なパピリオにする気は無い。


「うぁ…ぁ…ひぃ…ぇ…うぐ…う…うっ…」

「そ、それにな、ほらオレ全然怒って無いぞ?な?」


しかし、それが解った所でどうにかできる訳でもない。
どーすればいいというのか?
パピリオの涙を止める術なんて…オレなんかが知るわけも無い。

故に…


「うあぁ…ひ…ひっ…うぐ…ぅ…」

「あ〜その…だから…泣くなよパピリオ…」


オレにはこうやって、泣き続ける彼女を慰める位しか出来る事は他には無い。
…他に今のパピリオに、このオレがしてやれる事なんか解らないし思いもつかない。

全く…なんて情けない。自分のバカさ加減がイヤになる。
しかし…


「ぅ…ぅ…ぅ…よ、ヨコシマぁ…」

「あーよしよし…」


不器用なりに一生懸命に慰めた、その努力が実ったのか。
パピリオは、漸く…ほんの少しだけれど落ち着きを取り戻してきたようだ。
その泣声が小さくなってきた気がする。

…しかし…


「ぅ…ぅ…ぅ…」

「だからよ、その…な?」


…それなのに…


おねしょしたぐらいでそんな泣くなよ?

う゛ッ!?…
あ゛…ぐ…う゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーん!!

「のおっ!?」


…愚かにもオレは思いきり地雷を踏ん付けてしまった。
パピリオ折角鎮火しかけていたのに、思いっきり再点火。
あ”〜…折角泣き止みかけてたのに…
でも…考えてみればそりゃーそーだ。
“おねしょ”だなんて…いちいちオレから言われなくとも、そんな事ぁしちまった本人が一番よく解ってる。
この上更にそのコトを、穿り返されたくなんか無いよな。
そっとしといて欲しいよな。

だってのに…
本当にオレってヤツは…何て愚か者なんだろーか…(涙


「ヨ゛ゴジマ゛のばかぁぁぁぁ〜〜〜!!」

「す、スマンッ、何だか知らんが兎に角スマン!!このとーり謝るから!頼むから機嫌直して!泣き止んでくれ!!御願いしマス!!」


ヘコへコと、土下座までするも効果は無く…パピリオは、大声で泣き続ける。


寝る前に、ちゃんとトイレに行かせなかった…それが悪かったのだろうか?
暑いからってかぱかぱと、ジュースのがぶ飲みを許した所為か?
昨日遊んだ市営プールでおなかを冷やしたのだろーか?
まさか、もしかして帰ってくるときの“のーぱん”が原因だったりはしないよな?

しかし…今更何を悔やんだ所で、最早全ては手遅れで。
パピリオの身に付けているシャツとショーツは、お漏らしの所為でべっちゃべちゃ。
そんな彼女に抱きつかれていた、オレだって似たような有様で。
だから当然、一緒に寝ていた布団はもっと酷い事になっていて…
大きく広がったその濡れ染み…何て見事な“世界地図“…ん〜このカタチは南極大陸か?
クッキリと、自分のおねしょの痕の残った布団の上に座り込み、ぴーぴーと火がついたよーに泣き叫ぶパピリオの事を前にして、オレは途方にくれるのだった…


「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛〜〜ん」


…や、泣きたいのはこっちの方だって…


終り…


後書き
パピリオ位の歳(実年齢じゃなく精神年齢)なら、まだおねしょとかやっちゃいそうな気がするのですが…無理がありましたでしょーか?
でも書きたかったんです…パピリオのおねしょネタ(爆

こんなんですが、ご感想・ツッコミ等頂けると幸いです。


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