横島忠夫は苦しんでいた
うう・・・・・・うう・・・・・
魘されていると言ったほうがいいだろう、今の時間は深夜の4時、
場所はもちろんいつものアパートの部屋だ。
ううう・・・・・うううう
痛いのだ、体の節々がまるで筋肉痛をおこしているような痛み、たしかに美神の除霊は厳しいものがある、、、しかし横島の年齢また健康状態からいって今まではありえなかった。なのに何故?
翌朝痛みはウソのようにひき横島は晴れ晴れとした感じで部屋を出る、
横島自身ただの筋肉痛と思っているため美神たちにも話していない。
でもさすがに隣の部屋に住んでいる小鳩には筒抜けらしく、
「横島さん最近魘されているようですけど大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ、単なる筋肉痛だから」
「気をつけてくださいね、筋肉痛だって馬鹿にはできないんですよ、小鳩は心配です」
いい子だな〜
横島は心底そう思う。
「心配してくれてありがとう、あまり無理しないようにするよ」
「・・・・はい」
頬を赤らめ小鳩は言う。
横島はバイクに乗り走っていく、その光景を小鳩はいつまでも見ている。
其の頃妙神山では
「やはり変なのね〜〜」
と伸びたような声を出すのはもちろんヒャクメ、今休暇で小竜姫の所に遊びに来ていた。
「こらっヒャクメっまた誰かを覗き見しているのねっあんたって本当に・・・・・・で何が変なの?」
ずるっ
ヒャクメのみならずその場に居たパピリオまでずっこける。
「こほんっ実は今横島さんのこと見てたのね〜そうしたら体に異常が見られるのね〜〜」
「「えっ?ヨコシマ」さん」
小竜姫とパピリオの言葉がはもる。
「どう異常が見られるって言うの?」
「う〜〜ん詳しく見てみないとわからないだけど、人間のそれとは違う状態になりつつあるのね〜今日にでもここに呼んで詳しく調べた方がいいのね〜〜」
「えっ!」
「ヨコチマがくるでちゅか?」
小竜姫とヒャクメの心配を他所にヨコシマを呼べると聞いて喜ぶパピリオ、だが一体横島の身に何が?次回を待て!!!!・・・・・・・
えっ終わるの早いって?しかたないもう少し続けます(笑)。
一方地上では
美神一家が悪霊と戦っていた、、、いや、悪霊というより魔族、
二年前アシュタロスは死んだがその残党及び地上に惹かれた魔族が出現するようになった、もちろんこういう事件はGメンの管轄となるのだが、Gメンでも手に余る事件が美神達のような民間のGSに依頼されることが多くなった。
今現在、横島は高校を卒業し美神事務所の正社員となっている、美神はそのため破格の給料を横島に払わなければならないのだが、Gメンの依頼料の方が高額なため美神自身はほくほくしている。
美神とシロは前衛、オキヌとタマモは後衛で主な指令は美神が出すが横島には自由が許されている、経験をつんだことでわかったことなのだが、横島には状況に応じて変動する戦い方が合っているようなのだ、昔はよくこれで失敗し叱られたが今現在は逆に敵が予想も付かないような戦いを見せている、その余韻はアシュタロスの乱の時にもあったが。
「追い詰めたわよ!魔族ルヴィ!宝石の中に隠れてそれをはめた人間を食う、今日こそ私が極楽に送ってあげるわ!」
まるで誰かに説明しているようなセリフの美神(笑)
「ふんっ我々魔族は人間の負のエネルギーを欲する、私の好みは女性の自己顕示欲や独占欲が好物でね、女ってやつは宝石に弱いからな、すぐにコロッと俺の虜になり色々やってくれたよ」
こいつも説明的だ(笑)
魔族ルヴィのとりついた宝石は人間、特に女には魅惑的に感じそれを手に入れるためならばたとえ親兄弟恋人すら平然と殺していった、まるで麻薬のように、そしてルヴィは宝石の中からそれを笑いながら見ていたのだ。
「この〜〜」
神通混を握り締める美神だがそれ以上に怒りを見せる者がそこにいた。
シロの側に立っている青年横島忠夫。
(!!!)
「シロっ後退してっタマモとオキヌちゃんは結界を」
「わかったでござる」
「OK」
「わかりました」
すでに息の合うチームとなっているためツーと言えばカーだった、怒りのオーラを放っている横島を置いて三人は後退し結界を張る。
「てめぇ女を一体なんだと思っている!!、貴様のエサじゃないんだぞ!!」
怒りのオーラを放つ横島、本来ならここで暴走するはずなのだが霊気は安定している。
「ふんっ何度も言ってやる、俺にとって人間の女など操り人形のエ・・・・・・え?」
操り人形の何かと言いたかったのだがそのセリフは最後まで言えなかった・・・・・・・なぜなら。
まっぷたつ
どうやったのか知らないがそれが魔族ルヴィのあっけない最後だった、
横島は身動き一つしていない、サイキックソーサーも栄光の手も文殊も出していない。
「フンッ」
横島は一瞥すると美神達の所へ。
「お疲れ様、横島君」
「今日も凄かったでござる、先生」
労いの言葉をかける美神とシロ
「横島っこれ」
缶コーヒーを手渡すタマモ、少し頬が赤いが。
「横島さんお疲れ様です」
横島にタオルを持っていくオキヌちゃん、何だかボクシングの後みたいだ。
「ありがとう、皆」
ニコッと微笑む横島はタマモのくれたコーヒーを飲む、そのため一瞬全員顔が真っ赤になったのを見過ごすが。
「でも今日の魔族はムカつくわね〜〜全ての魔族があんなのじゃないんだろうけど、最近妙に魔族の品が落ちてきたわ」
タマモがボヤク
「たしかにね、でも逆に魔族の力は上がってきているみたい」
「まさか?美神さん」
オキヌのはっとした言葉に美神と横島は考える、
「まさか新しい新興勢力が?」
と横島
「うん考えられるわね、アシュタロスと同じ考え方とはいかなくても力を強い魔王クラスが動けばおのずと魔族の勢力は活性化するわ」
ズキッ
(なんだ?心臓が)
突然横島が胸を押さえる
「どうしたの?横島君」
「横島さん?」
「先生?」
「ヨコシマ?」
「いや・・・・最近筋肉痛が激しくて、、、、、いつも夜来るのに、、、、、」
ズキズキズキ
「ぐわぁぁ〜〜〜〜」
胸を掴みながら倒れる横島、
「「「「よこしま」さん」先生」君」
横島に駆け寄ろうとする四人、すると横島の体が膜のようなものに覆われる。
「横島さんの肉体を一時停止させました」
後ろから声が、皆が振り向くと小竜姫が立っている。
「「「「小竜姫様」」」」
小竜姫は固まった横島をお姫様のように抱いて
「話は後です、今は横島さんを妙神山へ」
「わかったわ、私達も同行していいわね」
「いいですよ、では後で」
横島を抱え空へ飛ぶ小竜姫。
美神達は最近移動手段として使っている魔法の絨毯に乗る。
この魔法の絨毯は先日厄珍の所からくすね、、もとい、、手に入れた物で周りには魔法障壁に包まれ最高速度マッハ1、5まで出せる優れものだ。
「横島君」「横島さん」「先生」「ヨコシマ」
四人は横島の心配をしながら後を追う。
妙神山
小竜姫によって運ばれた横島は集中治療室のような所でヒャクメの精密検査を受けていた。
「それで、どうなの?」
「横島さん何かの病なんですか?ここに連れてきたってことは人間では治せない病気とか」
美神とオキヌが小竜姫に言い寄る、
「今それを調べているところです」
小竜姫は淡々と言うが内心は小竜姫も心配で胸が張り裂けそうになっている。
シロとタマモとパピリオは横島の側に、そして横島は体中にコードーを貼り付けられヒャクメがノートパソコンで物凄いスピードで調べている。
「これは!肉体が変化しているのねっ今の横島さんはもう人間じゃないのねっ」
「「「人間じゃない?!」」」
すぐ側にいたシロとタマモとパピリオが鸚鵡返しに言う。
少し離れたところにいる美神たちにもそれは聞こえた。
「人間じゃないって、なんでそんなことが・・・・・・まさか前に聞いたルシオラのことと」
タマモは美神たちに視線を移して言う、シロの顔をちらっと見るとシロは黙っている、そしてシロも視線を美神達に移す、美神は何か考えている。
パピリオはルシオラて言葉に反応するがずっと横島の顔を見ている。
今から一年前ふとした事件がきっかけで妙神山にシロとタマモを連れて来た、その時パピリオと引き合わせ横島はタマモとシロにアシュタロスとの戦いのことやルシオラのことを話していた、それは二人に話すことで自分と言う人間を理解してほしかったからだった、それがキッカケで事務所の団結力が高まった。
美神とキヌと小竜姫もやはりルシオラの因子がなんらかの原因ではないかと考えていた、人間の魔族化それも覚悟していた、だがヒャクメの答えは。
「違うのね〜ルシオラさんの霊気構造は安定しているのね〜〜」
「「「「「!!!」」」」」
意外な答えであった、小竜姫ですら原因はルシオラの魔族因子が拒絶反応をしめしているとばかり思っていたからだ。
美神、オキヌ、小竜姫の三人は横島の側へ駆け寄る。
「ヒャクメっどういうこと?説明してっ」
美神が叫ぶ。
「結論から言うと横島さんの体は神族でも魔族でもない『何か』になりつつあるのね〜原因はわからないしその『何か』になるのを防ぐ方法もわからないのね〜〜その『何か』が予想できないのねっ怪物になるかもしれない」
「「「「「そんな!!」」」」」
「ぐおおおおおおっがぁあああああああああ」
横島が苦しみ始めた。
美神達は横島の苦しみを少しでも和らげようとするが。
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
「キャッ」
「「「「「きゃあああああ」」」」」
「一体何が?」
「これは?」
美神達は数メートルも吹っ飛ばされていた、
フッ飛ばしたのは横島から発する異常なほどのオーラの嵐、
先ほど魔族を倒したのもこの力なのだがあの時と違い今は暴走している。
横島の体がオーラの嵐に包まれ見えなくなる。
「いてて・・・・凄い力なのね〜」
ヒャクメも吹っ飛ばされていた、ノートパソコンも壊れている、今横島の周りには誰も近づけない。
「横島君・・・・そんな」
「横島さん・・・嫌〜〜〜」
「先生〜〜〜〜」
「ヨコシマ!まだ好きだって言ってないのに」
「横島さん」
「ヨコシマ」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
どのぐらい経っただろう時間にして数時間後嵐が止んできた、美神達は寝食も忘れずっとそこに立ちつくしていた。
「嵐が止む、、、、、、」
美神がポツリと言う、ほかの皆は黙って見入っている。
シュウウウウウウウウウウウウウウ
嵐が止みその中心に『何か』がある、一体横島はどんな姿になったんだろうか、だが例えどんな姿になろうとも横島には変わらずに接していこう、皆はそう決心している。
『何か』がむくりと起き上がる、大きさは小さい、そこに現れたのは。
フワッとした黒い髪、大きくつぶらな瞳、サクランボウのような唇、一見すると5歳児の少年なのだがその体全体から発する妖しげな魅力はあらゆる『萌え』を醸し出していた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
唖然とする一同
「てへっこんなんなっちゃった」
それが可愛くなった忠夫くんの第一声だった。
「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・かわいい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」」」」」」
つつく
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あとがき
クリス「みなさんこんにちはっクリスと言います、作者、まぁ私にとっては生みの親ですが本来なら作者があとがきに出なきゃならないのに申し訳ありませんね。
まぁ私から言うのもなんですがヘタな文章で読みづらくてすみません。
この物語のタイトル「魔少年」もちろんこの魔少年と言うのは横島忠夫様のことです、ちなみに魔族の少年と言う意味ではなく魔性の少年と言うことになります、どう魔性なんでしょうね?
えっところで私は一体何者かですって?それは〜次回で明らかになると思います。
クリス「マスター待っててね、次こそ私が登場しますから、美神でもシロでもオキヌでも作者が個人的に趣味なタマモでもなくこのわたしがヒロインなのですから、待っててね、マスタ〜〜〜〜〜〜〜」
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