俺は今、ある女性の肖像画を完成させようと考えている。
そのために、その人の事務所兼自宅にやっかいになっているのだ。
その女性の名は『小笠原エミ』
なぜ、彼女の肖像画を描こうとしているのか?
これから、それを話そうとしているんだよ。
まぁ、力を抜いて聞いてくれ
女郎蜘蛛とトンボ
俺は美神さんに頼まれて、エミさんの事務所を訪問した。
黒魔術の秘伝書を借りていて、半年も返すのを忘れていたらしい。
ずぼらな美神さんらしいが、さすがのエミさんも怒るだろう。
俺はどうやらとばっちりを受けたらしい。
バスで1時間ほどの場所に、エミさんの事務所は存在する。
ちょっとしたリゾート地も顔負けの立地条件に立てられた事務所は、その日も忙しそうに客の出入りがあった。
俺が訪ねていくと、エミさんは快く迎え入れてくれた。
ここで、疑問に考えるべきだったのだと思う。
なぜ、こんなに簡単に迎え入れられたのか?
なぜ、タイガーやピートではなかったのか?
西条でもよかったはずなのに・・・・
「これ、美神さんがお借りしてたやつです」
「やっぱり・・・・令子が持ってたのね!!あの女、昔から借りたもの返さないんだから!!」
「はは・・・例えば?」
「精霊石の銃弾1ダース、白魔術関連アイテム5種類!!まだまだあるけど数え切れないわけ!!」
「あちゃ・・・・大変ですね・・・」
「でもね・・・・私も借りたいものがあるわけ。おたくよ・・・」
「はあ?!何を・・・あ、あれ?」
とたんに視界がゆがんだ。エミさんの顔をどんどんぼやけていくのと同時に、体の力が抜けていった。
「ふふ・・・紅茶にお薬を入れておいたの。無味無臭で効き目は抜群・・・」
「い、いったい・・・何のために?」
「それは目がさめたら教えてあげるわけ・・・・・」
気が付いたとき、俺は布団に寝かされていた。
ふと横に目をやると、大きな肖像画があった。
描きかけのそのモデルは、明らかにエミさんだった。
浴衣を背中半分ほどまで下ろした妖艶な美しさに、俺はしばし見とれてしまったいた。
「それは・・・・私が最初に付き合った人が描いてくれたわけ・・・ここはその人の屋敷」
「エミさん・・・」
「とてもいい人だった・・・私にはもったいないくらい。その絵を見てもわかるように、彼はいずれ日本画の世界を変革してしまうほど才能に満ち溢れていた。
でも、病気には勝てなかった・・・・・病気には・・・」
「・・・・それで、この肖像画を?」
「ええ・・・でも、その絵は未完成なわけ。だって、これが描かれていないもの」
そう言って、エミさんは服を脱ぎすてると背中を見せた。
そこには、『女郎蜘蛛』の彫り物が浮かび上がっていた。
「これ、特殊な彫り物で発汗温度が一定にならないと浮かび上がらないわけ。あの人がこの絵を描いたときは見えていなかった」
「・・・・・・」
「ねぇ・・・おたく、この続きを描いてくれない?」
「へ?」
「ねぇ・・・この私をすきにしていいから・・・・」
俺は彼女の色気に必死に逆らおうとした。
体から漂ってくる淫靡な香り、艶めかしい肉体が俺を誘っていた。
だが、逆らおうとすればするほどその肉体に手が伸びそうになった。
「ほら・・・ここも、こんなに硬くなったし・・・」
エミさんはその笑みを俺に見せたまま、俺の逸物を口に含んだ。
生々しい音を立てながら、舌で亀頭を丁寧に舐めまわす。
カリ首からスジを舌先でなぞる。
「さあ・・・忠夫さん・・・・」
その言葉に、俺の理性の糸は音を立てて切れた。
「え、エミさん!!」
「ああっ!!だ、だめ・・そんな、乱暴な・・・ああっ!!」
豊満な乳房を抱き寄せ、強く揉みしだくとエミさんの顔が少しずつ上気していく。
「ああ・・・いい!!いいわぁ!!ああんっ!!」
「じゃあ・・ここもいいですか?」
俺は彼女が興奮しているのをいいことに、秘所の入り口を指でこじ開けた。
「あうっ!!い、いやぁっ!!だ・・だめぇ・・まだっ!!まだ駄目なわけ!!」
「嘘をつかないでください!!こんなに濡らしておきながら・・・ほらっ!!」
俺はエミさんの膣の奥へ指を一気に侵入させた。
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
「気持ちいいんですね?」
「あ・・ああ・・・・」
俺は彼女の陰核を強く弾いた。
「ひゃっ・・・・!!くっうぅぅぅぅぅぅ!!いいっ!!もっ・・もっと!!もっと!!」
「それじゃあ・・・そろそろいきますよ・・・」
俺はエミさんの体を布団に寝かせると、逸物を彼女の有無を言わさず侵入させた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁあんっ!!はぁぁぁぁ・・・・お、おっきい・・・気持ちいい・・・・」
「じゃあ・・・もっと気持ちよくしてあげます・・・・」
俺は激しく彼女を突き上げた。淫靡な音が部屋に鳴り響き、嬌声に入り混じった快楽が二人をさらに熱く燃え上がらせる。
「ああんっ!!あん、あん、あん、あ・・・・あぁぁぁぁぁぁ!!も、もう・・い、いくぅ!!いっちゃうぅ!!」
「いいですよ!!俺も、ぐっ!!うぅぅぅぅぅ!!」
「あ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
熱いたぎりがエミさんの膣に吐き出されると、俺はエミさんとつながったまま気を失ってしまった・・・・・
しばらくして、俺は体の底から湧きあがる快楽のたぎりで目を覚ました。
目を開けると、エミさんが俺の上で腰を激しく振っていた。
「ああっ!!起きた?ああんっ!!気持ちいいっ!!太いぃぃぃぃぃっ!!」
俺はエミさんを見つめながら思った。
ひょっとしたら、エミさんの背中の彫り物はその恋人が彫ったのかも知れない。
恋人もまたエミさんの体におぼれたのだ。
さながら、獲物を捕らえて離さない女郎蜘蛛のようにエミさんは恋人を深く愛していたのだ。
そして・・・俺もまた・・・・
それから、しばらくして俺は美神さんの事務所をやめた。
理由は特に言わなかったが、エミさんの事務所に入るというと思いっきり噛み付かれた。
そして、あの肖像画を完成させることにした。
だが、この絵が完成することはないだろう・・・・・
この絵が完成してしまったら、あの美しい女郎蜘蛛は他人の目に触れてしまう。
許されないことだ・・・・
それだけは、絶対に・・・・・・
「忠夫さん・・・・・どう?」
「エミさん。ええ、やっぱり肌の色が難しくて・・・・」
「そう・・・じゃあ、またさわって確かめて・・・・」
俺は女郎蜘蛛に捕らえられた、トンボだった・・・・
終劇