これはもしも(IF)の世界。
こうだったかも、そうだったかもしれない世界
見つめてみましょう、彼の世界を
安らかな休日をIF 「父親」
彼は現在とても幸せだった。強大な“彼”との戦いが終わり、ようやく娘達との安らかな日々を過ごし始めることができたのだ。
「とと様~」
雪のように白い肌、白い髪を持った少女が彼に抱き付く。
彼は少女の名前を呼ぶと、ぎゅーと抱きしめる。少女は幸せな顔で顔をとろかせながら、なおも彼に抱き付く手を緩めない。
「「むー」」((複数))
どうも、他の娘達が父親に甘えている少女に嫉妬しているみたいだ。彼は其れに苦笑し
「ジャンケンで順番な?」
というと、彼女達は一斉にジャンケン対決を始める。
その間に、少女は彼にすりすりしたり、軽くキスしたりして甘えている。彼も其れに答えて、同じことをする
「アー! ずるいでござるー!!」
彼をもう一人の親のように慕っている少女も、抱きつき始めた。
其れを見て、他の少女達もじゃんけんをやめて一斉に彼に抱きつきだした。
「こらこら、つぶれちまうだろうが……」
そういいながらも、しっかりと彼女達を受け止めている。
とても幸せな風景、親と子供との団欒の風景
その仲には彼女にも似た少女の姿もあった。
少し……そう、少しだけうらやましく思えた。
しかし、彼も自分と同じように何も無くさずにここまでこれたのではないのだろう。自分と同じように何かを無くしながらもこの風景を作り出したのだろう。
そろそろ、自分の意識が遠のいていく。目覚めの時間みたいだ。
そう思うと、彼は自分の方に振り向いて
「 」
といった。
「タダオ……朝ごはん作ってよ~! 起きてってば!!」
「ん……んにゃ?」
眼を開けると、自分の妹分のタマモが自分の腹に乗っていた。
「タマモ……」
「なに?」
ようやく起きてくれて、食事がありつけるとおもっているタマモは上機嫌に答えた。
「お、重い……の、のいてくれ~!」
「……狐火」
ギャース!!という叫び声で横島家の朝は始まった。
仕事に遅刻すると思いながら、横島はこの買ったバイクでオカルトGメンまで急ぐが、今日に限って信号は赤によくなっていた。
「そういえば、あいつはなんていったんだっけな?」
声は聞こえなかったが、口の動きは覚えている。
「アレは…」
が ん ば れ よ
「……がんばれよ……か」
取りあえずはこの日常を無くさないようにがんばろう。取りあえずは仕事に遅刻しないように急がねば!!
「間に合えよ!!」
そう叫びながら、バイクを走らせる。
早くしないと、隊長のお説教で仕事が始まってしまうからだ。
これは一つの可能性
それは可能性の枝
その風景は一生来ないけど、それに近いものはできるから彼は一生懸命にがんばる。
あとがき
安らかな休日をは久しぶりな皇月です。
こんかいのIFは、平行世界の横島君ですかな?
安らかな休日をの前に考えた再構成のSSでの横島君です
私はタマモスキーながらもチビメドも大好きです。
他の妖怪たちもチビみたいになっていったら、世話はやっぱり横島君がやって、父親みたいになるんだろうなぁと思いながら考えてた奴です。
単行本を全巻読んで、細かく考えたのに子供が正確にはその妖怪そのものではないのでオリキャラばかりになるかな? と思い遠のいた作品でした。自分的にはとても懐かしい気分です。
いつかは書きたいものです。
さてさて、それでは次の機会まで
おまけ
最初の子供は雪女の子供です。
題名は「安らかな日々を 横島父親大作戦」でした。
いい意味でも原型だなぁと感心(悪い意味ではそのまんま)
ではでは~