インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

「我は降臨す 序章(GS+巌窟王)」

かるどらーん (2005-03-09 11:06)


 それは、空の間から突如出現した。

 天空に浮かぶ漆黒の古城に世界中が戦慄した。

 各国の政府や国連はこの未曾有の事態の収拾のために、あらゆる分野のエージェントで最高の緊急対策チームを作って対抗しようとした。


 しかし、その緊張は古城からの使者の出現によりあっさりと消え去った。

 城主はここではない別の世界の住人でそこの大使であるという。大使は第三世界の首相に依頼されて人間界との国交樹立をしにきたということだった。

 古城に招かれた各国の首脳陣は、城主の優雅な立ち振る舞いや第三世界の技術に魅せられ快く交流を快諾した。


 時は西暦の終わりごろ。


 ここに一人の復讐者が降臨したのだった・・・・


 日本・首都東京・グレートプリンスホテル。

 GS協会主催・キングオブスイーパー

 最上階のパーティー会場で、私こと美神ひのめは退屈な時間をすごしていた。わが妹弟子エリス-ブラドーの紹介でここに来たのは良かったものの、自分が考えているようなハチャメチャな雰囲気はどこにも存在しなかった。
 こんなことを言うと母に叱られそうだけどこれだけは譲れない。
 紳士淑女が優雅なおしゃべりをしたり、飼っているペットや宝石の自慢話をしているところに出くわすと気分が萎えてしまう。

 『お姉ちゃんには勝手にさせてたくせに・・・・お母さんの馬鹿・・・』

私の姉、美神令子は世界的に有名なゴーストスイーパーだ。いい意味でも、悪い意味でも。姉の場合は悪い意味のほうが十二分に当てはまる。

 私の姉は金銭に貪欲なケチ女だ。
 脱税してまで貯めたお金は軽く億を突破していて、秘密口座をいくつも持っている。
 名声や富にはカササギのように飛びつき、それ以外のものには目もくれない。
 最近の口癖は、

 『この世は所詮金がすべてなのよ!!』

 最低・・・・・
 最近中国秘伝の若返りの巻物を“破格の値段”で(無理やり)買い取った。その効き目は確かだった。姉は私と同じ年齢で現在も活動中である。
 そんな風だから一人の彼氏もできないのだ。
 しかも、妹の私まで・・・・


 姉がそんな風だから母は私に厳しくしてきたのだと思う。こづかいは月に3000円が限度。前借は一切禁止。そして、ゴーストスイーパーとしてのノウハウを叩き込まれた。厳しい試練ではあったけれど、そのおかげで臨機応変に除霊ができるようになっていた。


 『こんなところにいるくらいなら、廃ビルの除霊でもしてればよかった。このままだと退屈で死ぬぅーーー!!』

私の心情を察したのかエリスが声をかけてきた。

 「ひのめさん!大丈夫ですか?」

 「大丈夫のはずがないでしょ!!退屈で化石になりそうよ」

 「すいません。でも、今日はすごいゲストが来るんです!!なんてったってあの第三世界の大使ですよ!!」

 「ふーん・・・・興味ない!!」


 第三世界の大使。

 人間界に莫大な富と名声で知られている謎の紳士・・・・ネメシス伯爵。

 今までその姿を知っているのは古城に招かれた各国の首脳陣だけであったけれど、今日のパーティーを開催するにあたって協会がゲスト出演を依頼したのだという。


 何を隠そう伯爵は破魔師なのだ。その腕に並ぶべきものはなく、私からすればはるか高みにいる存在だった。
 実を言うと姉は伯爵を敵視している。姉が以前除霊した場所にとんでもない霊がまだ生き残っていて、一時東京が壊滅寸前かと騒がれたことがあった。オカルトGメンや協会が総出でやってきたが、伯爵がすでに駆除したあとだった。これがきっかけとなって伯爵はゴーストスイーパーであると判明したのだ。その技術は非の打ち所がなく姉にとっても垂涎の的であった。なんとか聞き出そうと姉は多額のお金を積んだがあっさり断られた。本人には悪いがいい気味だと思った。


 そのとき、突如として会場の照明が落ちた。みんな一瞬静まり返ると次の瞬間、ステージに青白い光が照射されそこに渦中の人物が出現した。


 「いよいよ、伯爵のお出ましです・・・・」

 「・・・・・あれが、伯爵・・・・」


 漆黒の髪を長く伸ばし、クセ毛なのか軽くウエーブがかかっている。

 病人のような青白い肌。

 しかし、きらめく深紅の瞳はとても美しく私を魅了した。

 最大の特徴は口の隙間から見え隠れする鋭い牙だった。

 エリスのお父さんに似ていると思ったがあれとは別物だ。


 まさに『完璧』という言葉がしっくり来る。


 これが私と伯爵の出会いだった。


 一人の囚人が護送車から降ろされた。

 ところどころあざだらけで痛々しかったが、その瞳の奥には炎が燃え盛っていた。


 「ここがお前が落ちる“黄泉の穴”だ。念仏でも唱えながら逝け!!」


執行官が囚人の尻を荒々しく蹴飛ばした。

 だが、穴に落ちながらもその囚人は悲鳴を上げなかった。

 その胸に“復讐”の業火が燃え盛っていたからだ・・・・・


 こんにちは!!初めて小説を書きました。巌窟王とGSのコラボレーションを目指してがんばります!!
 遅筆な私ですがご意見、ご感想よろしくお願いします。


 伯爵のミステリアスな魅力から私は逃れられない・・・・

 次回、我は降臨す・第一話

 『誰がために鐘は鳴る』


 待て!如かして希望せよ!!


△記事頭

▲記事頭

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル