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▽レス始

「横島日誌(GS)」

マッキー (2005-02-16 19:23/2005-02-19 15:05)

アシュタロスとの戦いが終結してからおよそ三か月ばかりが過ぎたある日、横島は、

都内のある廃ビルに、除霊の仕事に来ていた。


先の大戦の影響で鳴りを潜めていた悪霊たちだが、最近その活動が再び活発になっ

てきている。今回の依頼も以前のものと同じように、ごく普通の悪霊によるありふれたものだった。

しかし、それまでの仕事と大きく違っている点が1つあった。彼の事務所のオーナ

ーである美神令子が来ていないのだ。そう、この日の仕事は、長い間美神のアシス

タントの地位に甘んじていた横島が、初めて一人前のGSとして依頼を受けて行う、

初めてのものだった。日ごろの苦労が実り、名目上の師匠である美神令子の許可を

得て、自らの責任で依頼を請け負うことのできる正式なGSとなったのだ。

もちろん、美神が進んでやったのではない。彼女を動かしたのは、彼女に令をするこ

とができる日本でほぼ唯一の人物である、母・美智恵であった。

横島の資質や劣悪な生活環境について知った彼女が、美神序令事務所に直接乗り込ん

で行ったのだ。

令子としては、まだまだ彼を便利なアシスタントとして、自給255円でこき使ってい

たかったのだが、・・・


「彼の戦闘面での素質は貴女を上回っているのよ!そんな人間をずっとアシスタン

トなんかにしていているつもり?」


「彼はあのシュミレーションで貴女に勝っているのよ。実戦でも十分通用します。」


「こんな待遇をずっと続けていたら、ほかのGS事務所に行ってしまうわよ。彼を

欲しがるGSは星の数ほどいるんだから」

といった正論と脱税をばらすという脅しに負けて、とうとう折れた。彼女は美智恵

の見ている前で書類にサインをして、GS協会に送った。書類は無事に受理され、

晴れて横島は、一人前のGSとなったのである。

もちろんあの悪名打開美神令子がやられっ放しで済ますはずも無く、ちゃっかりと

横島の報酬の9割以上を彼女に上納させることにしていた。

それでも、報酬の高いGS業界のことだから、順調に仕事をこなしていった場合の

彼の収入は、一般のサラリーマンのそれに近いものになる。

彼の生活レベルもかなりまともになるだろう。

しかし、いくら強いからといって、どんな依頼でも、というわけにはいかない。彼の

場合、正式な師匠の元で修行をしていないのに戦闘力だけが一流という、あまりにも

偏った状態なのだ。そのため当分の間選ぶ依頼は、複雑なアフターケアなどのない単

純なものということになる。

事務所のメンバーによる協議の結果、現在来ている依頼の中でその条件に最もよく当

てはまっているものが選ばれた。


その内容は、以前美神が冥子ともに受けたマンションの除霊と同じタイプのものだった。

霊的に不適切な設計によって、建物自体が周囲の霊を集めるようになったというもの

だ。このタイプの除霊は、原因を抑えるポイントさえ知っていれば、そう複雑なもの

ではない。必要となるのは、多数の霊を一気に殲滅することのできる高い戦闘力だけ

だ。寄せられた内部の霊を片付けてしまえば、指定された場所にお札を張るだけで、

ひとまず事態を食い止めることができる。


このときのビルはどうせ取り壊すことになっているため、それで十分なのだ。


ようやく話がまとまると、美神は次の議題に移った。今度決めるのは、横島の除霊の

手助けをするアシスタントだ。今回は最初ということで、美智恵からアシスタントを

付けることを勧められていたのだ。


もちろん真面目な意味で勧めたのだが、助手選びのすったもんだを、後で人口幽霊一号に見せてもらおうと思っている美智恵であった。


流石と言うべきか、事態は彼女の予想通りとなった。


「それじゃ次に、横島クンにつける助手を決めたいと思うんだけど・・・

やりたい人いる?」


美神がそう言い出すと、おキヌ・シロ・タマモの候補となっている三人全員が一斉に手を上げた。

美神にとって意外だったのは、人間を嫌っていると思っていたタマモが手を上げたこと

だ。横島やシロ、おキヌも相当驚いたようで、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしてい

る。


「なによ、そんなに驚いて・・・単に面白そうだからよ。行っちゃ悪いっての?」


別になんでもないような風に言われて、皆はなんとなく釈然としない風ではあったが、

とりあえず深く追求することは無かった。


もしも、タマモの顔を注意深く見るものがいたならば、彼女のほほがうっすらと赤く染まっているのに気がついただろう。(例えば、そのとき隣のビルにいた某隊長とか・・・)


こうして“横島と一緒に仕事権”を巡って、三つ巴の言い争いが巻き起こった。時が経

つにつれ議論はヒートアップしていったが、それぞれが一歩も引かないために、そのま

まではいつまで経っても決着は付きそうに無かった。


そのため、結局は美神が決めることになった。

「今回はビルの中だから、ネクロマンサーの笛の音色が隅まで届かない恐れがあるわ。

いちいちあなたをガードしながら進んだんじゃ効率悪いから、キヌちゃんは止めた方

がいいわ。と言う訳で、助手はタマモとシロの二人、これでいいわね?」

この鶴の一声で助手も何とか決まり、会議はお開きとなった。


皆が部屋に帰った後、横島は会議に使った部屋の片付けをしていた。普段はおキヌがす

るのだが、落ち込んでいる彼女を気遣って引き受けたのだ。

このことですっかり機嫌を良くした彼女は、嬉しそうに部屋を出て行った。


掃除も終わり、彼が部屋から出ると、入り口の近くに美神が立っていた。

横島が依頼を受けるということで以前の薬珍堂の薬の一件を思い出してしまい、横島に注意をしに来たのだ


「いい、仕事中は何があっても気を抜かないこと。あんたの肩にはシロとタマモも命がかかってんだから、気合入れてやんなさいよ!」


美神と二人っきりという、普段の彼ならばセクハラの一つくらいやりそうな状況なのだ

が、このときばかりは真顔で話を聞いていた。


「成功したらボーナス出してあげるから、頑張んなさいよ。」

「み、美神さんっ・・・


感動の表情で自分を見つめる横島に、美神は鼓動が早まっていくのを感じた。


ここで終わっておけば、いい雰囲気で終わったのだが・・・


シリアスが持たなくなったらしい。


「だったら前祝に一発うぅぅ!!!」


と叫びながら、人界で彼にしかできないと言われる伝説の大技ルパンダイブをした。


「横島はルパンダイブを放った。
ミス!美神はひらりと身をかわした。


下は階段だった。横島に300のダメージ!
横島は死んでしまった。」


「ずっと死んでなさい!」


一瞬でもときめいたのを反省しながら、彼女はどすどすと足音を立てて部屋に帰っていった。


つづく????


みなさんの小説を読んで、無性に書きたくなってしまいました。

文章やらタイプミスやら設定やら、駄目なところは沢山あるでしょうが、

高校二年の若造なので堪忍してください。

一応ルシオラ復活ものにする予定です。


すみません、投稿してから三十分でもう問題が見つかってしまいました。
通りすがりさん、有難うございました。


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