インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

!警告!男女の絡み有り

「バレンタイン・プレゼント(GS)」

偽バルタン (2005-02-14 01:16)

このSSは
・甘々…?
・注釈は念の為、えちぃのとかはカケラもありません。
・軽い気持ちでお読み下さい。


それは、2月も半ばに挿しかかろうかというとある日の出来事。


「いつもいつもごめんね〜…って…
あら?アナタ一人だけ?」


日も沈み、空に星が瞬き始めた時間帯…
美神除霊事務所へと入ってきた美神美智恵を苦笑いを浮かべつつ迎えたのは…


「えぇ…まぁ…」


すかすかと気持ち良さそうに寝息をたてる末娘のひのめをその胸に抱えた、横島忠夫ただ一人だけだった。


バレンタイン・プレゼント


美智恵は、長女である美神令子経営の事務所に度々…とゆーか頻繁、事あるごとにひのめを預け、子守を押しつ…いやいや、頼んでいる。

設立より日の浅いオカルトGメン日本支部における美智恵の役割は、今彼女が就いているその役職以上に大きい…
人望厚く、その能力の高さは疑う余地も無い…そんな彼女でなければこなせない仕事も多い為、育児休暇をとるコトもままならない。
まして、彼女は隊長として、死と隣合せの危険伴う最前線の現場での任務も多いのだ。

そこで!美神所霊事務所の出番である。
ひのめの姉である令子、面倒見の良いおキヌ、よい遊び相手になってくれるシロとタマモ…
そしてひのめが誰よりも…ともすれば実の姉である令子や実母の美智恵よりも懐いている青年、横島…
何より、散々ひのめの相手をさせられた事務所の面々は、すっかり子守…とゆーか“ひのめの相手”をするのがこれ以上無いって程に巧い。
美智恵とひのめにとって、そこいらの託児所やベビーシッターよりもずっと信頼がおける…安心できる所なのだ、美神所霊事務所とは。

…毎度毎度預けられる令子にしてみれば、ちょっとばかり迷惑かもしれないが…

そして今日も…美智恵は仕事の間ひのめをみていて貰うべく、朝早くから事務所に押しかけ反論させる間も与えずに令子へと預けていったのだが…


「はぁ…買物に行ったの?
…アナタにひのめを任せて…」

「えぇ…学校からおキヌちゃんが帰ってきてからすぐに…シロとタマモも連れて皆で…」


事務所の応接室…
接客用のテーブルを挟み、横島と美智恵は対面に腰を下し、談笑している。


「…はぁぁ〜…ったくあの娘と来たら…無責任にも程があるわね!
……コレはオシオキが必要かしら…」

「ははは…」


事前の連絡も無に訪れ、問答無用でひのめを預けていった自らの事は棚に上げ、我が娘の無責任振りに顔をしかめる美智恵…
しかしその反面、令子の中での横島は、其れほどまでに信頼でき頼りがいの有る存在になってるのだろうな…と少し嬉しくも有る。
でなければ、いかな令子とはいえ、大切な妹を一日預けっぱなしにするようなマネはすまい。
あの意地っ張りは絶対に自分から其れを認めたりする様な事は無いろうが。

因みにその妹…美神ひのめは、相変わらず横島の腕の中でご就寝中だ。
…よほど居心地が良いのだろうか、彼から離そうとすると起きてもいないのに愚図るのだ。


「わたしより横島君の方がイイみたいね…
実の母よりオトコを選ぶか…コレは将来が楽しみね♪」

「は、はは…は…」(汗) 


それに…この時期女性陣総出でのお買い物…それはもう数日後に迫った“あの日”に備えてのコトに違いない。
その日、彼女等はチョコレートとプレゼントと共に目の前の少年に“想い”を伝えようと言うのだろう…それが成功するかどうかはさておいて。
きっと今日の買い物は、その為の物資調達なのだ。
…最も、目の前のその果報者はそんな彼女等の様子には微塵も気が付いちゃいないらしいが…


「…でも…まぁ…私にはこの方が都合がいい…のかしらね?」

「は?何の事すか?」

「ううん、なんでもないわ♪
…ソレより横島君…はいコレ♪」

「…なんすか?」


テーブルの上におかれたのは、四角く平たい小さな箱…
薄いブルーの包装紙に赤いリボン…シンプルながらも可愛らしいラッピングが施されている。


「…少し早いけど…
いつもいつもひのめ…と令子もね…娘たちがお世話になってるから…そのお礼も兼ねてね♪」

「少し早…?
…はッ!!ま、まさかコレはッ!!?


美智恵はゆっくりとリボンを解き、そ…っと包み紙を開いていく…
そんな彼女の手元を見つめる、横島の身体が心なしか震えてるように見えるのは、気の所為では無いだろう。


「う、うあ〜」

「…ごめんね?
ホントは真心こもった手造りチョコをあげたかったんだけど…
忙しくてね〜…時間が取れなかったの…」


碁盤の目のように仕切られた箱の中には、コロコロと可愛らしい小さな黒いボールが幾つも行儀良く並んでいる。
トリュフチョコだ。
美智恵の言からすると、手造りではなく市販品の様だが…
横島にはそんな事関係ない。


「いえ!んな事ぁ無いッすよ!
隊長から貰えたってだけでもー充分ッす!
うぁ〜…うぁ〜…い、生きてて良かった〜(泣)」

「そ、そんなに喜んで貰えるなんて…わたしも嬉しいわぁ…(汗)」


ひのめが起きないようにと声を抑えつつ、滂沱の涙を流しながら歓喜に打ち震える横島に、若干引きながらも、此方も嬉しそうな顔して美智恵が応える。


横島…バレンタインには碌な思い出が無い…
特にここ何年かは本当に酷かった…

ある時は、生きたチョコに襲撃され、口移しでチョコを何リットルも流し込まれたり…
またある時は、珍しくマトモにチョコを貰えたかと思えば差出人不明で…すったもんだの挙句自作自演と決め付けられ、皆からは拒絶よりもキツい生暖かい視線をプレゼントされ…
挙句、とある魔女のチョコの所為で女性という女性から毛虫の如く忌み嫌われ、心身ともに大ダメージ…危うく生きる気力を無くしてしまう寸前まで逝きかけたりとか…

…どれもこれも涙無しには語れない思い出ばかりである。

毎年、事務所の同僚達から貰える“義理(…と横島は思っている)”チョコでさえ…受け渡しの際に騒動や悶着が無かった事がないのだ。
…最も『義理チョコだからね!』との 言葉の裏に隠された乙女の真の熱い気持ち、それに気付かぬニブいこの男に同情の余地などまるでないのだが。

兎も角、いままでこんな風に“何事も無く“マトモにチョコを貰えたコトなど無いに等しかった横島にとっては、そのコトが余程嬉しかったのだろう。
最早“普通に”貰えさえすれば、義理チョコだろーが同情チョコだろーが何ら関係無い様だ。


「…ってなコトもあったなぁ……」

「クスクス…それは災難だったわねぇ…」


遠い眼をしてしみじみと、コレまでに自らが体験してきたバレンタインの惨劇を語る横島…
美智恵はとても楽しそうに、横島の話を聞いている。
その顔に、優しげな微笑を浮かべて…


「…でね…横島君…
…じつはもう一個プレゼントがあるんだけど…貰ってくれるかしら?」

「えぇ!?この上更にプレゼント!?
こ、これはもーオレへの愛の告白と受け取るしか!!」

「……そーねぇ…
そー受け取ってもらっても構わないわよ♪」

「………へ?…そりゃ…」


それ以上、横島は言葉を続けるコトが出来なかった。


…ちゅ…


最初…横島が気がついたのは、鼻腔を擽るほんのりと甘い華の様な香りが、美智恵のつけている香水の物であること…

次いで両の頬っぺたに感じる、優しく暖かな感触が、自らの顔に添えられた彼女の掌である事を知った…

眼を閉じた美智恵の顔が眼前に…ふたりの顔の間に距離が“無い”事を理解したのは更にその後…

唇に感じるしっとりとした柔らかな感触…そして口内に広まる仄かな甘さ…
それが、自らに重ねられた美智恵の唇のものである事に気がついたのは一番最後だった…


「…ん…」

「〜〜〜〜〜????」


予期せぬ突然の出来事。
今我が身に何が起こっているのか?…横島が其れを理解し再起動を起こすのに要した時間は数分。
…其れだけの衝撃を受けたという事だ。
その間ずっと、唇を重ねたままだった美智恵は、横島の再起動に伴い漸くその唇を離す…顔には“してやったり”と満足げな笑み。

一方横島は瞬間その笑顔に見惚れ茫然自失とするものの…直ぐに顔を真っ赤にして美智恵へと詰め寄る。


「〜〜〜〜〜〜た、タ、た、隊長?」

「静かに!ひのめがおきちゃうわ…」

「あ…す、すんません…ってぇ!
な、な、な、ナニすんですかぁ〜?

「んふ♪
これがもう一個のプレゼントよ…気に入ってくれた?」

「…………は、はい……とっても…
じゃなくて!
何でですか!?なんで…いきなり…その…き、キスなんか…」

「したかったから♪」

「〜〜〜〜〜!」


オトナの余裕、少女の様な無邪気さと可愛らしさ…そんなふたつが入り混じった様な美智恵の態度に、あうあうとしどろもどろになってしまう横島。
煩悩魔人な普段の彼からは、想像も出来ない初々しさであるが…実は以外に純情な所があるらしい。
女性から迫られる…というのに慣れていない為、こーゆーのに弱いのかもしれない。
その手に無邪気な顔して眠るひのめを抱いていたのも一因だろう。


「いいじゃない♪
……それとも…イヤだった?
……気持ち…悪かったとか…?」

「いえ!そんな事は…
とっても気持ち良かったっす…」

「そ♪良かった…」

「………」


最早何も言う事が出来ず、真赤になって押し黙る横島…
だが…彼の受難はまだ終って等いなかった。


「それじゃ…はいあーんして♪」

「……へ?」


美智恵は、箱からチョコを1つ摘みあげ、横島の前に差し出す。
思わず呆ける横島…


「だ・か・ら♪あ〜ん♪」


美智恵はいつの間にかテーブル越しの横島の対面から、横島のずぐ隣へと移動しており、ぺたっとカラダをくっつけ尚もチョコを食べさせようと迫ってくる。
腕に当たる彼女のカラダのふにふにとした柔かさとかほんのり暖かな体温とかふわっと香るイイ匂いだとか…諸々のモノに激しく理性をゆすぶられながらも、流石にこれ以上は…と、懸命に美智恵から逃れようとする横島…
だが…


「いえ…そ、それはちょっと…
自分で喰えますから…」

「どうやって?」


そう、今現在横島の両腕は、お休み中のひのめ嬢が占領している。
…まさかこの事すら見越していたのだろうか…?…と空恐ろしい物を感じる横島である。


「あ、後で…(汗)」

「今食べてほしいんだけどなぁ♪
…それとも…こんなおばさんからから食べさせてもらうのはイヤ?」

「…う…」


不安そうな表情に、上目遣いで迫ってくる美智恵…
その様は、横島の倍以上年上の女性とは、思えないほどに可愛らしく。
ぴたっとカラダを密着させられ追詰められた理性…更には先程のキスの事もあり、最早これ以上彼女に抵抗できそうに無い横島…

結局…


「ハイ♪めしあがれ〜♪」

「……あ…あーん…」


美智恵の成すがままにされるより他、彼に出来ることは無いのだった。


…終…?


オマケ…

その両腕に眠る赤ん坊を抱きかかえ、女性に手ずからチョコを食べさせてもらっているオトコ…
お約束のよーに最悪のタイミングで買い物より帰還した事務所女性陣…美神令子、おキヌ、シロ、タマモ…が眼にしたのものは、そんな“熱々な新婚ばかっぷる夫婦”以外の何物にも見えない横島と美智恵とひのめの3人の姿だった。


「横島クン…アンタ人の母親となぁんて事してくれちゃってるのかしらぁ〜?」

「…横島さんフケツーッ!…」

「せ、せんせぇ〜〜(泣)」

「…ヨコシマ…覚悟は出来てるんだよね?」

「……………(大汗)」


オマケに、人口幽霊一号からの密告で、キスの件までばらされてしまった横島。
その後彼がどーなったかは…あえて語るまでも無いだろう。

合掌。


ホントに終。


後書きのよーなもの
バレンタインねた…美智恵さんx横島君で甘々(エロ無w)なものを〜
…と書いてみたのですが…イマイチでした。
ギャグもエロも無く、甘さもちと控えめな感じ……インパクトが薄かったです。
せめて“横島クンにちょっかいかけて楽しんでいるお茶目な美智恵さん“…って感じに見えると良いのですが…

こんなのでも、突っ込みとかご指摘とか頂けると幸いです。


△記事頭

▲記事頭

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル