イタリア地中海、ブラドー島
ここにいる住民は純血の人間のいない、吸血鬼の楽園とも言える場所であった。
今日、ここで700年ぶりに吸血鬼の楽園の王が目覚めようとしていた。
「むぅ・・・後5分・・・」
・・・が、また眠ってしまった。
島の平和は保たれた・・・が、そのことに気づく住民はどこにもいなかった。
GS本編でもものすごく重要な話ではないため流れには問題の欠片もなかった。
平安な休日を IF Bさんの場合
ブラドーが二度寝を行って、少しの時が経った。
ここ、日本にてアシュタロスがコスモ・プロセッサにて古今東西の妖魔をよみがえらそうとした。
それには吸血鬼の真祖でありブラドー島の王、ブラドー伯爵も当然入っていた。
だが、眠っていただけだから復活というよりは召還だろうと思う。
多くの妖魔たちと一緒に召還されるブラドー・・・だが彼はまだ・・・
「ぐぅ・・・・」
熟睡していた(汗
だが周りの妖魔たちが暴れまわっているから、その霊気の渦で覚醒は近いだろう。
だが・・・
「・・・・うっさいわ!!」
ブラドーはいい気分で眠っていたのを無理やり起こされたため周りの妖魔に八つ当たりのごとく攻撃しだした。あっさりと倒される妖魔たち、さすがは吸血鬼の王
人型の妖魔には血を吸って配下にしてから同士討ちをさせている。
ものの1時間もたたないうちに妖魔たちは全滅した。
騒ぎに気づいたピート他、GSメンバーは妖魔たちに向かって暴れているブラドーに唖然としている。
「まったく、最近の若いもんは・・・ねむれんではないか・・・」
ブラドーはぶつぶつ文句を言いながらも、どこからか布団を取り出して再び眠りだした。
オイ、吸血鬼は棺おけで眠るもんじゃないのか?!
「zzzzz・・・」
その姿にGSメンバーは唖然とし、八つ当たりを恐れた妖魔他悪霊たちはその周辺で暴れまいと心に誓ったという。
かくして、アシュタロス戦での日本での被害はブラドー伯爵によって抑えられた。
ちなみに、ずっとその場にいては交通の邪魔になるのでピートと神父が教会の住居部分で眠らせたのは言うまでもない。ちなみに布団を剥がそうとすると怒り出すので、運ぶ時は慎重に慎重を重ねた。
「ふぁおおー! よく眠ったぞー」
教会に運んだ後、コスモ・プロセッサを破壊した後でもブラドーは存在していた。特に死んだわけでもないからであろう。
ブラドー島に送り返す手もあったが、神父たちにそのお金はなかった。
「むう、朝は牛乳だ」
ブラドーはまるで自分の家のごとく台所に一直線でたどり着き、牛乳をゲットした。
「ゴクゴクゴク・・・今日も元気だ! 牛乳がうまい!」
なんと言うか・・・吸血鬼に見えない。
「ふむ、誰がここにつれてきてくれたのかはわからんが、朝食ぐらいは用意してやらねばの」
どこからか出したピンクのフリフリエプロンをつけると鼻歌を歌いながら朝食を作り出した。なまじ美形なだけに似合ってる(汗
「むう、材料がないではないか・・・」
ブラドーはとりあえず、家庭菜園から野菜をとることにした。
そこにいる巨大野菜を気に入ったのか、何気に後で眷属にしようと思っている。
「おはようございます、神父」
「ああ、おはよう、ピート君」
「おお、息子に教会の狗ではないか・・・朝食ができておる。座るがよい」
3人は普通に朝食をとろうとするが
「って、何で起きてるブラドー!?というか何で朝食を作ってんだ?!」
がーと吼えるが、ブラドーは涼しい顔をして言う。
「むう、寝ておるのだから、起きるのは当然であろう。というか親を呼び捨てするな。お父さん、またはパパと呼びたまえ」
ブラドーは気にせずに朝食をぱくついている。
「というか、目覚めたのだから、島に帰りたまえ・・・」
神父としてもこの中世に騒動を起こした吸血鬼には早く島に帰って欲しいみたいだ。
「無理、故郷までどれだけ飛ぶと思ってるのだね?」
しかし、ブラドーの冷静な言葉に唐巣もぐうの音も出ない。
「というわけでよろしく、わが息子と教会の狗よ」
とてもさわやかな笑顔でいいくさりやがりました。
「むぅ、ここは教会だったのか・・・では、お祈りをせねば」
そういうと、ブラドーはキーやん像に祈りをはじめた。
「って、君は本気で吸血鬼かね?・・って、精霊の数多っ!?」
「何で、ボクよりも多いんだ。親父ー!?」
そう、祈りに呼び寄せられた精霊の数はピートよりもはるかに多かった。聖職者もはだしものである。
「うるさい、神の御前であるぞ・・・まったく、最近の教会の狗は・・・」
「「吸血鬼がいうなー!?」」
いや、ピート、あんたはバンパイヤハーフ・・・
「何を言う、私は洗礼も受けておるのだぞ」
「何でだー!?」
「むぅ、わがままな奴らだ」
あんたが言うな
おまけ
ブラドーの一日
「あたらーしい、朝が来た。希望のあさーだ!」
ブラドーは朝日を見ながら、ラジオ体操を行うのが日課になっていた。
というか、太陽は大丈夫なのか?
「土いじりはすばらしい、そうは思わんかね? 神父」
「まぁ、そうは思うがね・・・」
昼は唐巣と家庭菜園を行う。巨大野菜たちにもなつかれ、Tシャツ一枚でさわやかに汗を流す。
貴方は吸血鬼ですよね?
「何で、スープにニンニクを入れてるんだー!?この馬鹿親父ー!」
一日三食、ピートの弁当までブラドーは作っていた。
王様のやることではない。
「好き嫌いはいかんぞピートよ。大きくなれないぞ」
「成長期なんぞ、とっくの昔に終わってるわー!!」
というか、吸血鬼はニンニクが苦手なはずなのだが・・・・太陽といい、ニンニクといい貴方は本当に吸血鬼ですか?
「古い吸血鬼に不可能の文字はないのだ!」
あーそうですか・・・・
続かない・・・
あとがき
7話を書かないで、ボクは何をやっとるんだ・・・
ちなみに、これも小ネタですので短いのはご勘弁を