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▽レス始

「Fate/stay night if [GS]  第一話(GS+Fate)」

蒼 雲龍 (2005-01-06 20:50)

遅くなって申し訳ありません。
注意 作者は基本的に「主人公至上主義」です。
なので、そんなお話がお嫌いな人はご遠慮ください。
では、どうぞ。


「はい、その戦争の名前は『聖杯戦争』場所は冬木市です。


Fate/stay night if [GS]  第一話


4人の男女が閑静な住宅街を歩いている。
一人は男性、頭にバンダナを巻きラフだがそれなりに高そうな服に身を包んでいる。
残りの3人は女性。それぞれ、
一人目は頭に角の生えている。年齢は女子大生位だろうか。
二人目はショートヘアーで、スーツを着ている。目つきが鋭くキャリアウーマンみたいな雰囲気だ。
三人目は黒が映えるロングヘアー。清楚な雰囲気で巫女さんルックが似合いそう(笑)。
懸命な方はもうお解かりだろうか。横島、小龍姫、ワルキューレ(春桐ver.)、おキヌの4人だ。

「ふむ.........町全体がなんとなく澱んだ空気に包まれてるなぁ」
「そうですね、ですが妖気みたいなものではなく霊気、神気、魔気といったモノともどこか違う.....不思議と不快感はありませんね」
「うむ、ここはかなり昔から魔術師達が住んでいるし、霊脈が集中している場所だからな。おまけに数百年前から聖杯戦争まで行われている。いろいろと歪んでいてもおかしくは無いか...」
「普通この位の規模の街ならかなりの数の浮遊霊がいる筈なのにそういった気配が少ないのもその所為でしょうか?」
「ん?そうなの?」
「はい、先程から全然気配を感じません......」
不思議だなと首をひねる。
「それはおそらく聖杯戦争に関係しているのだろう」
と春桐が言うと横島、おキヌ、小龍姫の三人の視線が集まる。
「コホン(赤)、聖杯戦争についての説明は受けているだろう?7人のマスターがそれぞれ1体づつサーヴァントと呼ばれる存在を呼び出して戦わせ、最後に残ったマスターが勝者となると」
どうやら三人に見つめられて照れているらしい。
「ああ、それは聞いているが......」
と頷く横島。
「うむ、サーヴァントとはその昔に英雄と呼ばれた存在を契約によりこの世に現界させ、令呪と言う印(しるし)で従わせる存在だ。サーヴァントは核を破壊されない限り魔力さえ供給し続ければ半永久的に活動できる。だが、魔力を供給できなくともその代わりにできるものが在る......それは..........魂だ」
「「?!」」
横島、おキヌの二人が驚愕する。小龍姫の顔を見る限りどうやら知っていた様だ。
「まさか、この街に浮遊霊が少ないのはっ?!」
「ええ、サーヴァントに『喰われた』のでしょう......」
と顔を伏せる。
「そんな......」
「それだけではない。喰われたのは浮遊霊だけではない」
「どういう事だ?」
「......魂を喰うのなら浮遊霊よりもっと活きの良い存在があるだろう?」
「おいっ!!まさか」
横島の顔から感情が消えていく。
それを見て春桐は目を細め頷く。
「そう、生きた人間だ」
「............」
「先程、交番の前を通りかかった時に掲示板を見てな....ここ最近と言っても1週間ほど前からだが行方不明者が何人も出ているらしい」
「それってやっぱり......」
「ああ、サーヴァントに喰われたのだろう」

ぎしり
何かがきしむ音、
その音の発生源は、横島だった。
握りしめられた拳からは血が流れている。
「「「........」」」
「なあ、ワルキューレ........参加者であるマスター達はそれを止めないのか?」
「......マスター自身のモラルの問題だろう。止める者もいれば積極的に魂喰いを行わせる者もいる。まあ、こんな馬鹿げた戦争に好んで参加する様な奴等だ。勝つ為には当然何でもする奴だっている。そういった者にとって何かを犠牲にするのは、それこそ他人の命だって犠牲にするのは当然の行為なのだろう」
冷静な口調とは裏腹に春桐の表情は悲しそうだ。
今、彼女の目の前の男は怒っている。
だが、その怒りの影には別の感情が隠されているのを彼女は、否、彼女達は知っている。
春桐・ワルキューレもおキヌも小龍姫も目の前の彼の優しさを知っている。
底抜けに優しい彼だから。
人間・神族・魔族・妖怪・人造人間それ以外の存在。
それらに分け隔てなく優しい彼だから。
その優しさ故に怒り、悲しんでいる。
その事がわかるから彼女達も悲しんでいる。
―彼が悲しむのを見るのはつらい―

「決めた.....」
「何ですか?」
「......この依頼を受けた時、俺はこの仕事に乗り気じゃなかった。だけど、万が一世界が滅んだら、あいつの命と引き換えに護ったこの世界が....自分の女一人護れなかったこんな俺を「好きだ」「愛している」って言ってくれた皆が生きているこの世界が滅ぶのは嫌だから引き受けた。そう...随分と自分勝手な理由だ」
「そんなことは!「だから!!」」
「自分勝手な理由で今回の件に関わるんだ。だったらとことん自分勝手にやってやる!!」
「「「..........」」」
「貴重な魔法を完成させる為に人の命を代価にする様な戦争、いや茶番劇を仕組んだ連中が気にいらねぇ!!」
―そうだ、彼はとても優しい―
「こんな馬鹿げた事を黙認している魔術師協会の連中も気にいらねぇ!!」
―だから理不尽な事が許せない―
「聖杯なんてくだらない物の為に平気で人や浮遊霊を喰わせる様な魔術師達も気にいらねぇ!!」
―それを知っているから彼に惹かれた。それがわかるから彼の傍にいたいと想った―
「だから!連中の望む物、目的、思惑、全部ぶっ潰す!!」
―彼を支えたい。そう想った―
「そう、大聖杯を破壊して、こんな馬鹿げた事を二度と起こせなくなる様に完全にぶっ潰す!!」
―だから、そう、だから―
「小龍姫、ワルキューレ、おキヌ、俺に力を貸してくれるか?」
―私の、私達の答えは決まっている―
「武神の名にかけて......」
「戦乙女の誇りにかけて......」
「私自身に大した力はありませんがそれでも......」
「「「貴方の為にこの力を!!」」」


この瞬間、彼・彼女達の戦いが始まった。
彼の決意が、彼女達の想いが、この戦争の結末をどう導くか。
それは正に「神のみぞ知る」だろう。

そして、彼等はその日新たな運命に出会う......


後書
申し訳ありません。大変遅くなりました。蒼 雲龍です。
本来なら今回は依頼に関する謎を書く予定だったのですが......長くなりすぎて失敗しました(汗)。
なので、皆さんの疑問にはこの次にお答えすることになります。
なんだか、引っ張っているみたいでなんですが、そんな気はまったく無いです。
信じてください(涙)。
そんな訳で、これに懲りずにまた次の作品を読んで下さると嬉しいです。

追伸
私は基本的に甘甘なお話が好きです。
ハーレムっぽいのも好きです。(って言うかモロ?)
主人公・ヒロインが幸せなお話が好きです。
なので断言します。
『主人公・ヒロインが最終的に泣く事になる様な作品には決してしません』
ついでにサブヒロイン(チビッコや虎、武芸百般娘等)も幸せになってもらいます。
男のサブキャラはその限りではないかもしれませんが........
ご都合主義大いに結構!!
偽善者と呼ばれても平気です!!
お話の中くらい幸せになっても良いじゃないですか!!
というわけで魂の叫びを吐き出して今度こそ終わりです。


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