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▽レス始

「それからの、それからの、それからの、GS達!(GS、オリジナル)」

katana (2005-01-04 22:31)

 西暦1990年代に端を発して……文明はあらゆる土地に広がっていた。
 そこにはかつて≪闇≫と恐れられていた領域も含まれる。
 経済の発達に端を発し、人は再び中世の悪魔達との戦いに乗り出したのだ。
 現代社会の利益と安全、経済活動を損なう悪鬼、死霊を打ち払う現代のエクソシストたち……それが、<ゴーストスイーパー>!

 この物語は、2000年代に入り、それまで主流であったこれらの方針に真っ向から立ち向かい、経済活動を人間からの侵略と判断……妖魔、霊魂といった人外の存在達との共存を目指す特殊GSの奔りとなった若手GS達の物語である!


「……いやあ、太陽ってこんなにギラギラしたものだったんだなぁ……夏は近いぜっ! コンチクショ―!」
 若干の曇り空を見上げて、いかにも胡散臭い張り付いたようなさわやかな笑顔を浮かべて伸びをする隣の男に、俺は心底冷たく呟いた。
「率直に突っ込ませてもらうが、ぎらついているのは俺達の背後にいる女子高生や女子大生たちの視線だと、俺は全面的に思うぞ」
「……はははは……はは……き、聞こえな〜〜い! 俺にはそんな言葉は何にも聞こえな〜〜い!」
 はあ……、とため息をついて、俺は問題の男……隣に立つ我が相棒に白い目を向けた。
「現実逃避してんじゃねぇよ、横島……」
「……うう……なんでワッシらまでこんな怖い目で見られなあかんのですかいの〜〜!?」
 俺達二人の背後に、陰気な顔を隠そうともせずに立つでこぼこコンビも同じく責めるような目で相棒を見る。
「あああ! 女子が! オナゴがこんなにワッシに注目を〜〜!?」
 訂正。
 約一名は錯乱しかけている。 
「雪乃丞……のしとけ」
 俺の冷たい言葉に、しかし躊躇せず、雪乃丞と呼ばれたでこぼこコンビのぼこの方がでこの方に重いボディブローをいれて悶絶させていた。
 うん、いい肝臓撃ち(誤字ではない)だ。
「タイガー……さすがにこの状況ではかつての女性恐怖症が再発か……哀れな……」
 遠くの方で、金髪を逆立てた見覚えのある少女がなんか叫んでたが、とりあえず、置いておく。
「……人事みたいに言うんじゃねぇって……平賀……」
 ただ立っているだけなのに、心底疲れている雪乃丞が俺に突っ込みを入れてくる。

 ああ、自己紹介が遅れた。
 俺の名前は、平賀頼光。
 新進気鋭のGSオフィス、《D.H.T.Yオフィス》……ひねっているように見えても実はぜんぜんひねっていないと言われる,常に改名が求められているが代わりの名前が決まらないためそのままになっている除霊事務所に所属するゴーストスイーパーにして副所長の一人だ。
「は―――――はっはっはっは! 朝日よ! お前はいつもまぶしいな〜〜〜!」
 とりあえず、今の俺の仕事は……なにやら熱くこちらを見つめてくる(敵意ばりばり)女子高生の視線に敗北して錯乱している負け犬相棒……俺と同じ若手GS、通称『文珠使い』の横島忠夫を拳で現実回帰させることだった。
 あ〜〜……あったまいてぇ……


 改めて紹介させてもらおう。
 俺の名前は平賀頼光。かつてのバブル経済の時代に急速に盛り上がった特殊技能職、ゴーストスイーパー……つまり現代版エクソシストの一人であり、現在、自分で言うのも面映いが若干二十歳ながらも一つの除霊事務所で副所長をやっている、業界でも最注目の若手の一人だ。


 それで、そんな俺の仲間だが……まず、俺の隣で先程まで錯乱していたが、俺の拳が光ってうなった結果(比喩抜き)頭に昇った血を火山のごとく噴火させていた男――高校時代からのクラスメートで相棒、横島忠夫だ。
 一見すると、そこら辺の大学生……と言えるほどの知性はあんまり感じられないんだが……にも見えるが、これでも若手の中では一、二を争う強さを持った猛者だ。
 特徴は親しみやすさ、気安さが売りの二枚目半の顔といつも着たきりすずめのGパン、Gジャン。額にはトレードマークの赤いバンダナ。
 詳しい紹介は避けるが、文珠と言う自身の“力”を結晶化させて作り出す万能即席アイテムを作り出し、使いこなす歴史上でも非常にまれな人間である。
 ただ、そういう紹介をするとなにやら大人物のように思えるが、その実態はかなりアレだ。


 美女と見れば飛び掛る事、疾風の如し!
 いい女が通りかからないかと待ち構える事、林の如し!
 振られても振られても懲りずにナンパを続ける情熱、業火の如し!
 明らかに脈の無い相手でも、よっぽど致命的な事になるまで(例:ビンタ)に相手の前から動かざる事、岩山の如し!


 ……なんでこいつの相棒やってるんだ? 俺……
 まあ、もちろんこれだけが横島の内面ではなく、無類のお人よしで、子供好きという尊敬すべき一面もあるにはある。


 次に、その横島になにやら食って掛かっている小柄な男。 
 目つきの悪さと背の低さが特徴的な俺や横島と同年の、やっぱりGS。
 スーツにネクタイがそこはかとなく七五三な彼は、名前を伊達雪乃丞と言う。
 霊力の高さでも群を抜いているが、こいつもこいつで横島の“文珠”のように特殊な技能を持っている。
 精神力と生命力の複合であるところの霊力を限りなく物質に近く変質させ、肉体に纏って鎧と成す『魔装術』の人界唯一の使い手だ。
 以前は他にも三人ほどいたのだが、術としても要求される制御技術が極めて高度な上、暴走の危険性が高いため、暴走させずに使いこなす術者は今ではこいつしかいない。
 性格は……一口に言って、マザコンのバトルジャンキー。その人格を一口で表現すると、こうなるだろう。
「……ふ、ふふふ……俺は今確実に強い! そして美しい! ママ―――っ!」

 ……こーいう事を大観衆の中で臆面も無く言えるような奴でも彼女がいるんだから、世の中間違いまくっていると思う。


 最後に、タイガー寅吉。
 2mを軽く超え、それに応じた横幅も厚みもある肉体が随分とコワモテな大男だ。ただ、それでもなぜか影が薄い……きっと性格が太文字<比較的>まともだからだろう。
 確か、昔は高等妖獣キメラも怯えさせた凄まじい霊力の持ち主で、業界でも(大文字<人を人とも思わぬ性格とあこぎな性根と>高い戦闘力および依頼完遂率で)名高い俺と横島の以前の雇い主を敗北寸前にまで追い詰めたはずなのに……
 ご多分に漏れず特殊能力保持者で、ハリウッド関係者が見れば垂涎の的になるんじゃないのかと思う幻覚能力と、やっぱりご多分に漏れずに女性恐怖症という悲しい性癖を持っている。
 こーいう奴でも彼女を持っているんだから、世の中捨てたもんじゃないとも思う。
「どーいう意味デスかいのー!?」
「気にするな。で、雪乃丞……また、何をもめてるんだよ?」
 ちょっと口に出ていたらしく、食って掛かってくるタイガーを軽くいなして俺は、いつの間にか少し離れた場所で口論している横島と雪乃丞のところに足をやった。
 こいつらが騒ぎを起こすと、大抵は俺が調停役になる。たまに腕ずくにしてしまうこともあるが、普段は地道にお互いの妥協点を探らせているのでやはり面倒くさい。
 今日のような日くらいは少し控えてくれないものだろうか?
「せっかく六道女学院の中、高、大学部合同の模擬試合にゲスト参加しているんだ……先輩スイーパーとして、少し威厳を見せてくれよ……」
 俺の声は、通称GS養成学校といわれる六道女学院の広い広いグラウンドにむなしく流れ、風となって消えた。


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