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▽レス始

「GS的昔話〜花咲か爺さん〜(GS+童話)」

斧 (2005-01-01 01:46/2005-01-01 03:20)

 たぶん日本の片隅。カオスがマリアを完成させたころのお話です。

 そこには、お爺さんとお婆さん、となりにもう一人お婆さんが暮らしておりました。
 お婆さんと、隣のお婆さんの仲はあまりよくありませんでしたが、とにかく精一杯暮らしておりました。


 そんなある日のお話です――


「ふぅ〜…」
 カポン、カポンと色々な所の骨を鳴らした見た目青年こそ横島お爺さん。
「あなた、もうすぐご飯できるわよ〜!」
 と、遠くの小屋の前から叫んだ見た目美女こそ美神お婆さん。
 それをのんびりと見ているのがエミ隣のおばあさんです。


 ある日。美神お婆さんが、子犬子狼を拾ってきました。
 全身白で、額に赤いポチがありました。
 ですので、横島お爺さんも美神お婆さんもポチとつけようとしたのですが、それはもう書けない位嫌がったので、仕方なくシロと名づけられました。


「お爺さんお爺さんでござるよワンワン!」
「おお、どうしたんだシロ」
 横島お爺さん、拾ったときより少し大きくなったシロの前にしゃがみ、その目を覗きます。
「ついて来てでござるよワンワン!」
 シロ子狼、横島お爺さんの袖を引っ張ります。
 横島お爺さん、どうしたんだろうかと思いながらも、引っ張られるがままに歩いていきます。


 さて、山奥です。横島お爺さんが今まで来た事がないほどの。
「ここ掘れでござるよワンワン!!」
 シロ子狼、【!】も二個になってパワーアップです。それはもう二段変身後のヒーローのビフォーアフターの如く。
「道具が無いんだが…」
「文珠で掘ればいいと思うでござるよワンワン!!」
 横島お爺さん、それもそうだなと便利アイテムを取り出します。
「[乳][砂/糖][混][酒]<クリーム>!」
 シロ子狼ではさっぱり意図が想像できませんが。
 横島お爺さん、ニヤリと笑いました。


ガオーン(はぁと)


 地面がさっくり削れます。
 そして、そこに在ったのは――


 ――中身がざっくり削れた千両箱。
 横島お爺さんが家に帰ってからこってり絞られました事は言うまでもありません。


 さて。削れたとはいえ、金銀財宝です。
 お爺さんの3年分くらいの稼ぎを手に入れてしまったのです。
 それを聞いて面白くないのがエミ隣のお婆さん。めんどいので次からエミ婆さんに略します。
 エミ婆さん、面従腹背の笑顔でシロを借りる事に成功しました。もちろん、ライバルを後で殺すとは思っています。

「さあ、金銀財宝のところに案内するワケ!!」
 エミ婆さん、シロ子狼を脅します。
 ですが、シロ子狼は寝てばかり。
 自棄になったエミ婆さん。
「アタシには案内しないワケッ!?」
 と、シロ子狼を呪いで木にしてしまいました。


 それを聞いて嘆き悲しんだのが横島お爺さん、美神お婆さん。
 とりあえず根っこごと掘り返して自分の家の隣に植えました。
 当然、エミ婆さんには色々と嫌がらせをしています。例えばねずみの死体をたまの白米ご飯に突っ込んだりとか。家の柱にキリを入れてさらに白蟻を突っ込んでおくとか。とにかく、そういう嫌がらせ。


 さて、秋になりました。
 元子狼の現シロ木は、栗らしき実を落としました。
 横島お爺さんと美神お婆さん、ソレを拾います。
 そして、ソレを開けると。
「「…!!!」」
 二人は驚き、思わず顔を見合わせました。
 中にあったのは、金塊だったのです。


 当然そこで面白くないのがエミお婆さん。
 自分は特にお金に困っているわけではありませんが、美神お婆さんがお金を儲ける事だけは許せないのです。
 拾おうとすると。

ひるる…

 と、何かが落ちる音。

ぐさっ

 という音と同時に、後頭部に激痛!
「痛ーッ!?」
 上を見れば、次々とイガグリが。
 エミ婆さん、たまらず逃げ出しました。


 エミ婆さん、この話ではとことん悪役です。筆者は嫌いではないのですが。
 シロ木に、ちょっと遠くから松明を投げてしまいました。
 シロ木は足がないので当然逃げられません。
 ぶす、ぶすぶす。シロ木は、完全に燃えてしまいました。


 横島お爺さんは、涙を流して悲しみました。美神お婆さんも意地を張っていますが、今にも泣きそうです。
 横島お爺さん、せめてとばかりに灰を集めます。

――拙者を木にまいて下され――

 灰を手に持っていると、不思議な声が聞こえました。
 横島お爺さん、こんな事には慣れています。
 本当にやってみる事にしました。
 どっこいせ、とばかりに近くの木に登ります。
 ふう、と一休み。さぁまくぞ、という時に、彼はやってきました。
 マザコン暴れん坊領主雪之丞です。
「おい、そこの爺さん。何やってんだ」
 彼は、横島お爺さんに問いかけました。
 横島お爺さん、まさか理由を言う訳でもありません。言ったら間違いなく生暖かい目で「イイ病院紹介するぞ」と言われるに決まっています。
「いや、実はなんですが、これは上からまく栄養剤でして。」
 上手い言い訳でした。
「ほう、じゃぁ見せてみろ。つまらん物見せたら承知せんぞ。」
 相手がこいつでなければ。
 やべえ、と横島お爺さん。[咲]と刻んだ文珠を手を袋に突っ込む時に入れました。
「そぉれっ!」
 ぶわっ、と不思議と暖かい光を伴って、灰が木に降りかかりました。
 今は秋。ついでに横島お爺さんの登った木は広葉樹。
 既に葉っぱも少ないのです。
 一瞬だけ光が目を焼きました。横島お爺さんはサングラスをいつの間にかかけていましたが。
 そして、目を開いた暴れん坊領主ユッキーが見たものは、花を咲かせた桜の大樹だったのです。
 感動した彼は、急成長した木の枝に絡まった横島に褒美を取らせ、立ち去っていきました。
 絡まった横島お爺さんは放置プレイでしたが。


 それを聞いて面白くないのはやっぱりエミ婆さん。
 最近は美神おばあさんからの視線も刺々しく。彼女から持ちかけられたマルチ商法詐欺で借金まで作ってしまいました。
 当然ながらエミ婆さん、悔しがります。
 そこで、美神お婆さんが用事でいないところを突いて、エミお婆さんは色仕掛けで灰を手に入れました。


「ふっふっふ…」
 エミ婆さん、必死で木に登ります。
 ぜぇ、ぜぇと一休み。
 そこにやってきたのが、蝶・美形の家老ピート君です。
「枯〜木にぃ〜花ぁをぉ〜咲かぁ〜せましょぉ〜!!!」
 そう、口上を述べながら、灰を振りまきました。
 この灰の本当の能力は、まいた木の実を金塊にするなのです。咲かせる効力なんてありません。
「うわっ…!目が!」
 家老ピート君、目をこすりこすり、ほうほうの体で慌てて逃げていきました。
 後に残るは、灰になったエミ婆さんばかり。


「っはッ!?」
 美神は飛び起きた。
 周囲を確認。隣で眠るおキヌちゃん以外は全て普段どおりと判断。そのおキヌちゃんも眠っている。
 凄まじく嫌な夢だった。エミの事はスカーッとするが。
「私がお婆さんで、横島君がお爺ちゃん…?」


ゴゴゴゴゴ…


 凄まじいオーラに、隣で眠るおキヌちゃんの寝顔が硬直します。良い夢は見れないでしょう。
「ありえない、ありえないわ…フ、フフフ…」


 次の日。
「こんちわーっス」
 横島が所長室――否、死刑執行室に入ってきた。


――阿鼻叫喚地獄――


<おまけぇ〜>


今回無いです。


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