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▽レス始

「横島☆オールスターズ!!(GS&GS二次創作全部)」

Rays (2004-12-31 13:53/2004-12-31 13:59)

「……横島クン。やっぱり行くのね」

 かろうじて微笑みを作りながら、それでも。
隠し切れない寂しさ。痛み。そして少しの嫉妬。
それでも邪魔などせず、見送る決意を持って美神は立っていた。

 横島はそれを受け止め、痛む胸に表情を微かに歪ませた。
それでも。
想いを翻すことはできない。例え彼女がこの場で何もかもを投げ捨ててすがり付いたとしても、自分にはそれに応えることはできない。

「すみません。……ずっと、今までありがとうございました」

 世界で二番目に大切な彼女に、謝罪と感謝を。

それと、さようならを。

 そして俺は時を越えた。
まさか、辿り着いた先で想像を絶するような世界にブチ当たるとは思いもせずに。


 横島☆オールスターズ!! −いろんな各所にゴメンなさいなお話−


「ここは……」

 無事に文珠での強制時空間移動を成功させて、最初に目にしたのは美神さんの事務所だった。

 看板が出ていて、なおかつアシスタント募集の張り紙が出ていない。ということは、既に過去の自分がここで働いている可能性が高い。
どうせ学校をサボって中に居るのだろうと思い、中の霊力と気配を探ってみようと……!!

「これは…!?」

 おかしい、抑えてはいるらしいが少なくとも美神さん以上の霊力の持ち主が一、二、……五、六……いや、数えていても埒が明かない。そもそも正確に人数と力量を推し量ることすらできそうになかった。

「人工幽霊一号、俺が誰だかわかるか?」

 最悪、文珠で会話記録を抹消することを覚悟しても、直接人工幽霊一号から聞き出すしかない。

「……横島さん、ですか?」

 すぐに答えが返ってきた。が、予想したような訝しげな様子は見られない。
むしろ何か、疲労?のようなニュアンスが感じ取れるような声だった。

「そう、正真正銘の横島忠夫だ。さっそくで悪いが、中で何が起こっているのか教えてくれ」

 さすがに誰かが戦っているような様子は無いが、何やら緊迫した雰囲気が感じ取れる。悠長に事情を説明している暇はないように思えた。

「ええ…いえ、直接見てもらった方が早いですね。美神オーナーから許可が出ました。どうぞ、お入りください」

 あまりといえば余りに投げやりな姿勢に釈然としないながらも、前言を翻される前に事務所に入る。
既に過去の自分も、問題のその場に居るのはわかっているのだ。
それにも関わらず無造作に得体の知れないハズの自分、二人目の横島忠夫を結界内に入れるとは。美神らしくもない。

 ひょっとしたら、事態は俺の予想以上に悪いのかもしれない。

そんな焦燥が足を急がせる。

 階段を上るのももどかしい思いでようやくドアの前に辿り着き。
臨戦態勢を整えて、扉を、開けた――――


 そこには、非常に見慣れているような。

 しかし、初めて会う顔が並んでいた。


「こ、れは―――……」


 絶句。

 そうとしか表現のしようがない。こんなもの。

 入り口で固まったままの俺に向かって、この場で一番年上に見える、二十代後半らしい男が口を開いた。

「そんなところでつっ立っていても仕方ないだろう。幸い、お仲間はどうやら君で最後のようだし、せめて全員お互い自己紹介でもしておこうじゃないか。ああ、俺は横島タダスケと言って、そこの忠夫の――」

「そんな名前しか名乗らないつもりなら必要ないわ。少なくとも『私たち』は全員――あなたのことを『知ってる』はずだもの」

 男の言葉を遮るように、その隣に居た女が。
俺の最愛の女性に似た面影を宿した女が、唯一印象の違うその長い黒髪をかき上げてそう言った。

 そうだ。俺は横島タダスケと名乗ったこの男を知っている。いま、思い出した。
文珠で記憶を消した筈の10年後の俺。かつて美神さんと結婚した未来からやってきた横島忠夫だ。
さすがにあの程度の封印では、今の俺の霊力で本人を目の前にして記憶を封じたままにしておくのは無理だったのか。

「仕方ないな。美神さんには悪いけど、少し内輪で話させてもらうことにしようか?」

 それを受けて、俺とほぼ変わらない年頃の、額のバンダナに目がついている少年が文珠に「防」「音」と込めて発動し。
更にその横にいた、母さんに少し似たショートカットの少女が陰陽文珠に「結」「界」と込めて、俺達の行為に文句をつけようとしていた美神さんをシャットアウトした。
 美神さんがいくら神通棍でシバこうとも結界はビクともしない。
この時代の俺だろうと思われる横島忠夫はおキヌちゃんと一緒に美神さんの後ろで呆然としていた。

「さて、俺の本名は……バレバレだと思うが、横島忠夫だ」

 先ほど横島タダスケと名乗った男が言った。

「わたしは横島蛍子」

 長髪のルシオラそっくりの女性。

「俺も横島忠夫だ」

 バンダナに心眼を持ったままの少年。

「オレは横島ほたる」

 陰陽文殊を使ったショートカットの少女。

「俺は美神忠夫」

 二十歳過ぎのスーツを着た男。

「俺も―――」


 ―――なんてこと。なんて無茶。


 俺は呆けたような顔で、纏まらない思考を延々と掻き回していた。

よりにもよって、なんて所に来てしまったんだ?


 ほぼ全員の『横島』が集まっている美神除霊事務所からどれだけ離れているのかもわからない空の上で、人間ではない者が二人、従者を連れて顔を合わせていた。

「ふむ、随分と掻き集めたものだな」

 そのうちの一方、少年の面影を残した相貌に不釣合いな落ち着きと精悍さを備えた魔人が感想を呟いた。

「ははは。まあ、アイツらは適当に仲良くやってればいいだろう。問題は」

 事態を豪気に笑い飛ばした魔神が一旦言葉を切る。

「そう、問題は、これが誰の差し金で、何を狙っているのかということだ」

 魔人は傍らに傅く従者ら ―使い魔、式神― にもう少し敵意を抑えるように目で指示しながら言葉を継いだ。

 魔神はその敵意を微風ほどにも意に介さない。それは背後に控えるペスパ達も同様だった。

「しかし、一体何者ならこんなことができるのやらなぁ……。ハルマゲドンの起きた世界で神魔を滅ぼしたお前を……『人魔ヨコシマ』を特定の時系列に誘い込んだ挙句に閉じ込めるなんぞ、最高指導者どころか宇宙意思にだってできんだろう?」

「それは貴様とて同じだろう。魔王ヨコシマ――いや、アシュタロス二世と呼ぶべきか?」

 互いに、目の前の強大な相手を読むことは不可能でも。
その従者の心を読み取る程度のことは容易いらしい。
主と仰ぎ付き従う者ゆえの、多分に敬意や畏れの混じった目の前の男の人物評に苦笑を洩らしながらも、僅かながら相手への対応の丁寧さに、自分がその影響を受けていることを否めない。

 相手の力量を見切れない。

 ゆえに、動けない。


睨み合いの硬直状態は、ここ、遥か天上においてもまだ続きそうだった。


「ああああああ……どないしたらエエんや……」

 困り果てているのは何も当事者たちだけではない。
さすがと言うべきか、この事態をいち早く察知した最高指導者たちもまた、頭を抱えて事の成り行きを見守っていた。

「まったく……何という、ハタ迷惑な……」

 何故、よりにもよって自分たちの治めるこの世界に集まってきたのか、あの横島どもは。
既に認識としては住んでいる家の天井裏に鼠やらスズメバチやらが大量発生していた不運な人間が、それらを恐れ疎ましく呪うのに近い。
さすがに凡百の者のように取り乱したり目を逸らしたりはしない。それでも己の手に余る災害に忌々しい思いを抑えることはできない。

「ホンマに、何が始まるんやろなぁ」

「しばらくは見守るしかなさそうですね。専門チームを編成して待機させておきましょう」

「いっそのこと、この辺で黒幕がバーン!出てきて高笑いしながら天下一横島トーナメントの開催でも宣言してくれんかなー」

「そんな、少年漫画じゃあるまいし……」

 少年マンガやないか、とサっちゃんのツッコミを力なく受けながら、キーやんは憂いを込めて呟いた。

「もう、お家に帰って100年くらい寝させてもらえませんかねぇ……」


――続…かない(笑




やってしまいました。
一度、思いつく限りのこれまで見たことある二次作品の横島を出してみたかったんです。
具体的にどれがどの作品の登場人物と同じだ、といったことにはならないように気をつけて書いてみましたが、もしどなたかの作品と全く同じ設定の横島が出ていたらごめんなさい。

あと、たぶん続かないです(笑 コレ書くだけで3時間以上かかっちゃったくらいですから。この先の展開まで書き切るなんてお正月の時間全部使ったって無理っぽい……ので、この先は各々の想像で埋めるか、誰か優しい方が続き書いてくれるのを祈るしか……(いいかげん


△記事頭

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