新年の願い事 作:飛来骨 編集:龍の牙
今日は12月31日、大晦日。横島は、一緒に2年参りに行く相手などおらず、部屋の中で、ぼ~っとしていた。
「はぁ~、今日は折角仕事がなかったのに・・・もう紅白も観ちまったしなぁ、今年も一人か・・・えぇ~い気分が悪くなる!!とっとと寝よ!
横島は電気を消し布団を頭からかぶった。
30分程たち、そろそろ眠気が襲ってきた頃・・・「ながいかみ~なびかぁせて~~・・・」横島の携帯が鳴りだした。着うたは、もちろんあの歌だ。
「ん~~、いったい誰だよ、こんな時間に・・・野郎だったら即切っちゃる。」
そんなことを言いながら、横島はおもむろに電話に出た。
「・・もしもし?」
「・・・・」
「もしもし?どなたですか?」
「・・もしもし、・・・おキヌです・・あの・・今お一人ですか?」
「ん?一人だけど、どうしたの?」
「あ・・・あの私と、い・・・今から二年参りに行きませんか!?」
「えっ!」
「嫌だったらイイんです!すいません、夜遅くにこんな事で電話して。もう切りますね」
「ちょっと待って!おキヌちゃん!!一緒に行こう、二年参り。」
「ほ、本当ですか?」
「ほんとだよ。おキヌちゃんが、誘ってくれたんだから、断るわけないだろ?」
「じゃあ、○暮神社に11時半でいいですか?」
「11時半ね!分かった。すぐ行くよ!」
「遅刻しないでくださいよ~」
「分かってるって!」
ツーツー
「ふ~~、まさか、おキヌちゃんが二年参りに誘ってくれるなんて・・・・やべっ!遅刻する!!」
横島は急いで服を着替え、アパートを飛び出していった。
「横島さ~ん遅いですよ!」
「ごめんごめん・・・」
おキヌちゃんの晴れ着姿、綺麗だ・・・そう思いながら、横島はおキヌを見つめていた。
「?横島さん・・・どうかしました?」
「いや、おキヌちゃんが、あんまりにも綺麗なもんで、ついみとれちゃって・・・」
やべ!つい本音が!
「本当ですか!?」
二人は俯き、顔を赤く染めながら、立ち竦んでいた。
「じ、じゃあ、お参りに行こうか・・。」
「そ、そうですね。」
ふたりは神社の階段をのぼっていった・・・
「うわ!すっげー人だかりだな!」
境内は人でごった返していた。
「迷子にならないと良いんですけど。」
おキヌがそう言った時、横島はそっとおキヌの手をとった。
「えっ!!」
「こうしたら迷子にならないだろ?それじゃあ行くか!」
そういって、横島はおキヌを連れて行列の中に入っていった。
わ、わたし、横島さんと手、繋いでるんだ・・・
二人は無事お参りを済ませ、帰路に着いた。
「横島さんは何をお願いしたんですか?」
「おキヌちゃんこそ、何お願いしたの?」
「わ、私は横島さんと今年こそお付き合いできますようにって!!」
「え!?」
「よ、横島さん!!わ、私と付き合ってください!!」
「おキヌちゃん・・・俺なんかでいいの?」
「横島さんがいいんです!!」
「うれしいよ、実はさ、さっき俺もおキヌちゃんと付き合えますようにってお願いしたんだ」
「横島さん・・・」
「おキヌちゃん・・・」
そして暗闇の中二つの影が一つになった。
FIN
あとがき
初めまして、飛来骨です。この作品は、そろそろ大晦日だと思い、ついかいてしまいました。
設定や内容、文章におかしいところがあると思いますが、愛嬌という事で勘弁してください。
あとがきby龍の牙
はじめまして。編集&タイトルの龍の牙です。基本的に飛来骨が書いて、私が修正、時に付け加え、タイトルを付けて投稿するという分担です。まだ、はじめたばかりなので、拙い所が多々あるでしょうが、よろしくお願いします。
また、某サイト様のSS投稿掲示板に処女作品の長編と短編を投稿しているので、気が向いたら読んでみてください。