空気が澄んだ冬の日の午後
広場で偶然逢った暁さんと一緒にカフェオレを飲むことになりました
 
午後の日差しが燦々と降り注いでいるので、とても暖かくて気持ちが良いです
カフェオレとお日様で身体が芯から温まります



君は君のままで




ふと凄い視線を感じて其方を見やると
真向かいに座っている暁さんがカフェオレを片手にじっと此方を見つめていました
……そんなに見つめられると恥ずかしいのですが
何時にも増して真剣な表情です
心なしか私の顔が少々火照ってきました

「なぁ、もみ子」

唐突に口を開いた暁さん

「は、はひっ。何でしょう?」
「何時も同じ髪型で飽きないか?」
「ほへ?」

何を言い出すかと思いきや
唐突なその発言に、少し呆気に取られてしまいました

「否、ガチャペンが髪を切っただろう? そうしたら随分イメージが変わったではないか」
「そうですね。藍華ちゃんは大人っぽくなって一段と素敵になりましたね」
「そこで、だ。貴様が新しい髪型にするなら何が一番似合うか俺様が一緒に考えてやろうと思ってな」

物凄く突然な提案でしたが、暁さんがどう考えているのか気になったのでそれに乗る事にしました

「じゃあ、暁さん。どんな髪型が私に似合うと思いますか?」
「そうだな……。アリシアさんみたいに長く伸ばすとか?」

ゴンドラを漕ぐアリシアさんの綺麗な三つ編みが春の風に靡いている映像が私の頭に浮かびました
素敵な、私の先輩
そして、暁さんの憧れの人
ちくん、と軽く胸が痛んだけれど、それよりも何かが頭に引っかかりました

「……若しかして引っ張り易さを重視してませんか?」
「何っ!? 何故俺様の考えていることが分かったのだ!? 貴様、まさかエスパーっ」

慌てふためく暁さん
やっぱりそうだったんですか

「暁さんの考えそうなことくらい分かりますよ。髪の毛を引っ張られるのは痛いので、その案は却下させて下さい」
「むぅ。ならば、ガチャペンの様な髪型は……、もみあげが無くて寂しいから却下だ」
「やっぱり引っ張り易さ重視ですか!?」

引っ張り易さ以外の基準は無いのでしょうか
なんかちょっぴり切なくなります

うんうんと散々うなった挙句、

「やっぱりもみ子はそのもみあげが一番似合ってる」

結局、溌剌とした笑顔でそう言い切られてしまいました
でも、暁さんがそう言うなら、私はずっとこの髪型で居たいと、何故かそう思ってしまいました



「知ってるか、もみ子よ。耳たぶから下の『もみあげ』は『あごひげ』だそうだ」
「これは『もみあげ』でも『あごひげ』でもありませんっ」





†††アトガキ†††
ARIA小説第2弾
また髪型ネタです……
灯里のもみ上げ(もみあげ違う)が気になってしょうがなくて
そして、また文章が短いorz

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