これは俺が二年生に進級してからの後日談だが、 本来、一年生を受け持った教師は 二年生も受け持つ事になるのだが、 竹内だけはもう一度、一年生を受け持つ事になったのだ。
流石に、二年の担任を受け持つ自信が無かったのだろう。 うちのクラスはともかく、ほかのクラスには相変わらず舐められていたからね。
俺としても、少し同情を感じていたのだが、それも束の間だった。 この竹内という教師は、最後まで馬鹿さ加減を周りに振り撒いてくれたよ。
二年になって、これから新学期が始まるという校庭で 偶然竹内の姿を見た時、虫唾が走った。 この竹内という教師は、なんとイメージチェンジをしていたのだ。 そこに現れた竹内の風貌は、
全身黒の厳つい服装、そして角刈り、 そしておまけに真っ黒なサングラスだ。 ・・・まるでヤクザが学校に紛れ込んでいるかの様だった。
ふざけるなよ、竹内・・・お前その格好で新しく入ってきた一年に、 一体どんな態度で接するつもりなんだよ? お前は俺達がやられた時と同じように 何も知らないで中学に入ってきた生徒達を、 骨の髄まで脅して従わせる気で居るんだろうが!!
結局、この馬鹿教師は何も解かっていない。 やはりこの竹内の性根は腐っていたのだ。 俺はこの「竹内という人間」を殴り飛ばしてやりたい。 お前のおかげで、俺を含めて、 どれだけの生徒の心が、ボロボロに傷ついたと思っているんだと。
後日、Uが竹内の側に来て 「悪い生徒がいたら俺が言ってやるから」と、 やけに慣れなれしく竹内に言っていたのを見かけた。 竹内は非常に迷惑そうだった。 折角のイメージチェンジが台無しになるばかりか、 Uや周りの生徒から、去年までの情けない自分をバラされては困るからだろう。
こういう生徒の心を傷付けるために存在する教師は 一刻も早く教師を辞めさせた方が良い。 こんな教師が食っていく為に、 これ程、子供の心が犠牲にされるのは、どう考えてもおかしいだろう。