―数時間後― 「よし…出来上がった…あとはこれをラッピングして…」 出来たようだな・・・やけに楽しそうにラッピングしているな・・・ そろそろ私の元にチョコを持って駆けつけてくる頃か。 お、来た来た・・・綺麗な袋に包んで持ってきたな・・・ 「ルギア様〜・・・こ・・・これどうぞ・・・」 おや・・・これはなんだ・・・?綺麗な包装をしているが・・・? 「今日はバレンタインの日ですよ。だから僕の作ったチョコをどうぞっ!」 ほぉ・・・そうだったか・・・早速開けてみてもいいか・・・? 「いいですよ。早く喜ぶ姿が見たいです。」 ふむ・・・おお、これは中々いいな・・・私を模っているのか・・・ 「そうですよ、型を取るのに苦労したんですから・・・。」 そうか・・・いい物を貰ったな・・・早速食べてみてもいいか・・・? 「どうぞ。僕の手作りチョコを召し上がってください。」 そういって私はそのチョコを美味しそうに食べた。 味は中々ほろ苦くていい味をしていた・・・ 普段私はチョコは口にしないがたまにはこういうものも食うのもありかとこのとき私は思った・・・。 「――ア様?ルギア様〜?」 おっといかんいかん・・・あまりに美味かったから幸福に浸っていたわ・・・。 「どうですか、美味しかったですか・・・?」 あぁ・・・中々美味かったぞ・・・ 「それは良かったですぅ・・・作って正解でしたぁ・・・。」 褒めてもらって喜んでいる彼を私は優しく抱き上げてそっと囁いた・・・ さて・・・次はお前を頂こうかな・・・? 「へ・・・?ルギア様・・・一体何を・・・?」 チョコは美味かったぞ・・・だが作ってくれたお前の方が何倍も美味いからな・・・ だから次はお前を・・・頂くぞ・・・ 「そっ・・・そう言うと思って実はいいものを用意していたんですよ・・・ちょっと待っててください・・・」 そういって彼は私から飛び降り急ぎ足で厨房に戻っていった 一体何をするんだか・・・ 見当の付かないまま私は彼があの溶けたチョコの入ったボウルを抱えながら戻ってきたのを見ていた 「はぁ・・・はぁ・・・ルギア様、今度はこのチョコでコーティングした僕を食べてみませんか?」 成程・・・あの残ったチョコはそういうことだったか・・・ そうか・・・でもな・・・もうチョコは食べ飽きた・・・ チョコなんかよりそのままのお前を喰ってみたいからな・・・ どうせ腹の中にはまだチョコがあるしそれで十分だ・・・気持ちは受け取っておこう・・・ だから・・・このまま・・・いただきます・・・ 「ルっ・・・ルギア様――」 ゴキュン! ふぅ・・・なかなか今日はいい日だった・・・ チョコも彼も頂けたからな・・・ 彼も私の体内でぐっすり眠っていることだろう・・・ あぁ・・・ボウルのチョコは私が全部頂きましたよ・・・ 残ったままというのも後味が悪いのでね・・・ さて・・・きょうはこのまま寝るとしましょうか・・・ 起きたら彼を出してあげなきゃな・・・ ふふ・・・来年も楽しみにしてるぞ・・・ そうお腹の中にいる彼に語りかけるようにお腹を撫でながらそのままルギアは眠っていった ―Fin― |