チャプター1
Opening


荒れ狂う豪雨、高く波立つ広大な海の上...
危険すぎる状況の中、いっせきの小型のボート船が波に大きくゆられ、進んでいた。




「もうダメだ!このままだと波にさらわれて船が沈んじまう!」
「そうですよブラーさん!今ならまだ間に合います!港へ戻りましょう!」
「誰がもどるか!帰りたきゃ避難ボートで帰ればいい!」


...船員は3人。


1人は炎を思わせる紅蓮の髪で、右目に黒い眼帯をした赤年(?)、リューク。
眼帯がちょっとこわいけど、結構やさしい。

もう1人はボク、この中で一番年下のウェイク=グラビディ。
   年寄りかと思うくらい髪は白くなっている...けど

...コンプレックスなんて思ってない!むしろチャームポイントだ。


そして、一週間前に「Science Actor 青年部」の科学班長になったブラー。
ボクのことをモヤシと言ってくる。

正直、うっとうしい。何であんな性格で班長になれたのか...
人生何がおこるか分からないな。




あ、Science Actor っていうのは世の中の都市伝説的なこととかを調査している
研究チーム組織のことだ。
青年部って言うと、その見習いみたいなもんかな?

で、ついに...!ボクとリュークはこの...透明なはねをみつけたんだ!

最初は透き通って、きれいだな〜くらいしかおもってなかったけど、気になって...
ホントはいけないけど、勝手に実験室に入ってDNA鑑定すると.....

...なんと!








よく分からなかった...

けどリュークが言うには、なんだか龍の遺伝子がなんたらかんたら...

さらにはそれが現存していると言い、その場所まで特定した。
ここから遠く離れた無人島らしい。
さすが所長の息子。

で、2人で行こうと実験室を出ようとしたところを憎きブラーに見つかって...(泣

大人どもに言わねーからオレも行かせろと...
自分も入ったじゃん...
どうせ真相を突き止めたら自分の手柄にするんだろうな...




「あっ!おい!モヤシ!その羽は出すな!お前トロいんだから無くすだろ!しまっとけ!」

(ム...カ...)

「おちつけよ...今反撃したって海に放り出されるのがオチさ。」

とリュークが慰めてくれる。さすが。

「ったく...オレがもっててもいいのによ!ケッ!」

(う、うざい...でも今はがまんだ......無心...無心になれ...ボク...)

「ちっ!雨おさまる気配ねーな...お前ら!もう中に入って寝るぞ!」


こんな状態て寝てられるか...
でもここはおさえて、おとなしく中に入って静かにしておこう。

中に入って、ブラーに見つからないように懐から蒼い航海日誌を取り出す。

「お、ウェイク、その日記持ってきてたんだ。」

そう。これはボクの宝物...

4年前、突如蒸発した、とうさんから送られてきたもの...
裏面には何か図形のような紋章が書いてある。
Science Actorの支部長だったとうさんが書いたのかな?



...カキカキ...

「航海1日目 12月 29日
  港から出発して数時間、あらしにおそわれた。
  ボクとリュークが船の補強をしていたおかげか、船の崩壊は免れている。
  何とか島へ着きますように...」

...パタン...

横になると、思ったより疲れていたのか、自然と瞳は閉じられていった.....


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