天気のよい、良く晴れた日...
   水平線の上には入道雲がうかんでいる。

   夜になれば、海の向こうから灯台が海上を照らし、
   渦潮とともにむき出しになった岩肌が姿をあらわす。



   ...ここはとある地方から少し離れた所にある孤島。

   最近はここにやってくる者もめっきり減って...

   今ではここにくる者と言えば、旅人か...

   この村のたった一つの名物と言える、島のはずれにある
   大きな黒石を見にくる物好きだけ...

   逆に言えば他には何もない所。

   それでもここで生まれ、育った子ども達は村を出たいなどとは言わない。



   ...おや、誰かきたようだ。旅の者か?

   2人組で...

   緑と青いポケモン...
   青い方は黄色っぽいバックを持っている。

   お客さんは...1ヶ月ぶりだのぅ...


   「ちょいとそこのじいさん。あんたこの村の長老だろ?話いいか?」

   と、早速話しかけてきたのは緑色の方だ。

   「ふぇっふぇっふぇ。よう分かったのぅ。見る目がある...
   ところで、お主らは?ここらでは見かけんが...」

   「あぁ、オレはジュプトル。で、こっちの青いのがアリゲイツ。
   よろしくな。ほら、お前もあいさつしろ!」

   そう言ってジュプトルとやらはアリゲイツの
   後頭部を少し強めに押しつける。

   「あ、すいません!兄貴!」

   「ふぇっふぇっふぇ。ええよ、そんなに固くならんでも。ところで話とは?」

   「あぁ、そうだ。この島に黒石があるって聞いたんだが...」

   「ほぅ。若いのに、感心、感心。
    黒石なら、ほれ、この先の森の中じゃ。」

   「そうか。あんがとな。ほら!お礼しろ!」

   「あ、ありがとうございました!」

   (礼儀がいいのぅ...)


   「今日はもう疲れたし、どっか宿にとまるぞ。」
   「はい、兄貴!」


   そうして2人は村の中心部にある、ちっぽけな宿屋に入っていった。

   受けつけの係がこれまた結構美人で...

   アリゲイツのほおが熱が出ているかのごとく、赤くなっていた。
   まぁ旅先しょっちゅうだが。


   「あと、できれば窓がある部屋にしてくれ。」
   「窓...ですか?」
   「あ、ほら、あれだ。窓から景色を眺めたいんだ。」

   「あ、はい。かしこまりました。」



   ガチャッ

   「ここです。ではごゆっくり...」


   案内された部屋。
   リクエストどおり窓、そして殺風景な家具。


   「兄貴〜...オレもう限界です...」
   「だらしねーな。夜に備えてもう寝とけ。」

   「.............」

   「おい、きいて...」


   なんだ、もう寝てやがる。

   ムリもない。あの危険な渦潮の巻く海を...
   ボートをこいできたんだからな...

   定期船なんかないしな...




   この地方はお前の故郷でも...
   オレの故郷は遠いホウエン...

   洞窟で「これ」を見つけて...

   なんでもあの黒石の下にはお宝が眠っていると...
   しかしここの長老は知らないようだ。

   これは確かめる価値がある。


   「ふあぁ〜...」

   コイツの前では強がってたけど...
   オレももう眠い...

   「寝るか...」

   目を閉じると、これまでの苦労がすっとんでいくようだった。



   少し赤色がかった空の下...
   小さないびきが響いていた。


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