背中はまだ痛んだ。服を着替えてから森に入った。
「えっと・・・黒狼さんはどこだろ・・・」
目的の薬草は手に入った。あとは黒狼に許可を貰うだけ。
この前よりも深く森に入った。
「うわっ・・・き、綺麗・・・」
高くそびえる木々が途切れ、とても広い広場。
その夜空に浮かぶ満月。その月光がそこを照らす。
「え・・あ、あの・・」
その広場にいたのは、巨大な白狼。そして、その周りでは、森に住む動物が白狼を取り囲むようにして眠っていた。
白狼に声をかけようとした時、パチリと片目が開き、黄色の瞳が“黙っていろ”と訴えていたのが分かった。
ゴクリ・・・とその威圧に生唾を飲み、言葉を殺した。
そこから、何分たったかは分からない。
動物たちが目を覚まし、もといた場所に帰っていった。
「どうした?何のようだ?」
唐突に顔をあげた白狼が声をあげた。
「あ、あの・・・黒い大きな狼を知りませんか?」
「?・・黒い狼?」
「薬草を持っていきたいんですが・・許可を・・・っわあっ!?」
ポケットから先ほど摘んだ薬草を取り出そうとしているといつの間にか近づいた白狼に前脚で倒された。
「痛っ・・・」
爛れた背中が地面に触れ、痛んだ。
「ちょ・・な、なにするんですか!?」
「お前・・・美味そうだな・・・」
不気味な笑みを浮かべ、ピンク色の舌で口周りを舐めずった。
「え、ちょ・・嫌だ・・た、食べないで・・食べられたばかりなのにっ・・・」
少年は両手を前に突きだして首を何度も横に振った。
「喰われるのは嫌かの?お主は。」
「え?」
いきなり口調が変わった。どこかで聞いたことのある声。
「別に痛いことはせぬよ。胃袋に入ってもらうだけじゃよ?
若干、笑みを含んだ言葉。これは本気ではない事だ。
そして、この声・・・たしか・・・
「こ、黒狼さん・・・・?」
「ふふふ・・・騙して悪かったの。また、呑まれに来たのかの?お主は?」
「い、いえっ・・ただ、薬草の許可をっ・・」
ベロリ・・・
「う・・・」
「う〜〜んっ・・やはり、お主は美味いのぅ〜・・・」
大きな舌が頬を舐め、唾液をベッタリと残す。
「お主が何と言おうと無駄じゃ。儂はお主を丸呑みするんじゃ。」
「い、嫌ですっ!止めてくださいっ!」
「なに、呑み込んで胃袋に入って貰っても、消化はできぬから安心せい。」
「え・・ど、どういうこと・・・」
「儂は満月の夜は白狼。命を与うる者になる。じゃから殺生・・消化はできぬよ。」
「え?え、え・・ちょっと・・・わから・・」
「儂は我慢できぬ。詳しい説明はせぬ。覚悟は良いじゃろ?早く主の味を堪能したいのじゃ!」
「待って・・じゃなくて、嫌です!」
「主も気持ちよさそうじゃったではないか。」
「そんなことっ・・・」
「駄目じゃ。今回は消化ができぬ分、激しくゆくからな!」
少年を言い分を一方的に否定すると、白狼、いや黒狼の重舌が少年を弄び出した。
ベロリ・・ヌチュッ・・・ヌチャッ・・
グチュッ・・クチュ・・・ジュルルルッ・・
「うはぁっ・・ぁぁ・・」
服がすぐに唾液を吸い取り、臭く、重くなる。
「美味いのぅ・・・グルッ・・ゥゥ・・グルルルゥ・」
「んっ!?んん〜〜〜」
こそばゆい舌の感触に悶えていた時、口に黒狼の舌先が問答無用で侵入してきた。
ヌチュヌチュッ・・・グチュ・・・ニチュアッ・・
「んぐっ!?んんっ・・ん・・」
生々しい水音を奏でながら口内を黒狼の舌が蹂躙する。
生暖かく、気持ち悪い。
「んっ・・ん・・・んっっ〜〜〜!!」
舌がより奥へ侵入。喉を越え、食道へ。
そこから体内へ唾液を直接流し込まれた。
「んん〜〜〜〜〜っ!?ぅ・・ぇっ・・」
ジュルッ・・・ヌチャリッ・・・
喉の筋肉が舌を押し返すのを感じた黒狼の舌が体が出ていった。
唾液が粘っこい糸を引き、舌は黒狼に帰る。
「かぇっ・・・ご・・ほっ・・げほぉっ・・」
「ふふふっ・・・まだじゃぞぉ・・・休みはやらぬぞぅ・・・」
激しく咳き込み飲み込んでしまったねっとりとした生暖かい黒狼の唾液をなんとか吐き出そうと苦しみ、
首を押さえる少年を尻目に黒狼はクフフ・・と妖しく、小さく笑みを浮かべる。
「まだじゃ・・儂の舌を楽しませるのじゃよ!」
バッ! グチュッ・・・ヌチュッ・・
ジュルルゥ・・・ニチュニチュ・・・
もう一度、少年を前脚で苦しめない程度に押さえ、舌を這わせる。粘っこい音を上げ、柔らかな舌は少年を余すことなく味わい、唾液を練り込む。
唾液が体に泡を作り、地面に糸を引く。
「ぅ・・ぁぁっ!!・・はぅうっ・・・」
「ふふふっ・・どうじゃ・・気持ちいいんじゃろぅ・・?我慢せぬとも良いのじゃぞ・?」
「ああっ・・や、止めてっ・・・」
「ヌフフ・・止めぬ・・止めぬぞぉ・・・なんと美味で・・楽しいことよ・・・」
スルッ・・ヌチュヌチュ・・・クチュリ・・
グチャア・・・チャッ・・・
トドメとでも言いたそうに、舌は服の間に入った。
「ぁ・・あはぁっ!・・や、止めてぇ・・・」
「グゥウウゥ・・・グルルルルッ・・・」
黒狼はかなり興奮しており恐らく少年の声は届いていない
グチュッ・・グチャッ・・ヌチュゥ・・・
ジュルッ・・・・ゴクッ・・・
分泌される唾液は底知れず、飲み込まなければ自然にドバドバと流れてしまいそうだった。
その一方、少年の服の下で黒狼の舌が体を執拗に舐め回す。
「ぁぁッ!・・・あはっ!!・・そ、そこはぁっ!」
「ハッ・・・ハッ・・・ゥゥゥゥゥゥ!!」
上半身の一番敏感な所に遂に黒狼が手を出した。
ビクン!と体を大きく震わせ、喘いでしまう。
「ぁぁ・・主を・・早く・・・喰いたい・・・全てを呑みこんでしまいたいっ!!」
シュルルッ・・グイッ・・・
「うぅ・・?」
舌が服から離れたと思うとそれは首に巻き付いた。
黒狼は顔を上げ、それにつられ、少年の体が浮く。
少年の体と黒狼の舌は月光を受けて唾液が煌めく。
ボタッ・・・ボトッ・・
黒狼の口端から唾液がドロォッと垂れ、瞬く間に唾液の池を生む。同じように少年からも唾液が垂れていく。
「じゃが・・まだじゃ・・・まだ主を呑む訳にはいかぬぅ・・・次は口内で牙と戯れようではないか。」
舌を出したまま器用に喋ると・・・
ヒュッ・・バクンッ!
「う・・わぁっ!!」
舌ごと少年を引き込んで、口を閉じる。

 

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