BAD ENDルート
「ううっ・・ふぇっ・・お、お兄ぃちゃ・・ん・・・助・・・けて・・」
情けない声をあげながらも僕はとにかく助けを求めた。
「誰も救いの手は差し伸べぬ。お主は私に喰われる運命なのじゃよ・・・ククク・・」
「あふぅ・・嫌だ・・誰か・・助けてよぉ・・」
舐める事に飽きてきたのか、時々、尻尾に牙が突き立てられる。不快感の中に痛みが襲いかかる。
「痛っ!・・やっ、止めてぇ・・」
「そろそろ、覚悟は良いな・?」
ググッ・・・
「あうっ!?」
尻尾を咥える口に力が加わる。
「お主の・・尻尾・・頂くぞ?」
「えっ・・・」
ガリッ・・グシャッ!
生々しく鈍い音ともに尻尾の不快感が消えた。
「あ・・あああああああ!」
尻尾が喰い千切られた。全身を突き抜ける鋭い激痛。
「痛いじゃろう?諦めたらどうじゃ?すぐ楽にしてやらんこともないぞ?」
尻尾の付け根から血が流れ出す。
「痛い・・痛いよぅ・・お兄ぃちゃん・・助け・・てぇ」「まだ・諦めんのかの・・そうか・・そうか・・」
ヒュッ・・メキッ・・
「ぎゃっ・・」
出血の酷い満身創痍の体に無慈悲の一撃が叩き込まれた。激痛に泣きわめくピチューにキュウコンの前脚が直撃した
「げほっ・・・がはっ・・」
尻尾の出血に加え、内臓が負傷、出血し血を吐く。
「がふっ・・うぅ・・お兄ぃ・・・ちゃ・・ん・」
「諦めの悪いガキじゃの・・お主は・・」
アグッ・・・ブチィッ!!
「!? うぎゃああああっ!!」
今度は右腕。生暖かい唾液に包まれた一瞬後、喰い千切られてしまった。
さらなる激痛と出血を伴うと同時に視界がぼやけ始める。「痛い・・よぉっ! お兄ぃ・・ち・・ゃ・・ん・・助け・・・てっ・・・ぼ、僕・・」
「苦しく痛いじゃろうな・・・・楽にして欲しいじゃろう?」
「おに・・ぃ・・お・・兄・・ぃ・・ち・・ゃ・・・・・ん・・っ・・・・た・・す・・」
ピチューの小さな手に救いの手は差し伸べられず、パチャッ・・と自身の血の上に落ちた。
その小さな目には力はなく、光を失い虚ろであった。
「・・死んだか・・諦めればそこまで苦しまずに楽になれたじゃろうに・・」
冷たくなったピチューの肩を優しく咥え、持ち上げた。 (お主の命・・無駄にはせぬからな・・・)
ヒョイッ・・バクン。
ピチューを空中に放り投げ、落ちてきた所で口に収め・・ゴクンと呑み下す。
キュウコンは下に俯いて目を閉じた。
キュウコンはいつもこうしていた。食事を終えたあとは
目を閉じて黙祷を捧げる。これがキュウコンなりの慈悲なにかもしれない。彼女の心は悪意だけではないのだ。
「しかし・・なかなかに美味じゃったな・・お主は・・」ペロリと自分の口元を舌舐めずりした時だった。
ジジッ!!ピシュッ!! 
キュウコンの頬に電撃が掠めた。
「やっぱり・・いくら探してもいないと思った・・お前の仕業だったのか!キュウコン!」
「誰じゃ・・お主は。」
その声に振り向いてみれば、息を切らせているピカチュウがいた。
「ピチューをどこへやった!?」
「私がそんな事をするとでも?」
「お前しかいない!森をどれだけ探してもいないから、キュウコン!お前がどうにかしたはずだ!」
「・・・そこにいるじゃろ?」
「何だって!?」
そう言われてそこを見てみれば、まだ新しい血だまりだった。おそらく・・・
「キュウコンッ!お前ぇぇぇ!」
怒りに身をまかせて“ボルテッカー”を繰り出した。
「どうやらお主が兄のようじゃの。」
ジジジッ・・・バシッ!ドゴッ・・
「うぐぅ!?」
ピカチュウの中の最強技のはずが・・・・キュウコンは顔色一つ変えずそれを払いのけた。
強靱な前脚がピカチュウに命中し壁に叩きつけられてしまう。
「今、私の腹はほとんど一杯じゃ。良かったの、見逃してやろう。」
「うぐ・・ピ、ピチューを・・返してっ・」
かなり勢いよく叩きつけられ、ダメージが大きい。なんとか立ち上がるものの足がふらつく。
「お主も喰われたいのかの?ん?」
「うるさい・・・ピチューを・・返せっ・・!」
「黙るのは、お主じゃ!」
フォン・・・ドガッ!!
「っくぅ・・じ、“じんつうりき”っ・・」
体がフワリと浮き、再び壁に激突した。
「く・・・っ・・ピ、ピチューは・・お、お前に・・」
「そうじゃ・・尻尾と右腕を喰い千切って、丸呑みで喰ろうた・・・お主の弟をじゃ。」
「っ・・・キュウ・・コンっ・・」
「お主に何度も、何度も助けを乞うておったぞ・・苦しそうにじゃ・・・」
「や、止めて・・・止めろっ・・」
「じゃからな・・それに免じてお主は喰わんようにしようと思っておったのじゃが・・止めじゃ。話を聞かぬ輩は喰ろうてくれる!」
ヒユンッ・・・ドスッ!
「うがっ・・・!?」
倒れたままのピカチュウにアイアンテールで硬質化した尻尾がピカチュウの腹を貫通し地面に突き刺さる。
「ぐぅっ・・」
「お主の弟に免じてすぐに楽にして喰ろうてくれる・」
「まっ・・・・・・」
ガブッ・・グジャッ・・・・
キュウコンはピカチュウの喉笛に噛みつくとそのまま噛み切った。
「話を聞いておればお主を喰わずに済んだというのにじゃ・・なぜ、お主はここへきたのじゃ・・」
辺りに自分の血を大量にながしピカチュウは絶命した。その体はショックで痙攣していた・・
バクッ・・・ゴクン。
「マリル・・・私は一体・・何者なのじゃ?」
口に残る血液と共にピカチュウを呑み下しペロリと舌舐めずりするキュウコンは呟く。
死んではいるが、丸呑みにされたピカチュウの膨らみはズル・・ズル・・と生々しい音と共にキュウコンの喉を下り、腹。つまり胃袋へと落ち込んでいった。
その胃袋にピチューがいるのかは分からない。
何一つ残らず全て胃液で溶けてしまったのかもしれない。
キュウコンは膨らみが胃袋に落ち込んだのを確認すると、
その場で横になるとそのまま眠りに入った。

 

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