【ケース ミミックの生態についての実施レポート】 ウィンキス生態研究所 第二ラボ 研究員ケイト 『既存データの概要』 ミミックは空となった宝箱に潜伏し、冒険者を欺いて襲い掛かるという高い知能を持ったモンスターです。 しかし、冒険者も危険を避けるために戦わなかったり、若しくは生存しなかったために具体的な内部の構造や 形状は未だ不明のままです。 『生態研究のための実施』 モルモットやマウスでは捕食された後の内部構造を調べることが不可能なので、研究員自らが調査すべきと思い 捕獲してきたミミックの体内に入ってみました。 今回の調査で得たことを更なる生態研究に役立てたいと思います。 『使用する道具』 対胃酸スーツ(カラーブラック、女性用) 胃酸中和剤(クリームタイプ、二個) ライト(指輪タイプ) 耐水性小型ビデオカメラ 護身用強力スタンガン 『実施経過』 December,12 PM3:00 興奮剤を投与したミミックの檻を空ける、昼食を与えなかったためかひどく興奮して私に襲い掛かり、 その長く肉厚な舌で私を捕らえて舐めまわしていく。 べロッ! クチュゥッ二チャアァッ! 「ひうぅっ! あうっ! ふうぅ…」 …当然の事だが捕食行為を調査するためには映像と音声が必要になる、被食者側の悲鳴なども 必要となるのだが、レポートを提出したときの教授の顔がやけににやけるのは何故だろう…。 シュルルルッ ガバアァッ! 「いっ?! うあぁぁぁっ!!」 舌で巻き取られ、強引に箱…もとい口の中へ投げ込まれる、先ほど舐められたおかげで体は滑らかになり 衝撃による痛みも殆んど無かった。 研究室の明かりに照らされスーツや肌の露出した場所に光沢ができる口内に納めた後、ミミックは 新鮮な餌の重みに歓喜の表情を浮かべ、先程より強く私の肢体を舐めまわす。 ベロベロッ! グリュグリュグリュリュッ! 「あぐぅっ! ひゃいっ?! あぁぁぁぁぁっ!!」 箱の縁には鋭い牙が並んでいるが、獲物の柔らかさを堪能したいのか、執拗に舌で舐め続けてくるミミック、 その行為に身を震わせながらも私は口内の構造を調べる。 箱の上蓋、箱の下、共に紫色の柔らかい肉壁に覆われていているが、その肉壁の一部一部に 意思があるかのように蠢き、触手のように伸ばして私の体を弄っていく。 ニュルニュル…ググウゥッ…! 「はうぅっ?! いあっ! そ、そこは…」 唾液に濡れた体を這うように蠢く触手、こちらの喘ぎ声を聞いてか興奮は収まりを留めることをしない。 ギイィィ……バタン! 「えっ?! あぐうぅぅっ?!」 とうとうミミックは私を全て取り込んでしまおうと箱の上蓋を閉じてしまう。 閉じ込められた私は上と下から肉壁のプレスに襲われ、苦悶の表情を浮かべる。 外からの光が遮られ真っ暗な世界で再び触手が蠢きだす、それどころか… ニュルニュル…ジュルゥッ… 「うっ?! 熱ぅっ! …消化液?」 唾液とは違い、更に粘質な液体が肉壁から沸き出てくる、そして寝そべっていた私の顔を 焦がしていく…。 「くっ! いけない…! 早くクリームを塗らないと…」 簡易ポシェットから取り出したチューブタイプの胃酸中和剤を全身に塗りたくっていく、 スーツも万能というわけではないので必ず必要となる。 とりあえず腫れるような痛みも消えたので、しばらく触手の蹂躙に耐えながらその肉壁の 形状をライトで照らして観察していく。 「すごい…こんなに消化液に満たされている空間でも触手が溶けることも無く獲物を 消化しやすいように弄ってふやけさせるのね…」 新たな発見に目を輝かせるが、それも少しの時間だけだった。 ジュルルル…シュウウゥゥ… 「痛っ?! …あ、スーツが…」 消化液の侵食が強く、スーツが溶け所々に穴が開いて肌が更に露出してしまう。 流石に身の危険を感じた私はポシェットから二個目のクリームを塗りたくった後 護身用の強力スタンガンを取り出し、ミミックの肉壁に押し付ける。 「研究のためとはいえ、こんな勝手してごめんね…ええぃっ!!」 カチッ バリバリバリバリ!! 「?! ギイイイィィィィッ!!」 「きゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」 私は大事なことを忘れていた、ミミックのお腹の中にいるということは、 こんなところでスタンガンを作動させれば自分も感電してしまうということを… ここから私の意識は少しの間なくなる、目を覚ましてゆっくりと肉壁を持ち上げて時計を見ると 実験開始時刻から二時間も過ぎていた。 「こんなに時間が…でも、何故私は無事なのかしら…」 ミミックの中にそれだけの時間いたのならとっくに消化されてもいい筈だ。 しかしこうしてほぼ無傷でいる…。 よくよく見るとミミックは先程のスタンガンで目を回した後そのまま寝入ってしまっていた。 「もう一つ新たな発見ね、ミミックは安静時なら消化行為が極力抑えられるということが…」 私は眠るミミックを撫で、シャワーを浴びに研究室を後にした。 「ありがとうね」 生態研究に協力してくれたミミックに感謝を込めて舌にキスマークを残して… 『実施後経過』 あれからミミックを調べていくにつれ、ミミックは私に懐き、研究の手伝いをしてくれるようになる。 嫌われたんじゃないかと初めは不安になっていたけど、そんな素振りも見せずに体を摺り寄せてくるようになった。 「よし、今日は貴方の中に二人は入れるか実験しましょう」 「だ、大丈夫なの? ケイト先輩…」 第一ラボから移動してきたフィーという後輩女性研究員が不安そうに尋ねてくる、 傍から見ればミミックはやはり恐ろしい存在なのだろう…。 「大丈夫よ、ちゃんとご飯と実験の区別もつくようになって、私が何度かお腹の中に入るうちに 消化液を出さなくなったわ」 「そ、そうなの…? じゃ、じゃぁ…お願いしていい…? ミミック…」 彼女も好奇心は強かったので、初めは躊躇していたがミミックの舌にもおずおずと 身を任せている。 「あ、でもその子は女の子好きだから色々弄繰り回してくるのよ、がんばってねぇ!」 「え、えぇ〜! きゃいいぃぃぃぃっ!?」 そうこう言っている間にミミックがフィーの体に舌を巻きつけ、口の中に優しく放り込んだ。 そして楽しそうに触手で彼女を弄っている。 「い、嫌! そこは止めてぇっ! せ、先輩ぃぃ…助けてぇぇ…」 「大丈夫、そのうち慣れるわ、じゃぁ、私も失礼させてもらうわね」 私はそう言いながらフィーの入っている口の中の隣に入り込む、少し狭かったが、 ミミックとフィーに密着していて何か楽しそうな予感が生まれていた。 「よし、先ずは実験成功ね、次の実験に移りましょうか」 「ひうぅぅ…? せ、先輩…?」 「初めてこの子の中に入る娘がどれだけ蹂躙に耐えられるのかを調べるわ」 ギイィィ…バタン! 「きゃあぁっ?! く、暗いよぉ…! 先輩っ先輩ぃぃ…!」 「そうそう…そうやって可愛い声を上げたほうがミミックも喜ぶのよ…うふふふ…」 シュルルルル…ニュルニュル…ニュルゥッ! 「あうぅっ! ひいっ!! いひゃあぁぁぁぁぁぁっ!!!」 実験後、彼女は一時間も耐えられないことが判明した…。 以上、【ミミックの生態についての実施レポート】【完】 |