おまけの後書きなり茶小説2 あの湖の畔で…… 一人の女性と一匹の竜が仲良くお喋りをしながら、 ちょっと前に会う約束をしていた待ち人を楽しみに待ち続けていた。 お喋りも一息つき、女性が腕時計をのぞき込むと、 そろそろ約束の時間が迫ってきている。 「そろそろ時間ですね……」 「そうね……早く会いたいわ……」 呟くアイゼンにリヴェーヌが相づちを打つ。 二人は中々姿の見せない待ち人に会う時を今か今かと待ち遠しそうにしていた。 それから暫くして、アイゼンは側の地面に不思議な影をみとめて、 ふと、空を見上げると…… 「こんにちは。 アイゼンさん、リヴェーヌさんお待たせしました。」 二人の元に聞き覚えのある声と共に待ち人が 、 『F』と呼ばれている蒼い目をしているフライゴンが空から舞降りてきた。 そして、Fの背中にもう一匹…… 「Fさん…もう、着いたの〜?」 とても小さなブースターが、 初めて見る場所を興味深そうに見渡してちょこんと小さな顔を覗かせている。 「お久しぶりです〜。」 そんな2匹にアイゼンが微笑みを浮かべて挨拶をしていると…… 「お久しぶり……そちらの小さな子は?」 横からリヴェーヌがヌッと出てきて首を伸ばし、 Fの背に乗っている小さなブースタを興味津々といった感じで見つめた。 「ふふふ…お二人さんお久しぶりです。」 二人の丁寧な挨拶に改めてFも改めてお辞儀をして、 懐かしい人たちに合ったことで嬉しそうに、 アイゼンとリヴェーヌを見つめていると…… 二人の視線が自分の後ろに集まっている事に気が付いた。 「ふふふ……私の背中のこの子が気になりますか?」 それに微笑みながら背中に乗っているブースターを そっと持ち上げて胸の前で抱き直すと…… 「この子はロキと言います。 一番私の古い友達で……私の大事な家族の一人です。 アイゼンさんにリヴェーヌさん……宜しくお願いしますね。」 優しく撫でながら小さなブースター……ロキの紹介をしていく。 「ロキ……後は自分から自己紹介してくださいね。」 「はにゅ〜♪ ふぇっ!? 自己紹介ですか〜!?」 撫でる手に気持ちよさそうに…… 自分から頭をすり寄せているロキにFは自己紹介を促すように話しかけ軽く頷いた。 それにロキはちょっと驚いて…… 「……うん。 Fさん、僕やってみるよ〜 だから…ちゃんと見ててね〜」 ロキはFの両手から飛び降りると、 アイゼンとリヴェーヌの前までゆっくりと歩いていき…… ちょっと間延びした元気の良い声で自己紹介を始めた。 「え、ええと…僕、ロキといいます〜 Fさんの作業のお手伝いや、お使いなんかをしていて、 …ええと…宜しくお願いします〜!」 中々言いたいことが纏まらないような辿々しさで、 必死に説明を終えると最後に勢いよくペコリと可愛くお辞儀をする。 「なるほど……Fさんのお手伝いさんですか。」 「かわいい……」 今にも転がってしまいそうなロキの可愛いしぐさに…… アイゼンとリヴェーヌの頬が自然と優しく緩んでいく。 そして、新しい小さな友達に二人は、 『よろしくね♪』 微笑みながら二人同時にお辞儀をして、 この小さくて可愛い生き物を友達として迎え入れたのだった。 それを一人見届けたFは胸に手を当てて、 嬉しそうに一人で微笑み目を瞑った。 「ふふふ…ロキを気に入ってもらえて良かったです。」 目の前で仲良く笑っている3人を見ていて。 自分の家族が、ロキが無事に受け入れられた事にとても嬉しく、 連れてきて本当に良かったと思っていると…… 「Fさん、僕どうしていたらいいのかな〜?」 いつの間にかロキがジッとしたままで、 目を閉じているFを不思議そうに見上げていた。 「ふふふ……今日は遊びに来たんですから、 ロキのしたいように遊んでいて良いのですよ。」 「……良いの〜? でも……はにゅぅ〜気持ちいいの〜」 何処か申し訳なさそうに項垂れるロキに Fはそっと腰を落とし優しく小さな体を撫でていく。 ……Fは気が付いていた。 さっきからロキがアイゼンとリヴェーヌの方へと 何度もチラチラと遊んで欲しそうに覗き見ていることを…… でも、自分に何処か遠慮して言い出せないことに…… だからFは微笑むと…… 「そうですね。…アイゼンさんかリヴェーヌさん。 ……どちらかロキと遊んであげてくれませんか?」 女性の二人にお願いをしてみたのだった。 「では私が……いらっしゃい。」 そのFの頼みにリヴェーヌが真っ先に反応して、 何処か嬉しそうに笑顔を浮かべると招くように優しく話しかけながら両手を広げる。 「Fさん…僕…遊んでていいの……?」 「ふふふ……ロキ、いいですよ。 リヴェーヌさんに一杯遊んで貰いなさい…私もそれを望んでいますから。」 その言葉に優しく応えながらFは小さく笑顔で頷く。 するとロキの顔がパーッと笑顔になって、 「うん♪ 竜のお姉さん宜しくです〜♪」 嬉しそうにリヴェーヌの所へとトコトコと歩いていき、 広げられた胸の中へ自分から飛び込んでいった。 「おっと。 ふふふ……宜しくね。」 飛び込んできたロキの体を危なげなく抱き留めて、 優しくその体を撫でてみると…… 小さな体から暖かな体温が伝わり、フカフカの体毛が気持ちよく肌をくすぐってきた。 抱き上げられたロキの方も…… 「ふぁ〜…竜のお姉さんのお腹柔らかいです〜♪」 ヒンヤリしている柔らかなリヴェーヌのお腹に、 自分からとても気持ちよさそうに頬をすり寄せて甘えていく。 「ふふふ……何して遊びましょうか?」 思わずギュウっと抱きしめたくなりながらも、 甘えるロキを優しく抱いたまま、リヴェーヌも嬉しそうにしていた。 「ねぇ、その前に名前教えて〜♪」 「私? 私はリヴェーヌ。よろしくね。」 「教えてくれてありがとう〜♪ リヴェーヌのお姉さん何して遊ぼうか〜?」 「う〜ん……そうね……こんなのはどうかしら?」 少しリヴェーヌはどうしようかと考えて…… 今度はおもむろにロキを頭の上にのせてみる。 高く持ち上げられ『わぁ!』とロキが驚くが、すぐに目の前に広がる風景に目を輝かせた。 「凄〜い〜たっか〜い♪ それに湖もとっても大きくて綺麗です〜♪」 一気に高くなった視界にロキは目を見開き、 目の前に広がる湖を見つめて、とても楽しそうに喜んでいた。 その様子にリヴェーヌも、頭の上に目を向けて同じように微笑んでいる。 「うふふ……ロキ君に…… そう言ってもらえて私、とても嬉しいわ♪」 「うきゅう♪ リヴェーヌのお姉さんも笑ってる〜♪」 本当に楽しそうにロキは頭の上で寝そべり、 じゃれつきながら、リヴェーヌの目を覗き込む。 「ねぇ…リヴェーヌのお姉さんじゃ長いから、 お姉さんの事……リヴェのお姉さんって呼んでもいい?」 「えぇ、いいですよ♪」 自分を覗き込むロキのお願いに、 リヴェーヌはとても嬉しそうにしていた。 「えへへ…リヴェのお姉さん…ありがとうです〜♪」 お願いを聞いてもらえてさっそくそう呼びながら、 ロキはリヴェーヌの優しさに嬉しそうに頬ずりするのだった。 その様子を… アイゼンはFと一緒に微笑みながら、 とても仲良くじゃれ合っている2匹を見ていて静かに会話を楽しんでいた。 「来てくれて有難うございます…… リヴェーヌも子供が好きですから……なんか嬉しそうで……」 改めてFにお礼を言った。 そんなアイゼンにFは…… 「ふふ…礼を言われる程の事じゃないですよ。 頼んだのはこちらですから、こっちがありがとうって言いたいぐらいです。」 微笑みを変えることなく、 その言葉に感謝の言葉を返していく。 そこで、しばらく会話が途切れ…… 静かにじゃれ合う2匹を見守持っていると…… 「Fさんは子供好きですか?」 アイゼンは何となくFに問いかけてみた。 その問いにFは軽く頷き、 「ふふふ…私も子供は好きですよ。 でも…ロキは子供じゃないですけどね。」 再び…遊んでいる二人を微笑ましそうに見つめた後…… アイゼンにこっそり耳打ちする。 その途端、アイゼンの目が驚きに見開いていく。 「ん〜……見た目じゃないんですねぇ……」 「ええ……でも、こうしていつの時代でも友達が出来るのは素晴らしいことです。 その事に比べれば…年の差なんて彼にとっては些細な問題にもならないんですよ。」 お互いに小声で、語り合い…… アイゼンが気が付くと、懐かしい昔を思い出しているのか? 二人を見つめながら何処かFが遠い目をしていた…… 「そうですね……」 「……っ!」 それに暖かな何かを感じて、アイゼンは体をゆっくりと傾けていき、 自分より大きな体に少し寄りかかる。 それにFは少し顔を赤くして驚いたが、 小さく俯き体を任せてくれているアイゼンを見つめて…… そのまま、動かずにそっと翼を背に回し、小柄で暖かな体を優しく支えた。 再び止まった会話。 おもむろにFは湖を見つめて…… 「……綺麗な湖ですね…」 今度はFが会話を繋げる。 その言葉にアイゼンは目を閉じ…… 「地震の後は酷かったですけど…… 彼女が一所懸命綺麗にしていきましたから……」 そのときを思い出すように語っていく。 紡がれた言葉は少し悲しそうで…そして、誇らしそうだった。 だから、Fも目を閉じて、 「そうですか…リヴェーヌさん、頑張りましたね。 それにアイゼンさんも……そのリヴェーヌさんを支えてあげて…… 本当に仲がいいですね。」 話を聞き入り、二人の絆の深さを感じ取って言葉を繋げていく。 それにアイゼンが少し苦笑すると、 「はい……偶に求められたりもしますけどね。」 Fに寄りかかっていた体を離して、その事をちょっと嬉しそうに答えた。 そうやって此方の一人と一匹は、ゆっくりと静かに会話を楽しんでいき、 その目はもう一組の二人を微笑みながら見守っているのだった。 そして、その見守られている二人はと言うと…… お互いに相手を撫でたり、一緒に笑ったりと楽しくじゃれ合っていた。 そうやって、満足行くまでじゃれ合った後、 「ふふ、次は何して遊びましょうか?」 次はどうしようかとリヴェーヌは楽しそうにロキに問いかけた。 それにロキはちょっと考えて…… 「う〜ん…リヴェのお姉さん走るのは得意なのかな〜? 得意だったら追いかけっこしようよ〜♪」 「追いかけっこですか?」 思いついた遊びに目を輝かせてロキの小さな手が、 リヴェーヌの頭をポンポンとくすぐったく叩いていく。 いつまでも元気なロキを頭に乗せたままリヴェーヌは 少し頭を傾げて追いかけっこをしている様子を思い浮かべている内に、 『とっても美味しそうな』……事を思いついてしまった。 「良いですが……追いついたら……ふふふ♪」 実は走ることに結構自信があるリヴェーヌ。 笑みを浮かべて不敵に笑い…… 微妙に怪しい、その表情は絶対に何かをたくらんでいた。 「ふぇ? どうなるのかな〜?」 さすがのロキもその不敵な笑いに少し不安を感じてちょっと後ずさりする。 でも、すぐに楽しさがそれを上回ると笑いながらリヴェーヌの頭から体を伝い滑り降りた。 「…まぁ、いいや♪ リヴェのお姉さんそれじゃ逃げるよ♪」 一度、リヴェーヌに手を振ってから、 見た目より遙かに素早い動きでロキはテッテッテと湖の外周を駆けていく。 その後を少しだけ待ってから…… 「ふふふ……それじゃあいきますよ……」 相手にペースを合わせリヴェーヌも走り出し、 二人は湖の外周に沿って楽しそうに騒ぎながら駆けだしていったのだった。 そのまま段々と小さくなっていく二人を、 Fとアイゼンは、少し離れた所から見守りながら、 相変わらず静かに会話を楽しんでいた。 「ふふふ、ロキとリヴェーヌさん。 とても楽しそうですね。」 「ええ……Fさん知ってます? 彼女って見た目以上に素早いんですよ……」 アイゼンさんは二匹を見つめちょっと遠い目をしながら なんどか経験があるかのように…でも、何処か嬉しそうに話し出だす。 その言葉通り…… 「わぁっ〜 リヴェのお姉さんも足早いね〜♪」 ロキは後ろをピッタリとついて追いかけてくるリヴェーヌを見て楽しそうに騒いでいた。 「えへへ…でも、簡単に捕まらないように僕、頑張るぞ〜!!」 つかず離れずの追いかけっこに熱が入り ロキの走る速度がちょっとずつ上がっていけば、それに負けじと…… 「ふふふ、負けないわよ……」 リヴェーヌも同じように速度を上げていく。 しかし、その表情が…… 何処か獲物を狩るハンターのように見えるのはどういう事だろうか? 何にせよ、どちらも…… まだまだ余裕がありそうで、暫く決着が付くことはなさそうだった。 その様子を横目にFは笑いながら軽く頷くと、 「ふふふ…そう見たいですね…」 その時の状況が見たことがあるかのように自然とFの脳裏に浮かび、 自然と笑いが零れてきてしまった。 「それにしても、あの二人を見ていると、とっても微笑ましいです。」 「はい……本当に楽しそう。」 あちらの追い駆けっこに目を向けていると、 本当にもう笑いながらそう答えるしかなくて、 アイゼンも同じようでクスクスと小さく笑っている。 「……そう言えば、リヴェーヌさんはどうしてこの湖に住み着いて 管理しているのか…アイゼンさんは知っていますか?」 ふとした単なる思いつきでFが話題をふると、 「そうですねぇ……ん〜…… 本人はこの場所が好きだから……って言ってますけど……」 アイゼンは、困ったような表情を浮かべ…… 俯きながら自分が知っていることをFに話していく。 「……私が知っているのはそれだけなんです。 彼女に詳しいことを聞くと……いつもはぐらかされて……」 いつの間にかお互いに笑みを消し…… Fとアイゼンはまじめな顔で見つめ合い、少し静かな沈黙が流れた。 Fは……その好きな理由を考えようとして、 おもむろに止めておこうと頭を振る。 「そうなのですか……大切な思い出が詰まっているんでしょうね。」 「でしょうね……追いつきそうですよ?」 それにアイゼンも頷くように相づちを打ち、 そろそろ追い駆けっこが終わりそうな二人を見つめていた。 それなりに長く続いている追いかけっこは、 やはりと言うべきかリヴェーヌの勝利に終わりそうだった。 どんなに一生懸命にロキが走ってもリヴェーヌを引き離すことが出来ず、 それどころかちょっとずつ差が詰まって来ていた。 「きゃっ♪きゃっ♪ すごーい。」 「ほーら、追いついちゃうぞ〜♪」 どうやら捕まえられそうな事が楽しいらしく、 まだ頑張っているロキが嬉しそうに叫びながら逃げていき。 そのすぐ後ろ…… 手を伸ばしたら捕まえられそうな位置で、 リヴェーヌさんが楽しそうに追いかけながらロキを急かしていく。 「きゃ〜♪ 捕まっちゃうよ〜♪」 本当にリヴェーヌさんとの追いかけっこが楽しすぎて、 逆に捕まえて欲しそうに悲鳴をだしながら、 触れそうになる手をすれすれでジャンプしてかわした…… 瞬間、リヴェーヌさんの目が光り、 チャンスとばかり大きく口を開いてロキに向けて首を伸ばした! カプッ! 「きゃぅっ!」 「ふふふ……つっかまえた♪」 見事にリヴェーヌの口が、 宙に浮いているロキの尻尾を捕らえたのだった。 そして、追いかけっこは終わり、まだ、楽しい余韻が残るさなか。 Fとアイゼンの目が届かない湖の反対側で…… 第二のお楽しみが始まろうとしていた。 「えへへ…捕まっちゃった〜♪ リヴェのお姉さんすっごく足が速いね〜、僕ビックリしちゃった〜♪」 追い駆けっこに負けたロキがリヴェーヌに咥えられたまま、 尻尾を上にして、プラ〜ンと振り子のように揺れながら楽しそうに笑っている。 「ふふふ……ロキ君も中々早かったわよ……」 そんなロキを落とさないように器用に口を動かさず喋るリヴェーヌ。 「リヴェのお姉さん、ありがとう〜 僕……っスッゴク楽しかったよ〜♪ またいつかやろうね〜♪」 「ふふふ……良いわよ。 また今度ね♪」 笑っているリヴェーヌの口元で、 くりっとした目で楽しそうにロキが嬉しそうにパタパタと前足を振りながら、 リヴェーヌさんの頭を……の下の顎を見上げていると…… 「ふふふ……それじゃ、さっそく……」 「はにゅっ! リヴェのお姉さん何か尻尾に当たったよ〜」 小さくリヴェーヌが呟くと、 咥え込まれている尻尾に何か冷たい何かが触れて、 ロキは驚きの声を出して不思議そうにリヴェーヌさんを見上げた。 「ふふ……捕まえたら食べちゃわないとね……」 そんなロキを見下ろして不適に笑うと…… いきなり雰囲気が怪しく変わると声も少し低くなり、 ……徐々にリヴェーヌさんの口元が大きく釣り上がっていく。 「ふぇえ? リヴェのお姉さんどうしたの?」 そんなリヴェーヌさんの豹変具合に……、 少し狼狽えて、ロキは怯えたように話しかけるが、 リヴェーヌは怯える獲物の言うことを楽しそうに笑いながら無視すると…… リヴェーヌ「ふふふ……頂きます♪」 軽く首を振り上げロキを真上に投げ飛ばした。 「はきゅぅっ!」 「ふふ……さぁ、いらっしゃい……」 体重の軽いロキは驚きの悲鳴と共に軽々と宙に浮き、 そのまま重力に引かれて、 真下でア〜ンと大きく開いているリヴェーヌさんの口の中へと…… ビチャ! 「ふにゃっ!? うきゅぅ〜〜」 「ハクッ! ふふ……口の中でもかわいい……」 見事にリヴェーヌの口の中へとダイブして、 放り投げられたショックでロキはクルクルと目を回して倒れている。 そんなロキを笑いながら優しく舌で包み込み味見をするリヴェーヌ…… 「ふふふ……やっぱり……美味しい……」 暖かな小さな体から伝わる味が舌を刺激して、 その期待通りの美味しさに、 リヴェーヌは顔を赤く染めて思わずに手を頬に当てていた。 「きゅう〜…なに〜? 動けないの〜」 柔らかな舌に包まれて、体を舐める優しい抱擁に…… ロキはようやく目を覚ました。 「はにゅ〜……柔らかくて湿っぽいです〜…チロチロ…」 唾液でしっとりと体毛を濡らしていき、 舌から伝わるヒンヤリとした感触に気持ちよさそうに身震いをすると…… 寝ぼけ眼で舌の表面をロキは優しく咥えてペロペロと舐めだす。 「ふふふ……くすぐったい……」 舌をくすぐる感触にリヴェーヌはちょっと身もだえして微笑むと…… そのまま、舌を動かしロキを喉の奥へと運んでいく。 「はりゃりゃ〜? 何で地面が動いてるの〜? リヴェのお姉さん何処〜?」 揺れ動く舌に揉まれ転がるロキは不思議そうに呟きながら、 真っ暗な口を見渡し、姿の見えないリヴェーヌの名前を呼ぶと…… 「そこは私の口の中よ……」 その声にリヴェーヌは答えると、 口が開いて差し込む光が口内を明るく照らし…… 唾液の滴る口の中の様子がロキの目に飛び込んでくる。 「ほぇっ!? じゃぁ、僕どうなるの?」 すると、ようやく正気に戻ったのか? ロキが大きく目を見開き変な叫び声を上げ、 舌の上に腹ばいになったままリヴェーヌに話しかける……が、 「ふふふ……どうなるのでしょうね……」 リヴェーヌはそれを軽くながして、 舌を波打たせロキをさらに喉の奥へと運んでいく。 その動きに揉まれ、転がされ、されるがままに弄ばれているロキ。 段々と近づいてくる真っ暗な喉の穴を前に…… かなり楽しそうに笑っていた。 「きゃぅ! あみゅぅ♪ これなんか楽しいです〜♪」 「ふふふ……ロキ君、楽しそうね。 この後どうなるのか怖くないのかしら……?」 舌を動かす度に嬉しそうな声が口の中で響いているのを聞き、 リヴェーヌは微笑みながらも…… もうすぐ食べられてしまう状況なのにどうして、 そんなに楽しそうなのか、不思議に思いロキに問いかけてみる。 「…えっ? えへへ……だってリヴェのお姉さん優しいから〜♪ だから、最終的には悪いようにならないと思ったの〜♪」 ロキの言葉に…… 演技で作っていたリヴェーヌの表情がゆっくりと壊れ、 後から元の優しい表情が再び顔を覗かせた。 「ふふふ……ロキ君……ありがとう。」 貰った言葉を胸の内にしまい込み、口の中のロキに礼を言い…… とびっきりの笑顔を浮かべて、 「では、その最終的なところいきましょうか♪」 嬉しそうに笑い、少し上を見上げるとロキを一気に喉の奥へと連れて行く。 そして、 ゴクリッ♪ 小さくリヴェーヌの喉が動き、 小気味のいい音を立てて優しくロキを呑み込んだのだった。 「ヒャァ〜♪ リヴェのお姉さんの喉って、 滑り台みたいで楽しいです〜♪」 真っ暗で柔らかい滑り台を少し撓ませて、 楽しそうな声を出しながらロキが飛沫を上げて滑り落ちていく。 その様子が喉を下っていく小さな膨らみとして現れ、 リヴェーヌはその感触を気持ちよく感じて…… 「ふふふ……美味しかったわよ……」 優しく微笑み、お礼を小さく呟いた後…… 「はぁみゅっ……はぁわっ!」 ロキが食道で揉まれて喘ぎながら滑り落ち、 最後に胃袋へと頭からビチャリ!とダイブすると 少しだけリヴェーヌのお腹が膨らみ、すぐに元に戻った。 「えへへ……リヴェのお姉さん、楽しかったです〜♪」 胃壁のそこに腹ばいに倒れたまま、 揉まれた感触でちょっと顔を赤くして楽しそうに笑いるロキ。 「ふふふ……ご馳走様♪」 お腹の中から響いてくるロキの声に リヴェーヌは優しくお腹を撫でながら微笑み感謝の言葉を贈った。 撫でられる事によって少しだけ揺れ動き始めた胃袋の中で、 ちょっとフラフラしながらロキは立ち上がると…… 「キャウ♪ ぷよぷよしてて気持ちいいよ♪」 とくに食べられたことは気にせず柔らかな胃袋の中を…… 面白そうに歩き回ったり、胃壁を触ったりして楽しそうに遊びだす。 「あふぅ♪ ふふふ……くすぐったい…… さぁ、二人が心配しているといけないから、そろそろ戻りましょうか♪」 お腹の中で遊ばれてリヴェーヌはゾクゾクと くすぐったそうに身を震わせて、それでも嬉しそうにロキに話しかける。 「ハ〜イ♪ 僕、その間このおもしろい部屋で楽しんでるから〜♪」 それにロキはお腹の中で元気に返事を返す。 外からではよく分からないけれど…… 「ふふ……可愛いんだから……」 お腹の中でロキが動き回り遊ぶ度に胃袋を軽く揺らして、 リヴェーヌはそれを感じ取り、お腹を撫でながら笑みをこぼしている。 それを最後に、ようやく大騒動も静かになり。 リヴェーヌは元いた場所を見つめて、ゆっくり歩き出し…… お腹の中にロキを大切に抱いたまま、元いた場所に引き返していくのだった。 そして、その大騒動にとうとう最後まで、 気が付かなかったFとアイゼンがその時何をしていたかというと…… 話はリヴェーヌがロキを捕まえた辺りまで遡る。 その時、Fとアイゼンは…… 目の届かない遠くから響いてくる二人の楽しげな声を聞きながら、 お互いに色々な事を話題にして楽しそうに会話していた。 今まで話していた会話が一息つき、 次は何を話そうか迷っている二人の元に…… 大きなロキの楽しそうな悲鳴が届いてきて、 Fとアイゼンは思わず目を合わせ、お互いの反応に思わず笑ってしまう。 「Fさん……ロキちゃん。捕まっちゃったみたいですね♪」 「ええ、そうみたいです♪ ふふふ…ロキ、あんなに楽しそうにして……」 笑っていたFの脳裏にある小さな竜の姿がよぎり…… 楽しそうだった笑い声がしぼむように小さくなっていく。 その様子を見て、アイゼンは心配そうにFの顔を覗き込む。 「……Fさん。 どうしました……?」 「いえ、大したことではないです……」 心配そうに声をかけてくれたアイゼンにFは大丈夫ですと微笑み。 もう一人の家族…… 今頃…家でふくれっ面で昼寝しながら、 留守番してくれているはずの小さな竜…… 『リュンカ』の姿を思い浮かべて小さく呟く。 「リュンカも……一緒に連れてきた方が良かったですね……」 「もう一人いらっしゃるんですか……?」 唐突にFの口から零れた初めて聞く名前に、 アイゼンは興味を引かれて、少し遠慮気味に聞き返してみた。 「ええ、リュンカと言って…… F・D(フォーチュン・ドラゴン)と言う種族の竜です。」 アイゼンの気遣いにFは心の中で感謝の言葉を呟き、 大切な家族の一人、リュンカの紹介を…… 『家ではロキと一緒に私の手伝いをしてくれています』 『ロキとリュンカはとても仲が良いです』 ……と身振り手振りを加えて丁寧に説明していく。 アイゼンは黙ったまま…… Fの言葉を少し微笑みを浮かべて静かに聞き入っていた。 「大きさはロキと同じぐらいかな? 後……誰かに抱かれるのがとっても好きな子です。」 家族を紹介できたのが嬉しかった…… だから自然と再び笑みを浮かべながら数分をかけて、 ようやくFはリュンカの説明を終えた。 そこでアイゼンは初めて口を開く。 「なるほど……今度、会ってみたいなぁ……」 ちょっと遠い目をして、軽く頷くアイゼン。 その目はまだ見ぬ新しい友達の姿を写しているのかもしれない。 「アイゼンさん……会いたいですか?」 それを聞いたFは微笑みながらアイゼンに近寄ると、 不思議な事を話し出す。 「ええ……会えるなら会ってみたいです……」 「そうですか……ちょっと両手をこうロキを抱くようにしてみてください」 その言葉にアイゼンが頷くとFはさらに不思議な指示を出していく。 『何をするんだろう?』と、 アイゼンは当然のように疑問を持ったが…… 「こう……ですか?」 言われたとおりに小さな生き物を抱くように腕を組んでみる。 「そんな感じで……来て……リュンカ……」 Fがそう呟くと自分の両手の間に若草色の小さな光球が産み出され…… それをアイゼンの組んだ両手の間に優しく置く。 「この光の球……とても暖かい……」 アイゼンがその光球に振れていると…… 暖かな春風のような空気がアイゼンを包み、ゆっくりと光が消えていく…… トサッ! 軽い衝撃の後、アイゼンの両腕の中にフサフサした若草色の体毛をしていて、 同じようにフサフサの毛に覆われた長くて細い尻尾を垂らしている…… 子犬のような生き物が現れたのだった。 「うわっ!? こ……この子……ですか?」 突然の出現に驚きながらも、 アイゼンは子犬のような生き物の体を優しく撫でていき…… 「あ……これは翼……?」 背中の辺りで小さな翼に手が触れて、 この生き物が本当に子犬では無いことを悟る。 「ええ、この子がリュンカです。 起きてリュンカ。」 Fの呼びかけでリュンカの目がゆっくりと開いていき。 アイゼンに仰向けに抱かれたまま…… 「う〜ん…F様…帰ってきたのぉ〜 あれ? お姉さんだれぇ〜」 非常にのんびりとした声をだして、 不思議そうにFとアイゼンを交互に見つめている。 「おはようございます。リュンカちゃん。 私はアイゼン。よろしくね♪」 そんなリュンカを抱いたまま、 アイゼンは微笑みながら挨拶をすると…… 「アイゼン様ですかぁ〜おはようございますぅ〜 ……きゅぅ〜……暖かくて気持ちいいのぉ〜」 まだ眠そうな目をショボショボさせてながら、 アイゼンさんの体にリュンカは自分の顔をスリスリとすり寄せ始めたのだった。 「かわいぃ……」 ロキにも負けない可愛いしぐさに魅了されて、 アイゼンは思わずギュッとリュンカを抱きしめて、暖かな体毛に顔を埋める。 「キュルル……どうしたのですかぁ〜?」 抱きしめられる体の温もりにリュンカは顔を赤く染めて 気持ちよさそうに喉を鳴らしている。 そこにFがそっと近づいて、リュンカの頭を優しく撫でていく。 「あれ? F様…僕どうしてここにいるのですかぁ〜?」 それで、ようやく目が覚めたのか? ハッキリと開いた綺麗な目をFに向けて不思議そうに問いかける。 「ふふふ…おはようリュンカ。…いきなり呼び出して済みませんね。 アイゼンさんがお前に会いたいって言ったから会わせてみたくなったんですよ。」 「リュンカちゃん。ごめんね♪」 撫でていた手を退けて、 Fは微笑みながらリュンカに事情を説明していく それに続いて、アイゼンも抱いたまま、撫で続け微笑みながら謝った。 その二人にリュンカは可愛く笑顔を浮かべて、 首を横に振り…… 「いいのぉ〜♪ F様、アイゼン様、もっと撫でてぇ〜♪」 アイゼンさんの撫でる手に頭をすり寄せ、 腰回りでリュンカの尻尾が嬉しそうにパタパタと振れており。 『もっと優しくして〜』と 二人にタップリとメッセージを送っていた。 それを見てFとアイゼンは同時に微笑み、 同時に頷くと…… 「ふふふ…相変わらず、甘えん坊ですね。」 「うわぁ……かわいいなぁ……」 Fが頭をアイゼンが体を、 一緒になってリュンカを撫でたり擽っていく。 それにリュンカはさすがにくすぐったそうに身を捩ったりしたが、 すぐに慣れたのかされるがままに撫でられていき…… 「キュル〜♪ ……zzz」 最後に嬉しそうに鳴いた後、 そのままアイゼンさんの腕の中で気持ちよさそうに寝てしまったのだった。 「ふふふ……寝ちゃいましたか……」 「ほんとですね……」 二人でリュンカの幸せそうな寝顔を見つめていく。 暫くそのまま見つめているとFが顔を上げ、 アイゼンに向けて軽く頭を下げた。 「アイゼンさん迷惑かけてすみませんでしたね。」 「いえいえ、こんなに可愛い寝顔を見れただけでも……」 謝るFにアイゼンは首を横に振り、 眠っているリュンカを優しく撫でながら本当に嬉しそうにしている。 「ふふふ…そう言ってもらえると嬉しいですよ。 そう言えば、アイゼンさんは何か私に聞きたいことはありませんでしょうか?」 とても微笑ましい二人の姿にFは笑顔を浮かべてアイゼンに問いかける。 「聞きたいことですか……? そうですねぇ……」 それに少しアイゼンは考えて、 ちょっとすまなさそうに首を横に振った。 「ん〜……特には……思いつかないですぅ……」 「そうですか……ええと……ですね。 何もないなら、実はもう一つアイゼンさんに聞いてみたい事がありまして……」 答えに詰まり、申し訳なさそうに俯いてしまったアイゼン。 気まずい空気が流れ…… ちょっと焦ったFは、 「リヴェーヌさんは竜人の姿になれるの知っていますが…… その姿でアイゼンさんの家に遊びに来たりすることがあるのでしょうか?」 少しでもこの雰囲気を変えようと今度は切り口を変え、 自分が聞いてみたいことを問いかけてみる。 「そ、そうですね…… 一応、この辺にある小屋に移り住んでますのでいつでも会えますし……」 同じくこの雰囲気を何とかしようと思っていたアイゼンは、 その言葉に気を取り直し、ゆっくりと話ながらリュンカを抱き直すと。 色々と小屋についての思い出話をFに語っていった。 そして、最後に…… 「あ、後……偶に夜……会いに来るけど……///」 ちょっと恥ずかしそうに赤くなりながら話を締めくくった。 「そ、そうなんですか…… うぅ……ちょっと空から小屋を探してみますね!」 Fはその赤くなった理由を勝手に想像してしまい。 こっちも赤くなって、思わず逃げるように空へと舞い上がっていく。 「え、ええと……あそこですか?」 空から湖を見渡していくと…… 少し離れたところに建っている大きめな小屋を見つける事が出来た。 「そう、そっちですね……リヴェーヌが竜人になって入ってきて、 中で竜になれるようにって、かなり大きめに作ってますけど……」 再び小屋について語ってくれるアイゼンの表情は、 何処か恥ずかしそうで、嬉しそうだった。 その言葉から……あの小屋は、 アイゼンとリヴェーヌの絆の証なんだなとFは心に感じる。 「ふふふ…本当に仲がよいですね。」 そのまま、ゆっくりと降りてくると、 アイゼンの言葉にFは微笑みを浮かべ…… 「お二人の絆をいつまでも大切にしてやってください。 絆という糸は片方だけが持っていても意味がないんです…… 二人が……多数が……同時に握ってこそ、その糸は初めて絆になるのですから……」 しっかりとアイゼンの目を見据えると、 今までにない程の……優しい口調で語りかけていく。 不思議と…… 一言、一言がアイゼンの心を暖かく染みこんでいき。 アイゼンは全ての言葉を聞き終えると…… 「はい……大切にします……」 キュウッとリュンカを抱いたまま自分の体を抱きしめたのだった。 「ふふふ…ちょっと説教くさかったですね。」 Fは自分の言葉が相手に届いたことを見届けて、 照れくさそうに苦笑いを浮かべている。 丁度そこへ…… 「ただいま〜」 とても気分が良さそうに手を振りながら、 笑みを浮かべているリヴェーヌが二人の元へと帰ってきたのだった。 ……勿論、その側にはロキの姿は見えない。 元気な声にFとアイゼンは振り向き、 微笑みながらリヴェーヌを出迎えようとした……が、 姿の見えないロキにFは不思議そうに頭を傾げた。 「あ、リヴェーヌが戻ってきましたね」 「リヴェーヌさんが戻ってきましたね……けど、ロキは何処に行ったのかな?」 Fはこっちにやってくるリヴェーヌを見つめながら、 キョロキョロとロキの姿を探していくが、見つかるはずもなく…… 「ふふふ……Fさん……どうしたのかしら?」 必死にロキを探しているFを見て、 ちょっとイタズラっぽく笑いながらリヴェーヌが歩いてきた。 「リヴェーヌさん、お帰りなさいませ。 ……それと…ロキ…何処に行ったのか知りませんか?」 出迎えの挨拶と共にFが問いかけると…… リヴェーヌは『ふふふ……』とただ笑うだけで何も答えず。 その変わりに…… 自分のお腹に手を当てると優しくなで始めた。 「やったな……?」 それを見てアイゼンは…… 何か分かったかのようにジト目でリヴェーヌを見つめてボソッと呟いた。 「ふふふ……その様子だとやりましたね。」 その会話の流れでFも理解して、 冷や汗を流しながら……ただ苦笑いをしている。 一人増え、ちょっとだけ騒がしくなった会話に反応して アイゼンの腕の中で、ピクリとリュンカの体が動き…… 「にゅぅ…なんですぅ〜 ……F様、ロキが近くにいるみたいですぅ〜」 目が覚めたのかリュンカがモゾモゾ動いてから飛び降り、 リヴェーヌの方にトテトテと歩いて行くと…… お腹の辺りで匂いをかぎ始めた。 「あら……この子は……?」 リュンカの姿をを初めて見るリヴェーヌは、 不思議そうに新しい来客の見つめいる 「Fさんところの子でリュンカさんですよ。」 そんなリヴェーヌにアイゼンはFからきいた事をちゃんと説明をしていく。 その間にFは…… 「リュンカ……ちゃんと目を覚ましてください。」 リヴェーヌのお腹を気にして見上げているリュンカを抱き上げていた。 「F様…… キュル!」 その言葉と抱き上げられた拍子に、 リュンカの眠気眼の目がパッチリと開き、驚いた声をあげる。 「あぅ〜 竜のお姉さんすみませんですぅ〜」 ちゃんと寝ぼけていたときの事を覚えていたようで、 初めて会う人に無礼なことをしてしまったと項垂れてシュンと俯いてしまう。 「いえいえ……構いませんよ……」 落ち込むリュンカにリヴェーヌは顔を近づけて優しく微笑む。 そんな二人の間にFの声が割り込んできた。 「で……リヴェーヌさん……ロキをどうするんですか?」 笑いながら話しかけ、でもその目は…… リヴェーヌさんの目をジッと見つめたまま動かない。 しかし、リヴェーヌはそれを軽く受け流し…… 「大丈夫ですよ……後で出してあげますから♪ 其れよりも……皆さんご一緒にどうですか……?」 逆に嬉しそうに笑い、軽く口を開いて中を見せつけながら、 今にも食べたそうにFとリュンカを見つめ返している。 「リヴェーヌ……そろそろいい加減にしないと……」 さすがに止めようとアイゼンがリヴェーヌに手を伸ばした…… その手をFが優しく掴み、微笑んだ後、 「……約束でしたしね…ふふふ…私はいいですよ。 リヴェーヌさんのお好きなようにしてくださいです。」 自分から食べられにリヴェーヌさんの所へ行こうとして、 ふとリュンカを見下ろすと…… 「……でもその前に、アイゼンさんリュンカをお願いしますね。」 先にアイゼンの方に近寄り、そっとリュンカを差し出す。 手渡しされた当人は状況を良く理解しておらず…… 「クル? F様どうしたのぉ〜?」 アイゼンに抱かれたまま、不思議そうに渡され頭を傾げている。 「大丈夫……ちょっと入ってもらうだけだから……」 「ふふ……リュンカを宜しく頼みますね。」 そんなリュンカにいつの間にか側まで、 歩いて来ていたリヴェーヌが安心させるように微笑み。 Fはアイゼンを見つめそう呟くとリヴェーヌの前まで歩み寄った。 「はい、行ってらっしゃい♪」 「? うん……分かった……アイゼン様と一緒にいるですぅ〜」 リュンカの方は相変わらず、よく分かってはいないようだが…… 二人はそのまま、Fを見送っていく。 そして、リヴェーヌは目の前で、 大人しく佇んでいるFの両肩に自分の手を乗せると…… 軽くチュルリと自分の唇を舐めて、 「それじゃあ……頂きます♪」 嬉しそうに食事の挨拶をすると、 さっそく大きく口を開きFの上半身を咥え込む。 「ぅんんっ! 優しくお願いしますね。」 牙が軽く背中に当たり、体を柔らかな舌に押し付けられる…… その感覚に軽く身を捩り、喘ぎながら、 Fは体の力を抜いてリヴェーヌの口の動きに身を任せていった。 (それじゃ、そろそろキツネさんみたいに感想タイムと同時に行きますか。 まず私から、アイゼンさんこの度は小説のオファーの依頼を 快く了解してくれてありがとうございました。 だしたのが7月出来たのが9月と2ヶ月以上も開いてしまいましたが ようやく完成させることが出来ました。 色々とご協力もいただいてありがとうございましたです。) 「はくっ……ハグッ……」 そのお願いにリヴェーヌは優しく甘噛みをすることで応えて、 少しずつFの体を口に含み、飲み込んでいき…… (いえいえ、むしろオリジナルなのに書いていただいて有難うございます。 しかもほとんど情報も渡さずにここまで再現できるのが驚きでしたから……) 何度もリヴェーヌに優しく咥え直され、 痛いような、くすぐったいような感覚がFに襲いかかり…… 徐々に口から…… 「ぅう…あぁ…くぁっ…」 気持ちよさそうに喘ぐ声がもれだしてきて…… そのまま、体を口の中へと引きずられて呑み込まれていく。 (いえいえ、発言のログと何回かの質問で、世界観と設定はあらかた推理できたので その後は私の思うように書いてみただけですから。) 「んぐ……ジュル……」 リヴェーヌはFの身体を味見をかねて、じっくりと舐めつつ呑み込みつづけ。 やがて、2mもある身体が全て、リヴェーヌの中へと消えていき…… それに伴って、口が頬がFの身体で大きく膨らんでいった。 (それでも、本当にほんのわずかですからねぇ…… プロットを頂いたときはびっくりしました) 「ぅんあっ! やっぱりリヴェーヌさんの口の中はヒンヤリしてて気持ちいいです。」 口の中では……舌の上に身体を横たえたFが体を、 唾液でしっとりさせて、ヒンヤリとしたリヴェーヌの吐息に身震いしながら 蠢く舌に喉の奥へと運ばれていく…… 頭だけを喉の奥に開いている穴へと落とし込むと、 ……やって来るであろう、次の行為を大人しく待っていた。 (あのプロットはオファーいただいた後、少し仮眠して、 3時間から4時間ぐらいで書き上げました。 実のところ、リヴェーヌさんのキャラを見ていて結構本気で気に入ってたんです。 だから、色々と設定を拾っていって、それをつなぎ合わせてたりしましたので、 あんなに早く出来たりしました) ……そして、それはすぐに訪れ。 「ふふふ……では、いかせて頂きます♪」 ゴクリッ! 口の中にFを頬張ったまま、 少しだけ微笑み…… その言葉の後、とても美味しそうに大きな音を立てFを呑みこんだ。 口の膨らみが喉へと移っていき…… 「ぅんん! ふぁああ!」 ……体が滑り落ちる、喉を膨らませていく感覚に、 Fは身をよじり大きく喘ぎ声を出しながら…… 全てがリヴェーヌの中へと入っていき、 喉の大きな膨らみがゆっくりと胃袋の中へと滑り落ちていった。 「相変わらず好きですねぇ・・・・」 Fがリヴェーヌに食べられる。 その一部始終をアイゼンが見つめていて…… ついに大きく膨らんだお腹を満足そうに撫でているリヴェーヌに、 いつもの事ながら、少しだけ冷や汗をながしていた。 (気に入っていただけるとは……嬉しい限りです♪ しかし、過去ログを大量にお持ちのようで……) その頃、先の呑み込まれていたロキが、 上から響いてくるFが滑り落ちる音に気が付き、 だが、自分に降りかかるであろう不幸には気が付かず。 不思議そうに胃袋の上を見上げていて…… 「あれ?…何か音がしてるです〜? ……ふぁっ! Fさっ! ふぎゅうっ!」 「はぐっ! ぅう…久々に食べられまし…あっ! ロキしっかりしてください!」 案の定…… 胃袋の中へと滑り落ちFがロキを下敷きにして到着したのだった。 慌ててロキの上から退いて、抱き上げ心配そうに揺さぶっている。 (ふふふ、結構なモノです。 いつ誰が何時になんてモノは把握できませんが、この小説を書くに当たって それなりの量のログを勉強して、お二人の発言の違いや、 癖などを一つ一つ探してたりしました。 やっぱり少しは違いますが、結構台詞にはキャラのイメージが詰まってますから 気を使って書いているのですよ。) そんな騒動がお腹を揺り動かし、 その感触にリヴェーヌは笑いながら軽くお腹を揉んだ後…… 「ふふふ……美味しい……あとは……」 まだ、食べたり無いのか? 意味深な目線を残されたアイゼンとリュンカに移し見つめていく。 「よく入りますね……」 その目の意味を正確に読み取り、 さらにダラダラと冷や汗を流し少し呆れたように呟いた。 (よくぞそこまで・・・お疲れ様です) 「キュルル……アイゼン様…… どうしたんですかぁ〜? 顔色が悪いですぅ〜」 冷や汗をかいているアイゼンさんを、体調が悪いのかと思い…… リュンカは心配そうにペロペロと頬を舐めていく。 (ふふふ、御陰で結構いい感動型の丸呑み小説が出来ました♪ 途中でアイゼンさんに何回も感想貰って結構やる気でましたよ) そんな二人に…… リヴェーヌは口元をつり上げていき。 「さぁて……次はどっちかしら……? ジュルリ」 不適に笑いながら大きく口から舌をはみ出させ、 今にも食べかかってきそうな雰囲気を纏い、舌なめずりしながら近づいていく。 そうやって迫ってくるリヴェーヌに慣れているアイゼンは、 それほど慌てることはなかったが…… 「ん〜……一緒に……のほうがいいかな……?」 少し困ったように頬を舐めるリュンカか見つめると…… ギュッと抱きしめて、どうするか聞いてみる。 (いえいえ、感動をどうもありがとうございます♪) 「うん……アイゼン様と一緒にいるですぅ〜 ……中にF様もロキもいるみたいだからこわくないですぅ〜」 アイゼンの言葉にリュンカはしっかりと頷いた。 でも、そう言いながらも…… やはり少し怖いのかキュウとアイゼンの首筋に抱きついていく。 (そろそろ感想も切れてきましたねそれでは、どうぞです。) その間、少し興奮気味の心を抑えながら、 ジッとその会話を聞いていたリヴェーヌは…… 準備がすんだ二人に手を伸ばし、ギュッと抱き上げると…… 「じゃあ、二人まとめて……い・た・だ・き・ま・す♪」 もう我慢できないとばかりに二人まとめて口の中に含み。 二人を嘗め回しながら、あっという間に喉の奥へと運んでいく。 ……そして、 ゴクリッ! 一気に二人を呑み込んでしまったのだった。 (行かせて頂きましたw) アイゼンは喘ぎながら、リュンカはしっかりとアイゼンに抱きつき…… 「キュルルルッ!ヒャゥですぅ〜」 「うぐ……あうぁ……」 二人は仲良く舌に食道に揉まれていき胃袋の中へと落ち込んでいく。 その先…胃袋の中で復活したロキと遊んでいたFは、 胃袋の入り口を見上げ、そそくさと胃壁の端へと移動する。 「うん? ……ロキ、もうちょっと下がってた方がいいですよ。」 「えっ?どうしてですか〜?」 ちゃっかりと安全な位置まで移動してから、 忠告するFの言葉にロキは頭を傾げていて…… またしても、逃げ遅れた。 「あう!?」 「ふえ!? はぎゅうっ!! またですか〜」 「だから、早く退いた方がいいって言ったじゃないですか……」 「きゅるぅぅ……」 胃袋の中に放り込まれたアイゼンに潰されてロキが呻いて、 もう一人、衝撃でリュンカが宙に浮き、Fの頭に着地して目を回している。 一気に騒がしく。 そして、大きく膨れたお腹を見つめて、 とても満足そうにお腹をさすりながら……言うのだった。 「ふふふ……ご馳走様でした♪」 ここまで読んでくれて、どうもありがとうございました。 今回の後書きはどうでしたでしょうか? 殆ど普通に小説にしても良いぐらいになっちゃいましたが、楽しんでもらえたら幸いです、 またの次回作に期待してやってください。 最後に……この後、リヴェーヌさんはちゃんと『私達、3人』を、 丁寧に吐き出してくれた事を付け加えておきます♪ F より。 True The End |
6 /. 後書き