Re: 一緒にいたい ( No.1 ) |
- 日時: 2015/09/27 21:51
- 名前: きじうま @そうげん
「――――さん、お休みなさい。」
「うん、ランターンもお休み。」
ここはキキョウシティのとある家。 自分はランターンと他に2体と暮らしている。 1体はホウエン旅行の時ついてきたジラーチ。そしてもう1体は緑の龍、レックウザ。
何故伝説と幻のポケモンがいるのかは今は気にしないでおこう。
いつも通り夜11時になり、寝ようとして寝室のドアを開け、明かりを付けると、
「おう、やっと来たか。真っ暗闇の中で待ちくたびれたぞ。」
いつもならリビングで寝ているはずの(ポケモン達はそこで寝るよう決めた)レックウザが今日は何故かベッドの上で横たわり鎌首をもたげ、こっちを見つめていた。
人間用のベッドの為、体が収まる訳がなく、体を何回か折り返しているがそれでもはみ出す程だった。
体をくねらせ、こちらへと近づいてくる。
「……どうしたの?ランターンとかと一緒に寝ないの?」
「なあ、私から頼みがあるのだが、いいか?」
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Re: 一緒にいたい ( No.2 ) |
- 日時: 2015/09/27 23:38
- 名前: きじうま @そうげん
「え、何?」
「お前に巻き付いていいか?」
「何だそんなこと?いいよ、ほら。」
と、立ちすくむ。 しかしレックウザは、
「そうじゃない。ベッドの上に立ってくれないか?」
「……?」
レックウザの要求に疑問符を浮かばせながらもベッドの端(枕と反対側)に立つ。
「ありがとう。それじゃあ。」
と、長い体をシュルシュルと巻きつけてくる。 レックウザの柔らかいプニプニした体に巻きつかれるのは気持ちのいい。 本来なら獲物を捕らえるためだから相当強く締め上げるだろう。レックウザはちゃんとそこの配慮はしてくれる。
だが、
「(お、遅いな…)」
どうも巻き付く速度が遅い。いつもなら全身に巻き付くくらいなのに、今日はまだ腰ぐらいである。 しかも、螺旋の隙間が見当たらない。
端から見れば、腰から下がレックウザの体になったかのように思われるぐらいにきっちりととぐろで丁寧に包み込んでいく。
――今日の言動はいつもと何かが違う。
そう考えてレックウザに直接尋ねる。
「レックウザ、どうして今日は」
ギュッギュッ…
すると、レックウザが体を優しく締め付けてくる。
「ふふ、気持ちいいだろう?細かいこと気にせず気持ちよくなっていろよ。」
「あ……うん。」
タイミングのいいレックウザの締め付けで尋ねる気持ちが消えてしまった。
しばらくして肩より下はレックウザのとぐろに飲み込まれていた。
それでも体はまだまだ余り、レックウザはこちらの肩に手を置き、顔を目の前ギリギリにまで寄せてくる。 舌を出せばくっつきそうなくらいに。
何を考えている………?
「ねえ、やっぱり今日のレックウザはおかしいよ?」
「私は至って普通だ。さて、隙間なくぴったり巻きついたのには訳があってね。」
肩を持つレックウザの手に力がこもる。言うなれば押し倒そうとしている。
倒されまいとしても、相手は200kg以上の巨体、その重さも押し倒す手伝いをし、あっけなく枕に頭を置くような形で倒される。 ベッドが勢いと重みでギシギシと音をたてる。
蛇は横倒しが常套手段だが、レックウザは龍。強力な力の故に横倒しにする必要はない。従って今日のレックウザは確実に異常である。 ただ、体の殆どをとぐろに埋まっているので何も出来ない。全てをレックウザに委ねるのみとなってしまっている。
今、横を向けばレックウザがすぐ隣で頭をベッドに置いている。 とても添い寝とは言えない。この状態ではレックウザという布団にくるまっているかのようである。
黄色の丸い眼はじっとこちらを見据えている。 再び顔を寄せてくるが、こちらは何も出来ない。
すると、ふとレックウザが喋り出す。
至近距離でかかる息がどことなく気持ちいい……
「……なあ、私達が初めて会ったことを覚えているか?」
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Re: 一緒にいたい ( No.3 ) |
- 日時: 2015/09/28 18:27
- 名前: きじうま @そうげん
「うん、忘れもしないよ。まさかアルフの遺跡で会うなんてね。」
――――――――――――――――――――――――
〜少し昔のアルフの遺跡〜
「ぐっ…!お前ら……!!」
「へへ、レックウザとは言え、氷タイプの技を使えば簡単に倒せるぜ!捕まえれば大儲けだ!」
「………お前ら、私をなめるな!全員ぶち殺してやる!」
辺りに咆哮が轟き、そしてしばらく技のぶつかるような音や悲鳴が響き、
静かになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
満月の輝く夜、アルフの遺跡を1人、歩いている者がいた。
「さっき、凄い音がしていたけど、一体何かあったのかな?にしても夜の遺跡って神秘的だね♪」
と、遺跡内を歩いていると、突然驚くべき光景に出くわす。
「な、何だこの有り様は……?」
見れば、地面は真っ赤でところどころに人間のと思われる手や足が散らばっている。
地面から目線を離して前を見つめると、
「キシャアア……」
「れ、レックウザ!?」
ホウエン伝説で登場する伝説のポケモンであるレックウザがそこにいた。 体には所々赤い液体や傷が見られ、口からは真っ赤な唾液がダラダラと地面を濡らしている。
人を食べたのだろうか、腹は細身の割には異常に膨れ、体を地面に置いたまま動こうとしない。動けないのかもしれない。 ただ、鎌首をもたげ、眼だけはじっとこちらを見つめ、ギラギラと生気を保っていた。
「……」
何故かレックウザに向かって足を踏み出す。
レックウザを助けたいという気持ちからも知れないし、単に伝説のポケモンに興味があったからかもしれない。
「グルル…キシャウ……」
レックウザが来るなと言わんばかりに唸るが、一向に近寄るのを止めない。 それでもレックウザが動こうとしないのはやはり怪我で動けないに違いない。
遂にレックウザの目の前に歩み寄る。 レックウザに手を差し出そうとして、
「グルガアアア!!」
突然レックウザが力を振り絞ったのか手に食らいついてくる。 だが、レックウザの顎の力も無くなっているのか少し痛い程度である。もう片方の手で頭を撫でてあげる。
「………え?」
レックウザが何かを喋ったような気がしたが、頭を撫でたことで気が抜けたか、それを確認する前に目を閉じて力無くレックウザは倒れこんだ。 口から手を引き抜いて、呼吸を確認すると、何とかしている。
治療するにもここでは出来ないのだが、レックウザの巨体は運べないので空のボールを取り出し、意識の無いレックウザに軽く当てた。
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Re: 一緒にいたい ( No.4 ) |
- 日時: 2015/09/29 22:20
- 名前: きじうま @そうげん
気づけば私は何か柔らかい物の上に乗っているように思われる。 さっきまで地面にいたはずなのに。 目を開けると場所は大きく変わり、壁に囲まれた場所にいる。
――そうか、人の家か。
なるほど、とすればこの柔らかい物はベッドだろう。この部屋を大きく占めているのがその証拠だ。
体を動かそうとして、違和感がする。体のあちこちに白い物が巻かれている。 あ、包帯か。やはり、人が私を家に連れ帰って手当てしてくれたのか。
手当てをしてくれた人を探そうとして、
ガチャ
扉の開ける音がして誰か入ってくる。
「あれ、レックウザ起きた?おはよう。体調は大丈夫?」
「手当てをしてくれたんだな? もしかして、お前が私をここまで運んでくれたのか?」
「そうっちゃそうだけど……ボールに入れて運んだよ。1人じゃ重いし。」
「この私を捕まえただと!?」
私にとって衝撃過ぎて、声を荒げてしまう。 私は仮にも伝説のポケモン、事態が事態であっても一介の人間に捕まるのは屈辱に思わざるを得ない。
「あっ、そんなに声を出したら……」
「う、うるさい!これから私のせ……ゴホッゴホッ!!」
「ほら、急に興奮したら苦しいよ。 あの、今日はそこで1日中じっとしていてよ。自分は用事があるからさ。大丈夫、面倒見てくれるのがいるから。」
私が何か言おうとする前にそいつは部屋を出ていった。 取り残されたが、せっかく助けてくれたのだから今日は素直にじっとしておこうと思った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はあ……暇だな。何度寝たか。昼御飯食べようにも地上の大気は汚いしな…」
と退屈になってくると、
ガチャ
再びドアが開く。 だが、姿を現したのは想像も出来ないようなやつだった。
「あれ、レックウザ。お久しぶりです。また会えて嬉しいですよ?」
「お、お前……!!」
魚のような格好、頭には発光器、そしてかつてカイオーガと一緒に襲ったり、共闘もしたポケモンがそこにいた。
「ランターン……!どうしてここに?」
「色々有りましてね。彼の手持ちなんですよ。」
「……まさかお前が人に使われるなんて……」
ランターンは怪訝そうな顔をし、
「あなた、なんか勘違いしてません? 別に僕は彼の奴隷でもありません。僕が彼を必要としているし、彼も僕を必要としています。 少なくとも『使われ』てはいませんよ。」
ランターンの話によると、奴は学校に通っているため、レックウザの面倒を任されたらしい。
「さあ、レックウザ。お腹空いてません?彼がボロボロのあなたを連れて帰ってきたのには驚きましたが、激しい戦いで疲労しているでしょう?」
と、ランターンは彼の作ったというチャーハンの乗った皿を差し出す。
「何だこれ?」
「彼が早起きして急いで作ってくれたんです。美味しいですよ。」
ランターンに言われるまま食べてみる。皿が小さくて一口で食べてしまった。
「美味しい…」
「でしょう?まだまだありますからどうぞ食べてください。」
昼御飯を満足に食べて、それからランターンと様々な話をした。思い出は懐かしく、充分に楽しめた。
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Re: 一緒にいたい ( No.5 ) |
- 日時: 2015/10/01 00:04
- 名前: きじうま @そうげん
その日の夜、私は学校から帰ってきた奴に色々と尋ねられた。
何故私がアルフの遺跡にいたのかとか、何が起こったのかとか。 素直に全て話した。別に黙っておくことはない。
「なるほど、たまたま地上に近いところを飛んでいたら襲撃されたと。大変だね。」
「伝説ともなると、強さと引き換えに人間に狙われるからな。仕方ない。」
「さて、もう寝るね。レックウザは小さいけどそのベッドで寝るといいよ。自分は違うところで寝るから。」
と、奴は部屋を出ようとする。
「おい。」
「うん、何?」
奴が振り返る間に軽く胴に巻き付く。
「安易に私を介抱するべきではなかったな。回復したとたん、お前に襲いかかるかもしれないんだぞ?こんな風に。」
と、脅しをかけてみる。恩を仇で返すのは嫌だが、人間という生物をある意味嫌っていた。
だが、奴は、
「よかったね。もう動けるじゃん。でも、油断は禁物だよ。お休み。」
奴は唖然とする私の巻きつきを外して部屋の電気を消して、部屋を出ていった。 奴はなんなんだというのだ?
「……ははっ、互いに必要とする、か。」
暗闇の中、私は無性にランターンの言葉を思い返していた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜次の日〜
私は今、奴に包帯を外してもらっている。奴のいうにはもう大丈夫だそうだ。 その証拠に傷はなくなっていた。私の回復力と治療の効果だろうか?
「……はい、全部外したけど全く傷はないよ。もう大丈夫だね。さて。」
奴はポケットからボールを取り出す。だが、中身がない。
「このボールはレックウザが入っていたボールだよ。だから、実質レックウザは自分の手持ちな訳だよ。」
それを聞き、昨日同様に怒りで襲いかかろうとするが、
「怪我も治ったし、必要ないよね。」
と、ボールを床に置いて何か細長い物を取り出し、
パキィン……!!
その細長い物でボールを真っ二つにする。
「……!?」
「ほら、これで自由だよ。空に戻ったら?あ、治療費とかは払わなくていいよ。」
……驚いた。こんなにも純粋な人がいるとは。助ける為だけに捕まえたのというのか!? この時私の心は決まった。
「…………嫌だ。」
「ん?」
「私は戻りたくない!独りでいたくない!私はお前と………
一緒にいたい。」
奴は驚いたが、少し考えて、
「……うん、分かった。レックウザがそう望むなら構わないよ。」
「1つ聞かせてくれ。私はお前を必要としている。だが、お前は私のことを……」
「今の時点では分からない。でも、もっとレックウザと触れ合って互いに必要とする関係でありたいな。宜しくね!」
と、私の頭を撫でてくる。私はその時、自然に嬉しそうに体をくねらせていた。
――――――――――――――――――――――――
「と、こんなことあったよね。」
「ところで今では私とお前は互いに必要とする関係になったのか?」
「勿論。レックウザがいないと自分やっていけないよ。」
それを聞き、レックウザは頭をもたげて真っ正面に改めて真剣な顔で向かい合う。
「どうしたの?」
「……なあ、『まきつき』の意味知ってるか?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
是非、『まきつき』の意味を考えてみてください。(出来れば辞書等を使わずに)
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Re: 一緒にいたい ( No.6 ) |
- 日時: 2015/10/02 22:35
- 名前: きじうま @そうげん
「んーと、相手をぐるぐる巻きにすること?」
「大方合っているが、その意味には続きが存在する。
相手をぐるぐる巻きにすること、それは正しい。だが、その後には離れなくなるという意味がある。 つまり、『まきつき』は相手を巻いてくっつくことだ。
今私が巻き付いたのはお前と……
一緒にいたいからだ。私はお前を愛している。」
そう言って、レックウザはどんどん顔を近づけてくる。
「ちょ…レックウザ、どういうつもり……!?」
「……2度も言わせるな。」
顔を僅かに赤らめ、真っ直ぐに迫ってくるレックウザ。こっちは何をされるのか気づいたが、体をレックウザに抱かれ、身動き取れない。
……ムチュ
粘着質の音を立て、こちらの唇がレックウザの唇と触れ合う。
ヌルッとしていて生温かいレックウザの粘膜……
突然のことで顔を背けるが、体の大きいせいか、唇が貼り付いて振り切れない。
諦めて、顔を元の位置に戻す。
すると、レックウザは顔を更に押しあて、より深く唇同士を密着させる。
「………」
「むぐ…!?」
それと同時にレックウザが締め付けてくる。 体は締め付け、顔はキスでまさにレックウザの思うがままで、レックウザの愛情を受け取っていた。
深く、深くレックウザと密着していく……
暫くキスを続けていると、
ぬるり
と口の中にぬるぬるとした物が歯の間を割って侵入してくる。 言うまでもなく、レックウザの舌である。 当然のことながら、人間の口に舌が全部入るわけないので、レックウザは少しだけ入れてくる。
それでも、口の中を埋めつくすのは十分なくらいである。レックウザの舌は龍らしく、プニプニと柔らかい。
ムニムニと口の中でうごめくその舌。顔が熱くなっていく。
クチャ、ベチャ…
「〜〜〜!!」
レックウザが口内を舐めてくる。ただ舐めるのではなく、口内に元々ある唾液に自身の唾液を上塗りするかのように濃く塗ってくる。
その唾液はレックウザの口からトロトロと流し込まれる。 要するに、レックウザに唾液の口移しをされているのだ。 口内をも自分のモノにしたいということなのだろうか。
ウネウネと狭い空間を頻りに動くヌルヌルしたレックウザの舌に自身の舌を絡ませてみると、甘く感じる。そう言えば、唾液にはムチンという糖を含んだたんぱく質が含まれていると少し前に習った。そう考えると妥当である。
舌によって唾液を塗られるのと同時に時々唾液を飲まされる。 何とか呼吸をしようとしても、レックウザの舌で口内が埋まっているので鼻呼吸しかできない(レックウザは口が前後に広いため、口の隙間から呼吸できる)のに加え、時々の唾液ジュースの為に呼吸が苦しかった。
だが、顔を赤らめ、目は幸せそうに細めてこっちを見つめている。
既にこちらはレックウザに完全に魅了されている。 身だけでなく心をも、もう何もかもレックウザの好きなように任せた。
その後、時間も分からない程長く深い深いキスを続けた。
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Re: 一緒にいたい ( No.7 ) |
- 日時: 2015/10/04 20:17
- 名前: きじうま @そうげん
どれ程の間口づけをしていただろうか、漸くレックウザは舌を抜き口を離す。
すると、互いの口の間では銀の細い糸がつむがれている。 それをレックウザは舌で切る。
口を少しでも動かすとクチャアと音がする。長くくまなくレックウザに舐められた為、口内ではレックウザの唾液が糸を引いている。
口内は舌も含めてレックウザの唾液で包まれている。もう完全に口はレックウザのモノになってしまったようだ。 唾液の粘性が大きく、取り去るには時間がかかりそうだ。
こっちは漸くちゃんと呼吸が出来てハアハアと空気を貪っている一方で、レックウザも興奮していたのだろう、息を荒らげていたが、こちらから顔を背けていた。ただ、目は申し訳なさそうにこちらを見つめていた。
「す、すまない……単なる私の欲望に付き合わせて……」
「……」
「ただ、私はお前を愛している。これだけは伝えて置きたかった。お休み、私は寝床へ向かうわ。」
と、レックウザはとぐろを外そうする。
「……レックウザ待って。」
呼び止められて、レックウザの体の動きが止まる。
「もうひと巻きしてよ……」
今、肩まで巻き付かれている。つまり、更に1周するということは……
「完全に巻き付いてしまうぞ……?」
「うん、レックウザの気持ちを知ったら、応えないわけないじゃん。一緒に寝よ?」
「……ありがとう。私はお前に助けてもらって正解だったな。」
と、体の残りを呑み込んでいく。
体全てをとぐろに呑み込むと、ベッドの上にはレックウザ以外の生物は見られない。 横にとぐろを巻いているようにしか見えない。
一方で、とぐろの中では、
「ああ、気持ちいい……」
完全にとぐろに呑み込まれ、同時に快楽の海に呑まれていた。
レックウザの体内とは異なり粘液は無いが、密着しているレックウザの体の温かみ、締め付けてくる柔らかさはまるで体内にいるかのようだった。
どこを見ても緑と黄と赤の体。レックウザと1つになっているような気持ちがする。 窒息の恐れがあるが、レックウザが頭で完全にとぐろの蓋をしない限り大丈夫だろう。 夜遅くか、それともレックウザと一緒にいることの充足感か、次第に眠くなってくる。
「レックウザ、同じくあ…い…し……て………」
最後の言葉を言い切れず意識を手放し、レックウザに再び身も心も全てを預けた。
「眠ったか……。こう見るとお前は私に対して絶対的信頼を置いている。私がその気になればすぐに命を奪えるのに。」
――今、私のとぐろの中では愛する者が眠っている。 ここで力を入れて締め上げれば、永遠に私のことを思ったままであろう。 体を食べてしまえばずっと一緒にいられる。
そう考えると無性にとぐろに力が入る。
「でも………死んだら2度と話せないんだよな。」
力を入れるのを止める。
――思い返せば、初めて会った時はこいつの心意気に感動した。その内、互いに必要とする関係を作りあげてきた。
よく考えると一緒にいたいという一方的な欲求に、こいつは辛そうな素振りを全く見せずに応えてくれた。 私のことを全て受け止めてくれる。今もこうして。
「……恩を仇で返すのは底辺な奴だな……」
軽く優しく締め付ける。 すると、中から嬉しそうな声がする……ような気がする。 これは私があいつに期待しているだけなのかもしれないが
「朝まで一緒だ……」
と、目を閉じようとすると
「ちょっと、部屋の明かりまだ付いているの……ってレックウザ?――――君はどこいったの?」
突然ジラーチが部屋に入ってくる。 時計を見れば、午前1時。 しかも、部屋の明かりを付けたままであった。 こんな夜遅くまで明かりが付いていたら不自然なのは当然だった。
「あ、ああ、あいつはトイレにでも行ったぞ。私はあいつを脅かしたいから明かりを消してくれないか?」
とっさに嘘をつく。まさか自分のとぐろの中にいるなんて言えないし、動けない。
「ふーん、そう。先に寝ているからね、お休み。」
パチンとスイッチを押してジラーチは部屋を出ていった。
「ふう、よかった……。さて、寝るか。」
目を閉じて愛する者の後を追った。
「あはは……おふたりさん、ずっと幸せに♪」
ジラーチの声を最後に家にやっと静けさが訪れた。 いつもより遅い訪れだった。
一緒にいたい END
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以上で『一緒にいたい』は終わりです。 感想、こんなシチュエーション(レックウザに限らず何でもOK)が欲しいとかの要望ありましたら是非頂けると嬉しいです。
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Re: 一緒にいたい ( No.8 ) |
- 日時: 2015/10/11 02:02
- 名前: どこぞのY
- あの,,,VORE要素ありましたか?
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Re: 一緒にいたい ( No.9 ) |
- 日時: 2015/10/11 07:54
- 名前: きじうま @そうげん
一応、文章内に
『体が飲み込まれていた』 『体の残りを呑み込んでいく』
という描写があります。 ですから、形式的にはとぐろvoreのつもりです。 (レックウザの巨体だからこそ出来る所業…!)
ついでに詳しくは書いていませんが、アルフの遺跡では人が食べられています。 もし、レックウザに(本当の意味で)食べられることを期待していたなら申し訳ありません。
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Re: 一緒にいたい ( No.10 ) |
- 日時: 2015/10/19 18:04
- 名前: きじうま @そうげん
一応、ちゃんとした(←?)VORE要素を含んだ分岐を書いておきます。
〜NO.7の途中から〜
――ただ、目は申し訳なさそうにこちらを見つめていた。
「す、すまない……単なる私の欲望に付き合わせて……」
「……」
だが、突然何かを決心したかのようにレックウザの目の様子が変わり、再び顔をぐっと寄せ、
「お前の唇を奪い、口内を私の物にしただけでは満足出来ない! お前の……
全てが欲しい。」
「……え!?」
どう考えても意味深な発言に驚く。
「いや勿論、結婚しようとかそう言う意味ではない。私はただお前を愛したいのだ。 生殖行為を求めている訳ではない。」
「(もしそうでも構わないけど……)だったらレックウザは何を求めているの?」
その質問の答えが返ってくるまで少し時間がかかった。
「私に……食べられてくれ。そして生きたまま私と1つになってくれ。」
「それって……つまり死ぬ?」
「いやいや、言い方が悪かった。一晩だけでいいから私の腹の中にいて欲しい。」
ちらりと時計の方を向くと0時30分。もう眠気も強くなる頃。
――もしレックウザの温かい体内で眠れたら……
という考えが頭をぐるぐると回る。
「……分かった。レックウザの好きなようにしてよ。」
それを聞いたレックウザは、
「ありがとう。やはり、お前はどこまでもいつまでも愛したい。」
と口を頭に被せる。
レックウザの口内ではやはり先程口内を犯した舌があり、今度は顔や頭をヌルヌルに犯しにかかる。
ベチャア…クチュウ……
「ぶはっ…!苦しい……」
唾液が更に口や鼻に入ってくるので呼吸が苦しくなる。
すると、突然口から外される。
「おっと、頭から食べると窒息するかもしれない。足からいくぞ。」
レックウザはとぐろをいったんほどき、ベッドに寝かせて(その為、枕はレックウザの唾液で濡れる)、今度は足から食べ始める。
食べられていくにつれて体が持ち上がっていく。 と、同時にレックウザの顔が近づき、体が柔らかく温かい何かに包まれて、ヌルヌルになっていくのが分かる。
「(さて、顔は上向きのままでいいのか?それとも下向きか?)」
そろそろ天井も拝めなくなるような頃にレックウザは訊ねている……ように感じられる。これが以心伝心か。
「……どっちでもいいよ。どうせレックウザと1つなのだから。」
その言葉に答えるかのようにレックウザは嬉しそうに目を細め、次の瞬間、視界はレックウザの体内のみとなった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
濃い粘液にまみれてズルズルとレックウザの奥へと進み、しばらくすると体を運ぶ肉の動きが止まる。ここが今日の寝床のようだ。 すると、体が意思に反して曲げられる。レックウザがとぐろでも巻いているのだろう。
同時にムッチリと外からとぐろに挟まれて同化せんとばかりにギュムギュムと肉壁が貼り付いてくる。
「成程、1つになるとはこういうことか……、あっ、服朝になったら洗わないとね……」
レックウザの言う意味を完全に理解し、柔らかさと温かさと粘液と気持ちのいい圧迫感に包みこまれながら眠りについた。
「私はお前の全てを得ている。動きも、体も全部。」
――十分だ。ここまでして、不十分なことが有るとすれば生しょ…、いや、そのことは考えないでおこう。
奴は私に全てをくれたが同時に私も私自身全てをくれている。 愛する気持ちやこの体を。若干自分勝手だが、確かに奴に尽くしていると捉えれば妥当だろう。
せっかくだからと思い、中身を程よく潰すような形でとぐろを巻き、眠ろうとすると、
「いつまで明かりついているの…ってレックウザ?――――君は?」
ジラーチが部屋にやってくる。時計を見れば1時。こんな夜遅くまで部屋の明かりがついていたら不自然なのは明らかだった。
「ジ、ジラーチ、明かり消しといてくれないか?あいつトイレにいったようで戻ってきたら驚かそうと思って……」
咄嗟にごまかす。食べたとは言えないし、動けない。
「……トイレの明かり消えていたはずだけど?」
「(……!?)」
まさか既に調べ済みとは想定外だった。
「……と思ったけどボクの見間違いかな?お休み。」
何とかごまかせたようで、ジラーチはパチンと部屋の明かりを消して部屋を出ていってくれた。 そして、幸せの中、目を閉じて眠りについた。
「あはは、レックウザも思い切ったことするね〜、おふたりともいつまでもお幸せに♪」
ジラーチの声を最後にようやく家には静寂が訪れた。 いつもより遅い訪れだった。
一緒にいたい(分岐編) END
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Re: 一緒にいたい ( No.11 ) |
- 日時: 2018/08/11 00:54
- 名前: 名無しのゴンベエ
- 上様
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Re: 一緒にいたい ( No.12 ) |
- 日時: 2020/11/17 20:53
- 名前: 名無しのゴンベエ
- ハクリュー見たい
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Re: 一緒にいたい ( No.13 ) |
- 日時: 2021/04/11 02:29
- 名前: きじうま
- >No.12
今のところ裏での執筆予定は無いです。Aではまだ未定、時々見に来ていますが寂れましたね…
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