Re: けもりうさんのうわさ ( No.1 ) |
- 日時: 2021/03/06 04:25
- 名前: 水のもと
- けもりうさんけもりうさんわたしのことを温めて下さい。
布団の中でそう唱えるとけもりうさんがやってくるという
そして彼の持つふわふわのお腹で包み込んで温めてくれると。 それが自分の生命と引き換えだとしても、 孤独と寒さに震えるものにとっては救いと成り得た。
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「仕事に行きたくない…」
生活と仕事をやらなければ生けない明日が来るというのは青年にとって、危機であった。
暖かい空気というものが布団と沸かしたお湯の中にしか感じられない季節というものが彼の行動意欲を更に削いでいた。
筋肉の運動エネルギーによる体温の上昇では、まかなえないほど冷たくなる手先足先。
唯一の救済である風呂、暖かい飯、布団の中での睡眠のうち、風呂や飯さえ準備する気力が青年の中で失われかけて、残る布団基地のみが、彼の安全基地となっていた。
もはや、まともに他者と意志疎通を図ることすらできないほどエネルギーが枯渇していた青年は布団の中で、子供の頃聞いた、遠い昔の記憶の怪談、「けもりうさん」を思い出した。
「けもりうさん、けもりうさん、どうか私のことを温めてください、だったかな?」
暖かい毛布と羽毛布団に包み込まれる感触を抱き締めながら、呟くように言った。
橙色の豆球の光で染められた暗がりの部屋とほわほわと降りてくるエアコンの温風の音だけが部屋の中で生じていて、所詮、子供の思いつきなのかもしれないと、布団を深くかぶり、けもりうさんを妄想しながら寝に耽る。
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背中が汗ばむほどの暑さを感じて目が覚める。 ふと、マットレス横に置いた置時計を見ると二時間後の夜の3時で、妙に薄暗かった。 お腹の上に何か乗っているらしかった。
ぬちゃり ぬちゃり
首筋に這う熱くて滑らかな感触。 それは床屋で髭剃りをする際に塗りつけられる熱いクリームのような感触だった。
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「寒かったよねえ」
「怖がらないでいいんだよ。僕は君を温めに来たんだ。お腹の中でね。」
「大丈夫。大丈夫さ、ちょっとお腹の中に入るだけなんだから。」
けもりうさんはフラミーのように黄土色の蛇腹と 白いくさむらのようなふさふさの体毛を持っていた。ただ、お腹は不思議なファスナーのようなものがついていて、そこからお腹に入れるようだ。
青年が入るとファスナーは消え去り、出られなくなる。ねっとりとした胃袋の中で、溶かされることになった。
「ぐひ、ぐひひ、お腹いーっぱいだねえ。こんなにすんなり入ってくれちゃって、あんなに薄幸な顔しといて、意外とお腹の中で、暴れてるんだなあ。ああ、たまんない、ぐへ、ここでしこらせてもらおうっと。」
人一人の形を脂肪たっぷりの腹膜の中に浮かべるけもりうさんは、仰向けになりながら、青年の生活雑貨のゴミ箱やらテーブルやら様々な小物が散らばる上に巨体を伸ばし、仰向けになると、膨らんだ胃袋の下の総排泄孔からにょきにょきと伸びた巨ちんに自らの肉球を這わせ、上下にシュコッシュコッシュコッとシコリ始めた。 お腹の中で蹴られたり殴られたりする感触が妙に心地よく、ぎゅるぎゅると胃液を分泌する音と、こんこんと涌き出る悲鳴をおかずに刺激しているちんぽの気持ちよさがより高まるのだった。
「ああ、さいこー、どんな気持ちかなあ。お腹の中で死ぬほど温かくされて、おかずにされる気分って。」
けもりうさんは自分のことをまだ覚えている人間に出会い、こりゃまだ喰える子供は残っているのかもしれないと微笑んだ。食べると脅して、ギャン泣きする人間の子供を巨体で蹂躙しまくった後、やっぱりお腹空いたからといって、なけなしの希望を簡単に破り無理やり呑み込んだお腹の中での感触で満足しながら、余韻に耽りシコッたり、眠ったりする。
けもりうさんは、救済などではなく、単なる捕食者であった。
「ああ、イクッ!」 ビュククッと畳一畳分ほどの獣竜のイカ臭い精液が、掃除したばかりの綺麗な茶色いフローリングの上にぶちまけられた。
「あっまだしこれそう…こいつ、お腹の中に入れる前に犯してもよかったかも、絶対並みの子供より耐えきれそうだったしー、勿体ないことしたー 」
とはいいつつも、けもりうさんは数回オナニーのちに射精し、青年の家の色んな所を小汚い欲求不満の獣竜のザーメンでべとべとに汚しまくってから、満足しきって眠りこけ、朝になると、自分の居所へ戻っていった。
家賃を滞納して音信不通となったことをきっかけとして、中に入った大家が入った時、彼の部屋は、ものが散乱し、謎の白いシミやかぴかぴになった白い膜のようなものがこびりつき、ひどい有り様だったという。
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