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Re: わにドラ?【エロ/cock/Unbirthとか】 ( No.11 )
日時: 2011/05/09 01:10
名前: ROM-Liza

 どうもお久しぶりです。鬼畜モノを書いてみたいなと思って、こんなん書きました。

 前回は番外編みたいな話でしたが、今回は完全なるifの世界です。本編とまったく繋がりません。

 話は本編第1話の別ルートであり、ちっさい雌リザードンのリンが
グラエナに食われかけてた所を、デカいポケモンに助けられた後から始まります。

 ということで、興味のある方はドゾー



No.2「鬼畜オルガさん」


 目を覚ますとそこは知らない場所だった。起き上がって見回しても、
暗くて周りの状況も見当がつかない。もうすっかり日は暮れてしまったらしい。
ただ、川のせせらぎのような音が頻りに聞こえている。それだけが手掛かりだ。

 随分長いこと気を失っていたんだろうか。何だか頭が重い。
起き抜けで目が慣れない所為で、自分の尻尾の炎もやたらと眩しい。
ぼんやりと整理のつかない頭で、とにかくあたしは朧気な記憶を辿った。
あの小生意気なエテ公とイタチ野郎の悪戯で身動きが取れなくなって、
そこをグラエナに襲われて、それから――

「やっと目を覚ましたか」

 背中からの声にあたしはハッとする。思い出した。あたしは攫われたんだった。
多分、この声の主に。

「ひゃっ」

 急に体が締め付けられ、足が地面から離れた。鷲掴みにされたみたいだ。
 じたばたもがいていると、尻尾の炎が目の前に恐ろしい形相を照らし出した。
ギロリとこっちを睨む三白眼、あたしの体を簡単に突き破りそうな鋭く太い牙、
何でも噛み砕いてしまいそうな逞しい顎。そんな怪物を目の当たりにして、
あたしの心臓はきゅっと縮み上がった。

「心配しなくても、あのグラエナは今頃何処かで伸びてるだろうし、
ここはあの場所から大分離れているから安心だよ。ちなみに俺の住処なんだ、ここ」

 予想外に甘く優しい声を掛けられた。この怪物、見た目は野蛮な感じがするのに、
声は別人だ。でも、油断はできない。

「フフ、震えてるね。そんなに怖がらなくていいんだよ。何にもしないから。
――ほら、君、お腹空いてるだろ? これ食べなよ」

 そう言って怪物は、何処からともなく木の実を差し出してきた。
ピンク色でプニプニと軟らかいそれは、モモンの実だ。
他の木の実とは比べ物にならないほど甘くて美味しい、あたしの大好物だった。

 思い返してみれば、今日一日は飲まず食わずで散々飛び回った挙げ句、
命の危険にも遭った。お蔭で体はクタクタ、お腹はペコペコだ。思わず唾を呑む。

 いや、待てよ。これは何かの罠かもしれない。見ず知らずのあたしに
こんな施しをしてくれるような奴が、今までにいただろうか。
あたしに近付いてくる奴は、殆どが悪戯目的か獲物として追いかけてくるかだ。

 もしかしたらこいつも、あたしを太らせた後で美味しく頂こうという魂胆なのかもしれない。
簡単に誘惑に乗っちゃだめだ、とあたしの中のあたしが警告している。

 だけど空腹はとっくに限界にまで達していた。木の実一つを運ぶことさえ
重労働のあたしにとって、今のこの状況はありがたいことだ。
 それに、小さな体の所為で移動範囲が限られているから、
モモンの実なんてそう簡単に出遭える代物じゃない。

 結局あたしは誘惑に負けて、モモンの実に手を掛けた。
大きく口を開けて齧り付く。牙が皮を突き破って中の果肉に届くと、
仄かな良い香りが立ち昇ってきた。
噛んでいくと、甘さが口いっぱいに広がってきて、全身にまで沁みわたってくるような心地がした。

「……おいしい」

 空腹が満たされてくると、体がじんわりと温まってきた。
ほっとした所為か、いつの間にか目が潤んでいる。

 ふと頭を撫でられる。目を丸くして顔を上に向けると、あの怪物の指先が見えた。
怪物の顔を窺ってみると、あの厳めしい顔形からは想像しにくいほど穏やかな表情で微笑んでいた。
慰めてくれようとしているらしい。

 ごつごつとした皮膚だけど、その指使いには何だか癒されて、遂に涙を零してしまった。
流石に泣き顔を見られたくはなかったあたしは、木の実に顔を埋めるようにして、
夢中で果肉を貪った。体中がベトベトになろうがどうでも良かった。





 モモンの実を完食したあたしは、後ろの方に手を付いて、足を放り出して座っていた。
木の実一つを丸ごと食べたので、あたしの小さな腹の中はパンパンに膨れている。
だからこの姿勢が楽だった。

「お腹いっぱいになった?」

 怪物が話しかけてくる。私はそっちの方を見て、笑顔で頷いた。涙はとっくに引いていた。

「あの……ありがとう。助けてもらったり、食べ物を貰ったりしちゃって」

「いいんだよ。大したことしてないし」 

「そんなことないよ! 本当に感謝してるんだ」

 謙遜する怪物に、あたしは強く言う。あのまま誰も来なかったら、きっとグラエナに食べられていた。
それに、こんなに心休まる中で食事ができたのはかなり久し振りだった。
食べられる恐怖と隣り合わせの毎日の中で、やっと出遭えた優しさだった。

「あのさ、その……あんた、何て名前なの?」

 上目遣いであたしは訊ねる。命の恩人のことを、モノローグの中で
いつまでも怪物′トばわりするのは申し訳ない。

「ん、俺? 俺の名前はオルガっていうんだ」

「おるが?」

「そう。オーダイルのオルガ。君は?」

 オルガが訊き返してきた。ちょっと嬉しかった。オルガにしてみれば、
訊ねられたから訊ね返しただけのことなんだろう。

でも、捕食者や悪ガキ以外に相手にされないあたしにしてみれば
、誰かがあたし自身に少しでも興味を持ってくれるのはとても感動的なことだ。

「リン。リザードンのリン」

「リンか。可愛い名前だね」

「あ、ありがとう」

 照れ臭さに顔中が熱くなる。親以外の誰かに褒めてもらえることなんてこと、
生まれて初めてだ。きっと今、あたしの顔は真っ赤になっている。
顔が小さい上に、元から皮膚がオレンジ色だからあまり目立たないだろうけど。

「ねえ、リン。ちょっと提案があるんだけどいいかな」

「えぁっ!? え、な、何?」

 ふとした拍子にオルガが話しかけてきたので、照れていることを悟られまいとしていたあたしは、
必要以上にびくついてしまった。

「どうして君がそんなに小さい体なのか分からないけど、
さっきグラエナに襲われていたことからしても、君はきっと
危険な毎日を過ごしてきたんじゃないかと思うんだ」

 うんうんと頷く。全くもってその通りだ。

「そこでなんだけどさ、その、」

 オルガは少し恥ずかしそうに口元に手を当ててから、決心した様子で言った。

「……俺と一緒に暮らしてみない?」

「……え!?」

 思わず叫んでしまった。予想外の言葉だった。

「いや、君さえ良かったらでいいんだ。君が食べるものは簡単に準備してあげられるし、
俺と一緒なら他のポケモンに襲われる心配もないしさ。どうかな、って」

「いい! 凄くいい!」

 あたしは目を輝かせた。条件が良すぎて断る理由がない。

「でも、何であたしのためにそんな……」

 凄くいい提案なんだけど、あたしにはオルガがこんなに優しくしてくれる訳が分からなかった。

「何で、かあ。まず第一に、君の境遇が可哀想だったっていうのがあるんだけど」

 そう言いかけると、オルガは目を細めて、あたしに向かって手を差し伸べた。 
そして、指先であたしの頭を撫でる。

「リンは辛い目に遭いながら、一生懸命に生きてきたんだもんね。
そこが健気だなぁって思ったんだ。そしたらその健気さが可愛く思えてきて。
だから君のことを守ってあげたいんだ」

 ただ驚くばかりだった。こんなにあたしのことを思いやってくれるポケモンは、
今まで見たことがない。胸の中に溜まっていた重苦しいものが、
今はスッと消えてしまったような感じだ。オルガの言葉で、
今までの苦労や困難が全て報われた気がした。

「うぅっ……ふわああああああぁん!!」

「えぇっ!?」

 突然目に熱いものが込み上げてきて、耐えきれなくなったあたしは、
何とも締まりのない間抜けな声で泣き叫んだ。思い切り泣くところなんて
誰にも見られたくなかったけど、止めようがないから仕方ない。
あたしはオルガの指にしがみ付いた。すると、オルガはあたしの頭を撫でてくれた。
何度も何度も撫でてくれた。あたしはそのまま思う存分泣き続けた。





「ひうっ、……ご、ごめん。もう、大丈夫だから」
 
 漸く涙が引いてきた。いつまでもオルガの指にくっ付いているわけにもいかないので、
しゃくり上げながら離れる。

「もういいの?」

「うん。沢山泣いたらすっきりしたよ。ありがと」

 目元に残っていた涙を拭って、オルガに笑いかける。

「それは良かった」

 オルガも笑顔で返してくれた。それを見て心が和んだ。
こんなに温かい気持ちにしてくれたポケモンは、今まで誰一人だっていない。
でも、オルガの傍に居れば、これからはいつだって安心して過ごしていける。

 そう確信しかけた時だった。

「……それはそうと、リンの体、木の実の汁でベタベタだね。俺が洗ってあげようか?」

 オルガがあたしの体に指先で触れながら言う。さっきモモンの実を食べたときに、
全身がその汁で塗れてしまったので、確かにベタベタとしていた。
流石にこのままだと気持ち悪いので、そろそろ落としたいとは思っていた。

「いやぁ、何でもやってもらっちゃ悪いから。自分で洗うよ」
「いいの、いいの。すぐに済むからさ」

 断るあたしの体をオルガはひょいと摘み上げると、自分の顔の前に持ってくる。
――あれ? 何だかおかしくないか、この状況。
 ふとそう思った瞬間に、湿った大きな何かがあたしの左半身をベロンとなぞった。

「わっ!?」

 驚いてそっちを見ると、丁度オルガの舌が口の中に収められるところだった。
 今、あたしのことを舐めた? あたしは混乱した。
さっきまであんなに優しく接してくれたオルガが、何でいきなり
あたしを味わうような真似をするのか。
 もしかしたら冗談でやっているのかもしれない。でも、そうじゃなかったら……?
 忽ち不安に襲われる。

「ひゃっ」

 その内に、今度は背中を舐められた。ゆっくりと撫でるような舌先の触れ方に、
背筋がゾクゾクっと震え上がった。

 その後も、右半身、腹、腕、足、脇という風に隈なく舐めていった。
その度にくすぐったくて声を上げそうになったけど、何とか抑えた。
もし善意で舐めてくれているのだとしたらと思うと、
嫌がるような素振りを見せるのは気が引けたからだ。あたしは目を閉じて、とにかく耐えた。




「――終わったよ」

 上から声を掛けられる。それと同時に、あたしの体は地面にそっと下ろされた。
恐る恐る目を開けると、そこには相変わらずのオルガの笑顔があった。
 
「ベタベタしてるところは全部舐め取ってあげたからね」 

確かに木の実のベタベタは取れたけど、代わりに涎が纏わりついている。
体から立ち昇ってくる臭いに、鼻がヒクヒクする。

 でもオルガの笑顔からは、冗談や悪意のようなものは感じ取れない。
よく分からないけど、種族が違えばものの感じ方や考え方が違うって聞くし、
これもそういうことなのかもしれない。自分の体を舐めて綺麗にするポケモンだって見たことがある。

 あたしと違って、オルガは「舐めれば何でも綺麗になる」という考えをしているだけ。そういう風に自分を納得させた。

「あ、ありがとう」
 
 笑顔を作って、ぎこちなくもお礼を述べた。さっきよりも酷くなってきた涎の臭いに、
口の端が引き攣っている。

「もう夜も遅いことだし、そろそろ寝ようか」

「そう……だね」

 あたしが頷くとオルガはあたしを掌に載せて、寝床まで運んで行く。
待て。ということは、この臭いの中で寝ろと? 目で訴えるも、
真っ直ぐ前を向いて歩いているオルガは気付かない。仕方ないので、黙ってそのままでいた。

 住処の奥には沢山の草が敷いてあるところがあった。どうやらこれがオルガの寝床らしい。
あたしの住処にある寝床もこんな感じだ。

「これが俺の寝床なんだ」

 そう言ってオルガはあたしを地面に下ろして、寝床に寝転がった。

「今日から君も使っていいんだ。なかなか温かいんだよ、これ。
あ、尻尾の炎が燃え移らないように気を付けてね」

 オルガが手招きをする。オルガの近くに寄っていく。

「ほら、隣に寝てみて」

 言われたとおりに寝てみる。なるほど、温かいな。でも、寝床が温かいだけじゃない。
オルガの近くにいることで、オルガの体の温かさがこっちに伝わってくる。

「温かいでしょ?」

 ちらりと上を窺うと、頬杖を突きながらオルガがあたしを見下ろしていた
。優しい眼差しだ。とても心が落ち着く感じがした。
随分と昔、両親に見守られていたあの頃と同じ感じだ。
そして確信する。あたしはもう、いつやって来るか分からない敵に怯えなくていいんだ、と。

 あたしは心からの笑顔で、大きく頷いた。


 違う種族のポケモンと暮らすんだ。驚くような違いに出遭っても、
それに戸惑っていちゃいけない。これから大変なことが沢山あるだろうけど、
それをしっかり受け入れていこう。
そうすればきっと、今までよりもずっと幸せに生きていくことができるはずだ。

 そう、きっと――


 頭の中でそう自分に言い聞かせると、オルガが眠ったのを見計らって、
あたしは近くの水辺へと直行した。





 オルガと暮らし始めて暫くが経った。あたしの暮らしぶりといえば、
結構充実している。食べるものはオルガが採ってきてくれるし、
オルガと一緒に居れば他のポケモンに襲われる心配はないし、
何より独りぼっちじゃないのが嬉しい。

 だけどその分、前よりも自由が無くなった。危ないから、
あたしは勝手に外に出てはいけない、そうオルガと約束している。
だからあたしは一日中住処の小さな洞穴の中で留守番だ。

 危険を避けるためには止むを得ないことだとは思う。
だけど時々、夜中に近くの川の畔で向こう岸にある森を眺めては、
自由にあちこち飛び回っていた日々を恋しく感じる。

 それだけならまだいい。あたしのことを思ってくれてのことだと思えば、
なんてことはない。

 でももう一つ、問題があった。





「――ふぅ、ごちそうさま」

 今夜も夕食を終えると、オルガがあたしの方を見る。今夜はオボンの実だった。
果汁を被らないようには気を付けていたけど、それでも体のあちこちがベトベトしてしまう。
 今回も例のアレは避けられない。

「じゃあ始めるよ」

 そう言うとオルガはあたしの体を持ち上げ、口の前に持ってくる。
そして舌を突き出して、あたしの体を舐め始める。オルガと暮らすようになってから結構経つけど、
食事の後には未だにこの舐め回しが待っている。

 ねちゃねちゃという涎の音がする。時々オルガの生温かい息が吹き付けられる。
この感じにはなかなか慣れない。いつもはとても優しくしてくれるオルガも、
この時ばかりは別人のように思えてしまう。

体を綺麗にする≠ニいう口実で、本当はあたしのことを味わっているんじゃないか。
もしかしたらこのまま食べられてしまうんじゃないか。
そういう不安が次々と浮かんでくる。舐められている時はオルガの表情が見えないから、
その不安は尚更募る。


「終わったよ」

 舐め終わったときのオルガの満面の笑顔を見ると、この笑顔が本物なのか偽物なのか、
そんなことを考えてしまう。
そして自分が嫌になる。何かと疑ってしまうのは、今までの受難の経験から
身に沁みついてしまった癖のようなものだ。あたしみたいに他のポケモンから狙われやすい奴には、
特に必要なことだとは思う。

 だけど、この舐め回し∴ネ外に怪しいことがない中、
オルガのことを疑ってしまうのはどうなんだろう。オルガが完全な善意で
あたしを住まわせてくれているのだとしたら、養ってもらっている分際でこれほど失礼なことはない。

かと言って、何か裏があるのだとすればあたしの身が危ない。

 結局、確たる証拠もないので、あたしの心配事はいつも堂々巡りに終わってしまう。
オルガが良いポケモンなのか悪いポケモンなのか判断がつかないまま、
また同じように毎日をオルガと過ごしてきた。

 でも、もうそろそろ限界だ。疑い続けていると、気が変になりそうだ。

 覚悟を決めて唾をごくりと飲み込む。

「ねえ、オルガ」

「ん、何?」

 呼びかけられて何となしに振り向いたオルガの顔を見ると、
何だかたじろいでしまう。それでも、気を取り直してあたしは言った。

「あのさ、明日からはさ、こうやってオルガに体を綺麗にしてもらわなくてもいいかなー……
って思うんだけど」

 それを聞いたオルガはキョトンとしていた。訳が分からないといった感じだ。

「何で? どうかしたの?」

「いや、その……」

 尋ねられるとあたしは視線を泳がせる。巧い言い訳を全然考えていなかった。
流石に、本音をそのまま述べてしまうのはまずい。かと言って、
「自分のことは自分でやりたい」とかいう理由じゃ、向こうに押し切られてしまうかもしれない。

「何か気に入らないことがあるの?」

「そ、そういうことじゃなくて……」
 
 そういうことなんだけど、オルガが本当に心配げな顔をしているので、
そんなことはやっぱり口にできなかった。でもこのまま黙っていると更に心配させてしまう。
早く何か考えないと。ええと、ええと――



「なんてね」

 緊張と混乱ですっかり熱くなった頭も一気に冷めるような、
オルガの意外な一言。今度はあたしの方がキョトンとしてしまった。

「分かってるよ。本当は嫌なんでしょ、舐められるの」

「そんなことっ、あるはず……」

 まさかの急展開。あたしが遠慮して言い出せなかったことをあっさり言ってのけた。
もしかしたら舐め回されるときに、露骨に嫌な表情が出ていたんじゃないかと
あたしは慌てふためいた。

「いいんだよ、隠さなくて。俺だって君が嫌がっているのを知ってて、毎日舐め回してたんだからね」

「……え?」思わず耳を疑った。「どういう、こと?」
 
 あたしの問い掛けに、オルガはくすりと笑った。

「どうもこうもないよ。――君のことを味わっていたんだ」

 息も止まるような恐ろしい言葉。その瞬間、オルガの声色が明らかに変わっていた。
その割には表情はいつものままだ。

 これは冗談なのか、それとも本気なのか。とりあえず笑えばいいのか、
素直に怯えてしまってもいいんだろうかと迷ってしまう。
でも、それを確認するために下手に口を開くのも怖い。

「ちょ、ちょっと水浴びしてくる!」

 耐えかねたあたしは、適当な理由をつけて一旦その場を離れようと考えた。
「(涎塗れの)体を洗ってくる」とは言えなかったので、水浴びにした。

 そして後ろを振り返り、地面を蹴って羽ばたいた――その直後に後ろからむんずと翼を掴まれた。

「待ってよ。何処に行こうとしてるの?」

 言葉遣いこそ穏やかだけど、酷く冷たい口調だった。
逃がすまいと、翼を掴む手には力が籠っている。このままでいると、
翼がぐしゃぐしゃになってしまいそうだ。

「何処って、すぐ近くの川に」

「嘘だね。逃げようとしたんだろ? 分かり易すぎる」

 オルガはあたしの体を自分の顔の方に向けると、小馬鹿にするような目つきで見下ろしてきた。
いつものオルガの雰囲気と全然違う。

「ねえ、今日のオルガはちょっと変だよ。冗談が過ぎるっていうか……」

「何言ってるんだ」オルガはフンと鼻で笑った。

「言っておくけど、さっきの話は冗談じゃないよ。君のことが美味しそうで堪らないんだ」

 そう言うとオルガは舌なめずりをした。どうやら本当に冗談ではない気がしてくる。

「じゃ、じゃあ、何で今まであたしのことを生かしておいたの? いつだって食べられたはずなのに」
 
――それでも、と一縷の望みをかけて問いかけた。

「まあ、君の小さな体が物珍しかったからかな。興味が湧いたから、
食べないで飼ってみようと思ったんだ。ところがいざ飼ってみると、やっぱり美味しそうでさ。
その気持ちを抑えるために、『体を綺麗にしてあげる』だなんて口実を作って、
君のことを舐め回してたんだよ。でも君に疑われるようになっちゃったみたいだから、
もう頃合いかなぁと思ってこうして本性をバラしてるわけ」

 あたしの問い掛けに淡々と答えたオルガの言葉に、あたしは奥の歯をきつく噛みしめた。
飼う≠セなんて言葉を使うあたり、やっぱり冗談で言っているんじゃないんだと感じた。
心の優しい奴なら、そんなことはきっと冗談でも言わない。

 そして、所詮その程度にしか見られていなかったんだと思うと、あたしの心は酷く傷ついた。
 
「酷い……」

 震える声でぽつりと漏らした。

「酷い? そんなことを言われる筋合いはないね。だってさ、
今日まで君に餌はちゃんとあげてたし、俺と一緒にいたお蔭で
君は他のポケモンにも襲われることもなかった。 
口から出まかせの優しい言葉にも、
随分と嬉しそうにしてたじゃないか。君としてはなかなか幸せな毎日だったんじゃない?
そのお礼だと考えれば、体を舐められるくらいどうってことないでしょ?」

 オルガは悪びれもせず、そう言い放った。確かに、こいつの言う通りかもしれない。
ここのところのあたしは、今までにないくらい恵まれた暮らしをしていた。
幸せな気分にも浸っていた。
 だけど、今までの優しい言葉も態度も何もかもが嘘だった。
そう思うと、怒りと悲しさと悔しさでいっぱいになる。

「もちろん、これからも君のことを可愛がってあげるつもりだよ?
 今すぐにでも食べちゃおうなんて気はないから、心配しないで。
その分、お礼≠ヘ弾んでもらうけどね」

 突然体が持ち上げられて、オルガの口の前で止まった。
生温かい鼻息が吹き付けてくる近さだ。嫌な予感に身震いがする。
すると上顎と下顎の間を押し広げて、ぬらりと大きな舌が現れた。
 そしてその先端が向かっていったのは――

ねちゃ……

「ひぁっ」

 股の間だった。事もあろうか雌ポケモンの死守すべき領域に、
遠慮なく押し入ってきた。そして割れ目の部分をぐりぐりと弄り始めた。

「ああっ、いや、や、やめろ!」

 今まで感じたことのない快感に抗いながら、そう叫ぶ。
相手もいないので長い間放っておかれていたあたしの恥部は、
年頃なこともあってかなり敏感になっていた。表面をなぞられただけで、
身悶えするような刺激が走る。

 当然、やめろと言われてやめるはずもなかった。

寧ろ、反抗的なあたしの態度が奴の興奮を促してしまっているようで、
ますますオルガの鼻息が荒くなった。

「どうやらこの辺りはきちんと舐め取れてなかったみたいだね。まだベトベトしてるよ」

 一瞬オルガが何を言っているのか分からなかったけど、
オルガが一旦舌を退かすとすぐに分かった。割れ目の周りに白い汁が噴き出していた。
もちろん、さっき食べたオボンの実の汁じゃない。頭では嫌だと思っていても、
体の方は逆らえなかったということだ。
 あたしが自分の出した汁を見たのを確認すると、オルガはすかさず
あたしの股の間にしゃぶりついた。

じゅるっ じゅるるっ

 強い力で汁が吸い上げられていく。舌で弄られるのとはまた違った刺激に、
あたしの割れ目からはさらに白い汁が噴き出す。それをまたオルガが吸い上げて、
あたしが出して、オルガが吸い上げて――



 汁が出てこなくなったときには、あたしはもうぐったりとしていた。
汁と一緒に体力まで吸い尽くされたような感じだ。
一方のオルガは
当然ながらぴんぴんしている。まだ何か続ける気満々の顔だ。

「汁が出てこなくなっちゃったなぁ。――そうだ、もっと奥を探れば出てくるかも」

 快感続きでうっかり意識を失いかけていたあたしは、その言葉にはっとした。
 慌てて暴れだしても、オルガの拳からはみ出したあたしの頭と足が
ジタバタ動いているだけで、何の抵抗にもならなかった。
そうしている内に、オルガは空いている方の手の指で割れ目を開いて、
そこに舌先を突っ込んだ。

「かあっ!!」

 喉の奥から思わず変な叫び声を上げてしまう。中に挿れられる刺激は、
舐められる時のものとは比べ物にならなかった。全身を快感が駆け巡って、
歯茎のあたりまでむずむずしてしまう始末だ。

「お、出てきた出てきた」

 舌先であたしの汁の味を感じ取ったらしい。それに合わせて奴の涎が
あたしの膣の中に流れてくるのを感じた。中に出されたというよりは、
不気味な生物に体内へ侵入された感じがして、気持ち悪い。

「何だかんだ嫌がってる割には、随分気持ちよさそうだね」

 あたしの表情を覗き込んだオルガが嘲笑いながら言う。ふざけるな、と思った。
正直、あたしにとっては一物より遥かに大きなものを挿入されているわけで、
そんなもので中を弄られて平然としていろというのが無理な話だ。
だけど、刺激に耐えるのに精一杯で反論はできなかった。

 かなり屈辱的だった。交尾の相手の当てがあったわけじゃないけど、
こんな奴に弄ばれるのは嫌だ。快感で自然に出てくるものとは違った涙が、頬を伝う。
 快感で可笑しくなりそうな頭で、あたしは必死に考える。
これからも食糧に不自由せず、安全に暮らすためには、こいつの許にいる他ない。
だけどそれは、毎日こんな仕打ちを受け続けなきゃいけないということだ。
果たしてそこまでして今の暮らしを守る意味があるのか――?

 ふとオルガの顔を見る。今は下の動きがあたしの股の間に集中しているお蔭で、
オルガの表情がよく見える。今まであたしのことを襲ってきたポケモンたちと同じ目をしていた。
欲に囚われた野蛮な目。正体を隠すのが巧いだけで、こいつも所詮は他の奴らと同じだった。
 そのことに気付くと無性に悔しくなった。犯されている屈辱とはまた違った、
裏切られた感じ。あたしはこいつのことを信じていた。
今思えば、こいつと一緒に暮らすようになったのも、食糧や安全とかの条件じゃなくて、
優しい言動が決め手だった。

そこで漸く悟った。あたしが欲しかったのは、何不自由ない暮らしじゃなくて、
あたしのことを想ってくれる誰かだ。あたしのことを立派な一匹のリザードンとして
見てくれる誰かだ。
オルガと出会って、やっとそのポケモンを見つけることができた――そう思ったから、
あたしはあんなに泣くほど嬉しかったんだ。……それなのにこいつは、
あたしのその思いを踏み躙った。

――畜生!!

 その瞬間あたしは、全身の血が煮えたぎるような感覚を覚えた。
 そして気付くと、オルガの指に向かってありったけの炎をぶちまけていた。

「熱ッ!」

 すぐさまオルガの顔が離れて、体も自由になった。
オルガは赤くなった指を必死に自分の水で冷やし始めた。

 今だ。隙を見てあたしは空中へと羽ばたいた。そして上へ上へと、
オルガの手が届かないように飛んでいく。

 毎日大変な思いをして木の実を運ぶ暮らしでも、毎晩捕食者の存在に怯える暮らしでもいい。
こんな最低な奴に一生飼われるなんて御免だ。あたしは自由に生きていくんだ。

 まだじゅくじゅく疼いている恥部を軽く手で押さえつつ、あたしはそう決心した。

 


 ドオオオオオオオオオン!!



 あたしの決意は、一瞬で阻まれた。突然後ろから物凄い勢いで押し流されたかと思うと、
次の瞬間には洞穴の天井に叩き付けられていた。そしてそのまま真っ逆さまに地面へと落ちた。

何が何だか分からなかったけど、体が酷く濡れていたのですぐに水でやられたのだと分かった。
もちろん誰が発射したかは言うまでもない。

「まったく、こんな仕打ちを受けるとはね。君がこんなに恩知らずだとは思わなかった」

 不機嫌そうなオルガの声。ズン、ズンとこっちに歩いてくるのが分かる。
 逃げなきゃ、と思っても体が動かない。炎は水に弱く、
更にここまで体格差があればダメージは遥かに大きかった。
あたしの体は一気に温かさを失って、体力も消耗していた。
おまけに体を天井と地面に打ち付けた所為で全身が激しく痛む。

ズンッ

仰向けに倒れているあたしの顔の前に、オルガの足が下される。
そしてその場にしゃがみ込んだ。指を咥えている。

「どうしてくれるの? 火傷しちゃったじゃないか、ほら」

 そう言うと、火傷した指を口から出して、その指であたしの顔をなぞった。
指についていた涎が塗りたくられる。

「本当に君は馬鹿だね。我慢してれば、とりあえずはまともな暮らしができたものをさ。
お蔭で君への愛情も冷めちゃったよ。恩を仇で返すような奴は大っ嫌いなんだ、俺」

 冷めた声があたしの恐怖を煽る。寒さも相まって、あたしの体はカタカタと震え始めた。

「悪いことをする子にはお仕置きだ」

「うぅっ!」

 オルガは乱暴にあたしの体を拾い上げて、鷲掴みにした。
あたしを握るその力にも怒りが感じ取れる。胴体を圧迫されて息苦しい。

 苦しむあたしを見て、オルガは不敵な笑みを浮かべた。


「さあ、どうしてやろうかな」



@ @ @

 結構長くなってしまったのでここで切ります。
 てか肝心の捕食描写があんまないw ここまでだとただの下ネタ話ですね。すみませぬ。 

 てか前半部恥ずかしゃぁ/// 後半部とのギャップを作ろうとして空回りした感満載。


 この後の展開ですがグロい感じを予定してます。鬼畜ですものね。正直まだ書いてないんですが。

 とりあえず予告すると【hard】とか【リョナ後に捕食】とかそんなんになりそうです。
いろいろパターンが浮かぶので書く気力があれば分岐モノにしたいなぁ。。。



 あと、とりあえず近況報告的なものを。本来こういうところですべきじゃないのかもしれませんが、
生憎自サイトとかを持たないもので。

 先日の地震の直後に掲示板で「明日入試なのにw」とかほざいてましたが、なんとか大学には合格しました。
 てか試験自体が震災の影響で消えたんですが;



 ということでまたぼちぼち投稿していくと思うので、よろしくお願いします。