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夢の探訪《3-A》 ( No.8 )
日時: 2011/11/15 07:59
名前: ラギア  <ragia-bloodwing.666.darkdragon@ezweb.ne.jp>

《前のチャプターへ…>>2

あなたの出した結論は《洞窟に入る》だった。

もし入らないとしたら、またこの森の中を彷徨い歩く事になるからだ、とりあえず目先の事を片付けていかなくてはならない。

コツ…コツ……

洞窟の中に入ると、足音が極めて響く、この様子では相当深くまで続いてそうだ。

それにしても不思議な洞窟だ、通常この大きさの洞窟が自然に作られようとしたら、作られる過程で天井が崩れ落ちてしまう。
それなのにこの洞窟はかなり綺麗に…まるでくり抜かれたかのように出来ていた。


しばらく進むと、分かれ道があった、右は入り口と同じ大きさの道が続いている、左は幾分狭くなっており、幅5m、高さ7mと言った所か。
広い方には向かいたくない…気がした。

あなたは左へと歩を進める、洞窟内は思ったよりも明るかった。
入り口が広いからか、はたまた、他の光源があるのか、どちらかは分からないが、暗闇の中を壁伝いにふらふらと歩くような状態ではない。


ザアァァァ…

遠くから水が流れ落ちる音がする、どうやらこの先のようだ。

あなたの歩みは無意識に速くなる、それもそのはず、今までまともな音を聞いていないからだ。


ザアァァァァ!!

音が近づくと同時に、壁が無くなった、いや、広い空洞に出たみたいだ、床は柱によって支えられ、空中に掛かる橋のようになっている。

左を見ると、薄暗い中、滝が見えた、上から落ちる水は、遥か下の水面に向かって落ちている、音の原因はこれか。

橋から少し身を乗り出して下を見たが、水面はかなり下だ、飛び降りたらよっぽど運が無い限りは即死だろう。

あなたはあまりの高さに震えながらも、橋を渡っていく、橋の幅はかなり広いが、一度下を見たら頭の中にその光景が残る物だ。


あなたは橋を渡りきる、同時に深呼吸、流石に怖かった。

広い空洞を抜ければ、また通路が続く、流石に飽きてくる。

だがしかし、この通路は短かった、すぐに視界が開ける。

また広い空洞に出たみたいだ、だが、今回の空洞は左右が広すぎて見えない、見えるのは途切れた床と、遠くに見える対岸に有る床、それと、床と床を繋ぐ長い橋だけだった。

この橋がまた頼りない、幅は1m有るか無いか、2本のロープの間に木の板が渡されているだけの極めて簡素な作りの橋だ。
その癖、長さは50m近くある、真ん中部分は弛んでおり、もし風が吹いていたら左右に揺れている事だろう。

とにかく渡る気がしない、下を見たが、床が見えない、行かなくてはならないのかも知れないが…

あなたはしばらく考えた、この橋を渡るメリットは有るのだろうか、と。







長い思考の末に出た結論は《やるだけやってみる》だった、落ちる事前提の結論である。

ギィ…

足をゆっくりと踏み出すと、木が軋む音がした、その後もゆっくり、ゆっくりと歩き続ける、橋が揺れ、バランスを崩しそうになるが、そういう時には落ち着くと上手く行った。

ギシ…ギィ…

なんとか、なんとか渡りきった、正直思ったよりもこの橋が頑丈だったのは秘密だ。

あなたは高鳴る胸を押さえながら、先へと進んだ。

と、突然雰囲気が変わった、周囲の壁が剥き出しのゴツゴツした岩ではなく、ある場所を境にして綺麗に表面が平らに均されているのだ。
建物の内部を想像すれば良いだろうか、こんな場所に誰かが住んで居るのだろうか。

少し進むと、大きめの扉が立ちはだかった。

あなたは好奇心からか、その扉を開いてみる、同時にぬるい風があなたを襲った、身体に纏わりつくようなその空気は、古い城跡のような、そんな雰囲気を醸し出している。

10m四方の正方形の部屋だ、向かい側には2つの扉が有り、それぞれ扉の上に《magic laboratory》と《library》と書かれている。

《library》の扉は鉄で出来ており、6桁のナンバーロック式の鍵がかかっていた。

《magic laboratory》には、こちらも鍵がかかっているが、合い鍵が必要なタイプだった。


手詰まりかと思ったが、よく見ると壁に何かが書いてある。

《1つ目は 上段を下に、下段を3つ上げる》
《2つ目は 上段はそのまま、下段を2つ上げる》
《3つ目は 上段はそのまま、下段を全て上げる》
《4つ目は 上段を下に、下段を1つ上げて半分にする》
《5つ目は 上段を下に、下段をそのままにし4を足す》
《6つ目は 上段はそのまま、下段を全て上げて半分にし、さらに5を足す》

何だこれは、恐らく《library》の鍵を解除する為の暗号なのだろうが、全く分からない。

《次のチャプターへ…>>12