夢の探訪《2》 ( No.2 ) |
- 日時: 2011/11/13 18:22
- 名前: ラギア <ragia-bloodwing.666.darkdragon@ezweb.ne.jp>
- 《前のチャプターへ…>>1》
さっきのは何だったのだろう、空を見上げても地上に影を落とすような物は見当たらない、もしかしたら錯覚なのだろうか。
そういえばさっきから人の気配が全くしない、いや、気配だけではない、音すら聞こえない、何時もなら車の音や人の足音が聞こえる物だが…
あなたは空間を支配する静寂に恐怖と、戦慄を覚える。
チッ…チッ…チッ…チッ…
耳に唯一入った音…腕時計の音だ。
あなたは反射的に腕時計を見る、時計はしっかりと時間を刻んで…
チッ…チッ……………
嘘だろ…時計まで止まってしまった、ついさっきまで動いていた針はAM8:16:28を指したまま止まってしまった。
キィィーー!!
突然耳を貫いた音、ついさっきにも聞いたあの音が、また聞こえた。
―この音は…―
ダン!!
…うっ!?
一体どうしたんだ…気持ちが悪い…
それに…酷い頭痛が…
あなたは視界がぐるぐると回る感覚に襲われ、ふらふらと地面に崩れ落ちてしまう。 次の瞬間、地面が消えた、いや、穴が開いた、大きく口を開けた暗黒は一瞬にしてあなたを呑み込み、あなたは暗い闇の中へと真っ逆様に落ちていく…
落ちていく最中、不思議な声を聞いた。
《貴様は死んだ、トラックに引かれて死んだのだ、人の運命には我らは基本的に手出しが出来ぬ、だが、貴様が死ぬにはまだあまりにも早い、そこで、今回貴様に試練を与え、その試練を達成出来たら、死なないように運命を変えてやろう、我らはこちらの世界で待っている》
そこで意識を失った、闇の中、下へ下へとあなたは落ちていく…
―…はっ!?―
あなたは目を覚ました、視界に入るのは緑、どうやら森の中らしい、起き上がって身体を確認してみるが、特に異常も無く、痛みも無かった。
とりあえず起き上がってみる、四方八方、全て森だ、この森は一本一本の木が大きく、それらが枝をよく伸ばす為、葉の天井のような物が出来ている、つまり、光がほとんど差さないのだ。
どちらに向かえば良いのかが全く分からない。
―何で俺が死ななくてはならないのだろう…運命だから…そうなのかもしれない、でも、ねじ曲げる事が出来るなら死に物狂いででも運命を回避してみせる―
あなたはそう心に誓った、変な事に巻き込まれた以上、やるだけやってみるしか無いだろう。
とりあえずあなたは適当な方向に向かって歩き始める、このまま立ちすくんでいるよりかはマシだ。
しばらく歩く内に面白い事に気がついた、この森では光が差さないと言う特性上、地面に草がほとんど生えない、森の中を歩いているはずなのに、ずいぶんと歩き易かった。
それにしても、この森はかなり広いみたいだ、1時間歩いたがまるで景色が変化しない、暗い森の中にたった1人で居るのは流石に辛かった。
それから15分ぐらい歩いただろうか、ふと、遠くに壁のような物が見える。
あなたは景色が変わっただけでも嬉しかった、少なくともこの森が迷いの森で無い事だけは分かったからだ。
気分が高揚し、あなたは思わず壁に走り寄ってしまう、壁は地面がせり上がって出来た断層のようだ、壁は左右に向かって続いている。
―この場合は大抵は左から調べる物だ―
何かの本で読んだ事がある、戦士は丁字路にさしかかった時には必ず盾を持っている方、つまり、左手に向かって進むのだ、敵が待ち構えていた時にとっさに防ぐ事が出来るから、である。
あなたは左へと進んだ、壁を伝うようにして、また歩き始める。
次の変化は少し進むだけで出てきた、洞窟を見つけたのだ、入り口が相当大きい、少なくとも高さは30m以上、幅は40mはある。
―この洞窟ならしばらくは休めそうだ―
と、あなたは思ったが、同時に
―この洞窟は危険かもしれない―
とも思った、何だろうか、突然思った事だった。
あなたは洞窟の前で迷ってしまう…
《次のチャプターへ…>>8》
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