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HGSS発売記念ってわけじゃないんだからね!
日時: 2009/09/15 00:15
名前: 名無しのゴンベエ

そんな訳ですこんばんわ、時計と名乗ってた某SS書きでござんす。
コテいるの? 正直必要性が見出せません助けてください
まあそれは置いといて

ギャラドス、って肉食っぽいよねって妄想から生まれた超展開が連発するSSですので、何かと矛盾やら奇跡が起こってたりします。

それをご理解のうえ、一読して頂ければなと思いまするるる
あと突然過去作品消してすいやせんっした


えと、多分消化っぽい表現及び残酷な表現は抜いてます。
でも官能的なシーンがあったりなかったり、純愛ものって言うのか、なんていうのか分からないです教えてエロイ人!
え?人間の言葉を話すはずが無い? 超展開と奇跡の力です、色違いの力です、つまりは考えてなry











夢を見た。
深く暗い水の中で、黒い影に捕まっている自分の姿。
苦しそうにもがき、気泡が水面に向けて何度となく上がっていく。
黒い影は不適な笑みを浮かべながら、その顔を近付ける。
酸素を失ったせいで、顔から生気が消えていく自分に何かを囁くと、その開いた口で俺を頭から呑み込んでいく。
形容し難い音を響かせながら、あっと言う間に俺の身体は喉を下る膨らみへと変わり、靴と図鑑、それにリュックだけを器用に吐き出して、更に深くへと潜っていった黒い影。

それが消えた瞬間、突然水中に放り込まれたようになった感覚が現れ始める。
予期せぬ事態で水の中に落ちた、まさに溺れる、と言う状況。
夢とは思えないリアルな感覚に、呼吸をするために水面へと泳ぎ始める。
苦しい、苦しい。 一心不乱に泳ぎ続け、いざ顔を出そうとした瞬間、何かに足を引っ張られた。
予想外の事態に息を大きく吐いてしまい、本能が危険信号を告げる。
何事かと頭を下に向けた瞬間、俺は一瞬にして水の中から生暖かく、粘性を持つ液体の中に放り込まれた。
何事かと理解する前に、太陽の光が反射して煌めく水面が、不自然な形をした陰に遮られ、黒一色になった視界。

生臭く、またヌメリが激しいこの空間。
腕や足、体を動かそうとすると、また形容し難い音を出しながら、糸を引く何か。

それが何処なのか、理解する前に俺の意識はブラックアウトした――


「――っ!!」

飛び起きた。ら、ゴンッ!と言う鈍い音が響く。
余りの痛みに暫く動けずにいたが、隣で唸っているもう1人は予想外の攻撃に悶え、情けない声を出していた。

「ク、クゥ……」

「シオ、か…。」

痛みを堪えながら、何とか声を捻り出す。
名を呼んでやると、シオと呼ばれたグラエナは情けない声で返事をした。
狭いテントの中で、一緒に寝る程大切にしてきたポケモン。
自由気ままに旅をする俺に、ずっと寄り添って尽くしてくれている、掛け替えのないパートナーだ。

まあそれは置いといて、起きた俺の顔が濡れてるのは、多分コイツが心配して顔を舐めていてくれたんだろう。
だから飛び起きた時に衝突した訳で。

手で拭うと、糸を引いて垂れる唾液。
これはいかんと思い、朝日も出てきたようだし、一度シオを連れて外に出る。
テントに近い湖で、顔を洗うためだ。


「今日、現れなかったらそろそろ行かないとな。」


顔を洗い、水をくんできて朝食を軽くで済ませる。
俺がこの湖に来た理由は、赤いギャラドスを見るためだ。

が、テントを張ってかれこれ一週間。
早朝から深夜まで張り込んで湖を見ていたものの、成果は全くなし。
これからはシンオウ地方に向かうため、日程的にも辛いものがあった。

「………」


ふと、今朝見た夢のことを思い出し、不安な気持ちになる。
あれは水中、そして巨大な黒い影。

不確定要素が多すぎるが、直感が何かを告げている気がする。
しかし、ここを離れてしまうと一年以上は戻ってこれない。

葛藤を繰り返し、答えを出せぬままにしていると、突然シオが裾を引っ張る。
何事かと思えば、湖から赤い何かが遠くに見えた。

まだ早朝なせいか、人は他に居ない。
じっと待っていると、その体が水面に現れ始めた。

「…美しい。」

その言葉だけで十分だった。 太陽の光が反射し、煌めく鱗。
少しの霧が更に幻想的な雰囲気を醸し出して、この世の物とは思えない程、美しい。

そんな空気に見とれていて、ギャラドスが此方に近寄ってくるのに反応するのが遅れた。

「キャウン!!」

シオが出したその声で我に返る。
後ろを振り返ると、数m先まで吹き飛ばされたシオの姿が。

巨大な影が、俺を覆った。

あのギャラドスが、目の前に。


逃げ、と思った瞬間に肩に噛みつかれる。
痛みもそうだが、人間1人を軽く収めることが出来そうな口が恐怖感を倍増させる。
湖面に近い場所に居たのが悪かったのか。捕まえた俺を持ち上げ、次の瞬間には水の中へと引きずり込まれていた。





「(くる、し……ぐぅっ!)」

肩に刺さった牙が引き抜かれ、代わりに巨体が俺に『まきつく』。
このギャラドスに絶対有利なフィールドで、行動が出来ずに体力を削られていく。
勝ち誇ったような笑みで俺を見下し、緩急をつけての締め上げで、玩具のように扱われ続ける。
気泡は水面へと上がり、また呼吸をしたいと本能のままに水面へと向かおうとする体も、力で抑え込まれて、身動きが取れずにいる。

「(遊ばれている、コイツは……分かってやってるんだ)」

それを悟った瞬間、巨大な顔が迫り

『久々に美味そうな獲物が捕まったな、鱗を輝かせるための糧としてやろう……生きたままな。』

「(こいつ、言葉を……!?)」

一度舌なめずりをした後、口を開けて俺を一口で頬張る。

狭くはないが、蠢く舌が俺を執拗に追いかけては背中やお腹、身体全体をなぞったり、舌が俺を包み、締め上げる。
何かをされるたびに不快感、水と直ぐに混じってしまうがヌルヌルとした唾液が体に纏わりつき、少しではあるが口の中に舌を押し込まれ、流し込まれてしまうと独特の生臭さが鼻を突き抜け、精神力を削っていく。
気泡も絶えず口から漏れて段々と意識が薄れていく中で、上顎に押し潰され、また下顎に押し付けられ、と繰り返す内に、自分の意識があるのかも分からない程に消耗が進み、生殺しのような状態になっている。

『あのグラエナもお前の後を追わせてやる、良かったなぁ、最後は2人で過ごせるぞ……。』

グジチュッ、ズッ、グチュ、……ゴクン。

ズブッ、グチャッ、グチッ……


…………


…息が、出来る。
息を吸えば鼻を突く嫌な臭いのみが入ってきて、吐き気と嫌悪感とを覚えるが、溺れ死ぬ可能性は限りなく0に近くなった。
手を動かしてみると、触れる場所全てがヌルヌルとした液体でコーティングされた、スポンジのような感覚だ。
勿論力を込めれば、その分腕や足は沈んで行くし、自重で少しだけ埋まっている。

「(そう言えば、俺は食われたのか。)」
と言うことは、ここはあのギャラドスの体内。
取り分けて、摂取した食物を一時的に貯蔵、消化するための器官である、

『ふわぁぁあっ!』

「(ん?何か声が聞こえ)グハッ!」


物凄い勢いでお腹に頭突きを食らい、思わず声を出してしまう。

『あっ、この声、ご主人様なの……?』

ご主人様?……なんか濡れた毛皮の感触がする。
まさかとは思うが、俺を食ったこいつの言葉…

「シオ、か?」

『やっぱりご主人様だぁぁっ!』


(゜Д゜)ポカーン。
いやいや、確かにこの感触はグラエナ、この体つきも、確かに…

『やだ、変なとこさわらないで下さいよぉ……恥ずかしいじゃないですか。』

「…………どうして、言葉。」

捻り出した声はとても情けない声だったのだろう。
シオは一度笑った後、こう答えた。

『……私もよくわからないです、けど、こうすれば少しは楽になるかなって。』


……はれ、今、キスしてる?
なんか、舌が、はいっ

「んっ、ん……まっ、待てっ……」

『ダメ、です。
ご主人様、こうしてれば気持ちよく逝けるんですよ?』

逝ける、ってのはどんな意味だろう。
それよかポケモンが言葉を話して、俺を組み敷いて、キスまでしてくるってのはもう常識を超越してる。

『私はご主人様に出会ったときから、最後までご主人様と共に生きることを決めました、その時から、決めて、いたんです……』

永遠かと思われたその口付けは終わり、シオが語り始める。

『ご主人様を守りきれなかったら、一緒に……一緒に逝くって。』

強く抱きしめられ、突然の告白タイムは続く。

『本当はこんなことになるなんて思ってなかった、でも、なっちゃった。
だから、私は自ら食べられた。……ご主人様に会うために』

「……バーカ。」

濡れた毛皮をわしゃわしゃと撫でながら、俺は言う。

『なっ、ご主人様、私hむぐっ!』

「俺も一緒だよ、シオ。」


ざまーみろ、キスしてやった。
俺とシオの目が合う、そんな感覚がして。

この時、種族の壁を超えて、何かが生まれた。
ヌメリがある肉壁が俺達を取り込み始めたが、もう、関係ない。

次に生まれ変わるなら、またコイツ……愛するパートナーと一緒に、旅をしたいと願う。
多分だが、シオも同じ事を考えているだろう。

だから、怖くない。






翌日、ニュースは失踪した1人の人間を少しだけ報道した。
リュックと、ポケモン図鑑、そして靴。
名前は無かったが、身元の確認を急ぐとの警察側コメント。






もし、貴方にかけがえのないパートナーが居たら、この湖に出向いては如何だろうか。
命と引き替えに、素晴らしい体験ができるかもしれない……。
メンテ

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Re: HGSS発売記念ってわけじゃないんだからね! ( No.1 )
日時: 2009/09/15 02:17
名前: 名無しのゴンベエ

元時計氏の作品を再び見られるとは
以前のを突然消してしまった理由を聞きたいものです
そして出来れば消したのを戻してもらえれば
メンテ
Re: HGSS発売記念ってわけじゃないんだからね! ( No.2 )
日時: 2009/09/15 15:17
名前: 名無しのゴンベエ

ウホッこれはいい水中捕食
赤いギャラドス、連れ歩くパートナーなど、
HGSSの要素が上手く混ざっていてグッドでした。
メンテ

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