Re: Lightning ( No.1 ) |
- 日時: 2011/05/15 21:09
- 名前: セイル <kokurou.wolf@gmail.com>
- 声が聞こえる。
「貴様が私らと対等に話そうとする輩か?」 吐き出すように放たれた言葉。 確かな敵意と殺意の込められた声。 モンスターとして恐れられているそれ。 「対等になんて思ってない。私はただ、その子を返してほしいだけ。」 「返してほしいだと?貴様等の都合だけで私らを狩っておいて不抜けた事を言う。そんな顔でよく言う。」 それはどうやら呆れたようにくつくつと微笑を漏らす。 しかし、その裏では僕を帰す気が無いことは感じ取れた。 その証拠に横目なの視線、口元は微かに吊り上がっている。 「私は子供を喰うのが好きだ。そんな私から餌さえも奪おうというのか?散々、同胞の命を奪っておいて?」 「私たちが貴方の同胞を殺していたことに否定はしない。私はその子を返してもらえばなにもしない。」 「話にならないな。話術でも学んできたらどうだ?」 女が舌打ちをしたようだ。 石が互いに弱く打ちつけられたような音が微かに響き、拳に力が籠もる。 「ならば、貴様が他者の子供を連れてくるか?それとも力づくでくるか?」 明らかな軽蔑の眼光を覗かせながら、そいつは戦闘態勢を整えている。 「交渉は決裂。素直に引かせてもらうわ。」 女はその場から去っていく。 ここに来てようやく僕は命の危険に晒されている事に気付いた。 ジンオウガ。 確かな捕食者がだらしなく涎を垂らし、やっと獲物にありつける喜びを顔に張り付けている。 「おっと、余計な抵抗はするなよ?痛い思いをするだけだぞ?」 ペロリと舌を覗かせ、邪な笑みを浮かべている。 「へへ、美味そうだ。」 舌舐めずりで唾液を啜る音がその場に響いた。
* * *
目映いばかりの閃光玉によくにた光が青々と生い茂る森の中で煌めいた。 はっきりと理解できない臭いが辺りに漂い、閃光が再び煌めいた。 「ジンオウガっ!逃げろぉ!」 故郷に帰る為にやむを得ずギルド認定の狩場を通ることはあらかじめ分かっていたことだった。 比較的に気候、時期ともに安定していたはずだった。 雷光が煌めき、木材が跳ねる。 黒煙を吐き出し燃焼を始める。 「道具は捨てろ!とにかく逃げるんだ!」 僕は忘れ去られていた。 もう人間の声は聞こえない。 獰猛で暴虐の限りを尽くす獣の雄叫びだけ。 貨物車の扉を開いて外に出る。 僕以外の人は無事に逃げることができたようだった。 ジンオウガは食料車を襲い、食糧、アプトノスを貪っていた。 食糧難でこの竜車を狙ったわけだ。 確かに損害は甚大だが、確実に命は助かる。 気付かれないように気配を殺し、息を殺し、歩を進める。 「グォォォォォォ!」 雷狼竜の咆哮。 その咆哮が直に僕を襲う。 耳を塞ぎ、体が強ばるも何とかそれに振り返る。 口元に目映い雷光ーー 「あぁぁぁぁっ!」 雷光弾が直撃、電撃が体を突き抜ける。 直後に体が痺れ、その場に倒れ込むと身動き一つ出来なくなった。 ぼうっと意識は白んでいく。 「今日は豪華だな。」 嬉しそうにそうジンオウガが言葉を漏らした。 牙が体に優しく食い込むのを最後に意識を失った。
あと メアドまちがってました
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Re: Lightning ( No.2 ) |
- 日時: 2011/05/15 22:01
- 名前: どんぐり
- 始まりましたね!
ジンオウガの捕食、続きを楽しみにしてます♪
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Re: Lightning ( No.3 ) |
- 日時: 2011/05/15 22:51
- 名前: U
- となれば、バキよろしく裸でVSジンオウガ・・・
は余程の愛が無ければ勝てないか・・・ジンオウガに何故か萌えない自分は勝てない所からして(汗 この際に萌えさせてくださいなw
それからメルアドはやっぱPCの・・・ですよね? 携帯のならば是非とも・・・なんて思ってますw
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Re: Lightning ( No.4 ) |
- 日時: 2011/05/16 07:16
- 名前: セイル
- もちろん携帯ですよ〜
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Re: Lightning ( No.5 ) |
- 日時: 2011/05/16 07:40
- 名前: セイル
- たぐとも様
メールが送信できないのですが……
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Re: Lightning ( No.6 ) |
- 日時: 2011/05/16 07:42
- 名前: たぐとも
- あらw
おかしいですねf^_^;
こちらからもう一度送ってみます。
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Re: Lightning ( No.7 ) |
- 日時: 2011/05/16 07:50
- 名前: セイル
- たぐとも様
メールだめですね こっちからも送ってみたんですが 送信失敗になりますね〜
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Re: Lightning ( No.8 ) |
- 日時: 2011/05/16 07:53
- 名前: たぐとも
- うぬぬ・・・
メール設定はしているけど・・・リオレイアさんやラギアさんとは普通にできるのにw
セイルさんとは出来ないのかな? ̄Д ̄;)
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Re: Lightning ( No.9 ) |
- 日時: 2011/05/16 08:05
- 名前: リオレイア
- うお!
ジンオウガさま来た! 僕も優しく喰われたいですな…
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Re: Lightning ( No.10 ) |
- 日時: 2011/05/16 21:11
- 名前: U
- ならば早速送ってみよう・・・w
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Re: Lightning ( No.11 ) |
- 日時: 2011/05/18 22:12
- 名前: セイル <kokurou.wolf@gmail.com>
- 「あぁぁぁぁっ!」
その雷光弾が僕に直撃する。 「頼むから逃げるな。電気を流すと肉が固くなる。私は柔らかいのが好みなんだ。」 体がすぐに麻痺し、身動きできない。 それを知っているジンオウガは特に慌てる様子もなく余裕を浮かべて頬を進めている。 「あと、恐がるなよ?肉が固くなる。」 嘲りを含ませた声が耳元で囁かれる。 この状況で恐怖しないことができるだろうか。 ピリピリと痺れる体の中で確かな恐怖。 あまりの畏怖に痺れの奥では叫び出しそうな自分が密かにうずくまっているのが確かだ。 逃げ場はない。 僕の命は終わったのだ。 「ぁ・・う・・う・・」 過去で学習したらしく、雷光弾の威力は落ちていた。 気絶させるのではなく、ただ獲物を麻痺させ抵抗を封じるためだけの雷光弾だった。 あらゆることが億劫に感じられる倦怠感と麻痺感のなかで微かに動く右腕で外の世界に伸ばす。 「安心しろ。全て、私の血肉にしてやる。」 矮小な希望を摘み取るかのようにその巨脚が僕の手を押し潰す。 脆弱な人間の骨は鈍い音と共に悲鳴を上げて鳴いた。 それは僕も同じ。 「ぁぁっ!ぁぁぁぁぁっっ!!」 血こそ出ないものの想像を絶する絶望が全身を容赦なく駆け巡り始める。 ジンオウガの巨脚に押し潰された腕は土にめり込み、埋まり異常な方向に曲がっている。 恐怖。絶望。絶痛。 孤独。絶体絶命。捕食者。 人生の再起不能の窮地に立たされた感情は遂に枷を失う。 溢れこぼれる感情は液体に姿を変え、頬を伝う。
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Re: Lightning ( No.12 ) |
- 日時: 2011/05/18 23:47
- 名前: U
- Sなジンオウガかぁ・・・この際いい感じにこんがりと焼きあがらせられるのも・・・w
つーわけで(謎)、その身を焦がす程萌えさs(ry
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Re: Lightning ( No.13 ) |
- 日時: 2011/05/19 12:53
- 名前: リオレイア
- うわ…
でも、こんな感じで「獲物」になってみたいかも……
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Re: Lightning ( No.14 ) |
- 日時: 2011/05/23 19:18
- 名前: セイル <kokurou.wolf@gmail.com>
- 「なに・・すぐに気持ちよくなることだ。」
蒼空の獣眼が僕を射抜く。 ハンターとして狩場を駆ける躯ではない。 ただのその獣眼に射抜かれただけで躯は恐怖を本能で感じ恐れおののき、体を動かすことすらままならない。 体を動かせないのは弱者であるからだ。 「何を恐れる必要がある?私は一族でも優しいほうだ。なるべく苦しませないからな。」 ベロリと肉厚な舌が頬を舐め上げる。 熱を感じる唾液がそこに残る。 「うぁぁぁぁぁ・・・」 断末魔に似た悲鳴を腹から絞り出す。 それを耳障りと感じたジンオウガは表情を確かに歪め、口を開く。 「黙ってろ・・」 開かれた口から牙が覗く。 数々の獲物を喰らった牙は赤く黒ずんでいる。 その牙が肩口の皮膚を貫く。 皮膚を喰い破った牙は肉も血管さえも鋭く貫き、出血させる。 駆け巡る激痛に喉は叫びたいと吼えている。 だけど泣き叫ぶこと許されない。 叫べば・・さらなる痛みを呼び込むことになる。 涙を浮かべたまま悲鳴を押し殺す。 だが、次の瞬間には目前に閃光が迅(はし)る。 「あがぁぁあぁぁ!?」 ジンオウガは僕に食いついたままに放電を放ったのだ。
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Re: Lightning ( No.15 ) |
- 日時: 2011/05/23 22:50
- 名前: U
- いい感じにこんがり焼きあがられ・・・
にしてもこれがジンオウガにとっての手加減とは・・・ッ・・・w
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Re: Lightning ( No.16 ) |
- 日時: 2011/05/24 08:20
- 名前: リオレイア
- ちょっと…獲物になるのは止めようかな…
でもジンオウガさま格好いい!
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