Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.51 ) |
- 日時: 2011/02/28 20:23
- 名前: ゴルダ
- >セイルさん
最初に言ってほしかったな…(汗 後で上手く絡ませて出しますのでお待ちを
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.52 ) |
- 日時: 2011/02/28 22:06
- 名前: セイル
- なーーーーーーー
それはすみませんでしたっ! 黒狼さんと楓さんの共演をっ!
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.53 ) |
- 日時: 2011/02/28 22:27
- 名前: ゴルダ
- 翌朝、全く疲れが取れないままゴルダは目を覚ます。
朝起きるや、全身に違和感を感じたゴルダはひとまず起きて自分の体を調べた。
「なってこったい、竜人になりかけてるじゃないか」
ゴルダが部屋の鏡で全身を見ると、尻尾が生え。足も手も人の形ではなくなっていた。 しかも、目付きもそれっぽく変化しており。歯もほとんど牙になりかけている。
「困ったな、とりあえずウィズダムに相談するか…」
ゴルダはそのまま部屋を出て、ウィズダムの部屋を訪れる。 部屋へ入ると、ウィズダムは人の姿で机の上で食べかけのチョコを持ったまま寝ていた。 机の上には、ゴルダでもようやく理解できるか否かの計算式が並べられており。何をしているかは全く不明である。
「おい、朝だぞ」
ゴルダはウィズダムの背をツンツンとつついた。 それに気付いたウィズダムは、寝ぼけた様子でゴルダに食べかけのチョコを食べろと押しつける。 ゴルダは一口でそのチョコを食べた。
「んー、どうしたんだその姿は?」
まだ眠そうな顔でウィズダムはゴルダに向き直って聞く。 ゴルダは、朝起きたらこうなっていた事を説明する。 するとウィズダムは、セイグリッドへ行こうと言い出した。
「俺の予想が間違ってなければ、だがな…アルカトラスにも相談しよう」
ウィズダムがどんな予想をしたかは知らないが、ゴルダはついていく事にする。 2人がセイグリッドへ来ると、アルカトラスは従者と食事中だった。
「まあ、お前達も食べて行くがいい」
アルカトラスに言われ、ウィズダムとゴルダは朝食を取った。 朝食後、アルカトラスはゴルダを見てやはりかと呟いた。
「血の逆転現象が起きている、そのままだと本当に竜になってしまうな」
「俺も同じ考えをしていた、して…どうする?元に戻して維持するには封印石が必要だ」
アルカトラスは封印石と聞いて、何かを思いついたのか。従者に何かを持ってこさせる。 従者が持ってきたのは、クリスタルのような石がぶら下げられた首輪だった。
「なるほどね、それで元に戻せるなら…」
ゴルダは従者から首輪を受け取り、装備する。 首輪を装備すると、封印石の力でゴルダは元の姿に戻る事が出来た。ただし尻尾はそのままだったが。 ぶら下げられた封印石が、朝日の光で反射して眩しく光る。
「外すと変身するから今後は注意するんだぞ?」
アルカトラスから注意され、ゴルダとウィズダムはまたスリュムヴォルドへ戻る。 その後、ゴルダは何事も無く午前中の診察を終わらせ。お昼の一時を送っていた。 エルフィサリドと誰にも邪魔されずに昼食を食べていたゴルダだが、1人の王国軍の兵士にそれを壊される。
「女王様、報告します。謎の青い竜が西部の森へ出現、いかがいたしますか?」
「敵意が無いなら丁寧に出迎えろ、手荒な真似はするな」
「承知!」
青い竜と聞いて、ゴルダは記憶を手繰り寄せる。 ゴルダの記憶には、リヴァイドともう一匹。大学時代に遭遇した1匹の竜があった。 ゴルダは後者だろうと思い、ため息をつくと煙草のようなものに火を付けた。
「ソラか、あいつにはあんまり良くは思われていなかったからな…」
ゴルダは煙を吐きながらぶつぶつ呟く。
「しかし、それ以上に厄介だったのは」
煙草のようなものを吸い終わり、火を消したゴルダはまたぶつぶつと呟き
「ハク…あいつの先輩にあたると思わしき白竜、あいつには本当に参った」
もう1匹の竜の名を口にし。めんどくさそうにため息を吐いた。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.54 ) |
- 日時: 2011/02/28 22:36
- 名前: ゴルダ
- >suitさん
了解
>セイルさん 承知
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.55 ) |
- 日時: 2011/02/28 23:34
- 名前: ロンギヌス
- 蛇竜か・・捕食者としては2番目に好みなタイプですw
あと白竜の名が出てきたという事は・・今後登場するのかな?
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.56 ) |
- 日時: 2011/03/01 00:13
- 名前: suit
- 突然の竜化…
ゴルダさんの血に異変が起きてるのかな…?
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.57 ) |
- 日時: 2011/03/01 00:36
- 名前: ゴルダ
- >ロンギヌスさん
ハクは蛇竜タイプ、ソラはキャラ設定見直したら違ってたw
>suitさん 前作読んでないと、ちょっと厳しいかも
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.58 ) |
- 日時: 2011/03/01 02:23
- 名前: リオレイア
- 竜に……羨ましすぎる…僕ならば封印石なんてつけずに竜になります!
たまに石をつけて被食にはしるかな? そしてハクさんとソラさん、どんな方なのかなぁ?(お腹の中も楽しみですww)
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.59 ) |
- 日時: 2011/03/01 07:24
- 名前: suit
- いえ…前作は毎日読んでました…(汗)
また過去に振り返って情報を得なければ…
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.60 ) |
- 日時: 2011/03/01 09:51
- 名前: ゴルダ
- >リオレイアさん
ゴルダ「首輪ないと仕事できないんだよ」 ハクとソラはなり茶名簿探せばありますよ
ゴルダ「ハク様だけは出し渋ってくれ」
>suitさん アルカトラスがさらに血を解放したのが原因
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.61 ) |
- 日時: 2011/03/01 10:02
- 名前: suit
- そうでしたか…
眠っている力を解放+逆影響を起こってしまったのですね… この先ゴルダさんが心配です…
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.62 ) |
- 日時: 2011/03/01 11:46
- 名前: ゴルダ
- >suitさん
ゴルダ「大丈夫だ、問題ない」
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.63 ) |
- 日時: 2011/03/01 16:13
- 名前: ゴルダ
- 「おいバハムード、俺はちとリヴァルスに行くから今日の診察頼んだぞ」
あまりソラにいい記憶が無いゴルダは、とりあえず顔を合わせないようにとリヴァルスへ行く事にした。 しかし、病院をほったらかす訳にもいかないのでバハムードに代わりをするように言う。
「まあいいけどさ、何か軍の奴らが西の森がどうとか言ってるけど。それと関係ないよな?」
「さあな」
「関係あるだろ、ならお断りだな。つか俺は今からシオリアス行かなきゃならんし」
「ちっ…」
バハムードに断られ、ゴルダは舌打ちする。 そうこうしている間にも、例の青い竜が来たのか。城内がさらに騒がしくなる。
「もうあれから十数年か」
ゴルダは思い出す様に呟いた。
それは今から十数年前、丁度ゴルダが大学2年目の頃。
「よっしゃ、レポート片付けたし。ちょっくら散歩してくるか」
レポートをすべて片付け、家の近くの森へとゴルダは向かう。 もちろん、何も起こらない普通の散歩な筈ではあったが。今日は違った。
「あん?なんだあの竜」
ゴルダの目の前に、青いケモ竜が怪我をして倒れていた。 最初はさっさと近寄って処置してやろうと思ったが、明らかに敵意むき出しの雰囲気があるので、あえて距離を取る。 もちろんこのままでは処置など出来るはずもない。 どうにかして敵意を解いてもらおうと、ゴルダはとりあえず話しかける事にした。
「ええっと、警戒してるようだが…そのままだと悪化して死ぬから処置させてくれないか?」
ゴルダは青い竜に言う、青い竜は敵意をいっそう強くむき出しにした後。敵意を解いた。 ゴルダは不思議に思うが、目と目が合った瞬間に敵意を解いたので、眼力かなんかの影響だろうと自己解釈する。
「うみゅう…」
青い竜はゴルダを見てそんな声を漏らす。 ゴルダはいつも持ち歩いている治療道具を取り出し、実習でやった時のように手早く処置を施した。 深い傷ではあったが、傷自体は難しい場所には無かったので。30分ほどで処置を終えた。
「しっかし、何でこんな深い傷が」
「人間にやられたのぉ…」
「この国はやはり腐ってたか、まあ取り締まる法も無いから当たり前か」
ゴルダは青い竜を撫でる。青い竜はすっかり気を許したのか、撫でた方の手を舐めてきた。 それを見てゴルダは、ククッと笑う。
「そう言えば、俺はゴルダ。お前、名は?」
名前が気になったので、ゴルダは青い竜に自分の名を名乗ってから聞く。
「ソラ」
青い竜は、ソラと名乗る。 そうこうしていると周囲に不穏な気配を感じ、ゴルダは護身用に持っていたグロック19を取り出す。 ソラはゴルダの後ろに隠れて威嚇するそぶりを見せた。 一向に現れない気配に、ゴルダは気配のする方へと発砲した。
「ぐあっ!」
「やはり密猟者か、対竜用銃器装備。数は4人の3人、ソラ…俺から離れるなよ」
ゴルダはグロック19の他に、大学の実習室で汚染され過ぎているからと捨てられていたメスを用意して構えた。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.64 ) |
- 日時: 2011/03/02 01:14
- 名前: リオレイア
- やっぱりゴルダさんはかなりの手練れだ!
スネークともやり合えそうだな!
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.65 ) |
- 日時: 2011/03/02 04:57
- 名前: suit
- 密猟者を相手にメスで対抗するゴルダさん…
とある医者のようにそれでズバっと…
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.66 ) |
- 日時: 2011/03/02 10:54
- 名前: ゴルダ
- >リオレイアさん
ゴルダ「いや、厳しい」
>suitさん ゴルダ「血糊やら菌やらで汚染された危ない代物だぜ?」
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.67 ) |
- 日時: 2011/03/02 14:14
- 名前: ゴルダ
- 「どこに居る?」
ゴルダは注意深くグロック19をあちこちに向けて残る3人を探す。 ソラも辺りを警戒して、残る3人を探していた。
「3人の1人、発見…」
ゴルダは、岩陰に散弾銃を持って構えている男に発砲した。 それに気付いた男は、散弾銃を発砲してきたがなぜか当たらなかった。
「レミトンM1100の対竜スラッグ弾使用か、当たればひとたまりもない」
ゴルダは散弾銃使いに銃口を向けたまま注意を惹かせる。 それは、散弾銃使いに弾を撃ち尽くさせ、りロードしている間に仕留める作戦だった。
「ちょろちょろ動き回りやがって…」
散弾銃使いはゴルダに次々と発砲するが、ゴルダはそれを避けて逃げ回る。
「おのれ…くそ、弾切れか」
ここで、散弾獣使いがりロード動作に入った。 もちろん、隠れもせずに堂々と弾を装填していたので。ゴルダにとっては絶好の的にしかすぎなかった。
「ゲームオーバー…」
堂々と体を晒して装填している散弾銃使いに、ゴルダはグロック19の引き金を引く。 ゴルダの放った9mmパラべラム魔法強化弾は、散弾銃使いの頭を的確に撃ち抜いた。
「普通に考えて、狙われるの分かってるだろうが。愚か者」
ゴルダはレミトンM1100を奪い取り、手早く弾を装填してソラの近くへ戻ると残る2人を探す事にした。 ゴルダの予想では、2人のうちどちらかが狙撃銃を持っているので、狙撃銃持ちの方を片付けようと考えていた。
「残るは4人の2人…どこだ?」
レミトンM1100を握る手が汗で湿りながらも、ゴルダはしっかりと握って残る2人を探す。 そして、風の流れが変わったと思った次の瞬間。
「うっ…!」
「ゴルダ様!?」
「大丈夫だ、しかし肩を撃たれた」
ゴルダの左肩から大量の血が流れていたので、ソラが心配する。 ゴルダは大丈夫だと言い、持っていた竜用の止血剤を傷にかける。
「しかし、どこから…」
次なる狙撃に注意しながら、ゴルダはソラから離れる。 良く目を凝らすと、100メートルほど先の木の陰からドラグノフ狙撃銃を持った女密猟者が、今度はソラを狙撃しようと狙っているのが見えた。
「させるかよ」
ゴルダは負傷していない方の右の手にメスを持ち、女密猟者目掛けて投げ付ける。
「うぐっ」
メスを投げつけられて手元が狂ったのか、女密猟者の発砲した弾がゴルダの左足に被弾する。 もちろん弾は貫通したが、やはりまた大量に出血した。
「またか…」
木の蔭へ隠れ、ゴルダはもう一つの止血剤を傷にかけて止血し終えるとグロック19を構え直す。 左肩と右足を負傷しているだけあり、移動もままならかったが、ゴルダは有効射程範囲までなんとか近付く。
「よし、これだけ近寄れば後は大丈夫だな」
マガジンの残り弾数を確認し、ゴルダは木の陰からグロック19を構えた。 女密猟者はゴルダの出方を伺っているのか、一向に発砲してくる気配がない。
「ならばこっちから仕掛ける」
ゴルダは一旦グロック19を仕舞うと、持っていたメスを全て投げつけた。
「おのれ、よくも…!」
どうやらメスが刺さったらしく、女密猟者は怒鳴りつつ出てくる。 ゴルダは右腕だけを出し、女密猟者目掛けて発砲した。 6発ほど撃った所で、重いものが地面へ倒れる音がしたので。ゴルダが様子を見ると女密猟者は急所数か所に被弾して絶命していた。
「あと1人…」
よろよろとゴルダが戻ると、バレットM90をソラに向けて立っている男が居た。
「おおっと、まずは武器捨てな。こいつの命が惜しかったらな」
「ゴルダ様…」
ゴルダは迷わずグロック19を地面へと置いた。 男はふむと頷き、ソラに向けていたバレットM90を下ろした。
「よし、しゃがめ」
男がしゃがめと言ったので、ゴルダはしゃがむ。 しかし、一瞬の隙を狙ってゴルダはグロック19を拾い上げ。男の頭部めがけて発砲した
「1…本…取ら…」
頭部に被弾した男はバレットM90を握ったまま倒れ、絶命した。
「終わっ…うっ」
グロック19を下ろした瞬間、ゴルダは突然ふら付いてうずくまる。 すぐに止血したものの2度も大量に出血しているので、体が無事な筈が無かった。
「ゴルダ様!」
ソラにかけ寄られるも、ゴルダは大丈夫だと言ってよろよろと立ち上がる。 大丈夫とは言うものの、支えなしでは移動もままならないほどの重症。ソラはどうしようかと迷う。
「大丈夫だ、歩いて帰れる。お前も気を付けて帰りな」
その辺に転がっていた長くて太い木の枝を杖代わりにし、ゴルダは家を目指す。
「ふみゅぅ…」
そんなゴルダを、ソラは心配そうに見送った。 その後、家へ帰ったゴルダはバハムードに病院へ連れて行かれ。1週間入院したと言う。
「あの行動で良く思われてないかもな」
過去を回想しながら、ゴルダはため息をつく。 しかし、そんな事を気にしていても仕方がないと割り切り。ソラに会う準備をした。 もちろん、フラグが立っている事には本人は気付いていない。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.68 ) |
- 日時: 2011/03/02 15:49
- 名前: suit
- ひえ〜
刺さった女密猟者はどれだけ菌が入ったのやら… そして久しぶりの再開でソラ君は覚えてるかな?
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.69 ) |
- 日時: 2011/03/02 17:21
- 名前: ゴルダ
- >suitさん
ゴルダ「即刻ヘッドショットしたから知る余地なし」
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.70 ) |
- 日時: 2011/03/02 21:57
- 名前: リオレイア
- うわ〜
狙撃するぐらい離れているのに『散弾銃』とかww と言うよりやけに重装備だな… いくらなんでもアンチ・マテリアルライフルなんか使えば密猟してもバラバラで苦労しただけの部位が採れんかっただろうに…
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.71 ) |
- 日時: 2011/03/02 22:18
- 名前: ゴルダ
- >リオレイアさん
ゴルダ「レミトン使いとはそんなに離れてなかった」 それからこいつらは、素材より首に賭けられた金を重視するタイプ。 素材なんか二の次
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.72 ) |
- 日時: 2011/03/03 15:04
- 名前: ゴルダ
- 後ででも会えるだろうと、ゴルダは仕事のために病院へと向かう。
しかし、城の入口付近へ来ると。既にソラと思わしき竜がエルフィサリドと話をしていた。 ゴルダはその横を何事も無かったかのように通り過ぎ、病院へと行った。
「ふむ、人間は好かぬか」
「だって狩ろうとして来るんだもの」
やる事がほとんどないので、エルフィサリドはソラと話をしていた。 というのも、経済などに関してはウィズダムが全てを統括しているので。エルフィサリドがあまり口を出す事は少ない。 それでも外交などは自らが動き、ウィズダムはアドバイスをするだけではあったが…。
「お菓子おいしい…」
「まあ、これでも私の姉のカトレアの手作りだがな」
「へぇ〜」
カトレアが作ってほったらかしにしていたケーキを食べたソラがおいしいと言ったので、エルフィサリドはカトレアが作った事を教える。 ちなみに現在カトレアは、昨日からシオリアスポケモン共和国へ出向いており。スリュムヴォルドには居ない。
「そう言えばここにゴルダ様が居るって聞いたけど…」
ソラは、エルフィサリドにここへ来た理由を持ち出す。
「ふむ…確かに居る事は居る。今は竜医として病院で仕事をしているが、一応私の側近だからな」
エルフィサリドは、ゴルダと会った経緯から今に至るまでを話す。 ソラはそれを黙って聞いていた。
「昼になったら戻って来るだろうから、会うならその時に会えばいい」
「ふみゅぅ、分かったぁ…」
昼にはゴルダに会えると分かり、ソラは少し安心した。
一方のゴルダはと言うと、またもやリーフにあれこれ口出しされてイライラしていた。 整理していないカルテの山を整理しろというのから始まり、あれこれ口出しされ。 最後は一服している暇があればカルテの整理をしろと言いだしてくる始末である。
「やっと居なくなったか…この分だと死ぬまで言われるな、俺は生涯現役を貫くつもりだが」
また言われない内にと、カルテの山を処理しながらゴルダは呟く。 この最近、全くと言っていいほど休みが無いのでストレスも溜まっている。 しかし、他の竜医に任せて病院を開け、休みを取る訳にもいかなかった。 さらに、来週はリヴァルス・フレイルティア・スリュムヴォルドの3国合同軍事演習が入っているので抜ける訳にはいかない状況である。
「フレイルティアより南方の熱帯の国に行きたいもんだ…」
そんな事を言っている内に、昼の時間になっていたので。ゴルダは城へと戻る。 城へ戻り、早々に食事を済ませて午後の診察へ戻ろうとする。
「ゴルダ様ぁ、久しぶりぃ…」
突然、青い竜にすり寄られてゴルダは面食らうが。すぐにソラと分かって撫でる。
「十数年ぶりか」
「ふみゅぅ…」
スリスリとすり寄って甘えてくるソラを、ゴルダはかわいいと思いながらも午後の診察を思い出す。
「ソラ、後で構ってやるから…今は忙しいんだ」
と言って午後の診察に戻ろうとするが、ソラはゴルダを後ろから抱きしめてくる。 振りほどこうと思い、ゴルダは抵抗するがそれ以上にソラは強い力で抱きしめてきたので無意味に終わる。 もちろん、こうなった以上どうなるかは。ゴルダには予想が付いていた。
「ゴルダ様…」
期待する目で見られたゴルダに、選択肢はなかった。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.73 ) |
- 日時: 2011/03/03 22:31
- 名前: suit
- すり寄り+抱きしめ…これは自分も逃げられない…
ソラ君もゴルダさんを…
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.74 ) |
- 日時: 2011/03/03 22:51
- 名前: リオレイア
- だ、駄目だ鼻血が…
ソラ君可愛すぎる…
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.75 ) |
- 日時: 2011/03/04 09:28
- 名前: ゴルダ
- >suitさん
ゴルダ「なぜか俺にはデレデレである」
>リオレイアさん でも人間は嫌いですよ?
ゴルダ「じゃあ何で俺は大丈夫なんだ?」 半竜だからだろ
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.76 ) |
- 日時: 2011/03/04 10:30
- 名前: ゴルダ
- 「くっ、こうも掴まれると逃げられない…」
ソラの抱きしめる力は、最後にはゴルダを身動きできないレベルまで達する。
「ゴルダ様…大好き」
ペロッ
「いや、それは分かったから…んっ」
「それは分かったから…んっ」
「誰にも渡さないもん」
パクッ…
ソラに頬を舐められ、ゴルダはそれらしい反応をする。 その隙を狙い、ソラはゴルダを頭から銜えこんだ。
「コラ、止めんか。俺は今から午後の診察…あぅっ」
既に口の中へ入っていた上半身を舐められ、ゴルダは悶える。
「もっと抵抗してぇ…」
バクン…ジュルジュル、ペロペロ…
ソラはゴルダを口内へ完全に収め、全身を舐め回す。
「おい、止めんか…あうっ」
「そんなに気使わなくてもいいのに、もっと抵抗してよ」
口では抵抗しても、体で抵抗しない所から自分に気を使っていると感じたソラは、体でも抵抗させようとしつこく舐め回す。 それでもゴルダは口だけでの抵抗を続け、体で抵抗する事は一切ない。
「もう、抵抗しないなら呑みこんじゃえ」
ズルッ、ゴクン…
埒が明かないと確信したソラは、頭を傾けてゴルダを呑み込む。 もちろん、当の本人は抵抗もしないまま呑みこまれた。
「これでゴルダ様は僕のもの」
舌なめずりして言うソラにエルフィサリドが
「いやいや、それは困る。私の側近でもあり優秀な人材だ」
と突っ込みを入れた。 ソラはえーと言って、気が済んだら出すとエルフィサリドに約束する。
「ったく…やれやれ」
甘いのか何なのか分からない匂いがする胃に落とされ、ゴルダはやれやれと呟く。 胃壁が密着するかしないかのスレスレの狭さなので、身動きできないゴルダはとりあえず寝る事にする。 時折胃壁が密着してくるが、誰にも邪魔される心配のない胃の中でゴルダはソラに吐き出されるまで爆睡した。
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.77 ) |
- 日時: 2011/03/04 11:57
- 名前: suit
- あらら…
ソラ君の言葉に突っ込んでしまうとは… ずっと中にいられると困りますしね…(側近ですし)
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.78 ) |
- 日時: 2011/03/04 17:26
- 名前: ゴルダ
- >suitさん
エルフィサリド「色々と動いてもらわねばならんのに…」 微妙にネタバレしてないか?
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.79 ) |
- 日時: 2011/03/04 18:01
- 名前: ゴルダ
- それから週が明けたある日、今日は3国土合同軍事演習の日。
リヴァルス・フレイルティア・スリュムヴォルドの3国の軍の兵がリヴァルスの極寒の地へと集結した。 演習開始直後に、フレイルティアの戦車がリヴァルスの寒さで動かないなどのアクシデントなどがあり、思うように進まないに思われた。 しかし、何とか昼の小休止を迎え。極寒の地で3国の軍の兵士たちが食事をしながら互いに雑談などで温まっていた。
「やれやれ、寒冷地対策ぐらいやるだろ普通」
熱いコーヒーを、無糖かつミルク無しですすりながらゴルダは呟く。 周りの兵士がうるさいので、上官などが集まるテントの中でゴルダは休んでいた。 テントの中では、極寒の地にもかかわらずリヴァルスの竜人などは冷たい飲み物を飲んでいる。
「まあ、極寒の地とかでの演習は大事だな。どこでドンパチやるかも分からんし」
さらにコーヒーを注ぎ、今度は砂糖を入れながらゴルダはぶつぶつ言う。 砂糖を入れて混ぜ終わり、飲もうとした瞬間
「大変です!デュラガウアとティガレックスが演習場へ突っ込んできました!」
というフレイルティアの兵士の一言で、ゴルダは熱いコーヒーを顔にかけてしまった。 地面の雪を顔にひっ付け、やけどを冷やしているとゴルダを除く上官は全て外へ行ってしまう。
「おおっと、こうしちゃいられない」
ゴルダも急いで外へ出る。 外では、デュラガウアと2匹のティガレックスが暴れ回っており。3国の軍の兵士が総員で応戦していた。
「ヒャッハー!雑兵がゴミのようだぜ、なあ兄貴!?」
「おうよ、弟!」
「全員蹴散らしてくれやるわ…」
ゴルダはそれを見てやれやれと言う顔をして、近くにあった王国軍正式採用小銃を掴んで応戦体勢に出る。 もっとも、それはH&K G36KVのスリュムヴォルド採用モデルであるが…。
「くっそ、ダメージが小さすぎる!重機関銃でも持ってこい!」
「衛生兵、また1個班やられた!」
「戦車隊、主砲構え!」
3匹にダメージは通っているものの、被ダメージ量が思ったより少ないのか。押され気味である。 ゴルダは、デュラガウアの気を引こうと、指令にティガレックス2匹に攻撃を集中させるように頼む。
「分かった、デュラガウアは頼んだぞ」
ゴルダは王国正式採用小銃を持ったままデュラガウアに
「おいこっちだ、来な!」
と挑発し、注意を自分へと向かせる。 デュラガウアはゴルダに向き直り、こちらへと向かって来た。
「よし、後は走るのみ」
隠し持っていた狂走薬を飲み、ゴルダは一気にデュラガウアを演習場から遠くへと引き離す事に成功した。 引き離された事に気が付いたデュラガウアは、ゴルダを睨みつける。
「そうか、そんなに死にたいか」
「それは俺のセリフだ」
しばらく睨み合った後、両者は同時にお互いに向かって行った。
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.80 ) |
- 日時: 2011/03/04 18:53
- 名前: suit
- 地獄兄弟とデュラガヴアですか…
デュラガヴアは画像でしか見たことないけどどことなく迅竜に似てる…
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.81 ) |
- 日時: 2011/03/04 19:19
- 名前: ゴルダ
- >suitさん
デュラガウアはフロンティア限定モンスター、氷狐竜の名を持っている。 エターナルフォースブリザードが得意なようだ
ゴルダ「ああ、本当にな。エターナルフォースブリザード連発だ」
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.82 ) |
- 日時: 2011/03/05 10:57
- 名前: ゴルダ
- 「へっ、馬鹿が」
デュラガウアは突然止まりゴルダの後ろへと回り込む。 ゴルダはそれより早く気付き、向きを方向転換する。
「なかなかやるな」
デュラガウアは氷のブレスを吐いたが、ゴルダはそれを横に転がって避ける。 そして、隙を見せずに王国軍正式採用小銃を構えて発砲した。
「いてっ!」
5.56mm魔法強化弾なだけ事もあり、デュラガウアにほんの少しだがダメージは通った。 しかし、ゴルダは予備マガジンを持ってきておらず。30発撃った所で弾が切れ、ゴルダは銃を捨てる。
「残念だったな、そんな武器じゃ石ころぶつけられた程度にしか痛くねぇ」
どや顔で言うデュラガウアに、ゴルダは50AEカスタムを2丁構えで取り出す。 もちろん、この50AEカスタムも魔法強化弾を使っているので。威力は桁違いである。
「またそんなへっぴり武器で俺に挑もうとしてんのか。やめとけ、そんな武器で大丈夫か?」
デュラガウアに言われ、ゴルダは一言
「大丈夫だ、問題ない」
と答え、引き金を引いた。 辺りに強烈な銃声が鳴り響き、一瞬の沈黙が流れる。
「がっ…んな馬鹿な!」
ゴルダの放った50AEカスタムは、デュラガウアの腕の関節に命中し。多少ながら出血を伴う傷を負わせた。
「ショータイムだ」
ゴルダは銃を構え直し、再びデュラガウアを撃とうとする。 もちろん、デュラガウアもやられっぱなしではない。ゴルダめがけて氷のブレスを放つ。 そして、弾を撃ち尽くし。50AEカスタムをリロードし終えた所で、ゴルダはどこからか大剣を取り出す。
「ようやくその気になったか。それでこそ漢だな」
デュラガウアに褒められても、ゴルダは無表情で大剣を構えてかかって来いとアイコンタクトで伝えた。 しかし、デュラガウアは時間稼ぎなのか。その場から動かない。
「何か作戦でもあるのかあいつは…」
ゴルダは大剣を片手で持ちつつ、持っていたホットドリンクを一気飲みする。 それでもデュラガウアは何かを待っているかのように動かない。 これでは埒が明かないと、ゴルダは十二分に警戒しつつ。デュラガウアに接近する。
「残念だが、これは罠だぁ!」
向かってくるゴルダに、デュラガウアは氷のブレスを吐く。 ゴルダは大剣を盾にして横へ逸れるが、氷ブレスの範囲が思った以上に広く、氷に足を拘束された。
「計算違いか…」
悪態をつくゴルダに、デュラガウアは近寄り。足の氷を砕いたかと思えばゴルダを雪の上へ押し倒す。 ゴルダは50AEカスタムを撃とうとしたが、デュラガウアにあっという間に腕を抑えつけられる。
「お前うまそうだな」
とデュラガウアが言うとゴルダは
「腹下すぜ?」
と言い返し、ペッとゴルダはデュラガウアに唾を吐きかけた。 デュラガウアはこれにキレたのか、ゴルダをいきなり頭から銜えこんだ。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.83 ) |
- 日時: 2011/03/05 15:26
- 名前: suit
- ショータイムが…!!
しかし…氷ブレスを吐くとは…自分的にこれはやっかいな相手…
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.84 ) |
- 日時: 2011/03/05 17:36
- 名前: ゴルダ
- ズルッ、バクン…
「くっせぇな、お前の口」
口内へ収められ、ゴルダはそんな一言を漏らす。 デュラガウアはそれを無視し、舌で舐め回す。
「本当に臭いな、落陽草でも食ってろ」
「胃に入ってまでそんな無駄口が叩けるか見ものだな」
ゴクン…
相変わらずの図太さで動じないゴルダを、デュラガウアは呑み込む。 もちろん、ゴルダは動じない。
「ふ、胃も予想通りの臭さだな。冷たいのが気持ち悪いが、しかも狭いし」
うるさいゴルダをさっさと消化しようと、デュラガウアは胃液を分泌し始める。
「リヴァイドに近いか、冷たいし臭いわ…」
最後の最後まで臭いと言い続け、ゴルダは消化される。 もちろん、すぐに蘇生復活し。デュラガウアの背に乗って再び50AEカスタムを2丁構えた。
「何、生き返っただと!?」
「悪いね、俺は死んでも生き返る能力持ってんだ。今下手に動けばこいつでズドンだぜ?」
何も言わないデュラガウアに、ゴルダは何か言えよと言うが
「おうおう、今度は演習の邪魔か。今度という今度は許さん」
目の前にリヴァイドが居たので、何も言わない理由を悟る。 リヴァイドは、ゴルダに降りるように伝えてデュラガウアに至近距離まで近寄る。
「お前はこうしてくれやる」
リヴァイドは突然、1本の剣を取り出して目の前を切った。 すると、目の前に空間の開け目が現れ。デュラガウアを呑み込んだ。
「異空間転送刑、いわゆるスキマ送りの刑だ。所でお前は大丈夫か?」
剣を片付け、リヴァイドに聞かれたゴルダは何とかなと答える。 リヴァイドは、そうかと言って城へ戻った。
こうして、一騒動あった3国合同軍事演習は終わりを告げた。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.85 ) |
- 日時: 2011/03/05 17:36
- 名前: ゴルダ
- >suitさん
MHFのベンチマークソフトで流れていたムービーに、氷ブレスを吐いていたのを確認したので
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.86 ) |
- 日時: 2011/03/06 00:06
- 名前: リオレイア
- ならば次元のハザマまで追いかけて臭いお腹を堪能するのみ!
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.87 ) |
- 日時: 2011/03/06 07:14
- 名前: ゴルダ
- >リオレイアさん
ウィズダム「ハザマは次元構成が狂ってるから、対策しないと存在自体粉々になって消えるぞ」
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.88 ) |
- 日時: 2011/03/07 11:18
- 名前: ゴルダ
- それからまた1週間後、ゴルダはまた激務の毎日を送っていた。
そして今日も、立て続けに手術を終わらせて一息つく。
「やれやれ、1日に3件も手術入ると死ねるな全く」
無糖のコーヒーを片手にゴルダはため息をつく。 簡単な手術ではあったが、3つも連続で入ると流石に精神的にも肉体的にも堪える。
「今日は夜勤代わってもらうか、とっとと寝よう…」
ゴルダは他の者に夜勤を任せ、城へと戻る。 城へ戻るや、エルフィサリドが来てほしいと言うので。ゴルダはエルフィサリドの部屋へ行く。
「ラヴァリス共和国は知ってるな?フレイルティアより南に位置する熱帯の国だ」
ゴルダは一応はと頷きながら答える。 それを見たエルフィサリドは、1枚の依頼書を出した。
「竜医としてラヴァリス共和国へ行ってくれないか?」
「何故だ?理由が分からんと俺は行かんぞ」
いきなりラヴァリスへ行けと言われ、ゴルダは理由を求める。
「色々と病気が蔓延しているらしくてな、セイグリッドは人手不足で派遣は不可。他のドラグニティ連盟の諸国は拒否…残ったのはここだけ」
「何かめんどくさそうだな…」
エルフィサリドから話を聞き、ゴルダは納得する。
「出発は?」
ゴルダが聞くと、エルフィサリドは渋い顔をして
「明日の朝、輸送機で向かってもらう」
また急だなとゴルダは言いつつも、了承する。 明日朝出発と言う事もあり、さっさと寝てしまおうとゴルダは風呂などを済ませて部屋へ行く。
「おう、丁度良かった。こいつを持って行け」
部屋で待っていたウィズダムに、ゴルダは腕に装備できる謎の携帯端末を渡される。
「そいつは一応パソコンだ、何かの役に立つだろう」
パソコンと言われ、ゴルダはほぅと納得してそれをいじり始める。 ウィズダムに教えてもらっていただけの事はあり、ゴルダはすぐに使いこなせるようになる。
「気を付けろよ、ラヴァリスの王都へ行くには密林を抜けなきゃならん」
「密林か、めんどくさいな…」
「ま、頑張りな…」
ウィズダムが部屋から出ていくと、ゴルダは武器などの荷物の準備を始める。 道中、居た方がいいだろうとグラエナとザングースも連れて行く事を考えていると
「まだ起きてた?」
謎の少女が部屋へ入って来たが、ゴルダはすぐに時雨だと気付いて警戒を解く。
「帰ってたのか」
荷造りをしながら、ゴルダは時雨に聞く。
「一時的にね」
時雨は頷き、ゴルダに何が入っているか分からないモンスターボールを渡す。
「ボールの中にはオーダイルが入ってるわ、あなたの事、結構気に入ってるようだから変な事されないようにね」
と言って、時雨は部屋を出ていく。 カトレアも気がきくなと思いながら、ゴルダは食料を詰め込んで荷造りを終わらせた。
翌朝、王国軍の輸送機を使い。ゴルダはラヴァリス共和国へと入った。
「じゃあ、ここから飛び降りてくれ。浮遊魔法忘れんなよ?」
操縦士に言われ、ゴルダは輸送機から飛び降り。浮遊魔法をパラシュート代わりにしてラヴァリス共和国の密林へと落ちた。 着地に成功したゴルダは、グラエナとザングースを出して密林の中を歩き始める。
「すっげー自然だな、たまげたぜ」
「よく注意しないと、何出るか分からないし」
ゴルダは腕に付けた携帯端末をいじりながら、王都の位置を確かめる。 携帯端末には地図とGPSらしき機能が搭載されているので、どの方角へ進めばいいのかを探すのが容易だった。
「要注意捕食者?蛇竜に…イビルジョーだと?まだ居る…」
地図をいじっていると、この付近に生息する捕食者の一覧リストが表示された。 ゴルダはリストをすべてチェックし、一部の捕食者にマーカーを付ける。
「うげえ、ミロカロスとかまで居るのかよ…まあ川が主な生息地らしいからいいけどな」
ゴルダの携帯端末を覗き込んだグラエナが渋い顔をする。 一通りチェックを終えたゴルダはリストを閉じ、地図を再表示させる。
「行くぞ、歩ける所までは歩かないとな」
一行は、王都目指して歩き始めた。 日が真上に差し掛かった頃、一行は大きな川の前へ来た。 もちろん、泳いで行けそうではあったが、荷物がダメになる事を考えてゴルダはオーダイルを出す。
「おう、やっこさ出番か」
出て来たオーダイルは肩を回して目の前の川を見る。
「乗りな、さっさと渡ってしまうから」
そのままでは乗れないので、ゴルダはザングースを肩車してオーダイルに乗る。 オーダイルは簡単に川のの向こう岸まで一行を渡した。
「昼にするか」
向こう岸へ渡り、ゴルダは昼の分の食料を出した。 そして、何事も無く食べているその横の川で何者かが一行を狙って目を光らせていた。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.89 ) |
- 日時: 2011/03/07 11:57
- 名前: suit
- ふむむ…!!
イビルジョーか!?それともほかの飛竜か… 密林ですと予想がつきませぬ…
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.90 ) |
- 日時: 2011/03/07 15:52
- 名前: ロンギヌス
- その密林でうたた寝してみたい・・w(目が覚めたら真っ暗
怪しい人物(人とは限らないけど)登場・・敵か味方か楽しみです。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.91 ) |
- 日時: 2011/03/07 16:29
- 名前: ゴルダ
- >suitさん
熱帯諸国のアマゾンを想像すると分かりやすいよ!
>ロンギヌスさん 夜にやったらなw
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.92 ) |
- 日時: 2011/03/08 14:50
- 名前: ゴルダ
- 昼食を終わらせ、ゴルダはオーダイルを戻し。荷物を異空間倉庫へ放り込んで出発する準備をする。
しかし、川の方を向いて唸るグラエナを見てゴルダは何事かと思い。端末をいじった。
「何かが居る…」
ゴルダは片手剣を引き抜き、何者かに備える。 だがしかし、結局なにも現れずに骨折り損に終わった。
「行くぞ、余計な時間食ってしまった」
ゴルダはそう言って、さらに先絵へと進む。 それから2時間ほど歩いていると、急に端末から警告音が鳴ったので。ゴルダは端末を開いた。
「イビルジョー…とてつもなく厄介なのが来たか」
対抗する術がないので、ゴルダはやり過ごそうと近くの大木の上へと上る。 その直後に、イビルジョーがドスドスと密林の中を歩いて来た。 かのヴァレンベレスと同等の大きさがあり、何かを追いまわしていた。 どうやらジュカインを捕食しようとしているらしい。
「あんなのに襲われたらひとたまりもないじゃねえか…ご愁傷様だな、あのジュカイン」
と言うグラエナに、ゴルダは静かにしろと言う。 ザングースはと言うと、ずっとゴルダの背を壁にして隠れている。 そこそこ距離があったので、詳しくは見えなかったが。ジュカインはすでにイビルジョーに捕食されていた。
「あらら、グッチャグチャに噛み砕かれてるな…」
イビルジョーの捕食の様子を見ながら、ゴルダは呟く。 イビルジョーが居なくなるのを待って居ると、また警告音が端末から鳴った。 ゴルダが端末を開くと、今度はこの付近にしか居ないレウスレイアではない大型肉食飛竜のマーカーがこちらへ向かっていた。
「ますます厄介な状況になった」
渋い顔をしながら、ゴルダはどうするか思慮にふける。 しかし、思慮にふけていると。なぜかイビルジョーと飛竜が木の上に居るゴルダ達をじっと見ていた。 一瞬でこれはマズイなと思ったゴルダは2匹をボールへ戻して異空間倉庫へ投げ飛ばす。
「これに何か入ってない…うおっ!」
イビルジョーが飛竜との戦闘を始め、大木に体当たりをしてきたので。端末をいじっていたゴルダは大木から落ちる。 浮遊呪文を即座に使ったので、落ちて打ち所が悪くて死ぬと言う無様な死に方をせずには済んだが。イビルジョーがこちらに向かってきた。
「何かこいつに…なんじゃこりゃ、ECS(電子詠唱システム)だと?」
ウィズダムから開発していると聞かされた、パソコンなどの電子機器で魔法が使えるようになるECSが入っていたのでゴルダはそれを起動する。 システムはすぐに起動し、ゴルダは風属性の補助魔法から移動速度強化系の呪文を選ぶ。
「あばよ、間抜けども!」
普通の人間が見れば異常と思う速度でゴルダはその場を離れる。 しかし、またもや川が見えてきたので慌てて解除しようとするゴルダだが、解除が間に合わずに川へと突っ込んだ。
「ぶっ…なんだ、完全防水加工か」
端末が壊れていないのに気付いたゴルダは地図を確認し、そのまま川を泳ぎ出す。 真ん中辺りまで泳ぐと、足周りに何かが触れたような感触を感じてゴルダは端末を開くが、電源が切れていた。
「機械には頼るなと言う事か、まあいい。何かが居るのは把握済みだしな」
と言って腹をくくっていると、何者かに後ろから抑え込まれた。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.93 ) |
- 日時: 2011/03/08 19:36
- 名前: suit
- 川…
川だとミロカロス…かな…?
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.94 ) |
- 日時: 2011/03/09 09:30
- 名前: ゴルダ
- >suitさん
抑え込まれると言う描写から、そいつには手が…
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.95 ) |
- 日時: 2011/03/09 11:16
- 名前: ゴルダ
- 抑え込まれるも、ゴルダは抵抗してなんとか振りほどく。
とりあえずはとナイフを抜き、ゴルダが後ろを振り返ると鰭のようなものが付いた紫のつるつるな尻尾が水中へ沈んでいく所だった。 ふと端末を見ると、電源が入っていたので。ゴルダは端末を開く。
「水竜…か、同族の血を持つがゆえに厄介だ」
ゴルダは端末を閉じ、片手にこの場所では不利なM92FSを構える。 相手がよっぽどの熟練なのか、気でどこにいるかを探ろうとするゴルダだが、探れずにいる。
「そこかっ…!」
ヒュッ…ザクッ
背後に気配を感じてナイフを切りつけるゴルダだが、空振りした上に引っ掻かれた。 大して深い傷ではないので、ゴルダは気にせずに再び構え直す。
「うっ、何だ?急に体が痺れて来た上に意識が…くそ、麻痺毒か…」
しばらくすると、ゴルダは突然体の痺れと共に意識が薄れてくる。 ゴルダはすぐにそれが麻痺系統の毒だと分かるも、完全に意識を失った。
「まあ、あっさり狩れましたな」
謎の水竜はゴルダを抱え、水中へと潜る。
「うー…くそ、水たらふく飲んじまった」
しばらくして、ゴルダは意識を取り戻す。 辺りは薄暗くて見えないが、かろうじて洞窟の中だと把握する。
「後ろで手が縛られてるな、どこかで切れないか…?」
そのままの状態でゴルダが歩き回ってると、どこからか別の声がした。 何事かと思ってその声のする方へ行ってみれば、ブラッキーが岩に縛り付けられていた。
「やいやい、この縛ってるの解きやがれ!」
「どうした、大丈夫か?」
と叫ぶブラッキーにゴルダは声をかける。 ブラッキーはゴルダを一瞬キッと睨むものの、ゴルダの両手が縛られているのを見て
「俺の口の所にその縛られてる所持ってきな」
縛られている所を自分の口の所へ持ってこいと言うので、ゴルダは素直にその部分を差し出す。 ブラッキーはその縛られている部分を噛み切った。
「よし、俺のも解いてくれ」
ゴルダは予備に持っていたナイフでブラッキーを縛っていた蔦を切った。
「ふう、ちょっと王都から出て密林を冒険してたらこれだぜ。とりあえず助かった、礼を言うぜ」
「いやいや、俺こそ」
と話をしていると、8メートルほどの体長で紫の体色をした水竜がエーフィとシャワーズを掴んだ状態で現れる。 まだ少し痺れがあるものの、ゴルダは片手剣を引き抜く。
「ちっ、メインにお前達を取ってたと言うのに…まあいい。こいつらは食っちまうがな」
「やめろ、そいつらを離せ!」
と言うブラッキーを見て、ゴルダは仲間であろうと確信する。 しかし水竜は、何食わぬ顔で2匹を丸呑みにしようと口へ近付ける。
「離してよ、僕なんかおいしくないよ!」
「うぅ…」
ゴルダはこっそりECSを起動すると、再び移動速度強化を選択する。 そして、2匹の頭が水竜の口へ入りかけた瞬間。水竜に高速で近寄り、シスイ直伝の蹴りを入れる。
「がはっ!」
水竜は2匹を落とし、蹴られた場所を抑えてうずくまる。 ゴルダは落ちてきた2匹も受け止め、ブラッキーの所へ連れて行く。
「あ、ありがとう」
「助かりましたの」
2匹に礼を言われ、ゴルダは移動速度強化を解除する。 水竜はようやく復活したらしく、3匹を庇うようにして立つゴルダを睨みつける。
「来いよ、同族の血が流れてるからって手加減はしない」
挑発に乗った水竜は、ゴルダへ向かってきた。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.96 ) |
- 日時: 2011/03/09 16:32
- 名前: ゴルダ
- 先手を打って引っ掻き攻撃をしてきた水竜だが、ゴルダに腕を掴まれて失敗する。
ゴルダも再び蹴りを入れようとするが、掴まれてない方の手で引っ掻かれ。多少かすった。
「ぐ…もう麻痺してきただと」
先ほどより早い麻痺毒の周りに、ゴルダはその場に膝をつく。 水竜はニヤニヤしながらゴルダを掴み、そのまま口の中へ入れる。
バクッ…ビチャッ
「生臭さい…というよりは魚臭い」
水竜に舌で舐められ、ゴルダはその魚臭さに思わずそんな事を漏らす。 水竜はそれを気にすることなく、ゴルダを舐め回し続けた。
ビチャッ、ベチョッ、グチャッ…
「ゲホッ、全身魚臭くなってしまった」
全身を舐め回されている内に唾液を飲んでしまったゴルダは、むせ返りながら呟く。 もちろん、体は麻痺しているので抵抗など不可能である。
「そろそろ呑み込むか」
ズルッ
「勝手にしやがれ、畜生め」
さらに生臭い食道へ押し込まれ、いっそう生臭さを擦りつけられながらゴルダは胃へ入れられる。 この水竜の胃は少し狭いどころか、消化しかけの魚があちこちに散乱していた。 それに追い打ちをかけるように、麻痺が取れて動けるようになったゴルダを胃壁が狭まって消化しかけの魚を擦りつける。
グニッ、ズリズリ、ベチャグチョ…
「うげっ、気持ち悪いな…」
そうこうしている間にも、どんどん擦りつけられていき。ゴルダは消化しかけの魚まみれにされた。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.97 ) |
- 日時: 2011/03/10 11:28
- 名前: ゴルダ
- 「さて、そろそろ消化てやる」
グニュッ、ジュワワ…
胃壁が密着してて言攻撃ないので、ゴルダは黙って消化された。 水竜の腹がどんどんしぼんでいくのを見て、ブラッキーは仕方ないと構える。
「サンダースが居ればこんな事にはなりませんでしたの」
というエーフィにブラッキーはそうだなと答える。 そして、数分もしない内に水竜の腹は元の大きさに戻った。
「さて、次はお前を食うか」
水竜はブラッキーを掴み、口へ入れようとする。 そうはさせるかと、ブラッキーはどくどく攻撃を放つ。
「ぐっ、小賢しい真似を…」
もちろん、まともにどくどく攻撃を受けた水竜が無事なはずが無かった。 ブラッキーはふっと鼻で笑い、脱出を試みるも入口は水没しており。シャワーズ以外が逃げる事は不可能である。
「よくもやりやがったな…しかしこの私が対策してないとでも思ってたか」
水竜は手に持っていた薬草を丸呑みにしする、どうやら毒消しの薬草らしい。 ブラッキーは2度も同じ手は通用しまいと次なる手を考える。 しかし、考えている間にも水竜は4匹をまとめて捕まえた。
「めんどくさい、お前たち全員まとめて食ってやる!」
4匹を掴んだまま銜えようとする水竜だが、寸前の所で頭が動かなくなる。 どうやらエーフィの念力で止められているらしい。
「そんな簡単には食べられませんの!」
「余計な真似を…」
念力を破ろうと必死になる水竜と、これ以上近付けさせまいとするエーフィが小競り合いをし始めた。 その後ろでは、魚臭いまま復活したゴルダが水の中から上がって来る所だった。 それもそのはず、復活したのは洞窟の入り口の真上で。気が付けば水の中に落ちていた。
「ええい、早くあいつを仕留めなければ」
ゴルダは端末を操作し、何かないかを探る。 しかし大したものが無いので、異空間倉庫から例の50AEカスタムを取り出す。
「助けるためなら手段は選ばん」
気付かれないようにゴルダは水竜の背後へ回り、照準を合わせる。
「くうっ、そろそろ疲れてきましたの」
なんとか阻止していたエーフィに疲れの色が見えてきた、絶体絶命である。 水竜は念力の力が弱まって来ているのをいい事に、銜えられる位置まで頭を近付ける。
「ここまで抵抗した事は褒めてやろう、後は私に頂かれな」
バクン…
そして、4匹が銜えられた瞬間。
ドン!
「がはっ…」
ドチャッ!
攻撃を受けた衝撃で、水竜は4匹を吐きだす。 さらに水竜は3発の攻撃を受けて倒れ込む。
「ぐっ…貴様生きてたのか!」
水竜が後ろを振り向くと、ゴルダが無表情で50AEカスタムを構えて立っていた。 ゴルダは50AEカスタムを片付け、4匹を抱えるとそのまま水に沈んだ入口へ飛び込む。
「逃がすか」
水竜もゴルダの後を追って水の中へ飛び込む。 ゴルダは洞窟から出てすぐに近くにあった岸に4匹を下ろし、異空間倉庫からオーダイルのボールを出す。
「ふう、やっと岸か。ありがとよ」
礼を言うブラッキーにゴルダは
「とりあえず休んでろ、俺は奴と決着を付ける」
と言って休むように伝えてオーダイルを出す。 水面に出てきた水竜を見たオーダイルは、やる気になったのか。ずかずかと川の中へ入っていく。
「俺が手を下すまでもないだろう」
とゴルダが言っている内に、オーダイルは水竜を気絶させて戻って来る。 水竜は先ほどの傷の事もあり、気絶したまま流されて行った。
「もう少し歩いた所で野宿しよう、日が暮れてきた」
ゴルダが端末の時間を確認すると、時刻は夕方を指していた。 4匹は頷き、少し進んだ所にあった大木の根元で野宿の準備を始める。
「そういや、お前さんどんな用事でこんなところへ?」
ブラッキーに聞かれ、ゴルダは理由を話す。 ブラッキーはなるほどなと頷き、自分達はシオリアスから派遣されて来たと説明する。
「一応、王都入ってすぐのスラム街は注意しな。いろんな種族のゴロツキが居る」
ブラッキーの話から、ゴルダは何かしらひどい目にあったのだろうと思い。王都の地図を調べる。 やはり端末の地図にも、一部が赤く表示されてスラム街である事を示している。
「なんでスラム街が…」
ゴルダはそう思いながらも端末を閉じ、見張りへ移った。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.98 ) |
- 日時: 2011/03/10 11:36
- 名前: ロンギヌス
- 竜の血ってかなり便利ですねw
(無償で消化していただけるなんて…
スラムというと…怪しい誰かがいるのかな?
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.99 ) |
- 日時: 2011/03/10 12:08
- 名前: ゴルダ
- >ロンギヌスさん
ゴルダ「メリットばっかじゃないぞ」
さあ、どうでしょうか…
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.100 ) |
- 日時: 2011/03/10 14:04
- 名前: リオレイア
うぬぬ… 何度も消化されているゴルダさんが羨ましい…出来ればイビルジョーのお腹も診察して欲しかった。 そして謎の飛竜とは…何だろうか?
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.101 ) |
- 日時: 2011/03/10 14:47
- 名前: ゴルダ
- >リオレイアさん
この後分かるかもしれませぬ
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.102 ) |
- 日時: 2011/03/11 09:13
- 名前: ゴルダ
- 月も真上に差し掛かった真夜中、ゴルダは微妙な眠気と格闘しながら見張りを続けていた。
夜行性の筈のブラッキーも、よっぽど疲れたのかエーフィに寄り添うようにして寝ている。 一方のグラエナとザングースも、爆睡中で起きる気配がない。
「ふっ、かわいい奴ら…ん?」
ゴルダはグラエナ達の寝顔を見ながら呟いていると、端末にメール受信らしき表示が出る。 それを開くと、送り主はウィズダムで。ラヴァリス共和国に関する情報が添付されていた。 その情報を読んでいくうちに、ゴルダはなぜドラグニティ連盟の同盟国が派遣を拒否したのかを把握する。
「王政独裁…ドランザニアとの癒着の可能性…」
ラヴァリス共和国にあるスラム街の原因は、現国王のせいである事が書かれていたのでゴルダは怒りを覚える。 こんな国に自分が派遣されていたのかと思うと、ゴルダは国王に喝を入れようと考える。 最後に、エルフィサリドは知らなかったという旨が書かれていたので。ゴルダはひとまず安心する。
「この反応、昼間の飛竜…」
再び出た警告表示をゴルダが調べると、昼間の飛竜と同じ反応が見られた。 ゴルダは飛竜の現在位置を調べ、ここへ来させまいとその場を離れる。
「やはり…かレウスレイアが独自の進化をしたラヴァリスにしか居ない飛竜…」
少し行った所に、リオレウス亜種より薄い蒼い鱗の飛竜が辺りを見回して獲物を探していた。 幸いこちらには気付いていないらしく、ゴルダはさっさとどっか行くように願う。
「くっそー、まともな獲物がいやしねぇぜ。ポケモンの匂いがさっきからプンプンするのによ」
どうやら匂いに気付いているらしく、このままでは見つかると思ったゴルダはどうにかしようと、その場を離れようとするが
「ん?何だてめぇ?」
「しまった…」
ふとこちらを振り向いた飛竜にその姿を見られてしまう。 見つかった以上はと、ゴルダは大剣を取り出す。
「やる気か、いいだろう」
蒼い飛竜もそれを見て構えるが、突然どこからともなく聞こえてきた地面を踏みならすような足音に双方とも気付く。 ゴルダはこっそりと端末を確認すると、イビルジョーである事が分かる。
「おい、お前逃げた方がいいぞ。食われても知らないからな」
「ああ?」
そうこうしている内に、2人の前にイビルジョーが現れた。 イビルジョーは2人を品定めするように見て咆哮を上げ、ゴルダへ向かってくる。
「昼間の奴か…ちっ」
アストライズでの戦いを思い出し、ゴルダは大剣を構えて攻撃に備えた。
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.103 ) |
- 日時: 2011/03/12 13:40
- 名前: ロンギヌス
- 絶対王政か…何だかメールも検閲されてそうですね。
レイアさんみたいな竜登場ですか!!(嬉 三つ巴戦闘の結果楽しみですw
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.104 ) |
- 日時: 2011/03/12 16:41
- 名前: suit
- 飛竜とイビルジョー…
さてさてどう対処するのか…
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.105 ) |
- 日時: 2011/03/12 17:01
- 名前: ゴルダ
- >ロンギヌスさん
通信はシオリアスか、賢者の竜の里の通信衛星で行われてます。 暗号化技術も桁違いなので検閲は大丈夫だ問題ない
>suitさん さて、どうなるのやら…
※中の人からお知らせ 精神状態不安定につき、安定するまで更新を休む可能性があるのであしからず
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.106 ) |
- 日時: 2011/03/15 19:08
- 名前: ゴルダ
- 「くっそ、疲れた…」
なんとか追い払う事に成功し、大剣を片付けてゴルダは言う。 何故追い払う事が出来たかというと、端末の武器召喚システムにあった変な武器のおかげである。
「臭気手榴弾とはな…」
こやし玉以上の臭い…というよりは腐臭を撒き散らし、耐え切れなくなったイビルジョーは逃げ出した。 これで一安心だなと思って、くつろいでいるといつの間にかあの飛竜が居なくなっていた。
「帰ったか…」
そう思っていると、後ろから風を切る音がしたので。ゴルダが後ろを振り向くと
「っと、やはりな」
先ほどの飛竜が襲ってきたのでひらりと避けて、新たな武器を召喚しようと走りながら端末をいじる。 重装備系が並ぶ中、プラズマカッターが目に入ったゴルダは。プラズマカッターを召喚する。 すると、すぐに端末を装備している側の手にそれらしきものが現れた。
「行くぞ、敵になった以上は容赦しない」
ゴルダはプラズマカッターを飛竜へ向けて乱射する。 効かない訳ではないらしく、鱗をかなり剥ぐ事が出来た。
「ええい、弾切れか」
どこからともなく現れたカートリッジを交換し、ゴルダはプラズマカッターを再び構える。 しかし、再びプラズマカッターを構えた所で。飛竜が振り回した尻尾が当たってふっ飛ばされた。
「がっ…!」
ふっ飛ばされるも、受け身を取って地面に着地するゴルダだが。右足に痛みを感じて座りこむ。 どうやら折れたらしく、このままでは攻撃を避けきれない。
「ええい、こうなりゃ…」
と言って顔面めがけてプラズマカッターを再び乱射する。 しかし、頭殻の鱗をわずかに剥がすに終わり。カートリッジも交換できなくなり、どうしようもなくなった。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.107 ) |
- 日時: 2011/03/15 20:40
- 名前: セイル
- うわあああぁ
お帰りなさいゴルダ様 更新なかったんで被災されたのかと 思いました〜 はぁ〜良かった
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.108 ) |
- 日時: 2011/03/15 21:00
- 名前: suit
- ゴルダさんどうもです…
更新がないので心配しました。 これからも応援してますので!!
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.109 ) |
- 日時: 2011/03/16 15:08
- 名前: ゴルダ
- >セイルさん
俺は被災してません、報道やらなんやらで精神的に参っただけです。 更新ペースも落ちると思います
>suitさん 報道やらなんやらで精神的に参ってるので創作欲がげっそりです
※中の人からまたお知らせ 裏の小説、永久更新停止する可能性が高くなってきました。 地震などの報道やらなんやらで精神的に参り、ネタが頭から出て行ってしまって、どうにもならない状況です。 これだけはきちんと完結へ持って行くので、ご心配なさらずに。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.110 ) |
- 日時: 2011/03/16 18:38
- 名前: ゴルダ
- プラズマカッターを投げ捨て、ゴルダは次なる武器を探して端末を操作する。
もちろん、そうしている間にもジリジリと飛竜は迫って来ていた。
「ちっ、一か八かのこれだ」
ゴルダはデトネーターと表示されていた武器を召喚し、飛竜に放つ。 放たれた弾は、飛竜にくっ付いて盛大に爆発し。これでかなりの痛手を負った飛竜は、一目散に飛んで逃げた。 ゴルダはその後、ECSを起動し。光属性から治癒呪文を選択して足の骨折を治療する。
「やれやれ、散々な目にあった…」
気付け用に持っていた酒を一口飲み、ゴルダはそのまま夜を明かした。 翌朝、食事もほどほどにして。ゴルダはブラッキー達を連れて王都へと入る。
「ここがスラム街ね…うっ、なんて臭いだ」
スラム街へ入った瞬間、イビルジョーとは比べものにならない悪臭にゴルダは渋い顔をする。
「死臭や腐臭が常時漂ってますの、気分悪くならないようにお気を付けて」
「伝染病が流行しているらしい、種族問わず感染するな」
ブラッキーとエーフィから説明を受け、ゴルダは端末を操作して状況を記録する。 辺りには死にかけの人間や獣人に竜人などが横たわっており、生き地獄であった。
「ひどすぎる…」
とりあえず国王に一喝入れねばと、ゴルダは足を速める。 1時間ほど歩いて、一行はようやくラヴァリス城へとたどり着く。
「よくぞ参った。余はこのラヴァリス共和国国王、ラヴァリス2世だ」
普通の人間な国王に、ゴルダは単刀直入に
「伝染病云々の前に、あのスラム街をどうにかしないと意味がない。スラム街をどうにかしろ」
タメ口でラヴァリス2世にスラム街をどうにかしろと言う。 すぐに兵士が剣を引き抜こうとしてきたが、ゴルダがそれより早く50AEカスタム構えたので兵士は引き下がる。
「無礼もクソもないいい度胸ではないか…」
どや顔で言うラヴァリス2世に、ゴルダはブラッキー達に構えさせる。 その直後、別の兵士が慌ただしい雰囲気で入って来た。
「国王、大変です。ラオシャンロンが!」
「ええい、おいそこのスリュムヴォルドから派遣されてきた竜医。ラオシャンロンを追い払って来い」
いきなり白羽の矢を立てられ、ゴルダはやれやれと言う顔をするも了承する。 ブラッキー達を待機させ、1人でラオシャンロンが出たと言う場所へと急行する。
「噂に聞くよりでっかいな」
既に対竜戦闘配備に付いている兵士たちを無視し、ゴルダは浮遊呪文でラオシャンロンへ接近する。 ラオシャンロンは、何だと言う顔をしてゴルダに
「お主、儂を診れるか?腹が痛くて仕方がないのじゃが…」
「変なの胃に入れたんじゃ…」
頭を掻きながら、ゴルダはラオシャンロンに言い返す。 しかし、このまますっぽかしておけば討伐されかねないので
「よし分かった、じゃあちょっとお邪魔しますよ」
ゴルダはラオシャンロンの口へ着地した。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.111 ) |
- 日時: 2011/03/16 18:48
- 名前: suit
- ラオシャンロン…
もしかしてラオ爺のことでは… 中ですと広いから心地良いかも…
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.112 ) |
- 日時: 2011/03/17 15:15
- 名前: ゴルダ
- >suitさん
その通り
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.113 ) |
- 日時: 2011/03/18 01:50
- 名前: リオレイア
- ラオ爺〜!拾い食いは駄目だと言ったじゃ無いかぁ〜…
拾い食いは人だけにしなさい!
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.114 ) |
- 日時: 2011/03/18 13:32
- 名前: ゴルダ
- >リオレイアさん
さて、何を食ったのでしょうか…
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.115 ) |
- 日時: 2011/03/18 15:05
- 名前: ゴルダ
- ズルッ、グチョッ
「っと、胃に到着」
食道を滑り落ち、ゴルダは胃へと入った。 グッチャグッチャと胃の歩き回いていると、胃壁に大剣が突き刺さっているのを発見したゴルダは、それを抜きにかかる。
「よし、ふんぐっ…!」
大剣を掴み、ゴルダは一気に大剣を引き抜く。 引き抜いた大剣を調べようと、ゴルダは端末を開いて武器辞典を開いた。
「封龍剣【真滅一門】…?こんな物騒なもんがまだあったとはな。まあいい」
大剣を異次元倉庫送りにし、そそくさとラオシャンロンの腹の中からゴルダは出る。 ラヴァリス2世はよくやったと言う顔をしてゴルダを見た。 しかしゴルダはブラッキー達を回収し、ラオシャンロンの背へ移動したかと思えば
「よし、治療してやった代わりというっては何だが…ちょっと城攻撃してくれないか?」
「めんどくさいのう、じゃが借りは返さねば…しっかりつかまっておるがいい」
と言って、ラオシャンロンは城壁へ体当たりを仕掛ける。 ラヴァリス2世はこれはいかんと、兵士に迎撃体制に移るように言う。 しかし、ゴルダが召喚して放ったUS M202A1が大爆発を引き起こして迎撃装備をすべてふっ飛ばした。
「ぐぅ…分かった、私が悪かった。すぐにスラム街の対策をしよう、衛生対策も一緒にな」
ラヴァリス2世がようやく非を認めたので、ゴルダはラオシャンロンを帰らせる。 その後、ゴルダは一枚の紙を取り出して、以後独裁をしないと言う旨を誓わせた。
「さて、今日でここへ来て1週間…か」
急ピッチでスラム街の衛生状態が改善され、治療などに忙しんでいるゴルダだが。気が付くと現地入りして1週間が経過していた。 もちろん、疲労は精神的にも肉体的にも溜まる一方である。 これではいかんと、ゴルダはスラム街の方へと散歩に出かけた。
1週間前は死臭と腐臭に満ちていたこの場所も、1週間足らずで臭いが跡形も無く消えていた。 やればできるもんだなと独り言を言いつつ、ゴルダがスラム街の奥まで来た時
「?」
何かの気配を感じ、ゴルダは身構える。 しかし何かは分からない、そこで端末を開いて調べようとした瞬間
「うっ!?」
何かが巻き付いて来て、ゴルダを拘束した。
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.116 ) |
- 日時: 2011/03/18 17:02
- 名前: suit
- 大剣かあ…
お腹はめっちゃ苦しかっただろうな…何かですと尻尾とかかな?
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.117 ) |
- 日時: 2011/03/18 18:37
- 名前: ゴルダ
- >suitさん
それは分かっての(
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.118 ) |
- 日時: 2011/03/18 23:01
- 名前: ロンギヌス
- ゴ、ゴルダさんの小説…
面白いのに!見たいのに! 読み込みにかなり時間くって…(ごめんなさいDSiで読み書きしてる僕が悪いんです
異次元倉庫便利ですねw (もう収納に困らない!
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.119 ) |
- 日時: 2011/03/19 02:15
- 名前: リオレイア
- うーむ・・・
ハンターは食べちゃ駄目って言ったじゃないか・・・ とのかく!罰として僕を食べなさい!
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.120 ) |
- 日時: 2011/03/19 14:33
- 名前: ゴルダ
- >ロンギヌスさん
人によっては限界があったりするよ? この話するとややこしいのでしないけど
>リオレイアさん うーん…まあ、直接言っては?
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.121 ) |
- 日時: 2011/03/19 18:06
- 名前: ゴルダ
- 拘束はされたものの、腕が使えたので。ゴルダはナイフを自身を拘束している物体に突き刺して拘束を逃れた。
「こん畜生が」
さっと振り返ると、緑っぽい蛇竜が刺し傷にぺっぺと唾を吐きかけていた。 かすかにポケモンの雰囲気もしているので、ゴルダは火炎瓶を取り出す。もちろん召喚したものだ。
「ほう、俺が蛇竜とポケモンのジャローダの間に生まれて。しかも炎が弱点だと知ってたとは…」
蛇竜は唾を吐きかけるのを止めて、ゴルダに向き合う。 しかし、その間に投げた火炎瓶が地面へ落下し。炎が燃え上がる。
「あちぃ!やりやがったな!」
なんとか炎を振り払った蛇竜が言う、それでも若干炎によるダメージは受けたようだ。 ゴルダは2つ目の火炎瓶を召喚し、ナイフも構える。
「食らえ!」
ペッ、ジュワワ…
蛇竜はゴルダの持っているナイフに何かを吐きかけた、するとナイフはあっという間にドロドロに溶けた。 どうやら胃液系統の攻撃のようだ。
「けっこう酸に強いナイフだったんだがな…まあいい」
柄だけになったナイフを捨て、ゴルダは火炎瓶を両手に持って投げる。 蛇竜も避けるのに必死になっていたが、急に雨が降り出した。
「しまった、これじゃあ火炎瓶が使えん」
胃液系統の攻撃もしてくるので、武器が使えないと分かったゴルダは打撃攻撃に切り替える。
「こっちから行かせてもらうぜ!」
噛みついて来た蛇竜を、ゴルダは掴んで近くの民家へ投げ飛ばした。 投げ飛ばされた蛇竜は、民家の壁を破壊して中へ倒れ込む。 それを見たゴルダは、馬乗りになると
「後は殴り倒す…」
と言って、殴り始める。 最初こそは優勢だったものの、顔に吐かれた胃液系統の攻撃を避けた際に形勢を逆転された。
「馬鹿め」
今度は腕も拘束され、ゴルダはどうしようもなくなった。
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.122 ) |
- 日時: 2011/03/19 18:20
- 名前: suit
- 蛇竜とジャローダか…
どんな融合すがたなんだろ…
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.123 ) |
- 日時: 2011/03/19 18:52
- 名前: ゴルダ
- >suitさん
ゴルダ「緑っぽい奴、以上」
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.124 ) |
- 日時: 2011/03/19 21:14
- 名前: ロンギヌス
- 蛇竜に呑まれる・・(まだ決まった訳じゃないけど
最高じゃないですかw(ドラゴンの次に
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.125 ) |
- 日時: 2011/03/20 01:03
- 名前: リオレイア
- うぅむ…
彼等のすらっとした体型ならばより肉壁が密着して…… 羨ましいデス!
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.126 ) |
- 日時: 2011/03/20 21:38
- 名前: ゴルダ
- >ロンギヌスさん
え?もう捕食フラグビンビンだけど? ゴルダ「おいやめろ」
>リオレイアさん ゴルダ「食われる俺の身にもなれよ…」
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.127 ) |
- 日時: 2011/03/22 18:33
- 名前: ゴルダ
- 「こうなりゃこっちのもんだ」
バクッ、ズルズル…
蛇竜はゴルダを頭から銜えこむ。 さほど唾液が付いていないにも関わらず、引っ掛かる事無く呑み込んでいく。 10分ほど経過した頃には、完全にゴルダの全身は蛇竜の体内に収まっていた。 あの黒狼並みか、それ以上に密着する胃壁が即座に胃液を分泌し始め消化にかかる。
「こいつは楽勝だったぜ」
黒狼に捕食された時よりもひどい状態で、ゴルダは消化された。 もちろん、じわじわとゆっくりと。
「ふぅ、旨かった…久々にいいもん食えたぜ」
火傷した箇所に唾を吐きながら、蛇竜が言っていると
「そうか、旨かったか…今度は俺の番だな」
いつの間にか復活したゴルダが、蛇竜を拘束系魔法で地面へ拘束し。どこからか出したウォッカをぶっかけた。 急に酒をかけられた上、目に酒が入って悶える。 ゴルダはそれを気にせずにウォッカをぶっかけ、煙草のようなものに火を付ける。
「おい、やめろ…」
「蛇竜の素焼きって旨そうだよな」
ピッ…ボウッ!
ゴルダは、吸い掛けで火が付いたままの煙草のようなものを地面へ落とす。 すると、あっという間に火が付いて蛇竜を焼き始める。
「うぎゃああああ!」
「燃えろ燃えろ、そして程よく焼けろ」
そのまま焼かれる蛇竜を見つつ、ゴルダは可燃物を投げ込んで首輪を外す。 すると、ゴルダは蒼い鱗を持つあの竜へと変身した。
「なんだ、焼けてこと切れちまったか…?」
拘束系呪文を解除し、火を踏み消すと。程よく焼けてしまった蛇竜が横たわっていた。 ゴルダは蛇竜を掴むと一気にかぶりつく。
ガブッ、グチャッ…
「この姿だからこそできるって奴だな…」
ベキベキ、ゴクン
ゴルダはそのまま蛇竜を噛み砕いて呑み込んだ。 そして、腹が落ち着くまでその場に留まり。落ち着いた後に城へ戻る。
その後、連盟の他の国が派遣などを決めたので。1か月足らずでゴルダはスリュムヴォルドへと帰った。 戻ってから数週間後、相変わらずうるさいリーフに振り回されながらもいつものように診察を続けていたある日。
「おい、どっから来たか分からんが。患者だ…城に居るそうだ」
同僚の竜医に言われ、ゴルダはやれやれと準備をする。 またもやリーフがああだこうだとうるさかったが、ゴルダは一切無視して城へ戻る。
「さて、また今度はどんなのが…」
「こんにちは」
ゴルダが城へ戻ると、どこから来たのか分からないピンクの竜が待っていた。
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.128 ) |
- 日時: 2011/03/23 00:16
- 名前: スイト
- 元suitです…
ほほう…蒼き飛竜に変身とは…これまた羨ましい…いやいやそれより… おお…ゴルダさんとご対面とは…そういえばジェネラスは大丈夫なの? ジェネラス「私は別に平気だがもしそうなったら…」 いやいやゴルダさんも忙しいからほどほどにね… ジェネラス「むう…仕方ない…ここは兄として見守っておこう…」 ふ〜ん
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.129 ) |
- 日時: 2011/03/23 07:57
- 名前: リオレイア
- 蛇竜の肉はそれなりに美味らしいですよ。ガブリブロースだったかな?
『食われる身に…』 僕らには竜のお腹は天国だから関係無い!さぁ、竜の口を明け渡すんだ!
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.130 ) |
- 日時: 2011/03/23 12:27
- 名前: ゴルダ
- >スイトさん
これ以上増えるのは厳しいな、前作から出てないキャラがちらほら… ゴルダ「読み上げてやろうか?」 おいやめろ
>リオレイアさん ゴルダ「もういい、好きにしてくれ…」 手配するからこっち来てね
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.131 ) |
- 日時: 2011/03/23 18:39
- 名前: ゴルダ
- 「ミレアという名前だそうだ、今日ここへ越して来たらしいが…出身が分からん」
「ゴルダ=アルカトラスだ、よろしく」
「ええ、こちらこそ」
エルフィサリドに名前を紹介され、ゴルダも一応名乗る。 その容姿に釘付けになりそうだったゴルダだが、偶然居たリーフに
「何やってんのよ馬鹿時間の無駄よ」
と言われて我に戻った。 我に帰ったゴルダは、とりあえずはと症状を聞く。 ミレアは腹痛がすると答えたのでゴルダはふむと頷き
「ちょっと腹を触診するよ…」
と言って、ゴルダはミレアの腹を触りだす。 エルフィサリドかそれ以上の柔軟性がある腹を触っていると、変な音をしているのに気付いたゴルダは
「変なもの…食べなかったか?腐ってるのとか…さ」
ミレアはうーんと考えて、ここへ来る途中によく分からない木の実を食べたと話す。 ゴルダはこんな木の実では?とミレアに持っていた本のあるページに載っている木の実を見せる。
「あ、うん。これこれ」
この木の実だと答えるミレアに、ゴルダは呆れ顔で
「えっとな、この木の実は焼いて食べるもんなんだ。生で食ったら間違いなく腹壊すんだが…」
とミレアに言う。 知らなかったのか、ミレアはそうなのと答える。
「いたたた…」
腹痛がひどくなったのか、ミレアはその場にしゃがみ込む。 リーフが早くなんとかしろとうるさいので、ゴルダは持っていた漢方薬を取り出す。
「吐かせる訳にもいかないから、とりあえずこれを…」
ミレアに漢方薬を飲ませた。 即効性だったのかどうかは不明だが、すぐにミレアの腹痛は治まったようだ。 これで大丈夫だと判断したゴルダは
「んじゃ」
と言って、仕事へ戻る。 その日は夜勤から外れていたので、ゴルダはそそくさと城へ戻ってゆっくりしていた。 部屋で一人晩酌をしていると、なぜかミレアがやって来る。
「やらんぞ?」
自分が飲んでいる酒でも欲しいのかと思って、あげない素振りをするゴルダだがどうやら違うらしい。 ミレアはどうやら礼がしたいらしく、部屋に来たようだ。
「ん?どうした、そうか。まだ住む場所」確定してないんだよな」
なんとなく嫌な予感がするので、あえて別の話をしようとするゴルダではあるが
「ここに住まわせてもらえる事になったの、それと…礼と言っては何だけど。私の中で寝かせてあげる」
「そうかそうか…」
フラグ立った以上は回避できないので、ゴルダはいつものように構えた。
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.132 ) |
- 日時: 2011/03/24 00:44
- 名前: スイト
- あら〜ミレアったら…ジェネラスも変なの食べてない?
ジェネラス「私はそんなことせぬぞ…それと…」 それと? ジェネラス「あの国でミレアが色々と見れればそれでよい…」 あらそう…
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.133 ) |
- 日時: 2011/03/24 00:47
- 名前: リオレイア
- 良いなぁ…
ミレアさんのお腹でなんて…… 代わって!
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.134 ) |
- 日時: 2011/03/24 09:59
- 名前: ゴルダ
- >スイトさん
見るのは楽屋u(もごもご ゴルダ「おい、メタ発言するな」
>リオレイアさん ゴルダ「後でこっち来てもらおうか?」
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.135 ) |
- 日時: 2011/03/24 14:59
- 名前: ゴルダ
- 酒も飲んでおり、疲労が溜まっていたので。ゴルダは酒を片付けようとして立ちあがった瞬間ふらつく。
ふらついた時に危うく酒瓶を床に落としかけたが、ミレアが瞬時に魔法でキャッチしたのでなんとかなった。
「っと、危ない危ない」
そしてミレアは酒瓶を机の上へ戻す。慌ててキャッチしようとしていたゴルダは、あれ?という顔をしている。 ミレアはそのままゴルダを抱きしめるが、ゴルダが難色を示して
「ちょっとこういうのは控えてほしいな、なんと言うか…色々俺にも事情があるんで」
と言って来た。 しかし、ミレアはそれを聞くだけ聞いてさらに強く抱きしめる。
「だから、リーフに見られてたら厄介な事になるからやめろ…んぅ」
いっそう強くミレアの腹に押し付けられ、ゴルダは何とも言えない快感に包まれる。 まるで、自分の疲労状態を分かっているかのような抱擁にゴルダは何も言わなくなった。
「あらあら、よっぽどお疲れみたいね」
「仕方ないだろ、仕事が仕事だ…休むに休めん」
かなりの疲労度である事をミレアに悟られ、ゴルダはため息混じりに言う。 ミレアはさらにもっと抱きしめ、ゴルダをその腹へ埋めてしまう。
「何だろう、あなたから…負の気を感じるわ。トラウマとか、そういうのを…でも大丈夫」
ミレアはゴルダを口元に近付ける。 疲労で酒の周りが早かったゴルダは、寝ぼけた表情でミレアを見る。
アムッ…バクン
ミレアはそのままゴルダを銜え、口内へ閉じ込める。 ゴルダはミレアの舌の上でうとうとして、寝ようとしていた。
「うふふ…」
ジュルッ、ペロペロ…
もはや熟睡しているゴルダはなんの反応もしないが、ミレアはゴルダを舐め回した。 熟睡しているゴルダも少しは反応したが、起きる様子は無い。
「そろそろ呑み込まないとね」
ミレアは舐め魔されても反応しない、熟睡中のゴルダを食道へと滑り落とす。
ズルンッ、ゴクッ
ゴルダはそのままミレアの胃へと落とされた。 エルフィサリド並の胃壁にめり込み、ゴルダは誰にも邪魔される事も無く熟睡を続ける。
「じゃあ、心も癒してあげないとね」
と呟き、ミレアがゴルダの心に魔法で触れた瞬間
「きゃああああっ!?」
突然ミレアは叫んだ。
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.136 ) |
- 日時: 2011/03/24 16:13
- 名前: スイト
- ミ、ミレア!?
その負は過去のことでは!? ジェネラス「過去?」 いや…ここで言うのはね…てっ今はジェネラスは見ない方がいいかな… ジェネラス「?」
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.137 ) |
- 日時: 2011/03/25 11:58
- 名前: ゴルダ
- >スイトさん
ゴルダ「俺の黒い部分に触れた奴は絶望を見ることになる」
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.138 ) |
- 日時: 2011/03/25 13:44
- 名前: ゴルダ
- 「何なの、今の黒い負の気は」
あれほど叫んだにもかかわらず、その声は外に漏れていなかった。 ミレアは気を取り直し、再び触れるものの。その黒い負の気に押しつぶされそうになって断念する。
「なんで、こんな…」
これ以上は自分にも害と判断し、ミレアはそれ以上探りを入れるのを止める。 そしてミレアもそのまま就寝し、そのまま朝を迎える。
「うーん、久々にスッキリした目覚めだ」
ミレアの胃の中で目覚め、ゴルダは呟く。 それと同時にミレアも起き、ゴルダを出してやる。
「ねぇ、あなたの心覗いちゃったんだけど…」
ミレアの一言に、ゴルダはピクリと反応し
「触るべがらず、とだけ言おう…お前の身のためにも」
やけに冷静な口調でミレアに忠告して風呂場へ行った。 ササッと風呂から上がり、全員で朝食を取っているとエルフィサリドがまた
「しょっちゅう悪いが…今度はあるドランザニア領のある孤島へ行ってもらえないか?」
今度は連盟とシオリアスからの依頼と言って、ドランザニア領のある孤島へ行けと言ってきた。 話によると、その孤島で恐竜を復活させて飼育し、生態系バランスの崩壊を狙っていると言うのだ。
「竜医のお前なら、それに類する生態系バランスを熟知しているだろうと言う話だ」
他に学者がいるだろうと言うも、エルフィサリドは知らんという。 他に誰が行くんだと聞くと
「私よ、あんたをこれ以上単独で変な所行かせたくないもの」
リーフが自分が行くと言い出す。 他にも、シオリアスからポケモンが何匹か行くと言う話を聞き。ゴルダはそうかと頷く。 もちろん、これがまた大変な事になるとは誰も知らない。
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.139 ) |
- 日時: 2011/03/25 13:52
- 名前: ロンギヌス
- まさに今世のジュラシックパークw
いったいどんな悪事を働いているやら・・
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.140 ) |
- 日時: 2011/03/25 15:13
- 名前: ゴルダ
- >ロンギヌスさん
ただ野生の竜の生態系バランスを滅茶苦茶にするだけ 後は知らんな状態です
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.141 ) |
- 日時: 2011/03/25 22:00
- 名前: スイト
- ミレアでも無理なことか…
さてさて次はどんな展開か…!? ジェネラス「私はそろそろ帰るぞ…」 あっそ…
…バッサ…バッサ…
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.142 ) |
- 日時: 2011/03/26 11:07
- 名前: ゴルダ
- >スイトさん
ゴルダ「俺の黒い部分を治せる者は誰も居ない、爺さんである聖竜だろうとな」
|
Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.143 ) |
- 日時: 2011/03/26 13:42
- 名前: ゴルダ
- 翌日、シオリアスポケモン共和国某所。
共同任務のため、リーフとゴルダは共に任務に就くポケモンを待っていた。
「遅過ぎる」
「ああ、遅過ぎる」
一向に来ないポケモンに、ゴルダとリーフは共にイライラしていた。 なぜなら、既に合流時間を1時間も過ぎているからだ。
「すまぬすまぬ、遅れてしもうた」
「道に迷ってしまってな」
現れたのは、コジョンドとレントラーの2匹で、息を切らした様子で現れる。 ゴルダもリーフも、遅いと目線で2匹を睨みつける。 2匹はヘコヘコ頭を下げて謝っていたが、それに嫌気がさしたリーフがコジョンドに
「謝って済ませるぐらいなら早く来なさい」
と言って何らかの魔法攻撃を当てた。 そして、一行はシオリアス軍の出した船で問題の孤島へと向かう。
「では、我々はここでHQ(司令部)として待機します」
シオリアス軍の兵士に言われ、一行は船着き場から島へ上陸する。 上陸した瞬間、ゴルダは血生臭さを感知する。
「おそらく、ここに居るドランザニアの兵士は全滅だな」
ゴルダが言うと、リーフもだろうねと言う。 少し進むと、兵士の屍が転がっていた。
「腹食い破られてるな、ランポスとかにやられたんだろうよ。とりあえず武器は頂いていこう」
ゴルダは兵士の側にあったM4カービンのドランザニアライセンスモデルを拾う。 船着き場から少し進むと、すぐに密林が広がっていた。 ゴルダ達はそのまま密林へと進む。
「そういえば、あんた達何者だ?」
ゴルダがコジョンドに聞くと
「わきちはこれでも生物学者じゃよ、古代生物のじゃが」
コジョンドは古代生物学者だと答える。 レントラーは?と聞くとレントラーは
「これでも助手だ」
と答えた。 一行がさらに進むと、アプトノスを襲うランポスに遭遇する。
「一向に姿を現さないの、恐竜は。本当に居るんじゃろうか」
気付かれぬようにその様子を見ていたコジョンドが言う。 ゴルダも居るのかと、本気で思い始めていた。
「他に何か居るぞ…!」
しかし、突然レントラーがランポスとアプトノス以外の気配を察知する。 すぐさま武器を構えて準備していると、ランポスに似た変な生物がランポス達からアプトノスを横取りした。 コジョンドはそれを見て
「ほう、ヴェロキラプトルか…」
興味深々な目でそれを見ていた。 ラプトル達がアプトノスを貪り始めたのを見つつ、この後どうするかを考えようとしていると
「危ねぇ!」
上から襲いかかって来たラプトルに、レントラーが電撃で攻撃する。 それに、アプトノスを貪っていたラプトルも気付いて向かってきた。
「先に行け、リーフも。主守るのも従者の役目」
ゴルダは愛用の50AEカスタム2丁を出し、ラプトル目掛けて発砲する。 しかし、リーフはそれに従わず。広範囲を攻撃できる魔法でラプトルを蹴散らす。
「馬鹿言うんじゃないわよ」
ラプトルが全滅したのを確認し、リーフはゴルダに言い放つ。 しばらく進んでいると、レントラーがまた別の気配を察知する。 今度は恐竜ではないようだ。
「姿見えぬ敵と言えばオオナズチ…」
「そうね」
しかし、どこからどうやって出てくるかが分からない相手にどう対処するのかが問題である。 そこでゴルダは、どこからか回復薬を出してオオナズチを誘う。
ヒュッ…ベチン
「させるかぁ!」
オオナズチの舌がゴルダの持っていた回復薬に触れた瞬間、ゴルダはオオナズチの舌を引っ張る。 引っ張られたオオナズチも負けてはいられないと、舌を引っ込めようとする。
「ぐぬぬ…」
互いにぐいぐいと引っ張っているうちに、ゴルダは躓いてすっ転んだ。 しかし、すぐに立ち上がってまた引っ張る。 それを続けていると、今度は別の恐竜が来てしまう。
「アロサウルスじゃと、いかん。逃げるのじゃ!」
逃げるんじゃないと言わんばかりに、リーフはコジョンドとレントラーを追う。 一人でオオナズチと奮闘していたゴルダは舌から手を離し、M4カービンを構える。
「ふっ、こいつは久々に歯応えのある敵だぜ」
すぐにリーフは戻って来るだろうと思い、ゴルダはアロサウルスに攻撃を開始する。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.144 ) |
- 日時: 2011/03/26 16:07
- 名前: ロンギヌス
- ラプトルの喰い方ってグロかったような…(by ジュラシックパーク
舌をヒッパテ見たい衝動に駆られましたw
あと・・コジョンドじゃないですか?(名前
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.145 ) |
- 日時: 2011/03/26 16:26
- 名前: ゴルダ
- >ロンギヌスさん
ゴルダ「誰の舌をだ?」 恐竜の設定はディノクライシス、ジュラシック・パークシリーズに照らし合わせてるよ ん?おおっと、名前修正完了
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.146 ) |
- 日時: 2011/03/27 00:04
- 名前: スイト
- オオナズチかあ〜
特に液体とか毒ガスが当たってしまう自分って… よく盗まれたな〜(泣)
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.147 ) |
- 日時: 2011/03/28 10:32
- 名前: ゴルダ
- >スイトさん
こやつはまた後から出てくるかも知れませんぞ
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.148 ) |
- 日時: 2011/03/28 13:28
- 名前: 蒼空
- 今ごろの返事すみません……!
なかなか文章を読む暇がない&ゴルダさまの更新が早くて……
ソラ「むぅ……ゴルダさまぁ……ごめんよぅ……」(すりすりw
ハク「ソラがご無礼を……よく言い聞かせますゆえ……w」
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.149 ) |
- 日時: 2011/03/28 18:12
- 名前: ゴルダ
- 「弾切れ…」
予備マガジンも撃ち尽くしたM4を投げ捨て、ゴルダは片手剣を引き抜く。 マチェット代わりにしか使えないが、無いよりマシである。
「追い払えればそれでよし」
といって切りかかるも、アロサウルスの頭突きで盛大にふっ飛ばされる。 もちろん、すぐに受け身を取って構え直す。 それを狙ってか、アロサウルスが噛みついて来た。
「がっ!」
アロサウルスの牙に拘束され、ゴルダは身動きが取れなくなる。 そして、ゴルダを地面へ叩き付けると咆哮を上げた。 ここで立ちあがろうとするが、片手足が折れているのか立ち上がれない。
「立てぬ」
と言っているうちに、アロサウルスが足からゴルダを銜えてくる。 若干足に牙が刺さって表情を歪めるも、結局何もできずじまいでどんどん銜えこまれる。
「うげっ、臭うな…」
そして、あっという間に口内へ収められてしまう。 アロサウルスは何の迷いも無くゴルダを呑み込む。 多少つっかえるも、体液でズルズルと滑り落ちていき。胃へと落とされた。
「ここで終わる俺じゃねえぜ…」
ギリギリ身動きができるほどの広さの胃、もちろん肉食獣ならではの濃縮された悪臭。 何かの骨や、消化し尽くされていない肉片がゴロゴロと転がっていた。 そんな中で、ゴルダは片手で持物を探って一見何の変哲もないが強力な手榴弾を出す。 この手榴弾は、シオリアス軍の兵士が何かに使えるだろうと渡された手榴弾だ。
「どうせ消化されるならこいつを道連れにして自爆してやる…」
片手でなんとかピンを抜き、胃壁にぶつけてグリップを外す。 数秒後には、アロサウルスは腹が爆発して絶命した。
「やってらんねぇ」
すぐさま復活したゴルダは、どこに行ったか分からない2匹とリーフを探してその場を離れる。 その頃、HQ(司令部)となっていた一行を連れて来た船はというと
「くそっ、もうダメか…」
海から現れた謎の首長竜に奇襲を受け、一人を除いて全員餌となって全滅している。 その1人も、水中に潜んでどこから出てくるか分からないその生物に怯えていた。 装備されていた兵装の弾薬などは、すべて使い尽くして残っていない。
「何なんだあの首長竜は…確かプレシオサウルスとか言う名前だった筈だが」
いつ出てくるか分からないプレシオサウルスに警戒しながら兵士のルカリオは呟く。 いきなり船が大きく揺れたかと思えば。エンジンが浸水し、船に搭載されていた発電機も壊れてしまう。 その後も船は何度か揺れ、突如現れた首長竜に1人が襲われて海へ引きずり込まれた。 それから応戦が始まったが、大した装備を載せていないどころか。水中に居る敵に応戦すべく無駄弾を使って弾薬が尽きる。
「くっ、かく言う俺も噛まれて負傷した…」
ルカリオは脇腹の傷を見てまた呟く。 海へ引きずり込まれそうになった時に波導弾を放った時に負った傷だ。 もはやこの船は、じわじわと浸水が進み。いつ転覆してもおかいくない状況である。
「そろそろ腹くくって上陸するか…」
偶然転がっていた薬で傷を治療し、ルカリオはスッと立ち上がる。 ここに居ても沈み行く船と死ぬだけと分かった以上、行動するしかないと判断したからだ。
「さて、決めたからに…うおっ!?」
再び船が攻撃を受け、船はあっという間に海へと沈んだ。 とりあえず陸へ上がらねばと、ルカリオは岸へ泳ぎ出す。 もう少しで岸という所で、ルカリオは突然水中へ引きずり込まれる。 自分を引きずり込んだプレシオサウルスを確認したルカリオは、波導弾を放つも水中では狙いが上手く定まらない。 何度が波導弾を当てるも、全て外れた。
「くっ…」
そして、プレシオサウルスはルカリオを呑み込む。 呑み込まれたルカリオは、魚臭い口から異常に長い食道を通り。胃へと落ちる。 もちろん、胃の中はさらに魚臭く。そんなに広くない。
「俺はこんなところで諦めないぞ…」
怪我した足を気にせず、ルカリオは胃壁めがけて波導弾を放つ。 しかし、応急処置程度にしか治療していない脇腹の傷がまた開き。威力が大幅に低下する。 それどころか、胃壁を刺激して胃液の分泌を促し、胃壁が縮まる。
「本当にここまでみたいだな…まあいいさ」
ルカリオは消化されながら呟いた。
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Re: とある竜医と女王竜の記録2 ( No.150 ) |
- 日時: 2011/03/28 18:14
- 名前: ゴルダ
- >蒼空さん
ゴルダ「大丈夫だ、問題ない」
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