Re: 海神〈1〉〜〈3〉修正ver(保存用) ( No.1 ) |
- 日時: 2010/12/30 20:18
- 名前: 闇銀
- キャラ紹介
〈1〉現在
「ルギア」 性別 ♂ 懸賞金 2億1100万円 組織(ダークシルバー)の幹部。 詳細現在不明
「ジュカイン」 性別 ♂ 懸賞金 5200万円 ルギアのアシスタント・・・のような感じ だが実は あまり仲は良くない・・・
「アーボック」 性別 ♂ 懸賞金 5000万円 組織の幹部。
「ヤミラミ」 性別 ♂ 懸賞金 8000万円 組織の門番。 本気で戦うとかなり強い・・らしい・・・。
「ハピナス」 性別 ♀ 懸賞金 2200万円 組織のコック。 組織で朝昼夕飯を作ってくれる人物。
「エルレイド」 性別 ♂ 懸賞金 4700万円 組織の医者。 しょっちゅう組織の隠れ家内にあるカラオケにいるため、 ほとんどの場合 医務室にいない・・・
「サーナイト」 性別 ♀ 懸賞金 3000万円 組織の看護婦(ナース)。 まじめな性格で、エルレイドとは違い いつも医務室にいる。
「ルンパッパ」 性別 ♂ 懸賞金 3300万円 組織内にあるカラオケの管理をしている。
「バシャーモ」 性別 ♂ 懸賞金 5900万円 趣味は実験で、いつも実験室にこもり 怪しげな実験をしている・・・。
「組織のボス」 懸賞金 3億2000万円 組織のボス。 全詳細現在不明。
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とある森の中で 一匹のポケモンが 何かを つぶやいていた
ジグザグマ「はぁぁ・・・・・・、やっぱり オレンの実 一個なんかじゃ
お腹一杯に ならないや・・・・・・」
そう言い 木に寄りかかっているのは ジグザグマというポケモンだ どうやら 得意の「物拾い」も 今日は 不調のようだ・・・
「おい、そこの ジグザグマ、ちょっといいか?」
そこへ 誰かが ジグザグマに話しかけた
ジグザグマ「はい?・・・・・・・・・!!!!」
ジグザグマが振り向くと そこには、自分の体の 数倍はあるかというほどの ルギアが自分を 見下ろしていた
ジグザグマ「・・・ひぃぃ・・・あ・・・あああ・・・」 ルギア「おい、オレは今 腹が減っているんだが・・・・・・」 ジグザグマ「・・・ひいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 ルギア「仲間でも何でもいいから 連れてこい。 それが 嫌なら お前自身に オレの 昼食になってもらうが・・・・・・」 ジグザグマ「あ・・・は、はい・・・!!」
ジグザグマは そう言うと 振り返り、猛ダッシュで 走り去っていった
ルギア「・・・まったく、アイツ、オレの姿を見ただけで おびえやがって・・・」
一方、ジグザグマはというと・・・
ジグザグマ「・・・はぁ・・・はぁ・・・まったく、冗談じゃないよ・・・ あんなヤツに 出くわすなんて・・・・・・」
ジグザグマは 森の中を ただ ひたすらに走っていた・・・ できるだけ 遠くに逃げれば 見つかりはしないと思っていた・・・
数分後・・・
ジグザグマ「・・・えへへ・・・ここまで来れば もう大丈夫かなぁ・・・」
と そのとき、ジグザグマは なにか 柔らかいものにぶつかり、尻もちをついてしまった
ジグザグマ「いてて・・・な、なんだ・・・?」
ジグザグマは 土を掃いながら 前を向いた そこには ぽってりとした 水色の物が 立ち憚っている・・・ なぜか 上のほうは 見たくない気がする・・・しかし、上のほうから 聞き覚えのある 声がした
「いったい なにをしてるんだぁ?」
ジグザグマの 全身の毛が 逆立った・・・
ジグザグマ「・・・ひぐっ・・・ま・・・まさか・・・・・・」
ジグザグマは恐る恐るゆっくりと 顔をあげてみた・・・ そこには やはりルギアが 恐ろしい顔をして 立っていた・・・
ルギア「まぁ、こんなこったろうとは 思っていたが・・・オレから逃げるとは いい度胸じゃねぇか・・・」 ジグザグマ「・・・あ・・・あがが・・・・・・」
ジグザグマは 足が震えて 立ってもいられない・・・ルギアのほうを見ているのが 精一杯だ・・・
すると ルギアは 顔を少し戻し、こう言った
ルギア「・・・もう一度 チャンスをやろう・・・だが もし また逃げたら 次はないぞ・・・」 ジグザグマ「・・・ひゃ・・・ひゃい・・・・・・」
本人は「はい」のつもりだったが 声が震えて まったく言葉にならない・・・それでも なんとか立ち上がり、ジグザグマは 仲間を連れてこようと 走っていった・・・
数十分後・・・
ジグザグマが 仲間の マッスグマを連れて戻ってきた
マッスグマ「おいおい、なんだよ いきなり・・・」 ジグザグマ「・・・いいから ついてきて・・・お願いだから・・・」 マッスグマ「・・・どうした? さっきから声が 震えまくってるぞ?」
どうやら 二人は 長い付き合いのようだ・・・ ジグザグマには 他に あてが なかったらしい・・・
ルギア「・・・ん? おう、やっと来たか・・・待ちくたびれたぞ・・・」
マッスグマ「・・・お、おい・・・ジグザグマ・・・、コ、コイツって・・・?」 ジグザグマ「・・・あ、あの〜・・・、ルギアさん、僕はもう 行ってよろしいでしょうか?」 ルギア「ん〜・・・、いや、まだ そこにいろ。」 マッスグマ「おい、ジグザグマ、これって どういうことだよ!!」
マッスグマが 少し怒った口調で 言うと、ジグザグマは 少し間をおいて こう言った
ジグザグマ「うう・・・黙ってて ごめんね・・・ 仲間を 連れて来いって 言われて、君しか 思い浮かばなくて・・・」 マッスグマ「・・・そ、それって・・・まさか・・・・・・オレが・・・」
マッスグマが そう言いかけた瞬間、なにかが マッスグマの体に 巻きついた
ルギア「そろそろ 終わりにしてくれないか? 俺も腹が減っているのだ・・・」 マッスグマ「・・・!! これは・・・アイツの舌か・・・!! ぐぐっ・・・う・・・動けねぇ・・・」
ルギアは ズルズルと 舌を戻し始めた・・・
マッスグマ「ジグザグマ・・・キサマぁぁぁぁ!!」 ジグザグマ「ひぃぃぃ!! ごめん・・・!!」
そして とうとう マッスグマは ルギアの口の中に 入れられた・・・
マッスグマ「ぅぁぁぁぁ……」
ジグザグマには マッスグマの かすかな声と、ヌチャァァ・・・クチャァァ・・・という 不快な音が聞こえる・・・
そして・・・ジグザグマが 一番 聞きたくなかった音が 耳に入った・・・
ゴクッ・・・
ジグザグマ「・・・ひぐっ・・・あの・・・僕はもう・・・行っていいんですよね・・・?」 ルギア「・・・ん? お前の持ってきた物で 腹がいっぱいになったら そのつもりだったがな・・・」 ジグザグマ「・・・!? そ、そんなぁ・・・・・・」 ルギア「・・・心配するな、オレはもう 腹がいっぱいだ・・・ お前が どうしても食べられたいというのなら 考えてやるが・・・」 ジグザグマ「け・・・結構です!!」 ルギア「・・・フン、どこへでも行け・・・」
ルギアは そう言うと、大きな翼で 空中に舞い上がり 飛び去って行った・・・
ルギアは 森の中にある洞窟に入っていった・・ ここが ルギアの隠れ家だ・・・
洞窟の中を 少し進むと、鉄の扉の前に ヤミラミがいる。ココの門番だ。
ヤミラミ「おい、ルギアさんよぉ、ま〜た ふらりと出ていきやがって・・・ ボスの 堪忍袋が 切れちまうぜ〜・・・」 ルギア「そりゃぁ 悪かったな。あいにく オレは 縛られた生活が嫌いなんでな。」 ヤミラミ「フン・・相変わらずだな・・・ さあ、入れよ。もう みんな メシ食ってるぜ。」
そう言うと ヤミラミは手早く鉄の扉を開けた。
この隠れ家は 洞窟の中だが、内部は 木造加工されており、案外 きれいになっている
ルギアは 一応食堂へ向かった・・・しかし さっき マッスグマを食ったばかりで 何も腹に入りそうにない・・・ ルギアが 食道の扉を 開けようとしたとき・・・
ガチャリ・・・
誰かが 出てきた・・・アーボックだ・・・ だが なぜか こそこそとしている・・・
ルギア「・・・おい、アーボック、なに こそこそしてやがるんだ?」 アーボック「・・・!! ひえええぇぇぇぇぇぇ!! ル、ル・・・ルギアさん!?」 ルギア「なに びくびくしてるんだ・・・、いつも 会ってるだろうが・・・」
ふとルギアは アーボックの腹のふくらみに 目が入った・・・ ポケモンのようだが・・・まだ 意識があるのか、もぞもぞしている・・・
ルギアは 瞬時に悟った・・・ジュカインだ・・・
アーボック「・・・え? あ、いやぁ・・・今回は お帰りが早かったなぁ〜と思いまして・・・ いつもなら 一度出ていったら 二、三日帰ってこないので・・・ では、オレは この辺で・・・」
アーボックが 去ろうとした そのとき、ルギアの大きな翼が アーボックの行く手を 阻んだ
ルギア「ちょっと待てよ、アーボック・・・もうちょっと 話そうぜ・・・? さっきから ジュカインの姿が 見えねぇんだが 知らねえか?」 アーボック「ひぃ・・・!! し、知りません!!」 ルギア「そうか・・・オマエ、オレに ウソつくと どうなるか わかってるだろ?」 アーボック「ひえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! わ、わかりました! わかりました!! 素直に言います!!」
と そのとき、大胆にも ルギアが アーボックの体を 丸ごとつかんだ
ルギア「いいや、言わなくてもいい・・・わかっている・・・」
ルギアは アーボックを 自分のもとまで持ってくると 口を グバァァ と開いた・・・ アーボックは 今から 自分がどうなるか 目に見えるようにわかった・・・ アーボック「ひいいぃぃぃぃ!! 許してください!! ジュカインを食ったことは 謝ります・・・!!」 ルギア「フン、オレは そんなことは 気にしちゃいない・・・ ただ お前が ウソをつかれたことに 腹が立っているだけだ・・・」
アーボックの体は ゆっくりと ルギアの口の中に 入っていった・・・
アーボック「お、お願いします!! 助けてください・・・!!」 ルギア「うるせぇな・・・オレは お前を 許す気も助ける気も ねぇよ・・・」 アーボック「おねが・・・ムゥゥ・・・!?」
ルギアの舌が アーボックの口に 巻きつく・・・
ルギア「・・・ったく、うるせぇヤツだ・・・そろそろ 終わりにするか・・・」 アーボック「ンムゥゥゥゥ!! ムグゥゥゥゥ!!」
ゴクリ・・・
ルギアは食堂のドアを開けた・・・ やはり ほとんどの奴らが もう 集まっていた すると カウンターにいた ハピナスが いつものように話しかけてきた
ハピナス「あら、今回は 早かったのねぇ・・・ところで、今日は なにか食べてく? 席は 二、三席ぐらい 空いてるけど・・・?」 ルギア「いや、今日はいい・・・。もう 腹は いっぱいだ・・・」 ハピナス「あら、そう? じゃあ、また明日ね・・・?」 ルギア「ああ、すまねぇな・・・」
ルギアはお詫びのようにに ハピナスに オボンの実を投げ渡すと、ドアを閉めた
次に ルギアは 地下一階に向かった 地下一階には 医務室と実験室、そしてカラオケがある・・・ ルギアは 迷わず カラオケに向かった
ルギア「おい、エルレイド 来てるか?」
ルギアは カウンターにいる ルンパッパに 話しかけた
ルンパッパ「お、ルギアさんですか・・・ハハハ、アイツが カラオケに来てないわけないでしょう・・ アイツが カラオケに来ないときは アイツが死ぬ時だな・・ハハ・・」 ルギア「違いない・・・」
ルギアは エルレイドがいる 部屋の扉を開けた
ルギア「おい、エルレイド!!」 エルレイド「海も 空も 雲も〜♪」 ルギア「おい!! エルレ・・・」 エルレイド「僕らでさえも〜♪」 ルギア「おい!!」 エルレイド「染〜め〜て〜行くかr・・・」
パン!!!
ルギアが エルレイドの頭を 思いっきり 叩いた
エルレイド「・・・うおおぉぉぉぉぉ・・・痛えぇぇぇ・・・ん? ルギアさんか・・・ くそぅ、サビのとこで 止めやがって・・・」 ルギア「音量 出しすぎなんだよ バカ!! それに、なに人間なんかが作った歌を 歌ってやがんだ!!」 エルレイド「結構 いい歌もありますよ、色々。それより、何の用です?」 ルギア「いつもの オボンの実と ラムの実だよ・・・」 エルレイド「おう、じゃあ それぞれ五個ずつ 渡しておく・・・ほらよ・・・」 ルギア「・・・いつもすまねぇな・・・」 エルレイド「いいってことよ♪ じゃあな」
ルギアは オボンの実とラムの実を抱え、自分の部屋へと戻った・・・
〈1〉to be continued
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Re: 海神〈1〉〜〈3〉修正ver(保存用) ( No.2 ) |
- 日時: 2010/12/30 20:19
- 名前: 闇銀
- 〈2〉
今日も 一日が終わり、ルギアは 自分の部屋で 寝る支度をしていた・・・ すると、コンコン・・・と、ノックの音がした・・・
ルギア「ふあぁ〜・・・ん? 誰だ?」
ルギアは あくびをしながら ドアを開けた
ルギア「・・・ん? どうしたんだ? こんな時間に・・・」
そこに立っていたのは ルギアと同じ 幹部であるグライオンだった
グライオン「ルギアさん、ボスからの指令で、明日、僕と ルギアさんと フローぜルさんで 孤島に行くことになった ということを伝えに来ました・・・」 ルギア「・・・そうか、久々の ボスからオレへの 指令だな・・・」 それで・・その孤島で 何をするのだ?」 グライオン「・・・わかりません・・・詳しいことは 明日話すと・・・」 ルギア「・・・そうか・・・わかった・・・」 グライオン「・・・では、僕は これで・・・」
グライオンが 立ち去ろうとした そのとき、 ルギアの 巨大な翼が グライオンの目の前に 壁のように 立ちふさがった
グライオン「え・・・ル、ルギアさん?」 ルギア「グライオン、オレ 今 少し小腹が空いてきたところなんだ・・・」
ルギアは 不気味な笑顔で 二ヤリ と笑った・・・ グライオンの 背筋が 一瞬にして こおりついた・・・ グライオンは 話を 変な方向に 持っていかれないように 話を続けた・・・
グライオン「あ・・・じゃ、じゃあ 僕、ハピナスに頼んで なにか 持ってきます・・・!!」
と そのとき、ルギアが 翼で グライオンを 鷲掴みにする・・
ルギア「・・・だれも そんなことは 頼んではいないだろ・・・? 前から思ってたんだが お前 結構ウマそうだよな・・・」
意外にもストレートに言われ、グライオンも少し戸惑う・・・ しかし結局 予想どうりの結果になってしまった・・・
グライオン「い・・・いやです・・・!! だって・・・」 ルギア「安心しろ、胃液は 出さん・・・明日の 朝まで 腹に入っていてもらうだけだ・・・」 グライオン「だって・・・その・・・そこに入って・・・出てこなかったヤツも・・・いるという 噂が・・・」
ルギアは 少し間をおき、こう言った・・・
ルギア「お前も そうなりたくなかったら おとなしく いうことを聞け・・・ もし それが嫌なら 本当に 一生 入っていてもらうことになるが・・・」 グライオン「・・・う・・・わ、わかりました・・・あ、あの、ぜったいに出してくだ・・・ムグゥ!?」
突然 ルギアは 自分の舌を グライオンの口に巻きつけ、口へと 運び込もうとする・・・ 話が長くなった分 口の中は 涎で溢れかえっている・・・
ルギア「もう 話は いいだろ? 早く 腹の中に 入れ・・・」
・・トプン・・・ グライオンは そこに 頭から突っ込まれ、その 大量の 唾液とともに 息をする間もなく・・・
ゴクッ・・・
飲み込まれた・・・
翌朝・・・
グライオンは アーボックと 同じ運命を たどろうとしていた・・・ やはり 睡魔には勝てず 眠ってしまい、胃壁の隙間に 沈み込んでしまったのだ・・・ だが、アーボックとは違い、グライオンには しっぽに『毒針』という 武器があった グライオンは 身動きが取れないことで パニックになってしまい・・・ 相手が あの ルギアだということも忘れて そのしっぽの毒針を 思いっきり 突き刺してしまった・・・
ルギア「・・・!! 痛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ルギアの部屋に 悲鳴が 響き渡った・・・
そして・・・
ゴボッ・・・グボハァァァ・・・!! ベシャァァ・・・
グライオンは 8時間ぶりに 外に出ることができた・・・・・・が・・・
グライオン「・・・はっ・・・やった・・・出られたぁ・・・」
と その瞬間、グライオンの体中に すさまじい悪寒がはしった・・・ 恐る恐る 振り向くと・・・ 案の定、ルギアが 恐ろしい顔で 睨みつけていた・・・
グライオン「え・・・あ! しまっ・・・すみませ・・・」
事の重大さに気付き、急いで謝ろうとした そのとき・・・ グライオンは 自分の体が 動かないことに気付いた・・・ 体は ちゃんとある・・・消化されてはいない・・・
沈黙のまま 数十秒ほど過ぎ・・・グライオンは ようやく気付いた・・・ ルギアの 『サイコキネシス』だ・・・ 体が動かないのが ルギアの技だとわかると グライオンは 急に顔が青ざめた・・・ ルギアがこの技を使うのは ほとんどが“あの場所”へ 連れていくときなのだ・・・ 地下四階の 一番 奥の部屋・・・処刑部屋だ・・・
・・・と そのとき、グライオンの体が ズルズルと 引きずられ始めた・・・ グライオンは 自分の状況がわかると、ありったけの謝罪の言葉を並べた
グライオン「す、すみませんでした・・・!! ごめんなさい!! ルギアさん!! 許してぇ・・・」
しかし ルギアの返事はない・・・ 今まで何度か ルギアが誰かを 処刑部屋へ連れて行くところは 見たことがあったが、 まさか 自分が あの部屋へ 連れて行かれることになるなんて 思ってもみなかった・・・
そうこうしているうちに とうとう あの恐れていた 処刑部屋の扉の前まで 来てしまった・・・
ギギ・・・ギギギギギ・・・ 処刑部屋の 重い鉄の扉が ルギアの手によって開かれた・・・ 中は うす暗く、鉄の床、壁で できており、なぜか 生温かい空気が 流れている・・・ 今から ここへ入るのは・・・自分だ・・・
グライオン「い・・・いやだ・・・!! やめてください、ルギアさん・・・!!」
さっきから もう何度も 助けを求め続けているが、ルギアは 喋ってくれようともしない・・・ こんなルギアは 今まで 見たことがない・・・怖すぎる・・・
しかし、こんなルギアとも 別れの時がきた・・・ 突然 体をつかまれたかと思うと、いきなり あの処刑部屋の中へと 投げ込まれた・・!
・・・ズダンッ!!
サイコキネシスのせいで 翼を広げることもできず、そのまま 鉄の床へと 叩きつけられた・・・
なんとか 起き上がり、振り返ってみると・・・
グライオン「・・・!! そ・・・そんなぁ・・・うそだろ・・・」
いつの間にか あの鉄の扉は 閉じられていた・・・自分だけの力では とても開きそうにない・・・
・・・と そのとき、
ズルッ・・・ズルッ・・・
と、なにかを引きずるような 不気味な音が こちらへと 近づいてきた・・・ どこから 聞こえてくるのかは分からないが、近づいてきているのは 確かだ・・・
グライオン「・・・な、なんだよ・・・この音・・・や、やめてくれぇ・・・ここから 出してくれぇ・・・」
相手が 誰なのかもわからないまま 距離を縮められていく・・・こんなに恐怖を味わったのは 今回が初めてかもしれない・・・
すると、
トン・・・
なにか、柔らかく 重みがあり、生温かいものが 背中にぶつかった・・・
しまった・・・相手は 今 自分が向いている方向の 正反対から来ていた・・・ この状況で 後ろを振り向くのは 怖すぎる・・・ しかし そのとき、さらに 追い打ちをかけるかのように
ポタッ・・・
と、なにか 粘っこい液体が 頭の上に落ちた・・・非常に生温かく、気持ちが悪い・・・ 夢なら 早く覚めてほしい・・・!! まぎれもない現実だとわかっていても そんな甘いことを考えてしまう・・・ だめだ、今 自分の後ろにいるのは 間違いなく処刑執行者だ・・・ 何かしなければ このまま殺されてしまう・・・ グライオンは 恐怖で震える自分の体を抑え、思い切って 後ろを振り返った・・・!!
グライオン「・・・ひぃ・・・!! あ・・・ああ・・・・・・」
こ・・・こいつが 話に聞く 処刑執行人の・・・・・・ハブネーク・・・!? しかし ただのハブネークどころではない・・・通常の三倍・・・いや、四倍はある・・・ ハブネークはなおも ぽってりとしたお腹を 自分に押し付けてくる・・・ とても柔らかく、肉厚で・・・ちょっと気持ちいいかも・・・・・・はっ!! こんなことを思っては あいつの思惑どおりじゃないか・・!? 我に返ったグライオンは なんとか このハブネークから 離れようとした・・・・・・が 動かない・・・見ると、すでに足が こいつのお腹に 埋もれている・・・座り込んだまま 動けない・・・ 引き抜こうと 試みるも、肉厚なハブネークのお腹は 自分の足に 隙間なく密着し、ピクリとも動かない・・・ し、しまった・・・油断した・・・ほんの一瞬の すきをつかれた・・・ やばい・・・このままじゃ・・・動けないまま こいつの腹の中へ ゴックンかよ・・・ こんな場所で・・・しかもこんなヤツの 栄養分に・・・・・・なってたまるか!! 冗談じゃない!! 今・・・生き延びるためには・・・こいつを倒すしかない・・・!! 倒せるかどうかなど 関係ない・・・やるしかないんだ・・・
この状況で 今使える技は・・・『毒針』『クロスポイズン』『シザークロス』・・・・・・ 毒タイプの ハブネークに対しては、毒針やクロスポイズンは 意味がない・・・となれば・・・
グライオンは 余っている力を出し切り、シザークロスを ハブネークにぶち込んだ・・・!!
・・・ん? 手ごたえは・・・あるにはあったのだが・・・・・・なんと言えばいいのか・・・
・・・なんだか 嫌な予感がする・・・
目を・・・恐る恐る 開けてみる・・・ 最初に見えたのは・・・
グライオン「・・・うっ・・・」
もう 見たくもない ハブネークの顔・・・ ニヤニヤと 不気味な笑みを 浮かべている・・・技が効いた・・・という顔では ないみたいだ・・・
次に 視線を、シザークロスを放った 自分の手のほうに向けた・・・
グライオンの顔色が 急に青ざめた・・・ やはり・・・嫌な予感は 的中した・・・ 自分の 肘から先が 肉厚なあいつの腹に 埋もれている・・・・・・しかも・・・抜けない・・・
と そのとき、なんと さらに ハブネークが自分に 倒れこんできたのだ・・・
グライオン「・・・う!? うわぁぁぁ・・・!!」
今度は 足だけでなく、首から下が こいつの体の下敷きになってしまった・・・・・・ 体には こいつの腹が 隙間なく密着し、ほんの少しの動きも 許されない・・・ 呼吸はなんとかできるものの、肺が圧迫され 息苦しい・・・ しかも 肺に入ってくるのは、この部屋に充満した こいつの生臭い吐息のみだ・・・ もう これ以上の 屈辱は耐えられない・・・ こいつは 処刑執行者のくせして なぜ 手っ取り早く 殺そうとしないんだ・・・? 僕の 恐怖でおびえきった面を 楽しんでいるのか・・・?
グライオンの顔には 自然と涙があふれた・・・ 耐えられない 恐怖による涙か・・・それとも、この上ない 屈辱のための涙なのか・・・ いや、両方かもしれない・・・
いつの間にか ハブネークは 獲物を呑みこむ態勢に 入っていた・・・ ついに来たのか・・・この時が・・・・・・
あいつが口を開けると、それまで 獲物を目の前にして 口内にたまりきっていた涎が 僕の頭に ドッ と 降りかかった・・・ あの ねとねとした 気持ちの悪い涎が 今度は 滝のように 顔を覆いつくした・・・ 生温かい粘液は 口の中にまで入り込み、不快な感触が いつまでも口内に残っている・・・ あいつが 長い間 口の中にため込んでいた涎は 今までのものとは 比べ物にならないほど 強烈な臭いを放っている・・・ しかもそれが 自分の顔全体にかかっているため、顔を どこにそむけても この臭気からは 逃れられない・・・
・・・もう・・いいや・・・
ついに グライオンは あきらめという大きな落とし穴に 身を投げてしまった・・・
・・ゴクリ・・・・
〈2〉to be continued
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Re: 海神〈1〉〜〈3〉修正ver(保存用) ( No.3 ) |
- 日時: 2010/12/30 20:19
- 名前: 闇銀
キャラ紹介 〈3〉現在
「ルギア」 性別 ♂ 懸賞金 2億2100万円 組織(ダークシルバー)の幹部。 詳細現在不明
「ヤミラミ」 性別 ♂ 懸賞金 8800万円 組織の門番。 本気で戦うとかなり強い・・らしい・・・。
「フタチマル」 性別 ♂ 懸賞金 3900万円 組織の時期幹部。
「フローゼル」 性別 ♂ 懸賞金 4190万円 組織の元副門番。 今は何の役も持たずフリー。 二重人格で、一方の人格に 語尾に口癖があり わかりやすい。
「ハピナス」 性別 ♀ 懸賞金 2500万円 組織のコック。 組織で朝昼夕飯を作ってくれる人物。
「ハブネーク」 性別 ♂ 懸賞金 1億800万円 組織の処刑執行人。 ほとんど喋らず処刑を行う。 獲物のおびえる姿が たまらなく好きらしい。
「エルレイド」 性別 ♂ 懸賞金 4900万円 組織の医者。 しょっちゅう組織の隠れ家内にあるカラオケにいるため、 ほとんどの場合 医務室にいない・・・
「サーナイト」 性別 ♀ 懸賞金 3000万円 組織の看護婦(ナース)。 まじめな性格で、エルレイドとは違い いつも医務室にいる。
「ルンパッパ」 性別 ♂ 懸賞金 3300万円 組織内にあるカラオケの管理をしている。
「バシャーモ」 性別 ♂ 懸賞金 6900万円 趣味は実験で、いつも実験室にこもり 怪しげな実験をしている・・・。
「組織のボス」 懸賞金 3億2000万円 組織のボス。 全詳細現在不明。
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ちょうどそのころ、ルギアと フローゼルは 隠れ家から 数百メートルほど離れた海岸にいた もちろん グライオンの姿はない・・・
フローゼル「おいおい、ルギアさん、ボスの許可なしで 誰かを処刑部屋へ連れて行くのは マジで まずいズ・・・やっぱ今からでも ボスに報告しに行こうズ・・・」 ルギア「うるせえなぁ・・・んなもん 後でいいって言ってんだろ・・・ ちゃんと 代わりの奴を 連れて来たんだからよ・・・」
ルギアが 隣にいる もう一匹のポケモンに目を向ける・・・
フタチマル「ひ、ひえぇ!! よ、よろしくお願いします・・・ ぼ、僕、フタチマルといいます・・・」
グライオンの代わりに連れてきたのは このフタチマル もうすぐ 幹部になれるというほどの実力で、 今回の指令を 成功に収めることができれば 幹部になることは まず間違いない・・・
ルギア「・・・にしても、お前の その語尾の口癖、なんとかなんねぇのか?」 フローゼル「・・・そのことについては ノーコメントということで・・・」 ルギア「・・・ん? そうか・・・まあそんなことは どうでもいいが・・・ さて、ここから しばらく北へ進んだところに 例の孤島がある・・・ フローゼルは 泳いで オレのスピードに ついてこられるとして、 フタチマル、お前じゃ 到底ついてこられないだろうな・・・ よし、お前は オレの背中に 乗せてやろう・・・ オレは 泳ぐことも 飛ぶこともできるから、今回は お前を乗せて 飛ぶとしよう・・・」 フタチマル「え・・・あ、はい、わかりまし・・・」 フローゼル「あ、ちょ、ちょっとまて、フタチマル・・・!!」
フタチマルが 返事をしようとした瞬間、なぜかフローゼルが 割り込んだ フローゼルは ルギアに聞こえないように 小声で話し始めた
フローゼル「フタチマル、やめておいたほうがいいズ・・・」 フタチマル「・・・え? どうしてですか・・・?」 フローゼル「あの ルギアさんに 身を任せたりなんかしたら 何をされるか わからないズ・・・」 フタチマル「・・・? どういうことですか・・・?」 ルギア「・・・おい!! もういいか!? いい加減 出発するぞ・・・!!」
二人の会話の長さに 痺れを切らしながら、ルギアは 半ば強引に フタチマルを 自分の背中に導いた
フローゼル「・・・幸運を 祈る・・・」
こうして フタチマルを含む三匹は 孤島を目指し 出発した・・・
出発してから 数十分が過ぎた・・・ まだ 到着しない・・・孤島すら見えない・・・ 出発直前の フローゼルの言葉は気になってはいたが、まだ 何も起きない・・・ 下を泳いでいる そのフローゼルはというと、こちらを ずっと見つめて 目を離そうとしない・・・ いざとなった時は 助けてくれるらしいのだが・・・本当のところは どうなのだろう・・・ 考え事が多すぎて じっとしているだけでも 疲れる・・・・・・
・・・ん? なぜだ? ルギアが 若干少し高度を上げた・・・まだ フローゼルは はっきりと見える高さだが・・・
・・・寒い・・・ だんだん 肌寒くなってきた・・・ 自然と 体が震えてくる・・・
それを感じ取ったルギアは すかさず・・・
ルギア「・・・寒いのか? 震えているぞ・・・?」 フタチマル「・・・あの、すみません ルギアさん、もう少し 低く飛んでいただけ・・・」 ルギア「それよりも オレの口の中のほうが 暖かい・・・よな?」
その言葉で 背筋が こおりつく・・・ もしかして・・・これが フローゼルが言っていた アレなのか・・・? もしそうだとしたら・・・今のルギアの言葉は 冗談なんかじゃない・・ ・・・本気だ・・
ルギアにばれないように そっとフローゼルのほうを見る・・・ 相変わらず こちらを 見ているだけだ・・・会話が聞こえていない・・・ かといって「助けて!!」などと叫べば ルギアに 何をされるかわからない・・・
ルギア「・・・さあ、遠慮なく入れ・・・」
ルギアの舌が 自分の体に巻きつく・・・ さすがに フローゼルも 気付いた
フローゼル「・・・!! ルギアさん、ストォォップ!!」
フローゼルは 勢いよく『ハイドロポンプ』を ルギアに向けて 発射した 下から放たれたハイドロポンプは 見事に ルギアの顔に命中した・・・!!
ルギア「・・・ブワッ・・・!?」
そのとき、ルギアの舌が一瞬 緩んだ・・・!! そのすきを見て なんとか ルギアから逃れることができた・・・
また 捕まってしまわないように、ルギアの頭から できるだけ離れたしっぽまで全力で向かい、しがみついた・・・のが間違いだった・・・
・・・シュルルル・・・
なんて バカなことをしてしまったんだろう・・・今度は しっぽに巻きつかれてしまった・・・
フタチマル「・・・!! ああ!! しまっ・・・ぐぐっ・・・ぐがぁ・・・」
・・・力が・・・強すぎる・・・このままじゃ・・・つぶれ・・・ ・・・・・・意識が遠のいていく・・・
と そのとき、ルギアが 突然 急降下し始めた・・・
バシャアァァン・・・
なにか・・・水音の後、 今度は 急上昇・・・
・・・? しっぽの力が・・・少しずつ緩んでいく・・・ ・・・なんとか 意識がはっきりし始めた・・・ ・・・ん? ルギアが・・・なにかを銜えている・・・
意識が 正常に戻って ようやく気付いた・・・ルギアが銜えているのは・・・フローゼルだ・・・ 激しくもがいている・・・よく見ると、ルギアの牙が フローゼルの腹に突き刺さり、そこから 微量ではあるが 血液が 流れ落ちている・・・ ルギアは フローゼルを丸ごと頬ばり、そのまま・・・・・・
・・ゴクリ・・・
まるで 悪夢のような光景を 目の当たりにしてしまった・・・ もしかして 次は 僕の番・・・? すると、ルギアが 予想外にも 優しい口調で 話しかけてきた
ルギア「・・・心配するな、フローゼルは ちゃんと生きている・・・」 ・・・少なくとも「ちゃんと」では ないと思う・・・ ルギア「・・・オマエ、次は 自分の番じゃないのかと思っているな・・・?」 ・・・まさに 図星だ・・・ ルギア「・・・オレの腹の中は さっきのフローゼルと その他もろもろで いっぱいだ・・・もう 入らん・・・」 その他もろもろって なんだよ!? ルギア「・・・だが そのままでは やはり 寒いだろう・・・な?」 え・・・ちょっ、うそ・・・
・・・ぐばぁ・・
目の前には もう ルギアの口内と 喉の奥しか見えない・・・そして・・・
・・いとも簡単に ルギアの口の中に収められてしまった・・・
ルギアの口内では たっぷりとが液を帯びた舌が 待ち構えていた・・・ まずは手始めに・・・というように 舌が僕の足に巻きつき・・・宙づりにされた・・・ 何をするのかと思い、下を見る・・・どこまでも続くような 暗い喉の奥から 生温かい風が自分に当たる・・・
フタチマル「や・・・やめて・・・ウッ・・・ルギアさん・・・」
必死に 助けを求めてみるが・・・まったく聞いてもらえない ・・・ついに 足に巻きついていた舌が緩められ・・・
フタチマル「・・・あ・・・! あ・・・!! ひいぃぃぃぃ・・・!!」
ゴクリ・・・
狭い肉壁が密着し、どんどん沈んでいく・・・
しばらくすると やっとのことで 少し広い空間・・・胃に着いた・・・ 食道を抜け、また 落ちる・・・
ズグチュゥゥ・・・
頭から突っ込み 胸のあたりまで沈み込んだ・・・ 苦しい・・・息ができない・・・腕も 自由に動かせず、足は ジタバタと もがくことしかできない・・・
と そのとき・・・ ・・・!! 誰かに 足をつかまれた・・・?
・・・ズボッ・・・!!
勢いよく引っこ抜かれ、何が何だか分からない・・・ 少しずつ 目を開けてみると・・・
目の前にいたのは・・・フローゼルだった・・・ 腹の傷口からは 未だに血が流れている・・・
フローゼル「・・・大丈夫か?」 フタチマル「・・・う、うん・・・大丈夫です・・・」 フローゼル「だから言ったろ? ・・・まぁ、結局 こうなっちまったけどよぉ・・・」
・・・ん? なにか さっきまでのフローゼルとは 違う気がする・・・ というより ぜんぜん違う雰囲気だ・・・ 喋り方も 相当悪くなってるような・・・なんだか 目つきまで悪く見えてくる・・・
フタチマル「・・・あ、あの・・・」 フローゼル「・・・あん? どうした?」 フタチマル「なんか・・・さっきまでのフローゼルさんと 違うような気が・・・」 フローゼル「なんかって? 何が?」 フタチマル「・・・え〜と・・・しゃ、喋り方とか・・・?」 フローゼル「・・・ああ、そういえば お前にはまだ 言ってなかったな・・・。 え〜と、まぁ いわゆる 二重人格ってやつだな・・・」 フタチマル「・・・二重人格・・・?」 フローゼル「・・・今は そんなことはどうでもいい、それより これを見てみろ・・・」
フローゼルが 指をさしたほうをのぞいてみる・・・ 何やら 黄色や 青や 緑といった カラフルな色のものが ドロドロになって 混ざっている・・・
フタチマル「・・・な、なんですか? これ・・・」 フローゼル「おそらく 食料庫にいた リーフィアや シャワーズたちの 変わり果てた姿だろう・・・」 フタチマル「・・・!? うっ、うげえぇぇぇぇ・・・」 フローゼル「たぶん 出発する前に ありったけの食料を食って、俺たちを食べたいという気を 紛らわしたんだろうなぁ・・・」 フタチマル「・・・・・・・・・」 フローゼル「ルギアさんが あの海岸に着くまでに ちらちらと俺たちを見て 涎を垂らしていたのが見えなかったか?」 フタチマル「・・・気がつきませんでした・・・」 フローゼル「・・・・・・・・・まあいい、どうやら今は ルギアさんが出してくれるのを 待つしかないみたいだな・・・」
グググッ・・・・・・ベチャァァァ・・・
「おい・・・!! 着いたぞ・・・!!」
・・・気がつくと、自分の横に ルギアが座っている・・・ 自分は 砂浜に 横たわっているようだ・・・ ルギアの口から自分まで 何本もの唾液の糸が引いている・・・どうやら ようやく吐き出されたみたいだ・・・
フタチマル「・・・あ・・・あれ・・・?」
なぜか フローゼルの姿はない・・・ まさかとは思うが・・・
フタチマル「・・・ル、ルギアさん・・・、フローゼルさんは・・・?」 ルギア「・・・ん? ああ、あいつか・・・何せ オレを攻撃したんだからな・・・ もう少し 入っていてもらう・・・気が向いたら 胃液でも・・・」 フタチマル「・・・!!」
その言葉に 思わず 声を上げる間もなく後ずさった
ルギア「おいおい、冗談だよ・・・ そんなことより、海で 体を洗ってこい・・・そのままじゃ お前も嫌だろ・・・?」 フタチマル「え・・・あ、はい・・・」
未だにルギアを警戒しながらも、ゆっくりとした足取りで 海のほうへと向かった・・・
少し落ち着き、周りを見渡してみると もう夜になっていた・・・ 夜の海は 少し冷たい・・・ それでも あのベトベトが 体中に付いているよりは 何倍もマシだ・・・
なんとか 一通り洗い終えた・・・
・・・ん? なにかが 砂浜に落ちている・・・ ボールのようだが・・・スイッチのようなものも付いている・・・ 警戒しながらも、スイッチに触れないように 手にとり ルギアがいるところへ向かった・・・
フタチマル「・・・ルギアさん、さっき拾ったんですけど・・・これ、何ですか・・・?」
恐る恐る 尋ねてみる・・・
ルギア「・・・ん? それは 人間が 俺たちポケモンを 奴隷にするために使う モンスターボールとかいう道具だ・・・」 フタチマル「・・・!?」
思わず そのボールから 手を離した・・・
ルギア「・・・まぁ こんなもの、オレにとっては ただのオモチャに過ぎないがな・・・!!」
ルギアはそう言うと、落ちたボールを踏みつぶした・・・ すごい威力だ・・・粉々に砕け散った・・・
フタチマル「・・・あの・・・これがあったということは ここに人間がいたってことですか・・・?」 ルギア「ああ・・・今もいる・・・」 フタチマル「・・・えぇ!?」 ルギア「・・・というより 今回の目的が その人間たちを この島から追い出すということだ・・・」 フタチマル「・・・う、うそ・・・」 ルギア「嘘じゃない・・・ここは 俺たちにとって 大事な食料調達場なんだ・・・ それを 今 人間たちが乱獲している・・・」
じょ、冗談じゃない・・・!! もしかしたら 捕まって奴隷にされてしまうかもしれないのに・・・
フタチマル「・・・ル、ルギアさん・・・僕・・・帰ります・・・」 ルギア「・・・怖くなったのか・・・?」 フタチマル「・・・う・・・は、はい・・・」 ルギア「大丈夫だ・・・いざとなったら オレが助けてやるから・・・」 フタチマル「・・・・・・・・・」
・・・確かに ルギアさんが味方なのは 本当に心強いのだが・・・
ルギア「だが今は もう遅い・・・すっかり 暗くなってしまったからな・・・実行は 明日にするとしよう・・・ さぁ、もう寝るぞ・・・」 フタチマル「・・・あ・・・フ、フローゼルさんは・・・?」 ルギア「・・・ん? 明日だ明日! もう寝る!」 フタチマル「は、はいぃ!!」
こうして 二匹・・・もとい三匹は 近くにあった洞穴で 眠った・・・
次の日の朝・・・
フタチマルが目を覚ました・・・
・・・ルギアの姿はない・・・代わりに 一枚の紙切れが 置かれていた・・・ さっそく手にとって 読んでみる・・・
『見たところ 今回の指令は おそらく俺一人で十分だ、すまないがお前たちは 寝ていろ・・・ 洞穴に 「リフレクター」と「光の壁」をはっておいた、人間が入ってくることはないだろう・・・』
ん? ちょっと待てよ・・・? それじゃあ 僕たちも 出られないじゃないか!!
『万が一 お前たちが 外に出るときは フローゼルが「穴を掘る」を覚えているはずだ』
はっ として 後ろを振り向く・・・ フローゼルが 仰向けになって寝ている・・・どうやら 出してもらえたみたいだ・・・
『夕方には 帰れると思う・・・じゃあな』
紙に書いてあることは これで終わりだ・・・つまり 僕らは 何もしなくていいってことか・・・?
もう一度 後ろを振り向く・・・ フローゼルは 気持ち良さそうに 寝ているみたいだ・・・ 僕ももうひと眠りしよう・・・
====================================================================================================== 〈3〉登場人物
ラッツ…人間の男性。 珍しいものは 何でも手に入れようとする性格。
ジーク…人間の男性。 冷静で 何事にも動じない 落ち着いた性格。 今回の 乱獲グループの副リーダー。
ゼグ…かなり臆病な性格。 今回の 荷物持ち&パシリ係
テック…からくり好きで、家にいるときはいつも 機械をいじっているらしい。 罠を作ることも得意としているため、今回の乱獲グループに入っている。
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一方 ルギアはというと・・・
ルギア「さてと・・・早速 二人発見・・・なにか話しているみたいだな・・・」
洞穴を出てから 数十分・・・早速 二人の人間を見つけた・・・ しばらく 話を 聞くことにした・・・
ラッツ「・・・エーフィにリーフィア・・・ここは 珍しいポケモンの宝庫ですねぇ・・・すげぇぜ・・・」 ジーク「ああ、このままいけば 船にどっさり詰め込んで 帰れるな・・・」 ルギア「・・・すまないが その船は オレが沈めちまった・・・」 ラッツ「そうか、そりゃぁ ざんね・・・って 何!?」 ジーク「・・・!?」
いきなり現れたルギアの姿を見て 二人は 思わず飛び退く
ラッツ「うわっ!! こっ、こいつは 確か・・・」 ジーク「・・・伝説のポケモン、ルギアだな・・・」
二人は 即座にリュックサックからモンスターボールを取り出し、身構えた 逃げる気は 全くないようだ・・・
ルギア「・・・ほぅ・・・そんなおもちゃで オレを捕まえる気か・・・?」 ラッツ「あたりまえだ! 珍しいポケモンがいる島だとは聞いていたが まさか こんな大物が出るとはな・・・ 今回は 大収穫だぜ・・・」 ジーク「待て、焦るな! 相手は あの伝説のルギアだぞ・・・!!」 ラッツ「やかましい!! こいつは オレの獲物だ!!」
ラッツは ジークの忠告にも耳を貸さず モンスターボールを投げた・・・が なぜか モンスターボールは 空中でピタリと止まった・・・
ラッツ「・・・? な、なんだ・・・?」 ジーク「だから言っただろ!! サイコキネシスだ!!」 ルギア「・・・なかなか鋭いな・・・名答だ・・・!」
そのルギアの言葉の直後・・・モンスターボールは グシャッ という音とともに 押しつぶされるように砕けた・・・
ジーク「・・・お前、さっき 俺たちの船を 沈めたと言ったな・・・ あの船には 見張りが二人いたはずだが まさか そいつらもろとも・・・」 ルギア「・・・そんな勿体ない事はしないさ・・・」 ジーク「・・・何?」 ルギア「ちゃんと おいしく頂いたぜ・・・ゲフッ・・・」
はっとして二人は ルギアの腹に目を向ける・・・どうやら 嘘ではないようだ・・・
ラッツ「てめぇ よくも・・・!!」
ラッツは 腰から ナイフを取り出し、ルギアに切りかかる・・・!! しかし ルギアに届く間もなく グ二ャリ と曲がってしまった・・・
ラッツ「・・・くそっ、またサイコキネシスか・・・しかも けた外れの・・・あぁ!!?」
足が 舌に巻きつかれた・・・!! 両足が巻きつかれ バランスを崩し 後ろに倒れてしまった・・・
ラッツ「し、しまっ・・・ひいいぃぃぃ!!」
ラッツはすぐさま ルギアの口内に収められてしまった・・・ 舌が 腕まで巻きつき もがくことさえできない・・・
ラッツ「・・・ジーク・・・さん・・・た・・・すけ・・・」
・・・ゴクリ・・・
それが 彼の 最後の言葉となった・・・
ルギア「・・・あと 六人だな・・・お前はどうする・・・?」 ジーク「・・・!? なぜ そんなことまで知っている・・・!?」 ルギア「昨日の夜中に ちょいと覗かさせてもらった・・・味見もさせてもらったし・・・」 ジーク「・・・なるほど・・・どおりで 全員の寝袋と顔に ねとねとした液体が 付いてたわけだ・・・」 ルギア「それはそうと さっきから後ろで 何やってるんだ・・・?」
ジークの顔が引きつる・・・
ジーク「・・・フン、気付くのが遅かったな・・・」
開き直ったようにジークは 背中に隠していた機械を投げ捨てた・・・
ジーク「・・・迎えのヘリを呼んだ・・・あと五時間でここに到着する・・・ それまでなんとか あいつらがお前から逃げ切ることができれば・・・」
ルギア「・・・お前はどうするんだ・・・?」 ジーク「他の奴らが助かれば それでいい・・・オレはもう・・・」 ルギア「・・・そうか・・・・・・」
「頑張ってくれ・・・みんな・・・・・・!!」
・・・ゴクリ・・・
ルギア「・・・人間たちに“ルギアから逃げろ”ということも 伝わってしまったらしいからな・・・ こりゃあ 手間がかかりそうだ・・・」
上空から探せば 簡単に見つかるが それでは面白くない 手間がかかっても 面白ければいい それが ルギアのやり方なのだ
一応ルギアは 昨日 人間たちが寝ていたところに 来てみたが・・・ 当然のことながら何も・・・と思ったら 何やら 手帳のようなものが 落ちている・・・
手に取り 開いてみる・・・驚くことに あの人間たちの顔写真と名前が載せられていた・・・ こんなものを落とすとは よほどドジな連中なのか・・・ いや、それとも あのジークとかいうヤツの連絡を受けて 相当パニックになっていたのか・・・ まぁ どちらにしろ いいものを拾った
・・・と そこへ 誰かが近づいてくる気配が・・・ とっさにルギアは身を隠した・・・
姿を現したのは・・・若い男性・・・ 手帳で確認してみる・・・名は グレイか・・・
グレイ「はぁ・・・はぁ・・・ど、どうしよう・・・このままじゃ 見つかるのも時間の問題だな・・・」
そっと背後に近づき・・・ひと舐め・・・
グレイ「ひゃあぁ!?」
いきなりの出来事にグレイは 前のめりに倒れこんだ・・・
何の注意もせずに 後ろを振り向く・・・
グレイは 今 自分が 一番出会いたくないヤツに出くわしてしまった・・・
グレイ「・・・く、くそっ・・・こんなにも早く・・・畜生!!」 ルギア「さて、他の奴らがいる場所を教えてもらおうか・・・さもなくば・・・」
ルギアの舌が体に巻きつき、グレイの腕が封じられる・・・
グレイ「わわっ・・・!! し、知らない!! みんなバラバラに逃げた・・・!!」 ルギア「・・・・・・そうか・・・なら・・・」
グレイの体が 持ち上がる・・・そして 大きく口を開けたルギアのもとへ ゆっくりと連れ込まれていく・・・
グレイ「・・・!! ちょ、ちょっと待ってくれ!! お願いだ 聞いてくれ!! 今 オレのベルトのモンスターボールの中に リーフィアが入っている・・・ソイツを・・・」 ルギア「やるから オレを逃がしてくれと・・・?」 グレイ「・・・た、足りないか・・・?」 ルギア「・・・いや、そういう問題ではない・・・俺たちのボスからの指令だからな・・・ まぁ 指令内容は『人間たちを追い払え』だったが ただ逃がすだけじゃ 面白くないからな・・・」 グレイ「お、面白くないって・・・」 ルギア「・・・これも 一応もらっておこう・・・」
ルギアは グレイのベルトからモンスターボールをもぎ取ると、グレイを 口の中へ引き込んだ・・・ 激しくもがきだしたが 何の意味もない・・・
そのまま 時間だけが過ぎていき・・・ついに・・・
・・・ゴクリ・・・
ルギア「・・・ゲフッ・・・あと 四人か・・・さすがに 無理があるかな・・・ さてと、こいつを 出してやるか・・・」
ルギアは 先ほど手に入れたモンスターボールを手に取り、中のポケモンを出してみる・・・ 中に入っていたのは グレイが言っていたとおり リーフィアだった リーフィア「はぁ・・・はぁ・・・た、助かった・・・どうもありが・・・うわっ!!?」
思わず飛び退いた・・ 驚くのも無理はない・・・今 目の前にいるのは 自分の体の何倍もあるルギアなのだ・・・しかも・・・ こちらを見て 涎を垂らし 舌舐めずりまでしている・・・ 足がすくんで 動けないうえに 体中の震えが止まらない・・・
その様子を見て おもむろにルギアが声をかける・・・
ルギア「・・・おい、何をおびえている・・・?」
以外にも 優しい口調で話しかけられ 少し戸惑った・・・ ここで今“ボクを 食べる気なのか?”と 聞くのは ちょっと気が引ける・・・ かといってこのまま 身を任せるのも・・・・・・
・・・と そのとき、ルギアの瞳が 青白く光っていることに気付いた・・・ いったい何をしているのだろう・・・
・・・数分後
また ルギアが口を開いた
ルギア「・・・なるほど・・・そんなことを考えていたのか・・・」 リーフィア「・・・・・・え・・・?」 ルギア「このままでは 話が進みそうになかったからな・・・ 何を考えているのか 心を読まさせてもらった・・・」
リーフィアの顔が 一瞬にして濁る・・・
ルギア「・・・心配するな・・おまえ、まだ ガキじゃないか・・・ お前の人生 まだこれからだろうが・・・ だが・・お前が大人になってデカくなったら 遠慮なくオレの飯になってもらうからな・・・」
その言葉とともに ルギアは振り向き、ゆっくりとした足取りで 去っていった・・・
リーフィアの全身の力が抜けきった・・・
ゼグ「・・・ね、ねぇ・・・伝説のポケモン相手に あと四時間も隠れ続けるなんて 無理だよ・・・なにか 別の方法・・・」 テック「じゃあ 筏でも作って お前だけ逃げりゃいいだろ!! サメハダーたちに食われるのが オチだろうがな・・・!」
この二人は 身を隠す場所を探しているようだ・・・
テック「・・・洞穴でも ありゃいいんだがな・・・」
・・・数十分後・・・
テック「おっ、しめた!!」
運よく テックたちは 大木にぽっかりと空いた 空間を見つけたようだ しかし 大きさは小さく、どう見ても 一人入ってやっとの広さだ・・・
テック「・・・・・・・・・・・・」 ゼグ「・・・・・・・・・・・・」
しばらく沈黙が続いた・・・
そして まずテックが口を開いた
テック「すまねぇな、先にここを見つけたのは オレだぞ」 ゼグ「えっ!? ・・・そ、そんなぁ・・・」 テック「気の毒だが オレも命が懸かってるんだ・・・」 ゼグ「・・・うぅ・・・そう・・だね・・・わかった・・・」
ゼグは 少し肩を落とし うつむいた・・・ そして、水が入ったペットボトルを一本テックに手渡し、後ろを振り向き また歩いて行った
テック「・・へへ・・バーカ・・・お前だけ その怪物に食われるがいいさ・・・ ・・・まぁ オレは一応これで 安全は確保できたようだしな・・・」 ルギア「・・・本当にそう思っているのか・・・?」 テック「・・・え?・・・・・・あ・・・!?」
顔を上げると 案の定ルギアが 青白く光る瞳で自分を見つめていた・・・ サイコキネシスを使っているようだ・・・体がびくともしない・・・
ルギア「・・・どうした 人間、・・・あまりの恐怖で 動けんか・・?」 テック「(だめだ、体が言うことを聞かねぇ・・・くそっ・・・)」 ルギア「・・・ああ、まぁ 喋れるようにはしてやるか・・・」 テック「・・・ぐっ・・・はぁ・・はぁ・・・て、てめぇ!!」 ルギア「・・・ん? なにかできるというのか? やってみるがいい・・・」 テック「うぐっ・・・・・・く、くそぉ・・・」
口だけは動かせることができるようになったが 喋ること以外 何もできない・・・ しかし 一刻も早く逃げなければ いずれ・・・
ルギア「・・・顔色まで悪くなってきたな・・・では さらに絶望的なことを教えてやろう・・・ この島に残っている人間は お前を含め、あと四人だ・・・」 テック「な・・たったの・・四人・・・もう半分以上も・・・」
と そのとき・・・テックの体に 柔らかいものが巻きついた・・・ まぎれもなく ルギアの舌だ・・・
ルギア「・・・さて・・・・六人目・・・」 テック「・・ちょっ・・待っ・・・あわ・・・」
ルギアは そのままテックを持ち上げ、口の中へと引きずりこんだ・・・
テック「・・むぅぅ・・・やめろ・・いやだ・・・」 ルギア「・・・オレは 仲間を簡単に見捨てるようなヤツは 気にくわん・・・ ・・・・消えろ・・」
・・ゴクリ・・・
ルギア「・・・さてと・・・、さっきの・・・ゼグ・・だったか? あの人間・・・ そう遠くには 行っていないはずだが・・・」
・・・案の定・・・、少し行くと すぐにゼグの姿が見えた・・・
そのとき ふと、ルギアは あることを思い出した・・・
ルギア「まずいぞ・・・確か あそこは・・・ おおぉい、そこの人間、すぐに 止まったほうがいいぞぉぉ・・!!」 ゼグ「・・・え!? うぎゃぁぁぁ!! 見つかったぁぁぁ!!」
ゼグは 悲鳴を上げて走り出した ルギアの言葉など 気にしている余裕もなかった・・・ 自分の真上を飛んでいるのはルギア・・・それだけでも 頭の中がいっぱいだった・・・
ルギア「そこ、アーボの住処だぞ・・・しかも ちょうどド真ん中・・・」
突然 耳に入ってきた 衝撃的な言葉・・・ ゼグは ゆっくりと足を止めた・・・
落ち着いて よく辺りを見回すと・・・
すでに 無数のアーボたちに囲まれていた・・・ しかも 並の大きさどころではない・・・人 一人ぐらい余裕で丸呑みにしてしまいそうな・・・
ゼグ「・・・あぁ・・し、しまっ・・・たすけ・・・」 ルギア「・・・オレは ちゃんと忠告したはずだが・・・?」 ゼグ「・・・い・・嫌だ・・・!! たす・・・・ あああうぅあああぁぁぁぁ・・・!!!」
そのとき・・・ゼグを囲んでいたアーボたちが 一斉に飛びかかった・・・ 抵抗など できるはずもない・・・ なすすべもなく ゼグの姿は アーボの塊に消えていった・・・
ルギア「あ〜あ・・・言わんこっちゃない・・・」
一方・・・フタチマルは・・・
「・・・うぅ・・・・・・はっ・・・!! ・・・・・・・・・・・・ また・・・寝ちゃってたか・・・ ・・・あれ・・・? 確か 僕、リフレクターと ひかりのかべがはってある洞窟で 寝てたはず・・・」
しかし・・・今 自分がいるのは・・・ 森に囲まれた とても小さな草原・・・目の前には 泉もある・・・ すっかり日も暮れて 真っ暗なはずなのに・・・その泉は 神秘的に ぼんやりとした光を放っていた・・・
???「・・・目、覚めた・・・?」 フタチマル「・・・うわっ・・・!?」
ドッ・・・!! いきなりの声に驚き、近くにあった木に 頭を打ち付ける・・・
フタチマル「・・・いってぇぇぇ・・・」 ???「あっ・・ご、ごめん・・・驚かせちゃった・・・? ボク、ジャローダ。この泉の近くに住んでるんだ・・・ そして もう一人・・・」
と そのとき、きれいな水音とともに 泉から現れたのは・・・ とても美しい・・・綺麗なポケモン・・・
ジャローダ「彼女は ミロカロス。 この泉に住んでる 僕の友達・・・♪」 ミロカロス「あ、そうそう・・キミ、あのルギアとかいうヤツに捕まってたでしょ・・・? それを ジャローダが 助けたらしいんだけど・・・」 フタチマル「え・・あ・・ち、違うんだ、え〜と あのルギアさんは 僕の・・・」 ジャローダ「いいから いいから、キミ、とっても疲れてるみたいだし・・・ 今日は ゆっくり休んで・・・ね? 話は 明日聞くから・・・」 フタチマル「あ・・・うぅ・・うん・・・」
そう言われ、仕方なく 眠りに着く・・・ 少し不安もあったが 悪い人たちではなさそうだ・・・ ルギアさんのことは あとで説明すればいいし・・・
今度は 夜中に目が覚めた・・・
もう ルギアさんは あの洞穴に帰ってるよな・・・ 僕のこと 心配して・・・るはずないか・・・
そのとき・・あの二人の話声が 耳に入る・・・ こんな夜更けに 何を話しているのだろう・・・ 自然と耳を傾ける・・・
ミロカロス「・・・あの子・・なかなか 美味しそうじゃない・・♪」 ジャローダ「えへへ・・・いいよ、全部 キミにあげる・・・ 一緒にいた イタチみたいなのは 僕が食べちゃったし・・・」
その言葉で 寝ぼけていた頭が 一気に覚めた・・・ イタチ・・・まさか フローゼルさんが・・・
ミロカロス「フフ・・ありがと♪ じゃあ、さっそく いただいちゃおうかしら・・♪」 ジャローダ「・・ぐっすり眠ってるみたいだからね・・・起こさないように・・」 ミロカロス「わかってる・・♪」
やばい やばい やばい やばい やばい・・・!!!! どうしよう どうしよう・・・!! 戦うか・・・? しかし、相手は 水タイプと草タイプ・・・・どう考えても 勝ち目はない・・・ かといって このままじっとしていたら そのまま・・・
色々と考えている間にも ミロカロスはゆっくりとした速さだが 確実に迫ってきている・・・
一か八か・・・・だな・・・
フタチマルは素早くとび起き、「れいとうパンチ」を ミロカロスに放った・・・が・・
ミロカロス「あら・・起きてた・・・?」 フタチマル「・・・あ、あれ・・・?」
ミロカロスは 顔色ひとつ変えない・・・それどころか 微笑んでいる・・・ 確かに れいとうパンチは ミロカロスの体に当たったはずだが・・・
・・と そのとき、一瞬の隙に ミロカロスの体が フタチマルに巻きついた・・・!!
フタチマル「・・あわっ・・!? しまっ・・・」 ミロカロス「・・・話も・・聞かれてたみたいね・・・ 聞かないほうが よかったと思うけど・・・?」 フタチマル「・・う・・あ・・・あの・・ひとつ聞きたいことが・・・」 ミロカロス「・・? もしかして 逃げるための作戦かな・・? やめといたほうがいいと思うけど・・・」 フタチマル「あ、いや、そうじゃなくて・・・ さっき言ってた“イタチみたいなの”って・・もしかして フローゼルさん・・・のこと・・?」 ジャローダ「・・ん? なんか 浮き袋みたいなの着けてて・・・語尾に 変な口癖があるヤツ・・・・だったかな・・」
間違いなく フローゼルだ・・・
ミロカロス「・・・もういいかしら・・?」
???「・・おいおい、てめぇら・・・」
・・・聞き覚えのある声・・・・
???「オレの食い物に 手ぇ出すとは・・・・なかなか いい度胸じゃねぇか・・・」 フタチマル「・・・・・・!!?」 ジャローダ「あ〜あ、もたもたしてるから 来ちゃったよ〜・・・ど〜するの?」 ミロカロス「フフ・・どうしようかしら♪」
現れたのは・・・やはり ルギアさんだった・・
フタチマル「・・ル、ルギアさん・・!? な、なんで・・?」 ルギア「フン、楽しみにとっといた夕飯盗られて 黙ってるわけねぇだろ・・・!!」 フタチマル「・・ちょっ、夕飯って・・・」
そこへ あきれたミロカロスが 会話を挟む・・・
ミロカロス「あらあら、随分と食い意地の張ったルギアねぇ・・♪ ・・・・・・・・・いいわ、フタチマル君、今回は見逃してあげる♪ ・・その代わり、また遊びに来てね♪ 今度はほんとに食べてあげるから♪」 フタチマル「・・・・・・!?」 ジャローダ「・・いいの? ミロカロス・・」 ミロカロス「フフ・・、だって 相手がルギアじゃ いくら私たちでも 手に負えるはずないじゃない♪ 楽しみは とっておくものよ♪」
その言葉の後、ミロカロスは 本当に放してくれた・・・
そして・・僕は無事に帰ることができた・・・
どうやらルギアさんは本当に 今回の指令をたった一人でやってのけてしまったらしい・・・ 帰る途中、僕は 膨らんだルギアさんのお腹を見て それを嫌というほど実感した・・
その後 食堂でフローゼルさんのことをルギアさんに話したけど・・、
ルギアさんは顔色一つ変えずに 部屋に戻っていった・・・
そういえば あのときミロカロスが 「また遊びに来てね♪」 って 言ってたなぁ・・・・
行ってみようかな・・・
〈3〉to be continued
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Re: 海神〈1〉〜〈3〉修正ver(保存用) ( No.4 ) |
- 日時: 2010/12/30 23:03
- 名前: akod
- 保存終わりました…!?
これって海神の1〜3まで一緒なんですか!? すぐ修正します( TДT)ゴメンヨー
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Re: 海神〈1〉〜〈3〉修正ver(保存用) ( No.5 ) |
- 日時: 2010/12/30 23:18
- 名前: 闇銀
- こ、こちらこそわかりにくくてごめんなさい!!(orz
それにしてもお早いですね!!びっくりしました!!
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