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雷鳴の閃光
日時: 2010/12/06 19:15
名前: セイル

どうもセイルです。
まだラギ姐の話は終わってませんが、サードが出ちゃったので・・
ジンオウガの話です。
もう24体も狩っちゃいましたがww

ネタバレ+残酷です。
そのへんが大丈夫な人はどうぞ
メンテ

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Re: 雷鳴の閃光 ( No.1 )
日時: 2010/12/06 19:16
名前: セイル

黒雲が空に立ちこめ、視界が一気に暗くなる。
木々の生い茂る森が暗闇に支配された。
「ティ・・ナ・・にげ・・」
弦の切れた弓を片手に私はそいつを見上げた。
色鮮やかな碧の甲殻、鱗。
電気をため込む白い毛並み。
雷狼竜・・ジンオウガ。
私を含めた三人はクエスト終了間際に襲われ現状に至る。
ガルア先輩はその強靱な前肢に踏みつぶされ圧死。そのうえその脚下には大量の血痕。
ガリド先輩はその角に防具ごと腹部を貫かれ。その体は電気で灼かれると言う拷問紛いを受けていた。
経験も技術もない私はただ固まってしまい、その場から動けないでいた。
血の気のない蒼白のガリド先輩が私を見据え、そう訴えている。
「テ、ティナ!逃げろぉ!」
それで私は固まる体に鞭を打ち、身を翻す。
ガルア先輩は駄目だけど、ガリド先輩なら助けられる。
その可能性を見捨てて・・・仲間を見捨てて自分だけが助かろうとする。私は罪悪感に襲われた。
引き返したい。だけど・・・それでは私も先輩もきっと死ぬ。だから先輩は自分の命う犠牲に私を・・
「がぁぁぁぁっ!?」
先輩の悲痛な悲鳴。罪悪感に染まる私には耐えられない。
思わず足を止め、もう一度身を翻し・・・
「っあぁあぁぁぁぁああ!!」
ジンオウガが貪るように先輩の体から防具ごと肉を喰い千切っていた。
腕はすでに喰われたらしく、腿も防具、肉は無く姿を露わにする骨と大量の血液。
「ぁあ・・はっ・・はっ・・ひふぃ・・」
その光景は私に釘を刺すのには十分だった。
腰が完全に砕け、逃げる事も忘れ、その場にへたりこんでしまった。
その口元は深紅に染め上げられ、殻の付いた肉が喉を鳴らせていた。
「せっ、先輩っ・・」
筋や腱が牙と顎によって引き千切られ耳を塞ぎたくなるような生々しい音を響かせた。
ーグルルルッー
先輩に飽きたのか、ジンオウガは私に向かって歩を進める
逃げなければ・・これでは私も ー殺されるー
「く、来るなっ」
弦の切れた使いものにならなくなった弓を投げつける。
それは顔面に直撃するもジンオウガは歩を止めない。
「あぅっ・・」
被さるように私を押し倒し、雷狼竜の息吹が顔に吹き付けられた。
生暖かく、血なまぐさい。
雷を纏っているからなのか皮膚がピリピリした。
「人間・・・女・・?」
「っ・・は?」
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.2 )
日時: 2010/12/06 22:11
名前: リオレイア

おや?
ジンオウガに押し倒されるのか…いいな♪
彼みたいな格好いい仔も好きです。レイアには及ばないけどね!
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.3 )
日時: 2010/12/06 23:24
名前: S

ゲームでもジンオウガって捕食してくれるのかな
3rd持ってないから未交戦・・・いつか戦うであろう日には自分もお相手願います!w(別の意味で
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.4 )
日時: 2010/12/06 23:33
名前: セイル

リオレイア様
やっぱりリオレイアには及びませんか・・
残念です

s様
ちゃんと捕食してくれましたよw
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.5 )
日時: 2010/12/06 23:53
名前: ロンギヌス

3rd…ちょっと和風っぽい所があったけど、ジンオウガがいるから問題なし!

ジンオウガかっこいいですよねぇー…
(個人的にはシャンロンと良い勝負
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.6 )
日時: 2010/12/07 02:21
名前: リオレイア

そりゃあ……
レイアはリアルに嫁にしたい!んですもん……
なに?異種?竜姦?知るか!そんなもん!
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.7 )
日時: 2010/12/12 18:57
名前: セイル

ジンオウガが発したもの。
単語だけを紡ぎあわせた言葉だった。
血の涎を滴らせたまま、その瞳は私を捉えて離さない。
「女・・殺気・・ない・・」
ジンオウガは私に被さったまま動こうとはしない。
何かに迷っているとはいえ危険なことには変わりない。
しかし、体はジンオウガの下敷きになり、身動き一つ取れないでいた。
「どうしたの?そんな・・表情・・・」
張りつめていた気が抜け、その表情は崩れていた。
疑問に思った私は無意識にそう口を開いていた。
言葉が通じるならどうにか説得すれば助かるかもしれない
「生物・・逃げる・・自分・・一人・・」
肩も尾も元気なく垂れ、その酷さは悟った。
ジンオウガはその存在故に、他生物は獣の本能が彼を避けているのだ。そういうつもりが無くとも常に孤独を味わう事になる。
いくらモンスターとはいえ、彼も生きているのだから。
「・・辛かったね・・」
私も表情を崩し、その頬に優しく手を差し伸べて・・
ーグルルルッ!ー
「ぐぅっ!?」
差し伸べた手が届く前にジンオウガの前肢が振り下ろされた。
右肩に鈍痛が駆け巡った。
「黙れ・・人間・・理解・・ない。自分・・苦痛・・絶対・・分からない・・」
「ぁぁぁっ!」
ジンオウガの前肢が骨を苦しめる。ミシミシと鈍い悲鳴を上げ始めている。
表情は再び怒りに。毛も雷を纏い、乾いたを音を鳴らす。
「女・・喰らいたい。」
ジンオウガが首を仰け反らせ、牙を剥く。
先輩の血で生々しい紅い牙が顔を覗かせた。
「いやぁぁぁっ!」
が、牙が捉えたのは肉ではなく、防具だった。
安価な防具なので、鉱石などではなく縫合で生地どうしを留めているタイプの防具だ。
牙が私から防具を喰い千切ってゆく。
「あうっ・・やめっ・・・」
狼が餌を貪るように防具に牙を引っかけ力任せに喰い千切る。
獣独自の荒い息づかいが私を逃避させない。
 ー自分が今、まさにジンオウガに捕食されようとしているー 事から。
数秒もしないうちに私の防具はインナーまでに剥がされた。
先程捕食された先輩の血糊と唾液がべったりと塗り込まれて。
「ま、まって・・・まだ・・死にたくない・・」
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.8 )
日時: 2010/12/12 19:05
名前: S

蒼阿修羅も逃げてくくらいじゃ仕方無い。・・・まだプレイしていないけど、まぁいいか(笑
防具はレザーかユクモ装備・・・なのかな?この際ならいいじゃないですかw
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.9 )
日時: 2010/12/12 23:33
名前: ロンギヌス

おお…ジンオウガの性格(言葉づかい?)がいいかも…

ていうか浅装備でジンオウガ狙うのもどうかと思いますけどねw
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.10 )
日時: 2010/12/13 00:40
名前: リオレイア

ジンオウガの気持ちが分かる…
2Gでレイアが脚を引きずっていると攻撃をためらってしまうし…
モンスターを討伐や捕獲だけでなく、「お持ち帰り」があったら良いのになぁ…素材や報酬なんて要らないから…
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.11 )
日時: 2010/12/15 19:44
名前: セイル

首を何度も横に振り、目に涙を浮かべる。
「大丈夫・・・痛み・・ない・・」
「違う!そうじゃなくて死にたくないっていってるの!」
「うるさい・・」
声を荒げたのが間違いだった。
右肩の前肢の圧迫が強められた。
自分の命はジンオウガのもの。生きるも、死ぬもすべてはジンオウガ次第。彼を怒らせるのは得策ではない。
「自分・・腹・・減った・・何か・・喰べたい・・」
「だからっ・!?がぁぁぁぁぁっ!!」
蓄電された背中から電撃が私を襲った。
視界が一瞬で真っ白に染まり、体が灼かれる。
「喰べる・・でも・・痛み・・ない・・」
電撃によって乾いた頬の皮膚をジンオウガの舌が舐め上げた。
べったりと生暖かい唾液と血糊が頬に残された。
「ひぅ・・」
体のダメージは大きく感覚も鈍くなってきている。
そんな中頬を舐め上げる舌だけは確かに感じられた。
いよいよ・・・喰われる・・と。
「女・・優しい・・男・・酷い・・」
「・・何をいってるの?」
「女・・喰べない・・本当・・でも・・喰べない・・自分・・死ぬ・・」
単語だけを並べる声。正直言っている事がいまいちわからないがこれだけは分かった。
生きるために仕方なく人間を喰らっていると。
でも、本当は喰いたくないと。
「・・何・・?」
「私の命・・あげる・・自由に使えばいい・・」
私はハンターだ遅かれ早かれ、狩場で散る命なのだ。
モンスターを狩ることが人の役に立つこともある。
こういう方の役に立つのもいいかもしれない。
先輩のいない狩猟生活なんて私にはできない。
「女・・悲しい・・?」
「いいの・・心配しないで・・」
涙を流す私に驚いたのか、捕食の為に開いた口が少し狭まった。
捕食されることにあれだけ恐怖があったのに、考え方一つでその恐怖は消えていた。
涙の頬をジンオウガが舐め上げる。
狭まった口が再び開き、いよいよ捕食が始まった。
肉厚の舌が体全体を舐め始めた。
「んぁっ・・ぅっ・・あっ・」
時折体に走る快感。身を捩り、喘ぐものの、ジンオウガはその前脚でガッチリと体を押さえつけ抵抗を許さない。
ジンオウガの蹂躙がは続く。
余すところなく舌は私を舐める。
唾液と舌が擦れ、変に感じさせられ、血糊を塗り込まれるものだから、私の体はほんのり紅くなっていた。
「んぅっ・・や、やめっ・・」
これは単なる味見ではなく呑み込む時に滑りやすくするための行為だ。
私は数十分もの間ジンオウガに舐められ続けた。
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.12 )
日時: 2010/12/15 21:16
名前: S

ジンオウガ何処となくカッコよす・・・
それから舐めまわす事で飲み込みやすくするなんて、ただ遊び感覚でしか自分は捕らえてなかった(汗
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.13 )
日時: 2010/12/16 16:30
名前: リオレイア

ジンオウガが可愛く思えてきた……
もし、ミニサイズなら家で飼いたいな♪
勿論、餌は自分で
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.14 )
日時: 2010/12/20 19:29
名前: セイル

「女・・頂きます・・」
小さく呟かれた言葉。
少し小さめの口 ー私からは巨口だがー が目一杯に開かれ涎が大量に滴り落ちる。
どれだけの間、餌を食べる事が出来なかったんだろう・・
そんな事を考えていたら視界は真っ暗になった。
ジンオウガに頭を咥えられたのだ。
獣独自の生暖かさと生臭さが漂い、血の臭い。
先輩だったものもここを通ったのだろう。
ねっとりとした粘液が口内を覆い、口内の肉がぐにゅぐにゅと蠢いている。
舌が体を巻き取り、顎の動きと共に無抵抗の餌を口内に引き込んでいく。
甘噛みも舌の責め苦もないままに舌は私を運んでいく。
もう一度だけ舌は体を舐めて高粘性の唾液を塗り込んだ。
呑み込んだ時に引っかからないように。
「・・先輩っ・・」
喉が鳴った時、こんなによく聞こえるんだ・・・
体がジンオウガ呑み込まれていく。
頭から喉へ流し込まれ体が肉洞に触れる。
緩やかな蠕動に私は引き込まれていった・・・

 * * * 

ジンオウガの喉を生々しい膨らみが下っていく。
ゆっくり、ゆっくりと・・・
辺りの草ヶはジンオウガの唾液でべったりとし、酸化して黒ずんだ血も広がっていた。
「グルルルルゥ・・」
彼は満足そうに喉を鳴らして空を見上げた。
彼にとって孤独は付き物。彼は孤独にしかならない。
ティナという膨らみも胃袋に収まり、落ち着いていた。
戦うときだけが孤独を忘れられる。
ハンターを殺し、捕食し、ティナを呑み込んだ。


彼は独りになった。
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.15 )
日時: 2010/12/20 20:43
名前: S

3rdようやくプレイしてみると、ジンオウガまで行けるかな・・・
早い所捕食を行なう大型にむしゃむしゃされたい
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.16 )
日時: 2010/12/21 07:00
名前: リオレイア

ジンオウガたんは独りじゃ無いよ!
何時でも僕がそばにいてあげるから!その代わり…もぐもぐしてね♪
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.17 )
日時: 2010/12/24 13:19
名前: セイル

私の疲弊していた体は微睡みに支配されつつあった。
ジンオウガの胃袋はちょうど良い温度と湿度。
高級布団のような柔らかさを持っていたのだ。
そこに寝かされるように胃袋へ流し込まれた私はすぐに動けなくなった。
気持ちよすぎる胃袋に動くのが億劫に感じられた。
胃液の分泌はまだ無かったが時間の問題だろう。
胃袋に収めた私を溶かさない事はないだろうから。
痛みを感じさせないようにここで意識を奪ってから消化を始める気なのだろうか。
そもそもこの胃袋に生きたまま収められるのは私は初めてだろうか。
・・私には答えを知る術はない。
まぁ・・答えを急ぐ必要はない。私はここでジンオウガの糧になるのだから・・もうじきに・・
その答えはジンオウガだけが知っている。
「・・せ・・ん・・ぱい・・っ・・・」
私の意識はジンオウガの胃袋に喰われていった・・

 * * * 

体が冷たい・・というよりも空間自体が冷たいような・・
ここは・・地獄・・だろうな・・・
モンスターとはいえ尊い命を奪い続けたのだから天国であるはずがない。
・・息苦しい・・どうしてなのかわからないが、息苦しい。
息が続かない。苦しい・・・もう・・限界っ・・

「っはぁ!」
体を勢いよく起こし、大きく口を開けて空気を貪る。
水しぶきが上がり私は目を疑った。
ここは・・・現実・・?
「・・起きた・・大丈夫・・?」
体は水に浸かり、前には単語だけを紡ぎ、喋るジンオウガ。
・・私は助かったのか・・
「自分・・女・・吐き出した・・」
「・・どうして・・?」
「自分・・独り・・もう・・嫌・・」
「・・そう・・辛かったんだね・・」
私は重い体を起こし、手を伸ばす。
今度は拒絶されることなくその頬に触れる事が出来た。
耳が垂れ、肩が落ち私の手を愛おしそうに双眸が動いた。
ジンオウガは吐き出した体液まみれの私をここまで運び、体液を洗い流してくれたのだ。
一歩間違えれば危険だが・・・・
「私はティナ。」
「ティナ・・分かった・・」
よろしく。とでも言うように頬をジンオウガの舌が舐めあげた。
私は微笑んで頭を撫でた。
「ティナ・・体・・動く・・?」
「え、あ・・んっ・・」
上体を起こすことができても体を動かすことは出来なかった。
まだ、体は重く、鈍く痛む。
「ちょっと・・動けそうもない・・・かな・・」
ジンオウガは喉を鳴らし、口を少し開くと私を咥え込んだ。
「え?ちょっ・・また、食べる気っ!?」
あの時は死ぬと割り切ったからこそ恐怖はなかったものの流石にあんな体験は御免だった。
「違う・・今・・腹・・減ってない・・」
「あ、そう・・」
どうやらジンオウガの行き先まで一緒に運んでくれるようだ。
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.18 )
日時: 2010/12/24 20:28
名前: S

行く先には一体何が・・・それに咥えて運ばれるなんて、さらに羨ましい・・・w
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.19 )
日時: 2010/12/25 06:54
名前: リオレイア

ジンオウガたん……
もう鼻血が止まらないよ…
僕なんかで良いならいくらでもそばに居てあげるから…
もぐもぐして欲しいなぁ………
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.20 )
日時: 2010/12/27 18:16
名前: セイル

太陽が沈み、代わりに月が夜空に舞い上がる。
満月の月光が大地を照らす。
「ティナ・・寒い・・?」
「ううん・・暖かいよ。心配しないで。」
服代わりの防具はジンオウガに剥がれたままでインナーだけの私にとって夜は寒いものだった。
ブルブルと震える私に気づいたジンオウガは私を暖めてくれた。
ジンオウガが私を抱き取る。
流石はモンスターと言うべきか基礎体温が高く、こうしているだけで、十分な熱を私に与えてくれた。
「ティナ・・ずっと・・一緒・・」
私の意識は次第に微睡みに溶けていった。

 * * * 

ジンオウガの背に乗り、自分の足では行けないような秘境に連れていってもらった。
ケルビを狩ってもらい、皮を剥いで簡易の服を作った。
ご飯だってジンオウガに作ってもらった。
電撃で灼くものだから真っ黒焦げになるがそこさえ我慢すれば決して悪いものではない。
・・・今日もそんな一日だと思っていた。
「・・ティナ・・人間・・匂い・・する・・」
「・・ハンター・・?」
と、私たちの前方に二つの人影。
赤い服に似た防具を纏い、細身の武器。
  ーーギルドナイトーー
ギルド直結のハンター達の精鋭だった。
私は息を呑み、身を固めた。
「ティナ・・あいつ・・喰べたい・・」
「・・今は我慢して・・」
ジンオウガの背から降り、私を同様に歩を進める。

「ティナ・アーゲンハルツ・・」
私の本名・・内部情報は完璧か。
「そのジンオウガをこっちに渡せ。」
「・・どうする気ですか・・?」
「お前もハンター端くれ、言わなくとも分かるだろう?」
ーーモンスターは殺すーー
それ以下でもそれ以上でもない。我々人類に対して有害だから殺す。
・・ジンオウガは殺される。
「ガリド、ガルアはそいつに殺された。ならばそいつもそれ相応の報いを受けるべきでは?」
確かに先輩の命を奪ったのはこのジンオウガだ。
本来なら私はこのジンオウガが怨むはずなのに現在に至ってはこのジンオウガと共生している。
何故・・私はジンオウガと?
先輩の仇を取るべきでは?
「そのナイフでそいつを刺せ。そいつを殺せ。」
そうだ・・私はハンターだ。
モンスターを狩る事が生業だ。
仇を討てる上に元の生活に戻ることができるのだ。
「・・・・・」
私は腰にある剥ぎ取り用のナイフを手に身を翻す。
「・・ティナ・・?」
私の名を単語として紡ぐジンオウガ。
ジンオウガを殺せば・・元の生活に戻れる・・?
いや、戻ることはできない。
先輩はもいないのだから。元に戻ること叶わないのだ。
そして自分の命はジンオウガにあげた。
生きるも死ぬのも彼に委ねられている。
この人間達はジンオウガを殺そうとしている。
だったら、やることは一つ。
 ー彼を護ることー
「ジンオウガっ!にげっ・・・」
口を開き、言葉を紡いだ矢先、鈍い衝撃と共に喉を何かがこみ上げた。
粘っこい液体。鉄っぽい味。
紅い鮮血が中に舞う。
「つぅ・・?」
その細身の刀身が私の腹を貫いていた。
「な、何故っ・・?」
「初めからお前には期待してない。奴の始末は私らがする・・お前もここで死ぬがいい。」
っ・・ここで倒れる訳には・・
膝に力が抜け、体が急激に重くなった。
視界も揺らぎ、体は言うことを聞かない。
「ジン・・オウガ・・逃げ・・て・・・」
精一杯に声を発し、言葉を紡ぐ。
気付けば私の体は地に伏していた。
ーグォォォォォォォオオオオッ!ー
怒りを含んだジンオウガの咆哮。
激しく雷が弾け、乾いた音が響くー
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.21 )
日時: 2010/12/27 20:15
名前: S

な・・・なんと・・・弓を使えるガンナーって凄いのに・・・(自分使えないから
なんて問題じゃなくて、兄貴に散々付き合わされて、沢山ジンオウガ討伐しちゃったけど
自分も反逆者の一味になってこの際・・・w
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.22 )
日時: 2010/12/27 20:58
名前: suit

ティナがピンチ!ジンオウガ!!頑張って彼女を守るんだ!!
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.23 )
日時: 2010/12/27 22:39
名前: akod

うわぁお腹を切っちゃいましたか…
腹切るとすぐ治療しないと…大変なことに!
続きが楽しみ
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.24 )
日時: 2010/12/27 23:56
名前: リオレイア

くっ!なんで組織ってのはこう融通が利かないんだ!
ジンオウガ!負けるな!愛する人を守るんだ!
くそ…できるなら10式戦車を駆って援護に行きたい!
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.25 )
日時: 2010/12/29 13:39
名前: セイル

「ティナぁ・・」
「大丈夫・・心配しないで・・」
今にも泣きだしそうな表情で私にすり寄ってきた。
無数の切創を負い、角も片方折られていた。
口元が紅いのは彼らを喰らったからだ。
なに言ってるんだろうな私・・・・
大丈夫な訳がない・・このままなら私は死ぬだろうな・・
「あなたの生命力なら大丈夫・・」
私はジンオウガの体を借りて体を起こし、奴らからくすねた回復薬の蓋を開けた。
「暫く・・隠れてて・・必ず、逢いにくるから・・」
「自分・・いい・・それ・・ティナ・・分・・」
一つ目をジンオウガに飲ませ、二つ目の蓋を剥いだ所でジンオウガが腕を止めた。
「大丈夫・・ちゃんと飲んで・・ね?」
納得がいかなさそうに小さく喉を鳴らし、閉じた口が開かれる。
そこに二つ目の薬を流しこんで、私はその両頬に手を添える。
「いい?暫くは隠れること。誰にも見つからないこと。いいね?」
「・・・ティナ・・?」
「大丈夫・・必ず逢いに来るから。」
ジンオウガの舌が頬をなぞる。
これは理解の合図だ。ジンオウガは身を翻し、私から去っていった・・・

 * * *  

流血を続ける腹部を押さえ、重い足を賢明に動かす。
脂汗が額に滲み、顔も蒼白だ。
「はぁ・・・はぁ・・」
こんな所をモンスターにでも襲われたらひとたまりもない。
幸い、滴る血が私への道しるべになっているので、ジンオウガが心配になれは追うことはたやすい。
が、私にとってはそうであって欲しくないのだが。
「・・もう・・ダメ・・」
遂に私は限界を迎えた。
地に伏せ、体が全く動かない。
視界がぼやけ、意識がゆっくり遠のいていく。
「・・・い!・・し・・ろ!・・」
私に声をかける人影。誰かは分からない。
そうこうしているうちに私は地獄へと・・
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.26 )
日時: 2010/12/29 13:45
名前: リオレイア

ティナ…
死んじゃダメだ!
もう一度ジンオウガに逢うのだろう?
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.27 )
日時: 2010/12/29 19:07
名前: S

やっぱジンオウガ強え・・・w
再会出来る事を祈ります
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.28 )
日時: 2010/12/29 22:59
名前: suit

ティナとジンオウガ•••一体二人はどうなるんだろう?また会える事を祈るよ•••
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.29 )
日時: 2010/12/31 22:04
名前: セイル

不意に目が覚めた。
純白の天井。隣には使われていないベッド。
私は帰ってきたの?
「お、起きたか?」
「・・ウェイズ・・」
彼もまた私の先輩で知人である。
たまたま体調を崩しこの前のクエストを辞退していた。
その結果が難を逃れた訳だ。
「ガルア、ガリド・・残念だったな・・」
「・・すみません・・私だけ助かって・・」
頭に衝撃。先輩の拳が命中。
「馬鹿。生きていることに感謝しろ。」
「・・はい・・」
「衰弱が酷いからな。安静にしてろ。」
「はい・・ありがとうございました。」
ウェイズは私に微笑むと部屋を出ていった。
ーおい。聞いたか?ー
ーあぁ・・やべぇジンオウガが現れたって話だろ?ー
「ジンオウガ・・!」
慌ててカレンダーに振り返る。
・・・約一週間ほどたっている。
やばいジンオウガとはたぶんあのジンオウガの事だろう。
隠れてと言ったはずなのに・・
私はベッドから降りてギルドのカウンターに向かう。
ここは病院とギルドは一体になっており、すぐにカウンターに向かえる。
体が鈍く痛む。フラフラで上手く歩くこともできない。
「クエストお願いします・・・」
驚いた受付嬢が貼り紙を手にする。
受けるのは素材ツアーだ。今の私にはこれしかない。
「お名前は?」
「ティナ・アーゲンハルツ・・」
「・・申し訳ありませんが、貴方をクエストに出す訳にはいきません。それに現在この狩場はジンオウガが出現中で・・」
貼り紙を私に差しだし、受付嬢が頭を下げる。
「急用なの!お願い行かせて。」
声を荒げる。ちょっと歩いて喋っただけなのに息が上がってしまう。衰弱は相当なようだ。
彼は私を待っている。だから私は早く彼に逢いに行かなければならないのだ。
「しかし・・貴方もそんなお体では・・」
「関係ない!!お願い!行かせて!!」
机に拳を叩きつけた。鈍い音が響き静寂が訪れる。
その中、私の息づかいだけが響く。
が、少しすると静寂はざわめきに飲み込まれた。
「わかりました。特別に認めます・・・」
「・・ありがとう・・はっ・・ふっ・・」
「ですが、迎えが著しく遅れる可能性がありますが・・」
「構わない。多分、もう帰ってこないから。」
ーえっ?ーと悲鳴に似た声を受付嬢が吐いたが私は気にする事なく私はギルドから迅速に狩場に足を運ぶ
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.30 )
日時: 2010/12/31 22:47
名前: リオレイア

さあ!ジンオウガ、見せ場だ!漢を見せてみろ!
末永くお幸せに…
では、良いお年を!
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.31 )
日時: 2011/01/01 18:01
名前: セイル

リオレイア様

遅れてごめんなさい
あけましておめでとうございます
小説頑張って行きましょうね
今年も僕の小説をよろしくお願いします
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.32 )
日時: 2011/01/02 17:32
名前: セイル

「嬢ちゃん・・そんな格好でいいのかい?」
竜車の手綱を手にした老人が私に問う。
武器も持たず、防具は白衣のようなもので紙に等しい。
そんな人間が狩場に行くのだから尋ねられない訳がない。
「お気遣いありがとうございます。」
私は頭を下げ、ー大丈夫ですー と続けた。
竜車に揺られて四時間。狩場に着く。
「危険な所、竜車ありがとうございます。これはお礼です・・」
腰のポーチから紐で縛った袋・・・10000ゼニーを老人に手渡す。
「・・!?じ、嬢ちゃん!こんなお金っ・・」
老人が引き留めるより先に私は竜車を飛び出していた。

 * * * 

ークォォォォォオオオッー
ジンオウガの咆哮が狩場に響いている。
孤独で悲痛な咆哮だ。
「ごめん・・ジンオウガ・・」
胸が苦しい。こんなになるまでに苦しめたのは自分だ。
ー必ず逢いに来るー って言って一週間も放っておいたのだ、もしかしたら怒っているかもしれない。
「・・いま行くからね・・」
ちょっと歩いただけで息が上がった。
苦しい。休みたい。
だけど、ジンオウガはもっと苦しんだ。
一秒でも早く楽にしてあげたい。
私は重い足を、体を懸命に迅(はし)らせる。
水を跳ね、草を揺らし、木々を抜ける。
ジンオウガ・・そう名を呼びながら。
ーグォォォォォオオオッー
咆哮。かなり近い。
あちらも私の存在に気付いたようだ。

・・・どこにいるの?

そう、聞き取ることもできた。
「ジンオウガ!」
だから、私も叫んだ。

・・貴方はどこにいるの?

私の呼吸は乱れ、浅い。
倒れてもおかしくはない。
だが、倒れないのはジンオウガがいるからだった。
ージンオウガに逢うー それだけが私を突き動かしていた
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・」
息は完全に上がり、呼吸はかなり苦しい。
ジンオウガ・・どこにいるの・・?
この狩場はあらかた調べたのだが、見つからない。
ひょっとして・・いや、さっきまで吼えていた。
そんなはずはない。
ーグルルルゥー
「・・・ばか・・」
獣の唸り。威嚇ではない。
忘れなかったあの声だ。
「ジンオウガ・・」
あの時と全く変わらない姿。
少し大きくなったかな?
「本当に・・馬鹿っ・・・」
安堵した私の体は崩れた。
「ティナ!」
地に倒れる寸前にジンオウガが私の体を支える。
「ティナ・・大丈夫?」
「馬鹿・・馬鹿っ・・・」

  やっと逢えた。

「・・・ごめん・・・」
「・・寂しかった・・」
「赦(ゆる)してくれる・・?」
ジンオウガが頬を舐め上げる。
「・・・ありがと・・」
「ティナ・・もう離れない?」
「えぇ・・ずっと一緒・・」
私はその前脚に優しく抱きついた。
ジンオウガはもう片方の前脚を重ね、顔を寄せる。
ジンオウガなりの抱擁だった。
私はもうハンターを辞める。
己とモンスターが傷つく仕事はもう辞める。
私はこのジンオウガと生きていく。
モンスターを狩るのではなく、互いに認めあって、共生する事は可能ではないのだろうか?


    私はその礎になりたい。



 * * * 

ーおい・・知ってるか?ー
ーああ・・人間を連れたジンオウガだろ?ー
ー・・ティナ・アーゲンハルツだってよ。ー
ー何っ!? 竜語の聖女が?ー
ーそうだってよ・・ー

時々、狩場に人間を連れたジンオウガを見ることがあるとハンターの間で噂になっていた。
たまに他のモンスターと会話している事があるという。
何を言っているのかはわからないが会話していた。
モンスターと喋れる・・竜語の聖女。


「お願い・・少しここから離れてくれないかな?」
彼女の前にはリオレウス。
不機嫌そうに喉を鳴らしている。
・・交渉は決裂。
「・・・ごめんね・・行こうかジンオウガ。」
「次はどうするの?」
「・・・どうしようか・・?」
彼女を悪く言うハンターもいる。
だが、それが正しいとは限らない。
彼女は傷つく事なく手を取り合える世界を求めていた。
彼らは、雷鳴の閃光と共にその歩を進める。

「ジンオウガ・・」
「ティナ?」
「ずっと・・一緒だよ・・」
 
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.33 )
日時: 2011/01/02 18:03
名前: リオレイア

うう………ぐす……
こんな、モンスターとの関係があっても良いじゃないか!
お二人とも末永くお幸せに…
メンテ
Re: 雷鳴の閃光 ( No.34 )
日時: 2011/01/04 08:00
名前: suit

人とモンスターの共生···二人は感動の再会してよかった!ティナとジンオウガお幸せに!!
メンテ

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