Re: 過去 ( No.1 ) |
- 日時: 2010/06/21 04:19
- 名前: Ryu
- 例えば、お店に忘れてきて無くしたものがあったとしても、
戻ってみたらもしかしたら取り返すことが出来るかもしれない。 ものは、取り返すことがまだ出来る。
しかし、失った時と、そして命は取り返すことなど不可能なのだ。 過去を変えることなど、決してありえない。
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何時の事だっただろうかと、財宝の山に蹲る巨竜は思考を巡らせる。 偶然出会った一人の少年を愛し、楽しい時を過ごした時間を、左右で体を分け合う白と黒の竜は思う。
人が、竜と比べるとあまりに短命なのは知っていた。 体がもろい事も知っていた。 あの少年と過ごし、他の動物にはない表情豊かな姿も知った。 少年が、いつも生傷が絶えない事までは、竜の中ではまだ若い方であった為、理解する事は出来なかった。
あの時、ああすれば良かったと未だに思う事がある。 しかしそれはもう過ぎ去りし過去の事。 時は常に流れ、記憶という砂をその風でサラサラと流していく。 あの少年と何処で会ったかは覚えていても、いつ会ったのか、 そして何故、その少年を亡くさなければならなかったのかと…
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Re: 過去 ( No.2 ) |
- 日時: 2010/06/22 00:06
- 名前: ケイル
- なんだか詞的な始まりですが、不穏な空気が漂ってますね・・・!
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Re: 過去 ( No.3 ) |
- 日時: 2010/06/22 02:16
- 名前: リオレイア
- 初めまして、こんばんは。
二作とも読ませて頂きました。良いなぁ……二人とも……… 今回も愛捕ですかな?期待しています。
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Re: 過去 ( No.4 ) |
- 日時: 2010/06/22 21:03
- 名前: Ryu
- 僕はやみくもに、痛む体を引きずって逃げていた。
ついにばれてしまった、僕と竜の関係。 いつものように、夜中にこっそり森へ向かったつもりが、最近の僕を怪しく思った集落の人に見つかったみたい… 集落の人々に囲まれ、訳のわからない罵声を浴びせられ、容赦なく……
すごく、体が痛い……会いたいよ…
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不意に何かを感じ、眠った体をムクリと起こす。 もう既に月が丸く上空に浮かび、木々の間を光が照らす。 早くに寝すぎたか…しかし、この心に感じる違和感は何だ?
全身が黒くなった、黒竜バーンが目を覚まし、森の中を歩き始める。 基本的に草食で、大人しい性格であるものの、その巨体は他の野生動物を圧倒し、 恐怖を与えるには申し分のない姿をしている。 ゆえに彼が歩くだけで森は静まり返り、ひっそりとするのだが… 今日は、何かが違った。
『血の匂い……人間のか…?』
この森に来る人間と言えば、例の集落のヤツらか、 もしくはあの少年か。 なんだか胸騒ぎがする……黒い竜はガサガサと、血の匂いに向かって足を速めた。 生まれて初めて感じる焦りを感じ、血の匂いを辿り、ガサリと少しひらけた場所に出た。
そして、一番想像もしたくないものを目にしてしまった。
(っと、一先ず今日はここまでで…)
・ケイルさん いっつも愛捕だったので、少々危ないものにしてみようかな…って感じですね…w
・リオレイアさん 此方こそ、始めましてw さっぱり愛捕ではなく、暴竜という名を与えられたきっかけの話になります。 ゆえに、鬼畜捕…になるのか?
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Re: 過去 ( No.5 ) |
- 日時: 2010/06/22 23:22
- 名前: Wyvern-D
- あっれ、どっかで見たような名前の黒竜さんが・・・w
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Re: 過去 ( No.6 ) |
- 日時: 2010/06/23 01:06
- 名前: S
- お初です
複雑な関係でこれからどうなるやら・・・ 本当に名前の方はどこかで聞いた事があるな〜w
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Re: 過去 ( No.7 ) |
- 日時: 2010/06/23 09:50
- 名前: Ryu
- ・Wyvern-Dさん、Sさん
此方こそお初ですw むっ? どっかで聞いた事があると言うと、うちの子の名前、どっかでかぶってるのかな…?
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Re: 過去 ( No.8 ) |
- 日時: 2010/06/23 16:02
- 名前: リオレイア
- 鬼畜捕ですか…
どんな風にされるんだろう…… 少しされてみたい気持ちがあったりww ………ドラゴンさん大好きですから♪
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Re: 過去 ( No.9 ) |
- 日時: 2010/06/23 23:05
- 名前: ケイル
- 異種族間での友情、村から追い出される少年・・・
不吉な始まりですねー そして既に最初の投稿で、結末が示唆されてるようですが、 これは何か別の意味で考えられるのだろうか・・・w
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Re: 過去 ( No.10 ) |
- 日時: 2010/06/24 17:28
- 名前: Wyvern-D
- 自分も鬼畜大好きですww
自分はやっぱりドm(オイw
名前は、チャットで見かけたんですけどね・・・w
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Re: 過去 ( No.11 ) |
- 日時: 2010/06/26 21:18
- 名前: Ryu
- 眼下に映るのは数匹の若い狼。
先ほど群がったのだろう、獲物を今食らおうと咥える最中だった。 その群れの中央に、細い人間の体がグッタリと横たわっている。 ビクッと振り向いた狼はその腕を咥え、その腕はダラリとしな垂れ、ピクリとも反応がない。
『こ、小僧………っ!』
唸り声を上げ、すぐさまその体に駆け寄る。 キャンキャンと狼達は脱兎の如くすぐさま逃げ出し、倒れた少年を抱き上げる。
『こ、小僧……おい、じょ…冗談だろう……?』
バーンは、抱き締めた少年を必死で揺すり、声を掛ける。 冷たい…抱き締めているのに、あの暖かい温もりさえない。 揺すってもカクカクと首を振り、足もブラブラと揺れるだけ。 閉じられた目は開く事もなく、揺する動きで口からツゥ……と赤い血が流れ落ちる。
『……嘘…だろ……?』
人が、竜と比べるとあまりに短命なのは知っていた。 体がもろい事も知っていた。 あの少年と過ごし、他の動物にはない表情豊かな姿も知った。 少年が、いつも生傷が絶えない事までは、竜の中ではまだ若い方であった為、理解する事は出来なかった。
しかし、腕の中の彼はもう笑わない。 いたずらに怒る顔も、甘えるような寝顔も。 ただそこにあるのは、変わることのない温もりを亡くした虚無だけである。
『グオオォォォォォォ………ッ!!』
ビリビリと森が震え、大地が脈動する。 誰に教えられるともなく悲しみの咆哮を上げ、涙を流す。 行き場の無い悲しみが留まる事無く涙として溢れ、愛していたそれを抱き続ける。
『何故だ……何故…うっ………?』
ふと気付く。 狼に襲われたものだと思ったが、牙の傷と呼べるものはほぼ皆無。 だがこれはどういう事なのだろうか? 頬は赤く腫れ上がり、後頭部には窪みすら触れて感じさせる。 衣服を爪で剥げば、内出血とも見られる打撲が体中を走る。
決して、森の動物達が原因の傷ではない。 熊でもなく、狼でもなく、………そうして結論は過去から搾り出される。
----僕は復讐が…----
『そうか……そうかそうか、これが…これが人間かっ!』
バサッと、黒き翼が月を覆う。
(今日もここまで……うん、次は実際に捕食に行けるかな…?)
・リオレイアさん きっと予想とは違いまっせ…w でも、ドラゴンだからこそ許せ…って許せるかなぁ…?w
・ケイルさん まんま、まんまですよ意味はw とりあえず続き早く書く様頑張ります^^
・Wyvern-Dさん 自分は愛捕好きとしてドm(コラ
あ、そういう事でしたか…w
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Re: 過去 ( No.12 ) |
- 日時: 2010/06/26 23:08
- 名前: S
- 我を忘れて自我に目覚めたのかな
優しそうなドラゴンさん怒らせて次回ヤヴァそう・・・
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Re: 過去 ( No.13 ) |
- 日時: 2010/06/27 16:15
- 名前: リオレイア
- 続きが気になりますなあ・・・
展開からすると村人さん総出でバーンのお腹にレッツGO?
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Re: 過去 ( No.14 ) |
- 日時: 2010/06/27 21:05
- 名前: ケイル
- さっそく主人公が・・・
悲しい復讐劇が始まっちゃいそう・・・!
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Re: 過去 ( No.15 ) |
- 日時: 2010/07/02 20:09
- 名前: Ryu
- 不意に目を覚まし、ムクッと体を起こす。
時計を見てみれば、まだ日日が変わったばかり。 あの少年を、集落の仲間たちの報告により、追い出したのだが…果たしてそれで良かったのか? よそ者でこそあったが、言う事は何でも聞いてくれたではないか…
年老いた集落の長は、その事ばかりにとらわれ、寝苦しそうにゴロゴロと粗末なベッドの上を転がる。 明日にでも、あの少年を保護しておこう…そう心に決め、重くなった瞼を閉じていく……
その時だった。
「ギャアァァァァッ!!」 「ゲエェェェエェッ!」
おぞましい叫び声が、外から激しく発せられる。 若い男の叫び声や、女子供の悲鳴。
「な、何事じゃっ!? ……ば、ばっ…馬鹿な…… 」
慌てて外に出てみれば、そこは…地獄だった。
地獄の業火のように周囲は燃え、ガタガタと焼けた家が崩れていく音が響き、 パニックで狂ったように逃げ惑う者 炎に包まれ、その場に崩れる者 下半身が崩れた木材に挟まれ、呻く者 そして…
「お、お願い……いやあぁあぁぁ!!」 バクッ ゴクリ…
一匹の、黒い巨竜が目の前で、捕まえた泣き喚く女性を口の中に落とす姿だった。
(今日はここまで〜…)
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Re: 過去 ( No.16 ) |
- 日時: 2010/07/02 23:02
- 名前: Wyvern-D
- 遂に来ましたか、逆襲・・・・w
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Re: 過去 ( No.17 ) |
- 日時: 2010/07/02 23:31
- 名前: ケイル
- ぎゃああ
長老さんも悪いとは思ってたんですね・・・悲しい物語
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Re: 過去 ( No.18 ) |
- 日時: 2010/07/03 00:19
- 名前: リオレイア
- 女性羨マシス…
村長さんは罪悪感持ってたんですね。助けてあげるのかな?
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Re: 過去 ( No.19 ) |
- 日時: 2010/07/03 09:47
- 名前: S
- 追い出したんだ理由はなんだったんだろ・・・
それにしてもあの優しそうな感じから性格が・・・黒くなったw
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Re: 過去 ( No.20 ) |
- 日時: 2010/07/10 19:39
- 名前: Ryu(レス返し)
- (ちょっと文章を打つ調子が悪いので、更新は先送りになります〜……復帰の予定は未定orz)
>Wyvern-Dさん えぇ、そういう内容になりまする…w
>ケイルさん まぁ理解はある方…なんですよね…w
>リオレイアさん さて、どうなるかは…w
>Sさん それは後から、話の内容で明かしていきますよ〜…w
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Re: 過去 ( No.21 ) |
- 日時: 2011/03/10 12:05
- 名前: Ryu
- (かなり遅いけど、ようやく更新! どうにか完結まで持っていきたい…)
『クフフフフ……』
眼下に映る悲惨な光景を忘れ、ただ目の前の黒き悪魔のような輩に目が奪われる。
その竜…少年がバーンと名付けた黒竜が、青い瞳で村長の姿を捉え、決して離さないとばかりに見つめてくる。 今しがた飲み込んだ、喉の獲物の膨らみがゆっくりとお腹へと下る。 その先は既にふっくらと不自然に膨らんでおり、下ってゆく膨らみがそこに合流し、より一層膨らみが増す。
「お、お前は……あの、小僧の竜なのか…?」
辺りの惨状を目の当たりにしつつ、出来る限り落ち着いて、村長は目前の黒き竜へ語りかける。 集落の者から話しに聞いた通り、少年がこっそり会いに行っていたという、黒い竜その者であると確信して。
『いかにも……貴様がここの主か…?』
黒い巨体が、自分に声を掛けるちっぽけな存在に振り向き、高圧的な態度でゆっくりと近寄る。 ズシッ…ズシッ…と、一歩一歩が重く響き、か弱き老いぼれへと足を運び、目の前で睨みつける。 老いぼれと言えどその雰囲気、物腰からここの長だと悟るのは、難しくもなかった。
『そうか、貴様が………ならどういう惨い死を与えてやろうか考えるとしよう。』
「ひぐぁっ! かっ………はっ……!」
後脚で立ち上がり、目の前のか細い人間を前足で鷲掴みにし、ググッ…っと握り締めていく。 その簡単に潰してしまえそうな老人の口から、肺を圧迫されるような小さな悲鳴が漏れ出るが、怒りによって気にもならない。 返事など必要ない…ただ地獄を味合わせてやろうと。
『貴様らは同族を、しかも子供を寄って集って嬲り殺しにするような下劣な生物か……』
悶える老人を握り締めながら、頭にはあの少年の無残な死に体ばかりが浮かび上がる。 それが余計に怒りを生み出し、喉から溢れる炎となる。 しかし、ここで話が少しばかり変わってくる。
「ま、待って……くれ……! あ、あの子を…嬲り殺し…!?」
(っと、今日はここまで〜…)
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Re: 過去 ( No.22 ) |
- 日時: 2011/03/10 14:09
- 名前: リオレイア
- 黒竜…いや、バーンか…
復讐に歪んだ姿も素敵です… さて、少年の死の真相や如何に!?
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Re: 過去 ( No.23 ) |
- 日時: 2011/03/10 20:23
- 名前: U
- 事件の真相は一体・・・
それにしても続きを待ってましたぁw
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Re: 過去 ( No.24 ) |
- 日時: 2011/03/12 16:08
- 名前: suit
- 違う…!?
てっことは誰があの子をあんな目に?
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