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FW:腹の中より 日時： 2009/08/10 02:21 名前： くじら （追記） 申し訳ないです、投稿時点で 「本編の紹介」なしにはじめてしまいました。 恐竜（捕）/人（被）　です。 流血表現は一切なしです。 食べられちゃうトコだけ書いてみたくて、書きました。 では、どうぞ。 （追記おわり） 目の前にティラノサウルスの大口が広げられると、 湿り気のある息が体中を包んだ。 俺はまさに食われようとしていた。 昨日叩いた大口が脳裏に浮かぶ。もう叶わないかもしれない。 「この時間旅行から帰ったら、俺結婚するんだ」 俺がいるのはキャンプにしていた浅い洞窟の行き止まり。 もう逃げ場はない。幸いこのティラノサウルスの巨大な身体 ――通常の倍はある。全長おそらく30ｍ程度。 長生きしても成長は止まらなかったようだ。 頭も４ｍはあり、俺など一口で食べられてしまうだろう。 目の前に開かれた口にはよほど空腹と見えて 粘度の高い唾液が何本も糸を引いている。 べろり 瞬間、熱い物体が視界を遮り身体全体を覆った。 どうやら舌で舐められたようだった。 口の中いっぱいに収まっているそれは、 トカゲや鳥のものに似てそれ自体が粘着質で、 ぬめりのある唾液に包まれていた。 べろぉ 元々３ｍはあるそれを目一杯に伸ばし、 壁を背にした俺に今度はまるで味わうかのように 圧力をかけゆっくりと押し付けてきた。 巨大な馬に舐められたらこんな感じだろうか。 やわらかな表面に体中、顔までがめり込み、 息もできなくなってしまった。 ねっとりと張り付くようでぬめぬめした感触は なんとも言い表せない嫌なものだった。 そのままゆっくりと、一度に５秒ぐらい、 とても長い時間をかけて舐められた。 それが終わるとネトネトと顔中に張り付いた恐竜の唾液を、 息継ぎをするかのように空気を吐いて吹き飛ばした。 次の息を吸えるか吸えないかのうちにまた同じように 舐められた。酸素が足りない。息苦しい。 体中に唾液が絡み付きネトネト気持ち悪い。 ぶにぶにした肉の塊が体中の表面を同時にこすっていく。 寝込みを襲われてなにも着ていなかったから、 その気持ち悪い感触が直に伝わってくる。 そのまま延々と舐められつづけた。 どれぐらいの時間こうされていたのかわからなかったが、 永遠のように思えたそれは10分程度だったろう。 俺はただひとつの希望にすがっていた。 奴の頭が大きすぎてこれ以上近づけない事実。 このまま堪えれば食われないはずだと漠然と思っていた。 完全な誤算だった。 何十度目かの時に奴は、表面がいくら柔らかいとはいえ 力強い筋肉の塊であるそれを俺の足の間にねじ込むと、 そのまま舌を持ち上げた。 俺の身体は地面を離れ宙に浮されてしまった。 地面と俺との間で白身のような太い唾液の柱ができる。 空中で舌に跨がるような形のまま舌先で背後から その巨大な舌の上にうつぶせに押し付けられた。 そいつはそのまま俺を舌で包み込んだまま口の中へ運んだ。 臭い。俺は舌の中に挟まれたままで、 目の前にはぬらぬらとした唾液の泡しかみえなかった。 視界が暗闇になる。 口を閉じたようだ。 暑い。 と同時に背中に張り付いてた感触が消え、 代わりに蒸し暑い口内の空気が触れた。 舌が持ち上がると上あごに押し付けられ、 これでもかと舌を擦り付けられた。 唯一手に持っていた携帯ライトを点けると、狭い口の中が照らされる。 舌が元の位置にあっても、狭い口の中は所々に唾液の糸が引いている。 うねうねと動く舌の上で、蒸し暑い恐竜の息を吸いながら、 やって来る運命に見を委ねた。 ずるり いっそう強く上あごに押し付けられると、 唾液にまみれた俺の身体は奴の口の奥深くへと滑って行った。 頭がネバネバとした喉の肉に挟まれ、粘液が絡み付く。 ごくり そのまま飲み下される 恐竜の熱い体内の肉に挟まれ、ぐいぐいと逆さまにおりていった。 食道の壁に密着されながらも、抵抗を試みた。 だが、もがいてももがいても 柔らかい周りの肉はぐにぐにと伸びるだけで、 まるで抵抗にならなかった。 ぐにゅり べちょっ 湿度が100％はありそうな空気に顔が触れると、 なんだかネバネした液体のなかに頭から落ち込んだ。 すぐに顔をあげ、空気を求めてたっぷりと息を吸った。 とんでもない臭さだった。 ここは胃袋で、今落ち込んだのは胃液と胃粘液の混ざったプールだろう。 黄色くネバネバした液体の中ではとても動きづらかった。 今吸っている空気は恐竜のゲップ、というわけか。 薄いピンク色の壁がライトに照らされ怪しく光っていた。 突然胃袋全体がぐらりと揺れた。 ゴロゴロという凄い音とともに空間はどんどん狭くなり、中の空気が出て行っていた。 胃袋は皺くちゃになり、今まで触れたどの部位よりも柔らかな粘膜に挟まれた。 ウォーターベッドのような胃壁の隙間にずぶずぶと沈み込んでしまいそうになっていた。 行儀の悪い奴だ、満腹なんだな。 今の現象に妙に納得してしてしまいながら、 俺は空気の出入りでうねうねと動いている胃袋の入口を眺めていた。 恐竜の腹の中より ――――――――― あいつのメッセージはここで終わっている。酔狂な奴だ。 現在の防水加工というのは頑丈な物なのだな。 現代に帰ってきた我々は、彼がその後どうなったのかは知るよしもなかった。 ぼんやり眺めるテレビ画面には、 世界で最も大きい肉食恐竜化石の腹部から サルのような動物の化石がみつかったという ニュースが流れていた。

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Re: FW:腹の中より ( No.1 ) 日時： 2009/08/10 02:25 名前： くじら ここでははじめましてー。 どうでしょうか。感想いただけたらうれしいです。 獣脚類の恐竜Loveです。内臓とか生態は妄想できるのがなお良いです。 Re: FW:腹の中より ( No.2 ) 日時： 2009/08/11 09:14 名前： ハダー なるほど、風のウワサによるとくじらさんって実生物フェチとヌルヌルフェチってかｗ あと時間旅行という発想も斬新ですな。現実味も帯び、オレサマ的には想像しやすい。 にしてもこのティーレックス、ソフトでありながらイジメ捕のやり方をしやがって……悪くない、悪くないぞ！ と、妙な親近感を持ってしまいます。ヴェリーナイス Re: FW:腹の中より ( No.3 ) 日時： 2009/08/11 12:41 名前： くじら 感想どうもー♪気に入っていただけてうれしいです。 風のウワサにそんなフェチ情報が流れてたら恥ずかし過ぎる(*ﾉﾉ) でも実生物とかは想像しやすいし素敵ですよね。 食われたい方なのでお口のなかお腹のなかシーンに感情移入したい派。 親近感は私にでしょうかそれとも恐竜さんにでしょうか（笑） Re: FW:腹の中より ( No.4 ) 日時： 2009/08/11 20:27 名前： ケイル お久しぶりの投稿ありがとうございます。 さすがヌルヌル好きということで、細かく丁寧な粘液描写、楽しませていただきましたｗ しかし舌３ｍってすげーｗ　なんでもできちゃうサイズ。 人間主人公だと、スケールが把握しやすくていいですねｗ Re: FW:腹の中より ( No.5 ) 日時： 2009/08/12 01:25 名前： くじら あ、どうもお久しぶりです。 楽しんでいただいてありがとうございます〜。 ２ｍだと全身覆うにはちょい小さいので、 口に収まった状態で３ｍぐらいほしいですｗ 器用なら巻いたりもできますよね。 顔も見えないぐるぐるまき。 この場を借りますが、カイリューのお腹の中も 堪能させていただきましたっ。胃袋でぐにょんぐにょん されてるコマがたくさん見れて素敵でした。 私も埋もれたいです。 Re: FW:腹の中より ( No.6 ) 日時： 2009/08/14 07:28 名前： あ 今更ですが読ませて頂きました。生々しい体内描写の表現の数々が堪りません・・っ 他の小説には無い唾液の泡とか細かいところの表現説明が多くて凄く妄想しやすいです。 私の趣味からか捕食者の口内や消化器官内の臭気や粘液の粘り気とか、不潔感のある 生々しい体内表現は大変好みなんで利用できるポイントが多くてなんとも幸せです。 胃の中の視点で見る表現もなかなかあり得そうなリアル思考で萌えさせて頂きました(*´｀) 特に胃の中での不快な視覚嗅覚の表現や、体内から見るげっぷ考察とかが妙にリアルで 個人的にツボったところです。消化エンドも素敵・・っ　次回作も期待しておりますーー Re: FW:腹の中より ( No.7 ) 日時： 2009/08/14 15:18 名前： くじら おお、コメントどうもです！ 喜んでいただけてよかったです。萌えポイントが私と似てますね。 いろいろとフェチ要素をちりばめつつくどくならないのが目標です。 充分くどいか（笑）でもいいですよねゲップとか息とか。 期待して頂いて恐縮です〜。がんばります。 Re: FW:腹の中より ( No.8 ) 日時： 2009/08/14 15:35 名前： くじら ＞読まれる方 あ、一応結末が消化されたのかかどうかとかは読まれる方のご想像に お任せしております。読む人の好きに解釈できるようにしてみました。 もちろん消化エンドもありだし、私の嗜好もそのつもりですが。 ですので、ぜひ自分の都合にあわせて解釈ください（笑） Re: FW:腹の中より ( No.9 ) 日時： 2009/08/14 22:09 名前： 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp> 一言。 最高ですっ!! Re: FW:腹の中より ( No.10 ) 日時： 2009/08/15 18:52 名前： くじら ありがとうございます！

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