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猫股三昧  ―T氏の非凡な生活
日時: 2009/06/27 00:09
名前: 吉祥   <sho.horn@hotmail.co.jp>

『退屈だねえ。』
『退屈と言われましても…』
『だれか人間でも来ないのか?』
『来ませんよ。こんな所に。』
『ニタ殿。人間が来ましたよ…』
『来たじゃねえか』
『はあ… なぜこんな所に…』
『人間と猫1匹です。』
『ほう。見に行くぞ。』
『はい』
そう言って3匹の猫たちはどこかへ歩いていってしまった…

※これでいいんですか? ちょっと自信ないかもw
まだ途中ですが、自身がないのでとりあえず前半くらい投稿してみますね。

ついでにコラム。
「」←人間語
『』←猫語
にしてあります。

Page: 1 |

Re: 猫股三昧 猫股の呪い ( No.1 )
日時: 2009/06/27 00:10
名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>

ごく普通の町
ごく普通の学校
ごく普通の生徒の中の…
蒼いブレスレットをした1人の非凡な少年

それが僕。「津田祥吉」です。ある国の王様です。
それと腕のブレスレットは…

異世界の魔石…とても簡潔に片づけておきます。
とても不思議な力を持っています。


9月のやや寒い風が走る道路を自転車で家に帰るところだ。


そうして自転車に跨った。
いつものルートをのんびり走っている。

しばらく走っていると、いつも通る道沿いの居酒屋の前にいつもいる白黒柄の猫がいた。
「おっ いたいた。」
そう言って自転車を降りた。そして手を伸ばすと、案の定こちらに来てくれた。
喉を鳴らして体を摺り寄せてくる。


そのときに、うっすら何かを訴えようとしているんじゃないのか? と思ったけども、前に猫の言葉を聞けるようにして大変なことになった。腹減った腹減ったとしか言われない… しかも返事しちゃってもういろいろ…
だから猫の言葉を聞けるようにすることをできるだけ避けているのだ。

そんなことを考えてるとその猫がじっとこっちを見ている。聞いてくれと言わんばかりに…
「あ〜 もう!!」
そう言ってからこう思い浮かべた。
(この猫が何を言っているのか…)
その瞬間
『聞こえていますか?聞いてください!!』
と声がする。この声の不便なところは普通の声と聞きわけがしにくいところだ。
「聞こえてるよ。なんかご用で?」
少しめんどくさそうな感じで答える。
『できればお願いをしたいのですが…』
「それは?」
『ある場所へ連れて行って欲しいのです。』
「なんでまた?」
『それは…』
そう言ってから猫はきょろきょろと周りを見てからこちらを向いた。
『この通りです。』
「えっ…」
ぼくは息をのんだ。
それもそのはず。猫の尻尾が、なんと二本に裂けているのだ。

「お前さんって…猫股?」
『ああ。御存知ですか。私のように一定の年をとった猫が猫股に変化しかかり、その場所に修行に行くのです。そしてその後戻ってもよし、修行を続けてもよしといった所です。お分かりですか?』
尻尾を一本に戻してから言った。
「はぁ…なんとなく。 それでどこに連れて行けばいいんだ?」
『肥後の天草下島です…』
「…えーっと、昔の地名で言われてもわかんねんだけど。」
『そんなこと言われましても…世界は広いものですし…』
「いや、今の地名でどこって聞いてんの。」
『えーっと…熊本というところでしょう。その猫股岳というところに…』
「熊本!?おれにゃあちょっと無理だな!遠い!」
猫の言葉を遮って言った。
『そんな…私の言葉がわかるのはあなただけなんですよ!?どうすればいいのですか?』
「どうしろって言われてもねぇ…。悪いんだけど…」
そういって思い浮かべた。
(元にもどれ!)
そう言ってからあの猫の言葉は聞こえなくなった。…はずだが
『こうしたくはないのですが…』
「えっ?」
そう言う間もなく気づいたころには猫にまんまと体当たりを喰らい、倒れてしまった。
「いってぇ…」
『連れて行かないのですか?』
仰向けに倒れた僕の上に乗り睨んでいる。
「近くならともかくこんなに遠いとなると…」
『なら仕方ないですね…』
すると猫の尻尾が再び2本に裂け、その2本の尻尾が僕の喉を勢いよく跨いだ。
「おわっ…何するんだっ!」 
動けない。
『…』
このとき見た。
猫の目は

血のように真っ赤だった。


これは…
本で読んだことがあった。
何だったっけ…

確か猫股が裂けた尻尾で人間を跨いで…

それで…

それで……






呪いをかける!!


思いだした頃にはもう猫は僕から下りていた。
『恨らまないで頂きたいですね。これは私のせいではないですから。』
「…どういうこと?」
『わたしはここにいます。その時に教えましょう。』
そして猫はよったよったと路地裏に行ってしまった。

う〜ん…

それだけ言い残されても困るんですけど…

とにかく僕は猫に呪いをかけられてしまった。
どうしよう…



「わっ!!」
ってなんで僕は道路に大の字に寝てんだよ!!
急いで起き上った。見られなくて良かったぁ。車も来なくてよかったよぉ…


まあ…猫は行っちゃったことだし、呪いが本当とは限らないし、と前向きに家に帰った。


※展開早すぎですw
ゴメンナサイww
Re: 猫股三昧 呪いの発動 ( No.2 )
日時: 2009/06/27 00:13
名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>

「ただいま〜」
「おかえり〜」
あの猫に会ってから何事もなく家に着いた。母とのいつもの会話が飛び交っている。
「ごはんあと30分位ね。」
「うん。」
そう言って荷物を下ろし、2階に上がった。
僕の家は大家族だ。兄弟で5人もいる。姉に僕でそのあと弟が3人…
周りから「お姉さん大変だ〜」とばっかり言われる。僕も大変だって!

「あ、祥おかえり〜」
「おう」
部屋には次男三男…颯人と竜之介がテレビを見ていた。すると颯人が
「あのね。今日…」
「悪い、明日にして。」
今日はとても話せる状態じゃない。
「そう…」
そう言ってからまたテレビを見ていた。なぜか腹が立った。

僕はその足で寝室まで行った。
なんだか無性に眠い。
二段ベットをよじ登り横になった。

すると不思議なことにそのまま10分もしないうちに寝込んでしまったのである。












……

……はっ

「わっ!!」
おめざめ。とにかく良く寝た。そして気楽に伸びをしてから目覚まし時計を見た。


23時24分!?

「え〜〜〜?」

なんとなくベットにはいったのは16時くらいだったはず。7時間も寝たんか俺…

…ぐぅーー きゅるきゅる

ちょうど良すぎるタイミングで腹が鳴る。
夜ご飯は寝て食べそこなった…

「けっ」
(17時まで時間を戻る。)
また石に頼る。
けれども僕がいる所はすでに17時である。
「ご飯だよー」
またまたグッドタイミング。
「はーい」

そう言って一階まで下りていった。




所変わって1階のリビング
「いただきまーす」
「召し上がれー」
津田家の家族が揃い、夕食だったが…
いつもの野菜たっぷりの料理がどうしても口が受け付けないのだ。母は肉嫌いなので食卓に肉が並ぶことはまずない。
(なんだろ…いつもなら食べれるのに…)
「今日なんか食欲ないみたい。」
「あらそう。大丈夫?」
「分かんない。とりあえず寝るわ。」
「あっそう。おやすみ」
「うん…」
そう言ってリビングを後にして再び2階に戻って寝室まで行き布団に潜り込んだ。
案の定再びおかしい位の睡魔が襲ってきた。

そして5分もする間もなく、また眠りこんでしまった。








……
また起きちゃった。
今度はとりあえず時計を見る。
23時だ。腹が減っているのは変わらなかった。
だけど今度は寝ることにした。
だまって布団に潜り込んだが、あの猛烈な睡魔がどこかへ飛んで行ってしまった。
目が冴えている。周りが明るく見える。
「もーうっ」
そう言ってから眠い…いや、眠かった目をこすった。


ガリッ

は?ガリ??
びっくりして飛び上がった。
どこからか音が聞こえた。
「おかしいな…」
そう言いながら右手を無意識にほほにあてた。

ぷにっ

は!?
いま『ぷにっ』って…
確かにほほを触った!

恐る恐る手を見た。
そこには衝撃的なものがあった。

「肉球!?」

真夜中ながら怒鳴ってしまった。
そう。手が寝てる間に猫の手に変わってしまったのだ。

もちろんこのまま起きなければどうなっていたのか…

あの猫の呪いだ!!
多分そう!!

そしてさっそくブレスレットに手…じゃない。前足をのせた。
(呪いよ解けろ!!)
これで手が元に戻る…はずだったが

(解けない!?)
手は猫の手のままだ。気づいたら足も猫のものになっていた。漆黒の猫毛が生えている…

何で解けないんだ!
石より強い呪い?
石にかなうものか!

そのときあの猫の言い残した言葉を思い出した。
『わたしはここにいます。その時に教えましょう。』
確かにこう言った。
すぐに行かなくては!

僕は急いでベットから降りたが…
「うわっ」
まんまと後ろに転び、頭を強打してしまった。

確かに半分猫の体だと行こうにも行けない。そこで
(人間の体に!)
するとなんとか元の姿に外見は戻って二足で歩けた。
でも恐らく中身は猫のまま… ていうか猫だろう。

そのまま走って1階に下りた。
「何やってんの?」
こんな時に親はまだ起きている!!
「ごめん!」
そう言ってから右腕を母に向けた
(10秒前後の記憶抜けおちろ!)
そう思い浮かべてそのまま外へ駈け出した。
親はポカンとしてから
「何してたんだっけ…」
と言ってからまた仕事に戻った。


ぼくは急いで自転車に乗り、ペダルを思いっきり踏んだ。
あの居酒屋に向かって。

あの猫は?

あの猫は!?


いた!


さっきと同じ所にいた。
僕はすぐさま自転車から飛び降り、その猫の所に行った。念のため鍵は閉めた。
猫は僕をじっと見ている。
(猫と話を!)
その瞬間…
『ふふ。効いてきたようですね。』
「…何をした?」
すぐに聞き返した。
「俺に呪いをかけたのか?」
『いいえ。』
「じゃあなんだ?」
『詳しく言うとかけたより解いたの方がいいですね。』
「は?…」
『…少々ショックを受けるかもしれませんがいいですね?』
「…ああ、いい。」
猫は少し間を空けていった。
『あなたは……もともと猫なんです。』
「猫? 俺の親は人間だが…」
『えっと…そこは話すと長いので…』
「あっそう… んでお前さんは何をしたの?」
『簡単にいえば術を解いたわけです。』
「術…ねぇ、呪いとは違うわけ?」
『ええ。術と呪いは雲泥の差ですね。』
どおりでさっき効かなかったわけだ。
『さあ。とりあえず行きましょう。』
「どこに?」
『先程言った天草下島です。』
「どうやって?」
『幸い今日は満月ですね。』
「うん?」
『とにかくついてきてください。』
そう言ったら路地裏に姿を消した。
「ちょ…ちょっとまって!」
追いかけてみると猫にしか通れないくらいの幅だった。
(人の姿、解けろ!)
すると青い光が自分を包み、あっという間に黒猫に変わった。成り行き的にブレスレットがそのまま首輪になっていた。
『待ってったら!』
そのまま僕は、名も知らぬブチ猫を追うことになった。



※会話の密度が高いw
あ、酷評でもなんでもお願いします。
Re: 猫股三昧 猫の集会 ( No.3 )
日時: 2009/06/27 00:18
名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>

『すごーい 物凄く体が軽い!』
猫の体になって歩くと物凄く軽い。さっきまでの気分も落っことして身軽に歩いてる感じ?
玉吉は、路地裏の途中で手拭いを拾っていた。
『人間てあんな大きな足をくっつけて、良く歩けますよね。 あっ ここですよ。』
ついたのは誰も住んでいないようなボロ屋敷だった。
『ここなに?』
『我ら同類たちの集会所です。』
『え?ここで?』
確かここって通学路の途中の家、だれが住んでんのか気になってたところだった。
猫はぼくの疑問も聞かずさっさと中に入ってしまった。
中に入ると猫がなんと30匹位集まっているのだった。猫の目が暗い中光っていた。
僕はとりあえずあの猫についていった。
『お集まりかな?』
あの猫が聞いた。
するとそこらから「全員います」と声が上がった。
『では集会を始めます。まずご紹介から。我々の兄弟、吉祥と言います』
『え?』
そこでこっそり耳打ちした。
(なんでよ?俺の名前忘れた?)
(それがあなたの名前です。自己紹介して!)
え〜〜?そんなことってあるかよ!!
実は名前が前後ろ逆… じゃなくて別の名前だったとは…
『えっと…どうも、吉祥です…』
その時にそこらから「ゴロゴロ」と喉を鳴らす音が聞こえた。ヘマはしなかったみたい…
『では本題に移ります。こちらの兄弟と共に今から天草下島に向かおうと思います。力を貸してくれる者はいるか?』
なんじゃそりゃ。
『・・・』
何故かシラケムード…そこで僕が口を挟んだ。
『あの…行こうと思えば自力で行けるけど…』
空気が一瞬固まった。事実なんですけど…
この堅い空気はブチ猫の咳払いで明けた。
『そうなのか?そうならそうと早く言ってくれないと。』
『まあ…そうなんだけど…電車とかで行くと思ってたから…んじゃ、行く?』
『えっ…ええ。その通りに…』
かなり戸惑っている。
『では集会を終わります。』
はやいな!なんか話すこと無いのかよ。俺がなくしちゃったのか。
そこに集まった猫たちはそそくさと皆立ち去ってしまった。
微妙に悪い気もするが…
『で…どうやっていくのです?』
『この首輪。ただの首輪じゃないから。分かんなかった?』
『…ええ』
『じゃあ行くよ。場所とか細かく教えて。』
『肥後、天草下島…猫股岳』
『OK。行くよ。』
そう言って目をつむった。目をつむる必要はないけど何となくやってしまうのである。
(肥後、天草下島、猫股岳へ)
そうして目をあけると…

目の前に大きな山があった。山道が見えている。
『『わぁ…』』
2人…2匹は同時に言った。
『えーっとその首輪は何ですか?』
『えっと…これも話すと長い。』
『そうですか。では今日の内に行きましょう。』
『今日!?』
上を見ると月がやや上に来ていた。
『無茶だろ?』
『走っていきますよ?』
そう言うと、よったよったと歩いて(走って?)行った。
遅い。
『待った!いい考えがある。』
『その首輪で頂上まで行くのはだめですよ。術がかかってますから。』
『いや、そうじゃない。』
そう言ってまた目を閉じる。意味無いのに…
(術の解ける前の人間の姿。)
そうして人の姿に戻った。(しつこいけど中身は猫。)
そしてさらに
(背負いかごを…)
そうして足元に出てきた籠にブチ猫を問答無用に入れた。
『あわわっ 何をするのです?』
「まあまあ。おとなしくしててくれ。」
そう言って籠を背負った。少しバランスを崩して揺れてしまった。
『わぁっ おとなしくって言ってもこんなに揺れるのなら嫌ですよ!』
「悪い悪い。猫の時と感覚が違うもんだよ。」
ちょっとバランスが取りにくい。それより体が重い。けどもすぐに馴れた。

とりあえず月夜の山道を早歩きで登っていった。

歩いてる時に話を聞いたのだが、ブチ猫の名前を《玉吉》といった。

※自信喪失気味に…w
ていうかここの回短いなw(←今気づいた)
Re: 猫股三昧 猫仙人との出会い ( No.4 )
日時: 2009/06/27 00:21
名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>

『ほっほーう。玉吉め、人を連れてきたか。』
先程の猫の一匹が言った。この猫は三毛柄。
『またやるのですか?ニタ殿?』
『当然。手伝えよ清白。』こちらは真っ白
『はあ… 何匹連れます?』
『あと3匹だ。』
『はぁ… 影丸。まず1匹目。』
『はぁい。』影丸と呼ばれた猫は白黒柄だ。八の字わけで、目の辺りも黒い
『あと2匹ですね…』
なにをたくらんでいるのか…
それはこの猫たちしか知らない…


                ※       ※       ※

              



『酔ってしまいますよ〜』
「黙って乗ってろよ…」
先程のお二人 じゃなくて一人と一匹
「まだなのか?」
『はいもう少しですね。』
見ると月が真上を通り過ぎている。
「今日の内にって無茶でしょ…」
『そうですかねぇ〜』
「うん。」
はっきり言ってやった。
しかし返ってきたのは関わりのない話…
『猫股岳にはその名の通り猫股が多くいるわけです。』
「話そらしたな… どんくらい?」
『さあ、聞いただけですし…』
「なんか俺、危ない橋を渡らされてる気がする…」
『そこにはニタ公という猫仙人がいらっしゃいます。』
「なんか間の抜けた名前…」
『失礼ですぞ。皆はニタ殿と呼んでいらっしゃいます。ニタ殿は猫&#39752;といって無限に生きられるようになりまして…』
「ねこしょう? 不死身ってこと?」
『寿命が来ないの方が近いですね。』
「ふーん。」
『もうすぐです。下ろしてください。』
「やだ。お前歩くの遅いから。」
『いやしかし…』
「いいから送らせろ。」
『もう知りませんからね! もう着きますよ。』
その通りだった。坂道は平らになり、少し広場みたいになっている。

そこで何やら盛り上がっている。

『猫ぢや猫ぢやとおしやますが、猫が、猫が杖突いて絞りの浴衣で来るものか、オツチヨコチヨイノチヨイ〜♪』

焚火をして…

その近くに敷物を敷いて…

男が三味線を弾いて…

女が舞いを舞って…


おいおい…江戸じゃないんだから…!

つまりこんな真夜中に月夜の下、一人の男と四人の女が何やらお祝いでもしてるのか酒を飲み交わしている。しかも着物…

そして向こうは僕に気づいた。

「あら坊ちゃん。こんな夜中に何をしているの〜?」
こっちのセリフだ!
うーん…どう答えるのがいいのだろう。相当酒が入っている。
「そちらこそ何を?」
すると舞いを舞っていた別の女の一人が答えた。
「今日は特別な日でしてね。」
こっちはあまり酒が入ってないみたい。そしてまた別の女。
「坊ちゃんも一緒にどお〜?」
「いや…禁酒禁煙主義なんで… しかも未成年!」
「そんなこと言わずに〜 一緒に踊りましょ!」
そう言われて女四人に捕まった。
「わわっ やめろ!」
「いいじゃないのよ〜」
酒入りすぎ…こんな時に玉吉は黙り込んでいる。そのまま僕はズルズル引っ張られている。
「ほら。御握りもいっぱいあるのよ。」
そう言われておにぎりの入った箱を向けられた。
その女の目は…

「お前ら…」
そう言って再び息を吸って言った。
「人じゃねえだろ!」
女四人と男一人がビクッと身震いした。図星らしい。玉吉は「おおっ!」と驚きの声を上げている。
「な…何の事かしら?」
「いやいや目の瞳孔が細いし…」
成程目の瞳孔が糸のように細い。
「にゃっ! 吉祥殿逃げてください!」
その時、腕をおにぎりがかすめた。
「わわっ!食べ物を粗末にするなぁ〜」
何故これを言ったかは謎だ…
そう言って距離をとるため走った。そして玉吉が口を挟んだ。
『あの〜…それは普通の食べ物じゃないですよ…』
「は!?」
そう言って振り返ったら腕におにぎりが当たった。しかも服の裾がめくれていて、素肌に当たった。

そしたらにゃんと!じゃなくて、なんと!当たったところから猫毛が生えてきた!!
しかも白い毛… 中は黒猫なのに…

『当たったところから猫毛が生えます…』
「早く言え!」
『全身にまんべんなく塗るか食べるかすると立派な猫になりますが…』
「既に猫だし!」
あの5人…5匹はまだ笑いながらおにぎりを投げてくる。
「コノヤロ〜!」
僕は思いきって反撃に出た。
籠を下ろしてから石を拾い、5匹めがけて投げつけた。
幸い、ハンドボールが得意だったので真っ直ぐ飛んで行った。
そして5匹の中の1匹の女(の姿をしたヤツ)に命中した。
「ギャッ!」
奇声を発して仰向けに倒れた。
「ニタ殿?」
「ニタ殿〜!」
残り4匹が一気に駆け寄った。ニタ殿って事は武将を一発…いや、一石で倒してしまったことに…

ちょっとまて。ニタ殿!?

「おい玉吉…ニタ公って女か…?」
『さあ…いろいろ化けていらっしゃるので…』
《やれやれ年とともに俺まで忘れたか?》
声がする。しかもエコー気味…
石に命中した奴が仲間に体を起こされている。

良かった。恐らく男だ…  いや、良くはないかも。変らない?
《だいたい人間、猫股岳の猫仙人に向かって石など投げようとは、なんて奴だ。》
エコー気味の声がまだ続いている…どうやってやってんだろ?
「知るか。先に仕掛けてきたのそっちだし。」
玉吉が(それ以上言わない方がいい)と目くばせしている。
《ほう… 上等ではないか。驚くがよい!》
そう言って猫仙人を煙が包んだ。その煙はどんどん大きくなった。
それと同時にさっきの4匹が術を解いて猫の姿に戻って、この煙から離れた。
こいつらは多分、玉吉と同じく猫股だろう。

煙が薄くなると、巨大化した猫仙人の姿がよく見えるようになった。
「わお…レオンに負けてないね…」レオンとは異世界の龍の事だ。
《…なぜ驚かない!》
「うーん、見慣れてるって言うかなんと言うか…いや、十分すごいぞ…」
《人の驚く姿が面白いというのに!》
なんか悔しそうだ…
「んなこと言っても…」
《つまらん…》
「は?」
《つまらんぞ〜!!》
そう怒鳴って、木を一気に跳ね飛ばした。猫たちが逃げまとっている。
『ニタ殿〜もう帰りましょうよ〜ばれちゃったんですし…』
後ろから声がした。見ると二脚で立った白猫がいた。
「猫仙人があんなじゃお前らも大変だね〜」
『そうですよ〜… すみません。あれ落ち着けてくれませんか?』
「は?」
いきなり部外者に向かって…
「できなくもなくもないけど…どうすりゃいいの?」
『さあ?なんでも…』
「お前はお前でひどいな…」
苦笑いしながら言った。
そして暴れるニタ公の所へ歩いて行った。ニタ殿はどんどん破壊活動を続けている。

手始めに…
(タライ落下!)
そして(ガ〜〜ン)とよく響く音が鳴った。
白猫や他の猫が唖然としている。そりゃそうだ…
「暴れるのやめれ。」
《…やる気か?》
ニタが睨んできた。
「うーん…自称平和主義者なんだけども、いいよ。」
《フン。口だけは達者な奴め。》
僕はさっきの白猫に聞いた。
「怪我は避けた方がいい?」
『あっ ええ… その方が望ましいです。 何をする気ですか?』
「まあ見てなって。」
(木刀!)
そう思い浮かべて右手に木刀を握った。習ったことないけどね…
《ほう。いい物を持っているな。》
「そう?ホントに知っているとしたら厄介だね。じゃあこっちから行きます。」
僕はニタに向かって駆け出した。距離は20メートル位。
《フン。》
ニタは素早く駆け出した。20メートルの間合いが一瞬で埋まった。
攻撃はニタの方が早かった。前足が目の前に現れ、横っ腹を強い衝撃が走った。
「うぐっ…」
ひるみながらも、僕はひらりと飛んだ。
そして前足を踏み台にし、頭の上に乗った。そして木刀で頭蓋骨に一発入れてやったが、まんざらでもないようだった。
《どうせそんなもんだろう。》
「あはは…」
俺は苦い笑いを浮かべながら次は鼻の上に降り立った。
「じゃあこれは?」
僕の顔より大きい眼球に木刀を勢いよく向けた。脅しだけど…
《そんなものに騙されるとでも?》
その瞬間足場が急に消えた。そして景色は暗い月夜を見ていた。
自分の状態が3秒くらい分からなかった。
が、投げ飛ばされていると悟った。体を縦にそらして後ろを見ると…



……

赤い何かが…

…口!?


ニタが僕を空中へ投げ飛ばし、下で口を開けて待っているのだ。

しかも軽いショックで頭の回線がショートしていて、逃げることができなかった。

ガチン!

歯と歯の噛み合わさる音がした。
恐る恐る目を開けると…

あれ…

明るい…


無意識に後ろを見ると、歯で僕の服を器用に噛み、僕は仔猫みたいに持ち上げられているのだった。

《やっぱり弱いじゃねぇか。しかも術をかけて人の姿をしてるな?》
その瞬間視界が蒼くなった。

人の姿をしている魔法を解かれたのだった。
つまり僕は黒猫の姿に戻ってしまった。
《やはりな吉祥。なんの真似だ?》
『えーっと…まあいろいろ…』
今の僕の状態は割合の悪い親子だろう。親が大きいのか子が小さいのか…
《何ならこのまま喰ってもいいんだぞ?》
『え… いやそれは遠慮しておきます…』
逃げるために足を動かそうとしたが、麻痺して動かない。
<猫は首の後ろを噛まれると仔猫の時の麻痺作用が働き、ほぼ動けなくなる>
本でこんな事読んだな…
やばいやばい…意識はやたら早く働くのに肝心の体が言う事を聞かなかったら…
《どうするか? 謝るか? 食われるか?》
『うーん…選択肢を変えること出来ないの?』
《断る。》
時間稼ぎにもなりゃぁしない!
僕は、自分の首元を見た。

肝心の首輪がない!

下に落ちていた…あの野郎め…うまいことやりあがって…木刀まで…

《さあ残念時間切れ。》
『は?』
《ではさようならだ。》
その直後首に痛みが走った。
そしてまた空中旅行を楽しむはめになった。

ドン!!

再び横っ腹に痛みが走った。
そうして軌道を大幅に修正された。

《!?》
『うぐっ!』

僕は本能が自動的に働き、地面に四足で着地で来た。猫だしね。
「ドサッ」
この音を立てたのは僕ではなく…
『玉吉?』
そう。空中旅行をやってる最中に、体当たりをぶちかまし、ニタの夜食になるのを防いでくれたのだ。
『大丈夫!?』
『…ガハッガハッ』
玉吉が横倒れたまま咳きこんでいた。そしてよたよたと立ち上がりニタに向かって、
『ニタ殿?何をなさるのですか?吉祥殿は今までほとんどの事を知ってはおりません!
私が内容を話していないからです!それなのにこのような事があってはなりません!…』
玉吉は少しよろけながらも続けた。
『このような事を続けるなら、弱輩ながら私がお相手いたしましょう!!』
そう言いきって、力強く『シャー!』と威嚇した。力強く… ?
《ふん。長い間下に降りすぎたな。玉吉よ。俺は石をぶつけた事や得体の知れない金属を落としたことを謝れと言ってるだけのこと。》
そうしてニタは足元に目をやった。
《で、お前は何をやってる。》
『げ、ばれた…』
こんなシリアスな会話の中、僕はちゃっかり首輪を拾いに行っていた。
急いで首輪を咥えて走った。そして首に取り付けた。(無論、石の力を使ってのことである。)
《このっ!》
『ストップストップ!』
僕は怒鳴った。ニタの動きが止まったので人の姿になった。
「ちょっと俺もあらすじが分かんないんだけど…」
《分かんなかったらタライなんか落とすか?普通?》
「いや… そりゃ悪かった。」そう言って軽く頭を下げた。
「だからってそこまでやる?普通?」
同じ口調で言い返す。
《お前が悪い。》
「じゃあ分かった!話し合いねっ。 ねっ!」
《ふんっ 良かろう。》
猫仙人は地べたに腰をおろした。
「あともう1つお願いが…」
《何だ?》
「その声のエコーを何とかしてくれ。」
さっきから気になってたんだよ…
「ああ、悪い。」
ニタが、普通に日本語を話してくれたので、魔法は使わずに済んだ。念のためもう一回書くと、さっきからの会話は猫語である。
「まず、なんで俺が猫なのか教えてくれ。」
「は?聞いてなかったか?」
「うん。」
ニタは後ろを見て言った。
「話してなかったのか?玉吉?」
しかし、玉吉の応答が無かった。
「玉吉?」
ニタが後方に問いかけていたが、ニタが死角になって見えなかったので、横に動く。
すると見えてきたのは…

玉吉が、横倒れていた。

「玉吉!!」
僕は、急いで駆け寄ったが、僕よりも先にニタが駆け付けた。
「…このっ」
「大丈夫か?玉吉!」
しかし、ニタが邪魔で近寄れない。
「どけよっ 玉吉がっ!」
「うるせえ!」
ニタに怒鳴られ、僕は黙ってしまった。
「邪魔すんな。集中できねぇ」

僕は、ここで初めて猫股の術を間近で見た。
ニタの口から煙のようなものが吐き出され、玉吉が包まれていく。
そして玉吉についていた傷(少ししか分かんなかったけど)が癒えていくのが分かった。

あっという間だった。
玉吉は、ほうっ… と息を吐き出した。よかった…

ズサッ

思わず足の力が抜け、座り込んでしまった。
「申し訳ありません。私が不甲斐ないばっかりに…」
「お前も年だ。気をつけろ。」
案外仲間に優しい所を見て、少し見直した。


なんとなく周りを見渡してみた。
確かニタの下っ端が見物してたけど…

しかし彼らはニタが吹っ飛ばした気の復旧作業に当たっていた。
立派な弟子たちだ… きっといい猫股になるぞ!

視線を猫仙人に戻し話再開。
「さてとニタ殿?彼らのお手伝いが先じゃないの?」
「ほっとけ。勝手に済むだろう。」
おいおい… 自分で八つ当たりしといてそりゃないでしょ…
「その力使って何とかしろよ。」
「ではそうしよう。話が終わり次第な。」
「そうですか。じゃあこっちから話すのが礼儀かな。じゃあ自分の話するよ。」


とりあえず、自分の話を全て語った。


自分が異世界の王であること。
魔法が自在に使えること。
龍と面識があること。


ニタは黙って聞いていた。
玉吉は目を丸くしていた。(猫だから十分丸いけどね。)

ニタは、しばらくして言った。
「お前は随分特別だ。猫仙人候補で生まれ、別世界の王として光臨している。」
「僕は猫として生まれたのか?」
「その通り。俺が人間に化かして潜り込ませた。」
「なんだそりゃ…  じゃあその話を聞きたいんだけど。」
「いいぜ。」
ちょっと間を置いて話はじめた。
「あんたが生まれた時の子猫たちの中で黒いのはお前だけだった。」

しかし、次の瞬間、視界が歪み、見えたのは薄暗い、洞窟のような場所の中だった。


※超微妙な捕食寸前を…w
あれ? 捕食入る…?(ヤバイ・・・w
Re: 猫股三昧 記憶 ( No.5 )
日時: 2009/06/27 00:23
名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>

―あわわわっ! 何が見えてるの!?なんか歪んでてよく見えない…

「いずれ猫仙人になる子供を産めるなんて… 私は幸せだわ。」

―視界がまともになってきた…  どういうこと!?猫が2匹。黒猫と三毛猫。洞窟の中で話している! それを上から見ている自分…

「あんたは特別なんだぜ。当然だろ?」

―あれは… ニタ!?

「でも… 確かに私は黒猫よ。でも…」

そう言って付け足した。

「あなたほど強い力はないもの。」

―強い力? ニタは相当強いの?

「かまわないさ。でもお前がいないと大いなる猫仙人は生まれもしないぜ。」

―猫仙人の後継者?よく分からんが…

「私は毛皮が黒いだけだけど良かったの?」

「そんなことないさ。あんたも立派な猫股さ。」

―猫股って意外と多い… 良く見ると黒猫はお腹が大きい。子供がいるんだ。

「せいぜい良い子供を産んでくれよ。」

「頑張るわ…」

―ニタの性格って…

そして、再び視界が歪んだのであった。そして同じ洞窟が再び現れた。

―また… これって幻覚? 黒猫のお腹が少し大きくなったかな?

「ところで、子猫たちの名前はどうするの?」

「あまり考えてはいないが、二十四節季の中から与えようと思う。」

―なんじゃそりゃ… そっから取るか!?

「そうね… なにがあるかしら?」

「たとえば「清明」とかか?」

「良い名前ね。」

―セイメイってお花見シーズンとかの時じゃなかったっけ?

「同じ春で、「啓蟄」か?」

―ケイチツ 冬眠していた虫が這い出てくること…  名前には…

「いいわね。」

―いいのかよっ!

「同じ季節は2つくらいで… 夏で「小満」か?」

「各季節から2つずつ… ね。いい考えだわ。」

―ショウマン 植物が茂り始めること…  マンがつくと何だか…

「もう1つは「立夏」だな。」

―リッカ 夏の始まり。 なんだかなぁ…

「いいわね…」


そうして二匹は、春夏秋冬それぞれ2つずつ名前を取った。
残り4つは、白露(ハクロ 露が白いこと) 霜降(ソウコウ 紅葉が始まること) 立冬(リッシュウ 冬の始まり) 冬至 (トウジ 昼が最も長い日のこと)だった。
ちなみに二十四節季とは、一年を24つに分けて、それぞれに名前をつけたもの。
内容を知ってたのは、本で読んだことがあっただけ。

「子供は多分8匹だろう。」

「私もそう思うわ。」

―分かるもんなんだ…

「もし9匹なら、いい名前がある。」

「それは何?」

「それは、もし9匹目が生まれたら教えよう。」

―ケチな奴…。

「フフッ 楽しみだわ。」

―いい奥さんだこと…

そして、また視界が歪み、同じ洞窟が見えた。今度は、黒猫は苦しそうにしている。

「はぁ… はぁ…  こ… 仔猫を…」

―どうしたんだろ…

「しっかりしろよ! 猫仙人候補が生まれるんだぞ! 見たくないのかよ!」

「はぁ… 何を… 言うのよ… 決まって… いるじゃない…」

「それに…  9匹目の名前も! 」

ニタの声が珍しく震えている。

「…おまえ、まさか…」

ニタがはっとしたように言った。

「この夜は2月21日。お前は猫神の加護を!?」

―2月21日? 猫神?何が何やら…

「あと… あと1時間で… 今日が終わるのよ! こんなの… 無駄にできる?」

「お前の方が大切だ!猫神の加護なんかいらねぇ!」

―えっと、恋愛ドラマ? 猫の?
てか気楽だなぁ 俺…

「でも…」


「いいんだ!かまわねえ!」

「…」

黒猫の方は、返事をしなくなった。

―見守ってやりたい。

僕は一心にそう思った。しかし…

―ここでキスシーンでも入る?

気楽な考えは離れなかった。
そうしてそんな事を思っていると、再び視界が歪んだ。

見えたのは、黒猫の近くに…

―赤ちゃんだ!

お産は無事に済んだようだった。

「あと… い… 一匹…」

―は? まだいるの?

「たったいま… 今日が終わる。」

ニタが暗く、また明るい星空を見上げて呟いた。

「今なのね…」

そうして、視界が再び歪んだ。今度は少し長く暗闇の中にいた気がする。
しかし、暗闇に入る前、確かに聞いた。

ミュー…


とてもか細い、子猫の産声が、ほんのわずかに耳に響いた。


※ごめんなさい!ネーミングさぼりましたw
Re: 猫股三昧 猫股と世界と ( No.6 )
日時: 2009/06/27 00:29
名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>

ザリッ!

「うわぁぁっ!!」

ゴンッ!

「うがっ!」

痛い。
…えっと?

何故紙やすりを擦りつけられて、どこかに頭をぶつけたのか?
ぶつけた頭をさすりながら考えた。

理由はすぐに分かった。

「起きたか吉祥。」

「いてて…  なにこれ!?」

ゆっくり体を起こしてみると、頭に金属がぶつかった。

「タ…タライ!?」

そして後ろには、デカイ三毛猫が煙管を吸いながら僕の顔を覗きこんでいた。

「なんの仕打ち? 痛いんだけど…」
「仕打ちじゃねぇよ。仕返しだ。」
ああ、納得。
「紙やすりは?」
「俺が舐めてやっただけだ。」
「うげぇ…」
なんか嫌だった。
「うげぇとは何だ。俺が起こさなきゃずっと夢の世界だぜ。」
「夢…? ああ!」
やばい、ド忘れっていうか飛んでた。
「えっとえっと… 聞きたいことが4・5個くらいあるっぽい。」
「いいぞ。」
「あんた誰よ?」
「…ニタだ。」
偉大なる猫仙人様は呆れて言った。
「じゃあ次、あの夢は?」
「過去を見せた。」
「じゃあその次、最後の猫の毛皮は黒?」
「おっ なかなか敏いな。」
「って事は… 僕!?」
「御名答。」
自分の出生映像だったわけね…
「あの変な名前何?」
「ああ。仮の名だから安心しろ。」
「ならいいや。猫神の加護って? 21日じゃダメなの?」
口から自然に質問が出てくるような感じだった。
「そこは説明がいるな。」
そうしてニタは煙管を吹かした。
「2月22日。俗に人の言う猫の日。これはただの語呂合わせではない。」
プカ〜〜
「この日に生まれた猫は皆、猫神の加護を受ける。」
プカ〜〜〜
「猫神の加護を受けた猫は、猫の力に大きな影響を与える。」
プカ〜〜〜〜
「ねえ… なんか踊ってるんだけど…」
僕の周りを煙の猫が踊っている…  楽しそうだ。
「気にすんな。で、あんたのお袋はお前らに猫神の加護を受けさせてやろうとしたわけだ。」
「それであんなに…  そういや、その…  僕のお袋さんは今は?」
「お前を産んで、すぐに死んださ。」
「えっ…」
そんなことって!
「じゃあ最後のお産ってこと?」
「そう言ってるだろ。」
ニタはまた煙を吹かした。
「あんたは兄弟の中で1匹だけの漆黒の黒い猫。そしてあんただけ猫神の加護を受けている。だから…」
プカ〜〜
「あんたは次期猫仙人だ。」
「猫仙人…  ですか…」
なぜか自分向けにこの言葉を言われたら敬語になってしまった。
「あんたにしかこの席は務まらない。」
「ねえ、俺って別世界の王様なんだけど、兼ねられるの?それ?」
「王様やめろ。」
「コラ…」
ついつい猫にツッコミ…
「じゃあ考えてみろ。おまえの世界は現実にないだろ?その現実にない世界の王様になって何が嬉しいんだ?」
きっぱり言いやがった。
「じゃあこの腕輪は? なんで現実にない世界の物がもって来れるんだよ?」
ニタは煙管を灰皿(的なもの?)に灰を落とした。
トンッ
軽い音がした。
「それはその世界がそういう設定なんだろ。」
「設定!?設定ってことはあの世界が作り物ってこと!?」
「そうだ。」
ニタはまた煙管を吹かした。
「そういう世界は、生き物がなにかの世界を想像することによってこのどこかの空間に想像した世界が作られる。」
「想像で…?」
「ああ。」
プカ〜
「お前の行った世界は多分作ったのは人間だろう。」
プカ〜〜
「けむいよ。」
「気にすんな。 その世界には太陽が昇っていただろ?」
「うん。」
「太陽系に並んでないのに太陽が見えるのはおかしいだろ?」
「ああ!なるほど!」
確かに人間が想像したのなら、太陽は地球と同じように回るはずだ。
「人間であれば、本やテレビとやらの世界を、見た人が想像するからその世界の存在がはっきりして来る。」
「でもその世界は現実でないんでしょう?」
「そうだ。 現実のこの世界とは繋がりを持たない。」
「僕は行けたけど?」
「それも設定だ。だがお前もお前で世界を渡る鍵を持っているんだろう。」
「鍵? 僕は今チャリキーしか持って無いけど?」
「…馬鹿か。そんなん関係ねぇよ。」
プカ〜〜〜
「おまえさんの特性ってことだ。まあ黒の猫股には標準の能力だがな。」
「そうなんだ… じゃニタは?」
「無理だ。 もちろん世界を作ることはできるがな。俺だってお前だってネズ公だってできる。」
プカ〜〜〜〜
「ネ…ネズ公…」
「その世界を作ったところで、その世界へ渡る鍵がないわけだ。だからその世界は作られ自然に衰退していく。忘れられた世界はぽつぽつと消えていく。」
「なんだか悲しいね。」
「さあ。たかが想像だ。」
プカ〜〜〜〜〜
「その作られた世界でも、想像で特定の条件で出入りできるようにしてごらん。出入りができるようになる。」
「へぇ… そんなうまくいくもんなの?」
「1人じゃうまく機能しないかもな。」
「そうなんだ…」
プカ〜〜〜〜〜〜
「ケホッケホッ!」
煙くなってきた。
「悪いね。」
トンッ
ニタはまた灰皿に灰を落とした。
「要するに、あんたが王になった世界は誰かさんの想像力で成り立ってるわけだ。」
「誰の?」
「知るかよ。」
プカ〜
「まだ存在してるってことは、作った本人はまだ生きている。そういう事になる。それで誰かがそれを受け継げばその世界が治められる。」
「だから龍の国に人間の王が必要だったわけ?」
「そうなんじゃないのか?」
投げやり…
「へぇ… 想像の作りだした世界かぁ…」
じゃあ僕が4階から落ちてあの世界へ渡ったのは想像のおかげなのかな?
「ちょっと違うな。」
「あれ?想像の作りだした世界…」
「そこじゃない。4階から落ちたところだ。」
「は?」
念のため言っておくと、4階から落ちた〜  っていうのは心の声であり、決して口に出していない。
「心を読めるってやつ?」
「あたりまえだ。」
あたりまえときましたか…
「お前もできるはずだ。」
《聞こえるだろ?》
「…喋った?」
「いや。」
「じゃあ僕も?」
「どこまで聞けるかはお前次第だ。」
「へぇ… 他になにか力とかあるの?」
「まあな。この力は…」
途中でニタは口を結び、横を見た。
ニタの視線の先には…

「わぁ…」

なんとも美しい日の出だった。
昔見た初日の出より価値のあるものに見えた。

しかし、見えたのは美しい風景だけでなく、せっせと猫仙人が破壊した箇所の修復作業を進行していた。
綺麗な景色が見れたのに、これじゃ台無し…

「猫仙人様〜?」
わざとらしく聞いてみる。 玉吉も作業に参加していた。
「よし、めんどくさいが壊した所を元に戻すか。」
「壊さなければ直さなくていいんですよ〜!」
清白がツッコミ。
「お前も手伝え。」
「僕は壊してないぞ。」
「知るか。手伝え。」
こらこら…
「仕方ないなぁ…」
そう言って、左腕のブレスレットに手を伸ばし…
「ただし魔法は使わないこと。」
「はぁ?」
あれまぁ…
「魔法使わなかったら何もできないよ。僕…」
「つまりお前は魔法に依存してるわけだ。」
「確かに…」
魔法に依存… なんかかっこ悪い。
「依存すると我が身を滅ぼすぜ。」
「やり兼ねない…」
「っつうことで手伝えよな。」
「良い具合に話しを持っていくなよ。」
まったく…

                ※       ※       ※

「よっしゃあ!終わった!」
「お前は何もしてないだろ。」
図星だ。はっきり言って邪魔だっただろう。
「そこは気にせずに…」
先程、ニタは術を使い、木をどんどん元に戻していた。
僕はそれを眺めてただけ。
「よーし、じゃあ次は玉吉の山入り祝いだ〜!」
「「いぇ〜〜い!」」
宴会でも始まるのかい?

予想はものすごく当たった。

僕は、5分もしないうちに床に座らされて、酒や食べ物を進められる始末。
「ささっ、一献。今度のは猫になりませんよっ」
なんて言われてね。
「魚もどうぞ〜!」
とか。
「浮かれてんじゃねぇよ。」
とか…
あれ、これは猫仙人殿だわ。
「浮かれちゃいねぇよ。」
そう言って、渡された飲み物を無意識に口に運んだ。
うん?何の味だろ?
「これはマタタビ酒ですよ…?」
ニタと同じく心を読める猫が答えた。
「マタタビ…  酒!? お酒かよ!!」
そう言ってた頃にはもう遅い…
「?? 吉祥殿? 顔が赤いですぞ…」
「へ…? マジ?… 分んないんだけど… 気分がなんか… どんどんハイになってく…  て言うか…」
バタッ!
「き…吉祥殿!?」
「あ〜あ こいつ酔ってやがるよ。」
ああ… しあわせ…?


※ああ… もうグダグダ…w
もうやりたかっただけかもしれないw
ていうかホントに会話が多い…
ゴメンナサイ!!

とりあえずここでストップします。
書け次第進めますが、不評でしたら削除したいと思います。
Re: 猫股三昧  ―T氏の非凡な生活 ( No.7 )
日時: 2009/06/27 20:01
名前: ケイル

さっそくここを使っての投稿ありがとうございますw

このシリーズは龍の国を行き来する話かと思ってましたが、猫の国が本筋になってくるわけですね。
ニタは主人公の実の父親っことになるのかな?
だとすると、自分の父親にあわや食べられそうになるという、なかなか面白い状況になってきますねw
主人公もいよいよ人間ではないということがハッキリしてきたので、これからどうなるのかというあたり楽しみにしておりますw

ところで保管の方は、後編ができてからにしましょうか?
指示をいただけましたら、今回の分だけでもすぐに保管させていただきます。
Re: 猫股三昧  ―T氏の非凡な生活 ( No.8 )
日時: 2009/06/27 21:14
名前: 名無しのゴンベエ

何やら色々と奥が深そうな展開ですね
続き楽しみにしてまってます。
ただ、あくまでも捕食小説なので、それに関係ない場面がこの後もダラダラ続くようだと疲れそうです…
Re: 猫股三昧  ―T氏の非凡な生活 ( No.9 )
日時: 2009/06/27 23:58
名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>

ケイル様
はい。完結してからでお願いしたいです。

名無しのゴンベエ様
自分もそうなっちゃいそうな気が…(オロオロw
Re: 猫股三昧 修行 ( No.10 )
日時: 2009/06/30 22:39
名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>

…うう…気持ち悪い…


これが二日酔い… なのかな?

うげ〜…

「よお酔っ払い君よお」
この声は…
「悪かったですね、ニタ公さんよう。未成年はそんなもんじゃないの?」
「さぁ。なんでこんな強い酒が用意されたのやら… プププ♪」
えっと… この笑いは…
「おまえが酒強いのに変えたんじゃないのか…?」
「おかげで夢心地だろ?」
こいつは…ホントに猫仙人? ああ、もうすごく笑いこらえてるし… ってか笑ってる。
ふと、なんとなく気になって空を見ると…

ああ良い天気。

じゃなくて…


もうお昼じゃんかよ!
「ねえ… 僕ヤバくない?」
「何がだ?酔いすぎでか?」
んなわけあるかい。
「今頃さ、家出だ〜人さらいだ〜神隠しだ〜 なんて騒いでるよ。 どうすんの?」
「術覚えたら返してやる。術覚えりゃ誤魔化せる。」
「…どのくらいかかる?」
「遅くて2・3月」
「…逃げていい?」
「ゆるさねぇ。」
「早くて?」
「二週間。」
微妙。
「んじゃ… よろしくお願いします。」
仕方ないよ… 帰らせてくれそうにないし…

でもちょっと術って気になるし。

「おう。んじゃ師匠と呼ぶように。」
「は?師匠? 猫に!?」
「お前も猫だ。」
「そうなんだけどさ… なんか嫌じゃない?」
「…知るか。いいから猫に戻れ。 あと俺の前で魔法は禁止。」
「はいはい…」
そういって腕輪に手を伸ばし…

バリバリッ!!
「痛ッ!」

引っ掻かれた。

「何すんだよ!」
「俺の前で魔法使うなっつってんだろうが!」
「はぁ〜!? 今、猫に戻ろうとしたのに!」
「じゃああっち行け。」
「まったく…」
どうやらニタ… じゃなかった。師匠は修行のために魔法を禁止したのではなく、ただ単に魔法が嫌いみたい…

僕はニタから離れ、魔法を解いた。
一気に体が軽くなる。

『戻りまし… 痛ッ』
顔面から一気に転んだ。
『不器用だねぇ』
ニタはいつの間にか煙管を吹かしていた。
『はいはいすみません。酒呑まされたし、体の重さも違うし。 ところで術っていくつあるの?』
『七だ。笛使い、絵師、読心、空間移動、呪術、予知、言語理解。まずお前は、言語理解、笛使いは習わなくて良い。』
『なんで?』
『言語理解はとりあえず省略。やるにしても修行がめんどくさい。」
ものぐさ猫め…
『笛使いは、お前はもうできるはずだ。』
『そうなの?』
『じゃあ10分で吹けるようになれ。』
『んな無茶なぁ…』



―小一時間後…



バタッ…

『お前はホントに猫股か? なんか別の生き物なんじゃないかぁ?」

驚くのも無理はない。
なにせ1時間で七つの術を使えるようになってしまったから。

『疲れた…」

いま僕は、疲れ果てて地面に倒れた所。
『こんな手っ取り早い弟子は初めてだぜ。』
『そこ、褒めるところじゃないの?』
ちなみに、修行途中に2日酔いはニタにどっか吹っ飛ばされてしまった。
『気にすんな。とりあえず山下りていいぞ。』
『そういえばそうですね…』
なんだか早過ぎて虚しいっていうかなんと言うか…
僕は起き上がってから言った。

『もうちょっと居てもいい?』
『何でだ? 今頃、家出だ〜人さらいだ〜神隠しだ〜 なんて騒いでるんだろ?』
『う〜ん… でもなんかもう少しここに居たい気もする。そこらの皆の名前すら聞いてないし。』
『そうか。んならここに居るがいい。』
『うん。』
そう言ってニタは奥にある洞窟へ歩いて行ってしまった。
ニタが去った後、昨日の飲み会でちょっと見た猫達5・6匹が寄って来た。
『あのぅ…』
『うん?』
その内の1匹、白黒の猫が声をかけてきた。
『吉祥殿は… 人であった時の名前は… 『祥吉』だったですか?』
『まあ そうだけど… あれ? どっかで会った… よね!?』
この柄は… いつか見たぞ…
『…影丸?』
『そうです。あの時は、祥吉との名前だったんですよね。お久しぶりです。」
『…えっと……』
なんて言ったらいいんだろう!
影丸は、随分前にペット禁止のアパートで一時期飼っていた猫だ。
飼いきれなくて、親が公園に捨ててきてしまったんだ。
『その… ごめんなさい!』
僕は自分の前足を見ながら言った。
なぜか目を合わせられなかった。
『は?」
影丸が少し面食らったような顔をしている。
周りの猫たちが気を遣ってか、どこかへ歩き去っていった。
『なんで謝るのです? 吉祥殿なにかされましたか?』
『…僕の家で影丸の事を拾ったくせに、また捨ててしまったから… それに僕が影丸のこと虐めてたみたいだから…』

《祥が虐めたから影丸が凶暴化して弟にも被害が行くから捨てたんだ。》

姉の言葉が頭に浮かんだ。
『ああ、その事ですか。』
影丸は、気にする様子もなく言った。
『大丈夫ですよ。そんな昔のこと。』
むしろ笑顔だ。
『…そんな甘くないでしょ?僕のやったこと…』
僕はうつむいたまま聞いた。
姉によると、僕は仔猫だった影丸の尻尾をつかみ振り回したそうだった。
『吉祥殿は小さかったのですから!私もこうして無事ですから!』
『だって!今たまたま無事なんでしょ? もしも… こ…… 殺していたら!』
影丸の顔が少しずつ曇っていった。
『…吉祥殿、お許しください。』
パンッ!!
『…!!』
僕は影丸に本気で殴られた。
『猫たちのマナーを存知ないからかもしれないですが、猫の気遣いを無視しようなど最低です!!』
それも僕の無神経さによって。
『…ごめん。』
ホントに申し訳なくて頭を下げた。
『…いまの行為をお許しください。』
影丸が深々と頭を下げた。
『そんな… 僕が悪かったんだから。許すよ。』
『ありがとうございます。』
『てか、なんでさっきから敬語で僕の方が目上みたいな話し方なの?』
『えっ!? ご存じないのですか?』
ものすごい驚かれた。
『吉祥殿は猫仙人なのですよ。』
『は!?』
同じくらい驚いた。
『なんで? 来たばっかりだし修行も終わったばっかりなのに』
『ニタ殿は、弟子が来たら即引退だ! っていつも言ってましたが…』
勝手に決めてるよまったく。
『悪いけど、ここにはいられないと思うよ。まだ人間のとこでやることがあるから。』
『そうですか。久しぶりに会えたのに、残念です。』
『ごめんね… 影丸は修行中?』
『はい。読心術が生まれつきで、他には言語理解と笛使いが使えるようになりました。今は呪術の修行中です。』
そう言って、日本語で続けた。
「吉祥殿は修行が早く済んだみたいでしたが、どうですか?」
日本語で応答
「全部終わらせた。」
『えっ…』
影丸は文字通り目を見開いた。
気づくとさっき立ち去った猫たちも戻ってきていて驚きの声を上げている。
『あのね、案外楽にできたのよ… ぽんぽんぽーんって…』
『吉祥殿、 それかなりすごいことですよ。』
影丸がそっと話した。
『修行はニタ殿でも丸1日かかったんですよ。なのにそれを1時間だなんて。』
周りの猫たちがうんうんと頷いた。
『…師匠が1日? すごくない!?』
『えっと… あの…ですからすごいのが吉祥殿であって、』
『なんで僕?』
周りの猫たちがクスクス笑っている。
『…ニタ殿は1日。吉祥殿は1時間。』
『…ああ、そういう事か…』
なんだかぼうっとしてた。
すると影丸の後ろにいた白黒の猫が言った。
『吉祥殿眠いんじゃないですか? 判断力やらいろいろ欠けてきております。』
『…確かにそうかも。 よく考えたら半日以上寝てないわ… 飯も食ってない…』
酔っぱらって倒れたから。何も食べる前にね! と心の中で付け加えておいた。
しかし、残念ながら皆様は読心術を習得していらっしゃるので、聞こえたらしくクスクス笑っている。
『では、少し早く山を降りた方が良いですよ。下の皆様も心配なさってるでしょう。』
『分かった。師匠に声かけた方がいい?』
『イタズラされる前に帰っちゃった方がいいんじゃないっすか?』
また別の猫が答えた。
『…そうするよ。うん。』
そう言ってから覚えたばっかりの術を使った。

化身術 ―自分自身を5段階で化かすことができる。3段階目が丁度いいだろう。

頭の中に、人間姿の自分をイメージする。

化けろ!

僕の体を煙が包んだ。

修行の甲斐があったみたい。
うまく化けられた。しかも耳や目は猫の時と同じようにしっかり聞こえて見えている。

「それじゃ、帰るね。」

人間の声はよく通る。
どこからか修行猫たちが湧いてきた。

『お元気で〜!』
『また寄ってくださいね〜!』
『いつか師事してくださいね〜!』
いずれも猫語だが、聴力は猫のままなので、すべて理解できた。
僕は来た坂道を下っていった。

『この度はありがとうございました〜〜!!』
「・・・!」
僕は足を止めた。

玉吉…

『わざわざ連れてきていただきありがとうございました〜〜!!』
「…逆だよ!お前が僕をここに連れてきてくれたんだよ! 僕が感謝しなくちゃいけないんだよ! ありがとうな〜〜!!!」

ぼくと玉吉は、お互いに見つめあった。

2匹の目に少し涙が浮かんだ。


そうして僕は山を下った。

―猫股としての誇りを胸に抱いて…



※とりあえず続きを…
あと1つか2つですね。 3ついくかも分かりませんけどね…w
Re: 猫股三昧  ―T氏の非凡な生活 ( No.11 )
日時: 2009/07/05 20:21
名前: ケイル

主人公SUGEEEEE
猫の世界から現実へと戻ってしまうようですが、これから一波乱起きるのかな?

新着に気付かなくて1週間近く放置してましたが
すいません、スルーしてたわけではないですw
Re: 猫股三昧  ―T氏の非凡な生活 ( No.12 )
日時: 2009/07/05 23:50
名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>

最初は修行風景書きましたが、長〜〜〜〜〜いのでもういっそカットしましたw
今続き書いてますが、やっぱ捕食ないとここに載せる意味無いので、やや強引に盛り込んでおりますw

地道に頑張っております。 生温かい目(!?)で見守ってくださいww
Re: 猫股三昧  ―帰り道 ( No.13 )
日時: 2009/07/10 22:48
名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>


「…まず僕は、黒猫とニタの間に生まれ、ニタが人間に化かし、僕が人間から生まれるように仕組んだ… めちゃくちゃじゃないか!」
一人でぶつぶつ言いながら坂道を下る。
「山には術がかかっていてそこに入ることもそこから出ることもできない。徒歩で行くしかない。」
僕は一人でいるとブツブツしゃべっちゃう人だ。
「ニタが俺を人間の子に見立てたのは俺らを確実に生き伸ばすため。体がまだ子供でも猫股に変化が出来る。」
ひとつずつニタに言われたことを思い出していた。
「笛使いが僕の力。相手の感情くらいは操れる。」
この修行中に、山の見習いの喧嘩を始めさせてしまった。
「絵師の術が、絵に描いた事柄を現実に起こす。効果は想像力によって変化する…」
ニタに絵が下手だと罵られた。
「読心術は、イメージだけで心の表面から奥底まで読める…」
ニタは心を読ませなかった。そこはニタが呪術を使っていると言った。
「呪術は、これといって特定はできないけど、自分で新たに作ることができる…」
例えば? と聞いてみたが、自分で考えろ。と言われただけだった。
「空間移動は、自分の行きたいところと自分を包む煙をイメージする…」
煙が大切なのだ。
「言語理解…はいいか。」
ニタは適当にできるからと言った。この修行は5秒で終わった。
「最後の化身術は…」
これには手を焼いた。30分くらいかかった。
「化身術は5段階。1段階目は幻影。2段階目は容姿のみ。3段階目は感覚も。4段階目はほぼなりきり。5段階目は完全なりきり…」
5段階に定めると術が使いやすくなるそうだ。
ちなみにニタが化かしたのは5段階目。脳も心も人間のものになったが、猫になった途端、呪術によって隠されていた猫の脳等が働き、猫としての生き方を教えた。人間の記憶は猫の脳に受け継がれたので、家に帰ったって問題無い。
「3段階目以降で決まった何かに化けると、それはレパートリーに追加され、いちいち姿を想像しなくても化けられる、と…」
修行中に人間姿に化けたので、さっき化けるのに、たいして時間もかからなかった。
「しかしそのレパートリーの物に化けている時に命を落とすとその化けていた物の死体が残り、化ける前の自分が近くで目を覚ます。」
案外便利にできている。
つまり、自分が白猫に化けていたとして、うっかり車に轢かれたとする。すると、白猫の命が途絶えた途端、自分が白猫の隣で目を覚ますという便利すぎる仕様。
「あと他には…  グッ!!」
いきなり頭痛が襲ってきた!
目がぼんやりしてきて…

頭に映像が流れてきた。

「いってぇ…」
良く分からなかった。
映像が頭に流れ込んできたが、すべて思い出せなかった。

『復習はしっかりできてるんだな。』
後ろから聞きなれた声がした。
「あ、師匠。じゃない、ニタ、何? 僕何か忘れ物した?」
修行は終わったので、師匠じゃない。
『何も持っちゃいなかっただろ。』
「そっか。でも何でこんなとこいるの?猫仙人なのに。」
『俺はもう引退したぜ。』
「はぁ!?じゃあこれからどうするの?」
『お前の指導者だ。』
「迷惑。家じゃ猫飼えないよ。」
『それこそ迷惑だ。飼われる気なんてさらさらない。』
「じゃあどうすんの?」
『居候だ。』
きっぱり言った。ニタは頼む気がないように見える。
「…その方が迷惑。親に見つかるよ。巨大な猫連れてきた〜!ってすぐばれるから。」
『俺がそんなに甘く見えるか?見られなきゃいいんだろ?』
そう言って、ニタの体が煙に包まれたが、煙が消えてもニタは消えていなかった。
「何やってんの?消えてないよ?」
『お前から見たらな。人間には見れない。』
「あ、なるほど。」
これなら家族に見られなくて済む。ニタの力は物凄いから別に呪術をずっと使ってても大して問題無いみたい。
「…ってやっぱ僕ん所くるの?」
『じゃあどこ行けと?』
「…そこらへん?」
『阿呆。あんたん所でいいだろうが。飯くらい自分で用意できる。』
それはそれですごいな…
「こっち来て何するの?」
『山ほどは暇じゃないだろ。』
「はぁ…」
まったく… 何なんだ。こいつは…
『あ、お前今さっき予知夢見ただろ。』
「あ、そういえばそうそう。さっき見たよ。 覚えてないけど…」
『ふん。まだ役に立ちそうにないな。』
そりゃそうでしょ。

そんなこんなで、山を下る一人と一匹。

しかし、その時。 自分は久しぶりに聞く言語。ニタは初めて聞く言語がその場に響いた。

[陛下、こんなところで何してるんですか?]
一人と一匹は凍りついた。

恐る恐る振り返ると…

レオンが竜人姿で立っていた。

「レ…レオン!? なんでまたこんな時にこんな所で…」
ニタの尻尾が驚きで狸尻尾になっている。

レオンは、ニタに話した龍の国の、自分に使える龍だ。お世話係に近い。
[陛下こそ今は学校に行ってる頃でしょう?]
レオンには自分の記憶を全て覗きこまれたことがあり、すべて自分の記憶を理解されている。
「まあね… ちょっといろいろ…」
[…陛下からいい匂いがしますよ?]
「うっ…」
また喰われちゃうんだろうか…
レオンはお世話係のくせして自分を食べようとするとこっちの話なんか聞かない。
[陛下はどっかで猫族でも食べて来たんですか?]
「はぁ!? どういう意味?」
[知らなかったですか? こっちでは猫族は高級食品で…]
まずいぞ…
レオンには見えてないみたいだけど僕の足元には、レオンにとっての高級食材のニタがいる…
ニタはもうマジギレ状態だった。戦闘態勢に入ってしまっている。
自分の弟子が、自分達を食べる種族の王だと知っているから…
『許せねぇ…』
ニタが小さくつぶやいた。
[誰ですか…?]
レオンが見えないニタの方を向いた。
「いや?何もいないよ?」
なんとかこのまま山を降りなきゃ… こんなあまり広くないところで争われちゃたまらない。
『フン。俺が見えねえなら大した奴じゃねぇな。』
いやいやどっちも大した奴だって!
[…陛下 何を連れてるんですか? いい匂いがしますが…]
「…王として命令だ。猫食べるのをやめなさい。」
攻撃態勢のニタの耳がピクッと動いた。
[何ですって? 無理ですよ。ずっと昔からのものですから。]
「そこを変えろ。命令だ。」
レオンが驚いている。 自分も、こんなにはっきり命令をしたことが無かったから。
[…もしロッソ村の1部で止まっても、ロッソ国では止められませんよ。]
「…じゃあロッソ国の王が… その… 猫だとしても?」
言っちゃった…
[…はい? なんの冗談ですか?]
レオンの自分を見る目がきつくなった。お世話係として、嘘をつかれるのは許せないようだ。
「俺は猫だ!人間に化けている!」
[嘘です。私は陛下の記憶を全て読みました。その時には猫だったなんて記憶はありません。]
『あんたの読みが甘いんだよ。』
ニタが口を挟んだ。 まずいよニタ。ここで存在ばらしちゃ。
[…陛下。変な悪戯は止めてください。石を取り上げますよ!]
『やっぱり読みが甘いな。』
「こら!ニタッ…」
止めても遅かった。
ニタが呪術を解いてしまった。
『残念ながらお前の言う陛下様は俺の息子だ。』
[…何故ですか? あなたの記憶が陛下に無いとしても?]
『それはあんたが記憶を読んで勝手に判断した結果だろう?今では吉祥は俺が親だと分かっている。だろ?』
いきなり振られた。
「うん。僕の本物の親はニタと黒猫… えっと名前何?」
『コクフク。黒いに福と書く。』
「…とにかくそれが僕の両親だ。」
[…その猫に記憶を入れられたのでしょう?]
「違う!僕は事実を見せてもらった。」
『吉祥。術を解け。』
ニタは、レオンを睨んだままぼそりといった。
「あ、はい。」
僕は化身術を解き、黒猫に戻った。
『これでも?レオン。 僕はそっちに行った時、既に猫としての記憶は別にあった。だから記憶を読めなくてあたりまえだよ。』
レオンに言った。 猫語だったがレオンにも分かったみたいだった。
[…私は陛下を信用しています。でもこれだけは信じられません。]
レオンの目には何かが浮かんでいた。多分、裏切られた恐怖の目だろう。あとホントに猫だったことを知らされた苦痛の目。
 猫になってそんなことも分かるようになった。
『どうすれば信じてもらえる?』
[…私がどうしたらいいのか分かりません。ただ…]
『…ただ?』
先を促した。 レオンは、僕の目をじっと覗きこんできた。

彼は、本当に本気なんだ。 そう読み取れた。

[あの日のように、もう一度記憶を読みます。 それであなたが本気かどうか分かります。]

ああ… また食べられるのか。 そう思ったが、レオンにふざける表情は無い。

『分かった。』
許可するしか無い。 これによって自分が国から追放されるか、猫が食べられるのを止められるか…

でもそれを止めるために猫の自分が食べられるのは変な気がした。

『絶対終わったら猫を殺さないと約束しろ。』
端で睨んでいたニタが口を挟んだ。

[猫のままでいいのですか?]
『どっちでも… レオンは?』
[最後の高級食材になるかもしれないです。]
…諦めてよ!お願いだからさ!


※やっとこの流れ来ました。ごめんなさい!w
あと、ある方から猫話は他でやってほしい。 との指摘を受けました。
なので、完結したら学校の方へ投稿した方がいいのでしょうか?
Re: 猫股三昧  ―記憶探り ( No.14 )
日時: 2009/07/10 22:58
名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>

[陛下、心の準備はいいですね?]
『良いも悪いもある?早めに終わらせてよね?』
場所は、先ほどの坂道を少し下った所にあった空き地。
ニタは、見たくないとだけ言って空間移動を使ってどこかへ行ってしまった。

レオンが、魔法を解いた。
この時、魔法と術の違いが少し分かった。
魔法は光。術は煙。
これらが大きくかかわっている… 気がした。

そんな事を考えている内にレオンは龍になりきっていた。
[やっぱり猫族は食欲をそそられますね。]
ちょっと毛が逆立ったが、冗談として受け流した。
『…ロッソ村でもう猫は食べさせないからね。』
そうしないと、僕はもう立場が無くなる。そして、あっちの世界で生きていけなくなる。
[これですべてが分かるのですから…]
レオンの目は、悲しみと苦痛で歪んでいた。自分の王を疑うなんてできないのだろう。
『じゃあ… いいよ。』
僕はそう言ってレオンに背を向けた。
目が合っているとなんだか気まずい。
王と家来の関係なのに、こんな事してるから。

[始めますよ…]
そっと呟いた。

僕は背を向けたまま黙っていた。

猫は、見なくても風の動きや匂いで背後の敵を察知することができる。
でも、この全ての感覚をオフにした。

ただ目をつむって黙っていた。

―怖くないのか?
―いつでも殺すことができるんだぜ?
―あいつのあの態度見たかよ?

自分の頭に良くない考えが浮かんだ。

大丈夫だ。レオンは自分を支持してくれている。

頭の中から不吉な考えを追いやった。

その瞬間、体を何かに打ち上げられ体が宙に浮いた。

そうして…

バクゥ!!!!


一瞬で暗い世界へ連れ去られた。


       ※   ※   ※


おい! おい!!  お前!!  何やってんだよ!

こんなあっさり死んじまうのかよ!!

こんなあっさり子供を置いていくのかよ!!

…こんなにあっさり……

       ※   ※   ※

グチュグチュ……

『…』

暗い胃袋の中。
胃壁が不気味に動き、胃液を出している。

『レオン…?』
そう言ったつもりだが、声が掠れてゼェゼェと風が通るだけだった。

『レオン…!!』

体の外から返事が聞こえてこない。

『レオン!! レオン!! 出してよ! 死んじゃう!!』
落ち着け!
体のどこかからそう悲鳴が上がった。
でもダメ。死んでしまう!!!

『レオン! レオン! 助けて!!』
声が出ないどころか、体が動かない。力がどこにも入らない。
胃液の溜まってきた胃の底で横たわってるしかできないのだ!

『レオン… レオン… レオ…ン…』
唯でさえ掠れ声だったものがもっと遠くなっていっている。

気がつくと、自分はすごく泣いていた。
ずっと。ずっと。目が覚める前から。

胃液の中に涙が落ち、見えなくなった。
ポタポタと… ずっと。



そのときふっと蘇った。

体が宙に浮き、暗闇に送り込まれた後の、真の暗闇の中での言葉を。


”こんなにあっさり死んじまうのかよ!!”


自分は、声を上げずに号泣しながら、大きく息を吸った。

『助けてぇ!!!!!!…』

大きく声が響き渡った。

[何事ですか!?]

横たわって動けない自分に、全方向から響き渡って来る。
驚いてはいるものの、声には大きな安心感が含まれていた。

その安心感を受け取り、僕は力が抜けてしまった。

グチャッ…

胃液の中に、僅かに起こしてた頭を沈めてしまった。



また僕は… 目を覚ますだろうか…?



※昨日だけで1つ書けましたw
インターネットの回線死んじゃったんで (一人一)チーン
まったく下手ですねw ごめんなさいw
まもなく完結させます。

あと、NO,13にも書きましたが、小説を、学校かここかどっちに投稿するかが…
意見いただきたいです。
宜しくお願いします。
Re: 猫股三昧  ―T氏の非凡な生活 ( No.15 )
日時: 2009/07/11 20:56
名前: ケイル

ついに捕食展開ですね〜
動けず声も出せずっていうのは、胃の中の恐ろしさが伝わってきて良かったですw
信頼してる部下に食べられてしまう状況というも好きですw

保管は、捕食描写がちょろっとでもあれば応じられますので、こっちで大丈夫ですよw
Re: 猫股三昧  ―予知夢 ( No.16 )
日時: 2009/08/06 00:40
名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>

「やっと山を出たね!」
『なにがやっと だよ… 吐き出されてからしばらく担がれて来たくせに!』
[良いんですよ… ニタ公さん…]
「ってか仕方ないでしょ! 気絶してたら歩けないでしょ!」
『気絶するのが悪いってんだよ!』
[ですからニタ公さん…]
「僕は中で軽く死にかけたんだからね! 気絶で済んだ分いい方だよ!」
『しらねぇよ!自分から喰われたくせに!』
[お二人共…]
「猫が喰われるの止めるためだったんだぞ! おれが喰われなきゃ今頃ニタが腹の中だね!」
『知らねえな!大体喰われるほど俺はとろくねんだよ!』
[…]

山の道入り口にて言い争う一人と一匹。そして見守る一人…
三毛猫のニタ公。人の祥吉。竜人のレオン。

「じゃあ喰われる前に呪術でもやりましょうか〜?」
『あんたに呪術かけられるなんて俺も落ちぶれたもんですな。』
[…お二人ともっ!]
ふたりともレオンの方を向いた。
[私は陛下がいれば満足です♪]
「はぁ〜?」
こっちは迷惑ですが… ニタは横で笑っている。
「猫は食べないんじゃないの?ってかそうしてよ。」
[陛下はいいんですよ♪消化もしませんし。]
「…また今度にしてくれ。」
全く迷惑な御世話係だよ。
『どこまでぼうっとしてんだ。おいレオンさんよう。人間に見られんようにしろ。』
[はい。そうしますね。]
ニタは、人間に見えないようになっていても、人間以外からはなんの変わりなく見える。
でもレオンは、姿を消すとやや半透明になってしまっていた。
「透けてるね…」
[…仕方ないじゃないですか。]
『さあ。行くぞ。』
どこに…?

そう思ってしまった。

そんな事を考えている内に二人は歩き始めていた。

ついていこうとしたら、目の前の絵が、あの時のワンシーンと重なった。

そう。予知夢を見た瞬間と。


そう。僕は、

猫股なんだ。




※よっしゃぁ終わったぁ!w
長々と失礼しました。
あとおまけ付けて終わりです。
Re: 猫股三昧  ―おまけ ( No.17 )
日時: 2009/08/06 00:42
名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>

涼しい夜風が気持ちいい。

少し強いが、昼とは違い、ひんやりした風が吉祥の黒い毛を撫でる。

辺り一面の草原。

僕はそこで香箱を組んで座っていた。

あ、香箱って言うのは手を折り畳んで下にしまうやつ。結構落ち着くんだよ。


そして、気づくと隣に僕のような真っ黒な猫が寄り添っていた。

『こんばんは。』
僕の方から声をかけた。 敵意は全く感じられなかった。

むしろ安心する香りがした。

懐かしい…

『随分と大きくなったのね。』

黒猫は答えた。

『…お母さんなの?』
『ええ。』

今、僕の横には、産んですぐ死んでしまった母。黒福が座っている。

『…これは夢なの?』
『そう。あなたのね。私はあなたに伝えなきゃいけないことがあったの。』

2匹は、話しながら寄り添った。 しばらくしてから黒福が話し始めた。

『あなたはこれから、何度も’戦争’に巻き込まれるわ。でも、戦争を良い方向へ導き、さらに兄弟たちに違和感無く猫であることを伝えられる。』
『戦争?』
『ええ。 あなたはまず森へ行ってらっしゃい。 そこでは兄弟は関わらないけど、大事な事を学べるわ。』
『どこの森?』
『そんなに教えられないわ。自分で答えを探しなさい。』
『…わかったよ。』
『あなたならできるわ。私はしばらくあなたの事を見守ってるわ…』
『ありがとう。僕は全力を尽くすよ…』
そう言ったのは、だんだん母のにおいが遠ざかり始めたから。



…草原に一匹。 黒い猫は座っていた。


END



※ようやく終わりましたよ…
ホント迷惑かけましたw
すみませんでしたっ!
Re: 猫股三昧  ―T氏の非凡な生活 ( No.18 )
日時: 2009/08/06 22:56
名前: ケイル

いやー、長編おつかれさまですっ
いったん筆止めちゃうと再開するの大変ですよねw
異世界同士のキャラたちですが、なにやら丸く収まったようですね〜
そしてまた新たな物語が始まりそうな予感・・・?
Re: 猫股三昧  ―T氏の非凡な生活 ( No.19 )
日時: 2009/08/06 23:32
名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>

また続きを…

そしてまた筆を止めそう…(苦笑


保管よろしくお願いします。。。
Re: 猫股三昧  ―T氏の非凡な生活 ( No.20 )
日時: 2009/08/09 19:10
名前: ハダー

残さず読み終えた
なかなか奥深くて興味そそられる世界観じゃないかw
レオンとのやり取りはいかにもペットとマスターの関係に連想しちまった(ニヤ
続きがあればどんどんコンティニュープリーズw
Re: 猫股三昧  ―T氏の非凡な生活 ( No.21 )
日時: 2009/08/15 19:00
名前: くじら

なんというか不思議な雰囲気が素敵でした。
冒頭とっても惹きこまれましたよ。

趣味を前提にしないお話の中での食べられちゃうシーン
って感じで、そういうのを見つけてしまった時の
背徳感に似た気持ちがして、とっても萌えでした。
Re: 猫股三昧  ―T氏の非凡な生活 ( No.22 )
日時: 2009/08/26 02:18
名前: 吉祥  <sho.horn@hotmail.co.jp>

あ…
返事書きゃなきゃ!w

思い立ったので返事書きますっ!

★ハダーさん
続きもうpしはじめました〜♪
ペットとマスターとは何ぞや…?(←馬鹿
残さず読んでいただきありがとうございます!

★くじらさん
なんか最初のほうが、時間かけすぎて設定がうやむやになってて後半に生かせてなかったんじゃ無いかな… と思ってます…
なにより、大きな矛盾が生じなくってよかったよかった…w
読んでくれてありがとうございます!

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