Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.1 ) |
- 日時: 2010/11/15 23:41
- 名前: とんこつ
- ある山奥の寒村から少し離れた森の中にある祠の前で、一匹の兎と一人の人間がいた。
しかしその兎は体の大きさが隣にいる人間と同じくらいあり、おまけに狩衣を簡略化させたような服を身に纏っている。 それもそのはず、その兎はただの兎なんかではなく月夜兎という神様だったのだ。 さらにその隣にいる人間もよくよく見るとおかしかった。 爬虫類のような縦長な瞳、口からちらりと見える鋭い牙のような歯、そして目元などに残る紺色の鱗……。 この人間も実は水神という龍と竜のハーフの神様が化けたものだったのだ。
「お月様がきれいだね。月夜兎がこういう夜が大好きなのがよく分かるよ」
人間、もとい水神がニコニコしながら隣にいる月夜兎に話し掛けた。
「いや、今日はそれどころじゃないんだが……」
一方の月夜兎は呆然とした表情で答える。
「どうしたの?」
「どうしたの、じゃないだろ!水神、お前人間に化けれたのかよ!」
「うん。つい最近お父さんから習ったんだよ。『人間に化けれたほうが便利だぞ。人間たちの本音が聞けたりするし』って」
つい最近なら知らないのも当然か、と月夜兎は納得する。
「そういえば月夜兎は人間に化けれないの?」
今度は逆に水神が聞いた。 何かと反則的な能力を持つ月夜兎のことだからきっと出来るだろうと思いきや
「出来ない」
という意外な答えが返ってきたので水神は面食らう。
「嘘だぁー。例え丸焦げになろうがミンチになろうがバラバラにされようが瞬時に体を元通りに再構築するなんていう反則的な能力を筆頭に、他にもすごい能力を数多く持つ月夜兎が?」
「ああ。様々な方法を試したが駄目だった」
「つまり月夜兎はキャッ○シット○ンの登場人物のような姿でいるしかないんだね」
「俺はラッツ・ホワイト。ラッツって呼んでくれ。……って馬鹿なことを言わせるんじゃない。だいたいこのネタ理解してくれる人がいるのか?」
「多分いないと思う」
そんな感じの馬鹿げた話を楽しむ二匹だったが、その背後には不審な影が潜んでいた。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.2 ) |
- 日時: 2010/11/16 06:14
- 名前: SQN
- いきなりメタ発言wwww
期待してます
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.3 ) |
- 日時: 2010/11/16 08:04
- 名前: リオレイア
- ネタが判らない。
さて被食者は誰かな?
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.4 ) |
- 日時: 2010/11/16 20:25
- 名前: S
- 人に化ける技って教えてもらったんかいなw
どんな展開になってくやらw
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.5 ) |
- 日時: 2010/11/16 22:06
- 名前: won
- キャッ○シット○ン
ネタ分かりまへん 何ですかそれ
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.6 ) |
- 日時: 2010/11/17 00:09
- 名前: とんこつ
- >SQNさん
私はメタ発言が大好きなので、出来ればちょくちょく小ネタを挟めたらいいなと思います。
>リオレイアさん
今回は人間です。 というわけで続きをお楽しみに。
>Sさん
かなりカオスな展開になりそうです。
>Wonさん
元ネタは『CatShitOne』というベトナム戦争を舞台としたウサギが主人公の戦争漫画です。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.7 ) |
- 日時: 2010/11/17 00:11
- 名前: とんこつ
- その影の正体はいわゆる密猟者であった。
当初は別の獣が目的で山に入ったのだが、思いがけない発見に心を躍らせていた。 喋る兎とは珍しい。 体が大きいからたくさん毛皮を剥ぎ取れると思ったが、こいつは生け捕りにした方が儲かりそうだ。 密猟者は欲望を胸に秘め、こっそりと距離を縮める。 ところが、だ。
「――さてと、後ろで何やら悪巧みをしている愚か者よ。隠れていても無駄だ、出てこい」
月夜兎が普段の陽気な様子とは程遠い凍り付きそうな冷たい声で脅すように言った。
「えっ?誰かいるの?」
一方の水神はというと、全然気付いていなかったらしい。 慌てて辺りを見回していた。
「動くなよ。いつでも撃てるんだぞ」
何故気付かれたんだと心の中では動揺していたが、猟銃を持っているからこちらの方が有利だという安心感からか密猟者は高圧的に言い放った。
「じゃあ撃てば?」
しかし月夜兎は猟銃に臆するどころか、鼻先で笑う。
「出来れば傷物にしたくはなかったんだがな。恨むならてめえの減らず口を恨みな!」
密猟者は躊躇することなく引き金を引いた。 銃口から飛び出した弾丸は、月夜兎の太ももを貫通。 真っ白な毛並みに真っ赤な染みが広がっていった。 ところが月夜兎は全く痛がる素振りを見せず、それどころか銃弾が足を貫いたというのに早くも出血が止まりはじめているではないか。
「えっ……?」
密猟者の背中に冷たい汗が流れる。
「悪いな。私は昔戦いばかりに明け暮れていたせいで、痛覚がいかれてしまっているんだ」
さらりと物騒なことを言う月夜兎。
「よ、予定変更だ!お前を毛皮にしてやる!」
照準を月夜兎の頭に合わせて再び発砲する。 今度も見事に頭に命中したが、反応は先ほどと大して変わらなかった。
「あらま。さすがに頭に食らったら少しは痛いと思ったんだけどな」
月夜兎は頭をぽりぽりと掻く。 さてと、こいつをどうしてやろうか。 月夜兎は考えた。 自分がこの手で半殺しにしてそこら辺に打ち捨ててやるのが一番手っ取り早いけど、それでは何だか芸がない。 どうせならもっと手の込んだ仕返しをしてやりたい。 ……そうだ。 月夜兎の頭の中に悪魔のようなアイデアが浮かんだ。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.8 ) |
- 日時: 2010/11/17 01:14
- 名前: とんこつ
「グッ、頭が割れるように痛い!」
月夜兎は突如頭を押さえてうずくまった。
「どうしたの!?」
ずっと傍観していた水神が血相を変えて月夜兎を抱き起こそうとする。
「あ、あの人間に、私がかつて倒した、邪神が憑いているようだ。そいつが、あの銃の弾に、呪いを込め、それを食らってしまったわけだ。このままでは、私は、死んでしまう」
とても苦しそうに言う月夜兎。
「どうすればいいの!?」
水神は泣きそうな顔で聞く。
「呪いを解くには、あの人間から、邪神を払ってやればいい。だが、手順が大変だ。まず元の姿のお前が、あの人間を、十回丁寧に舐め上げるんだ。邪神を、恐がらせるためにな。そして次に、口の中に入れて、念入りに舐め回せ。そうすれば、邪神はたまらなくなって、あの人間から、出るだろう。そうすれば、呪いは解ける」
途切れ途切れにそう伝えると、月夜兎はその場に倒れこんでしまった。
「分かった。今すぐ呪いを解いてあげるからね」
水神はそう言うと、姿を元に戻し始めた。 さあ何だかよく分からないうちに追われる側となってしまった密猟者。 とにかく逃げなければヤバイということだけは分かったので、密猟者は全速力で逃げ出した。
「あー!変身中に攻撃するのは卑怯だけど、逃げるのも卑怯だぞ!」
元の姿に戻りきった水神は咆哮を上げ、密猟者を追って森の中へと木々を薙ぎ倒しながら入っていった。 すっかり無人となって静まり返る祠。 すると月夜兎が何事もなかったようにケロッとした顔をして立ち上がった。 その手には『龍族・竜族との接し方』という黒い表紙の本があり、『龍族も竜族も自分が信用に値すると判断した相手の言うことならば、どんな内容であろうとも信じて疑わない』と書かれているページを開いていた。
「計画通り」
とても神様とは思えないような邪悪な笑みを浮かべつつ、呟く月夜兎であった。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.9 ) |
- 日時: 2010/11/17 04:44
- 名前: リオレイア
- す、水神さまぁ〜
僕を供物に…
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.10 ) |
- 日時: 2010/11/17 18:45
- 名前: won
- Sな神様ですねw
これからどうなるんでしょうか
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.11 ) |
- 日時: 2010/11/17 20:01
- 名前: S
- 月夜兎さん芸が上手い(笑
最後の月くんでテラ吹いたw
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.12 ) |
- 日時: 2010/11/17 22:29
- 名前: ロンギヌス
- ライトくん!!!w
怖い一面もまたいいですねw
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.13 ) |
- 日時: 2010/11/17 23:29
- 名前: とんこつ
- >リオレイアさん
月夜兎に申し出ればうまいことやってくれるかと思います。
>Wonさん
腹黒ドSって手がつけられませんよね(((((°Α°))))))ガクブルガクブル
>Sさん
月夜兎は確かに演技が上手いですが、それ以上に水神が疑うということを知らないんです(苦笑)
>ロンギヌスさん
見た目は真っ白、中身は真っ黒ですw
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.14 ) |
- 日時: 2010/11/17 23:32
- 名前: とんこつ
「はぁ……、はぁ……」
暗い森の中を密猟者はとにかく走った。 時折木の根に躓きながらも、必死で後ろに迫り来る追跡者から逃れようとする。
「お願いだから待ってよ。痛くなんかしないからさー!」
水神は親友を助けたいという一心で密猟者のことを追う。 その光景は某恐竜映画のワンシーンを彷彿させた。
「あ、あれは……!」
絶望に打ち拉がれていた密猟者の視界にあるものが入ってきた。 それは洞窟であった。 あそこに逃げ込めば後ろにいる巨大な怪物は入ってこれない。 仮に万が一また人間の姿に変身して入ってこようとするら、その時は猟銃で撃てばいい。
「どりゃあぁーッ!」
「逃がすかー!」
密猟者はまるでラグビーでトライを決めるかのように洞窟へ飛び込む。 一方の水神も手を伸ばして捕まえようとした。 水神の爪が密猟者のことを掠める。 しかし間一髪で密猟者に軍配が上がった。
「よ、よし!」
洞窟に飛び込んだ密猟者は素早く立ち上がって奥へと向かった。
「卑怯者ー!出てこーい!」
水神は顔を突っ込んだり腕を突っ込んだりしたが、入り口付近で引っ掛かってしまい奥にいる密猟者に手が出せなくなってしまう。
「誰が出るかよ!爬虫類ごときに人間様が負けるか!」
「なんだとー!もう怒ったぞ!絶対にとっ捕まえてその人間の体から引きずりだしてやるからな!」
今だに月夜兎の言葉を信じているあたり水神の純粋さが窺い知れる。 とはいっても水神だって立派な神様なわけで、その力は本物。 地面に手を当て、地下にある水脈を探る。 するとちょうど洞窟の真下に太い水脈が通っていることが分かった。
「我が眷属の水よ。我は汝の力を求める者なり……」
水神はブツブツと呪文を唱える。 すると何ということでしょう。 密猟者の目の前からあたかも消火栓が破裂したかのように水が吹き出したではありませんか。 さらに降り注ぐ水が密猟者を包み込むように球状の膜を形成していく。
「何をしやがる!」
密猟者は叫ぶが、時は既に遅し。 完全に閉じ込められてしまった。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.15 ) |
- 日時: 2010/11/18 00:07
- 名前: とんこつ
- リオレイアさんへ
今度書く予定の小説にセルモスくんをお借りしたいなぁなんて思っているのですが、いかがでしょうか? 返事をお待ちしております。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.16 ) |
- 日時: 2010/11/18 13:16
- 名前: リオレイア
- 流石、水神様ww
水の檻では猟銃は役に立ちませんな
もちろん良いですよ〜
セルモス 「宜しく〜♪あと、なんか頂戴〜お腹空いた〜♪」
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.17 ) |
- 日時: 2010/11/18 19:30
- 名前: S
- 水の神様だけあって、霊力凄えw
密猟者の未来は・・・
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.18 ) |
- 日時: 2010/11/19 16:49
- 名前: ロンギヌス
- 水檻って………なんと恐ろしい。
入ったら絶対出られないじゃないですか。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.19 ) |
- 日時: 2010/11/19 23:29
- 名前: とんこつ
- >リオレイアさん
ご協力ありがとうございます!
>Sさん
どうやら月夜兎がまだ何か企んでいるようです。
>ロンギヌスさん
水神の気が向いたら解放されます。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.20 ) |
- 日時: 2010/11/19 23:30
- 名前: とんこつ
- 溢れだした水は小川のようになり、密猟者を閉じ込めた水の檻はどんぶらこどんぶらこと入り口へ向けて流れていく。
あの兎といい、このドラゴンといい、一体何なんだよ。 常識では推し測れない両者に密猟者の頭は混乱を極めていた。 そうするうちに入り口に完全に逆戻りしてしまい、目の前にあの恐ろしい怪物の顔があった。
「ご苦労様」
水神がそう言って指をぱちんと鳴らすと、水の檻はただの水となって密猟者に降り注いだ。
「ごほっ、ごほっ!うはぁ……!」
密猟者が激しく咳き込んでいるのをお構いなしに水神は彼を抱え上げた。
「えーっと、最初は何だったけ?ビビらせてから舐め上げる、だったよね」
水神はどうやってビビらせるのがよいのか少しの間考え、恐い顔をしてみることにした。 牙を剥き出し、目をさらに細め、威嚇するかのような唸り声を出す。 いくら天然で穏和な水神と言えども、見た目は西洋の悪役の王様的存在であるドラゴン。 そんなのにとびっきりの恐い顔で睨み付けられた密猟者は、出来ることならさっさと失神して現実逃避をしたいとさえ思うようになっていた。 ところが失神できず、水神が次の段階に入ってしまう。 水神の口が少し開き、そこからニュッと舌が出てきた。
「うわ、わ。やめ、やめて――」
密猟者は腕を突きだして迫り来る舌を弾こうとしたが、無駄な努力に終わった。 圧倒的に水神の力の方が強かったのだ。 水神の舌がゆっくりゆっくりと舐め上げていく。
「うぅ……」
少し生臭い唾液まみれとなった密猟者はもはや考えることさえやめていた。 舐められる回数が増えていくたびに、このまま食われるんだろうなと無意識のうちに思っていた。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.21 ) |
- 日時: 2010/11/20 00:06
- 名前: m.t SQU,0
- 西洋強ぇ
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.22 ) |
- 日時: 2010/11/20 07:41
- 名前: リオレイア
- はうわぁ!
威嚇されたい…舐められたい… ドラゴン的な水神様万歳!!
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.23 ) |
- 日時: 2010/11/20 20:22
- 名前: S
- 大人しい外見でも月夜兎の縁起力でここまで・・・w
まだ企んでるのなら次は・・・くっくっく〜w
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.24 ) |
- 日時: 2010/11/21 00:34
- 名前: とんこつ
- >m.t SQU,0さん
東洋龍は穏やかで優しく、西洋竜は荒々しく強い、というのが私の考え方なので。
>リオレイアさん
ただ舐められるとちょっと生臭くなるのが欠点です。
>Sさん
邪神と化した月夜兎の次なる手はいかに!? 請うご期待!
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.25 ) |
- 日時: 2010/11/21 00:35
- 名前: とんこつ
「……これで十回終〜わりっと。次は口のなかに入れて舐め回すだったっけ?」
水神は独り言を言いながら、口をパカッと大きく開く。 密猟者からすると、地獄の釜が開いたかのように思えたに違いない。
「邪神め!その人間から出てきて月夜兎にかけた呪いを解くまで絶対出さないからね!」
そう言って水神は密猟者を口のなかに入れた。 口はすぐに閉ざされ、辺りは真っ暗となる。 口内は少し生臭くて生暖かい空気が充満する不快な空間だったが、もうそんなことどうでもよかった。 むしろ開き直って心理的に余裕ができたのか、水神の舌を触り始めた。
「ザラザラ、してるんだな」
素直な感想が口からもれる。 その直後、突然舌が動き始めた。 ゆっくりとした動きではあるが、入念に舐め回す。 舐め回す側の水神は、生まれて初めて“生き物”を口のなかに入れたことにちょっとした興奮を覚えていた(月夜兎は神だから除く)。 人間ってこんな味なんだ。 もし自分が食事を絶対に必要としなきゃいけない種族だったら、こりゃ人間のこと狙うだろうな。 意外とおいしいや。 でも自分は神様であり、食事をしなくても餓死はしない。 もしこの人間を食い殺したら、それは不必要な殺生。 不必要な殺生は自分のポリシーに反することだった。 あくまで月夜兎を助けるためにこの人間に憑いている邪神を追い出すのが目的だ。 それにしてもなかなか音を上げないな。 よし、もっと力をこめて舐めてやる。 水神は舐め回す力を徐々に強めていった。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.26 ) |
- 日時: 2010/11/21 00:45
- 名前: リオレイア
- ザラザラした舌にぺろぉってされるのは気持ち良さそうww
これは猟銃片手に月夜兎を狙わねば… いや…知り合いになってしまえば…人間は気に入ったみたいだし… 水神さまぁ…ぼ、僕も…舐めまわして…呑んで下さい!
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.27 ) |
- 日時: 2010/11/21 08:56
- 名前: m.t SQU,0
- たぐともさん>なんか週刊誌にそんなことかいあったような気がするw
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.28 ) |
- 日時: 2010/11/21 21:04
- 名前: S
- 水神さんいい子だなぁ・・・洗礼してくださいw
月夜兎の大嘘に気付いたらどんな仕打ちがあるやら・・・
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.29 ) |
- 日時: 2010/11/21 21:19
- 名前: ロンギヌス
- Sさんへ
「これは罠だ!」みたいな状況にw
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.30 ) |
- 日時: 2010/11/21 22:45
- 名前: とんこつ
「……!」
その矢先、水神は月夜兎がフラフラとした足取りでこちらに近づいてくるのを見つけた。
「水神!その邪神は、お前の足下を見ている!その人間を飲み込むんだ!そしたらさすがに、出てくるはずだ!頼む、私を助けてくれぇ……」
月夜兎は急に痙攣しだしたかと思うと、泡を吹いて倒れた。
「え、え、どうしよう!」
水神の頭はパニックに陥った。 おそらく月夜兎の命はもうわずかで、一刻も早く呪いを解かねばならないだろう。 しかしこの人間を飲み込めば、この人間は下手したら生きながら溶かされるという拷問を味わうことになるかもしれない。 究極の選択であった。 が、やはり親友を捨て置けすることなど出来ない。
「ごめんなさい……」
水神は口内にいる密猟者に謝罪した。 生き物を殺すことになるかもしれないという悲しみからか、目には涙が浮かんでいる。 友のためだ!と自分に強く言い聞かせ、とうとうごくんと飲み込んだ。 一方の飲み込まれた密猟者はすぐに胃へたどり着いた。
「ここはどこだ?」
真っ暗なのには変わりないが、生臭い匂いから酸っぱい感じの匂いに変わっていた。
「……胃?」
なんとなくだが、そう思った。 待て、胃だと? 曖昧だった意識が一気にクリアになった。 冗談じゃない! 確かに殺されるのは覚悟はしていたが、噛み砕かれるなどのいわゆる一瞬での死を想定していた。 生きながら溶かされるなんて拷問じみた殺され方なんて嫌だ!
「うわぁああぁぁーーッ!!」
密猟者は最後の力を振り絞って絶叫した。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.31 ) |
- 日時: 2010/11/21 23:17
- 名前: とんこつ
- 密猟者の命懸けの絶叫は、水神はもちろんのこと月夜兎にも聞こえた。
そろそろ頃合いだな。 そう思った月夜兎は、ピョンと元気よく立ち上がった。
「水神、呪いが解けたみたいだ!」
そう力強く宣言した。
「ホント!?良かった、本当に良かった。早く中にいる人間を吐き出してやらないと」
嬉し涙を流しながら四つんばいになり、密猟者のことを丁寧に吐き出した。
「その人間は私が送っていく。悪いが体を洗ってやってくれないか?」
「分かったよ」
月夜兎の申し出に、水神は素直に応じる。 さっきと同様に地下水を吹き出させ、密猟者の体を洗い流してやった。
「これで問題ないだろう。お前はここで待ってろ。私は今からこの人間を送るから」
月夜兎は密猟者を立たせ、支えるようにしながら山道を目指して歩き始めた。 しばらく歩いて水神の姿も見えなくなった頃、月夜兎が口を開いた。
「密猟者さんよ。神に逆らったらどうなるか分かったな?今日のは言わば神罰だよ」
「分かってます。もう二度と、こんなことしません。お許しください」
精根尽き果てた密猟者はただひたすら許しを請う。 それを聞き届けた月夜兎は、山道の方向を教えて二度とここに来ないことを約束させてから別れた。
「ふう、やっぱり水神の方が効果抜群だね。私ではあそこまで精神的に追い詰めることは出来ないからな。白々しい芝居を打った甲斐があったってもんだ」
月夜兎は陽気に笑いながら歩いていたが、何かとぶつかってしまった。
「痛ッ!木にぶつかっち……」
そう言い掛けて、月夜兎は絶句した。 目の前にあるのは茶色い木ではなく、青い何か。 この青色、どこかでみたことある。 月夜兎はおそるおそる見上げた。 そこには満月ではなく、水神の瞳がギラギラと輝いていた。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.32 ) |
- 日時: 2010/11/22 00:41
- 名前: とんこつ
「しっかりと聞いたぞ。あれは全部演技だったんだ。本当に心から心配して、自分の信念をねじ曲げる覚悟をして、涙まで流したのに!」
最初は冷静な口調だったのだが、怒りが押さえ切れなくなったのか最後は大声になっていた。
「えっ、いや、それはその……。これは罠だ!私を陥れるためのあの人間の罠だ!」
「ふーん、言い訳するんだ。もし素直に謝ってくれたら許そうと思ってたのになぁ」
「待て、話を聞いてくれ。だって考えてみろ。あの人間は毛皮狙いで神である私を撃ったんだぞ!仮に私が痛め付けてやったとしてもだ、肉体的ダメージは与えられても、精神的なダメージは私のこの外見では与えられない。それでは私の気が済まん。肉体的にも精神的にもダメージを与えるには、やっぱり水神の方がよかったんだ。だいたいもし私が『懲らしめてやってくれ』と水神に頼んだとしても、優しいお前のことだから威嚇ぐらいしかせずに逃がしただろ?だから芝居を打ったんだ」
月夜兎は必死で自分のことを弁護する。
「言い訳ばっかり並べるね。もう許さないから」
「はっ?あっ、本当にすまなかったと――」
「だから遅すぎたと言っているんだ!謝罪がさ!」
水神が珍しく怒鳴り散らした。 普段優しい奴が怒るとメチャクチャ怖く感じる現象が発動し、月夜兎はギュッと縮み上がる。
「龍族と竜族からするとね、裏切りというのは逆鱗に触れるのに等しい行為なんだぞ」
水神は月夜兎のことを乱暴に鷲掴みにする。
「しっかりと罰は受けてもらうからね」
そう言って水神は飛び立った。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.33 ) |
- 日時: 2010/11/22 09:00
- 名前: リオレイア
- あわわわわ…
水神様が怒った… 月夜兎はどんな罰を受けるんだろう♪ お腹に入るのならできればご一緒したいです。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.34 ) |
- 日時: 2010/11/22 21:29
- 名前: S
- またも月くんwデスノフラグにはテラ吹きましたw
「やっ・・・やめろん!」 「こいつは○さないと駄目だあああああw」
月夜兎への罰は一体・・・w
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.35 ) |
- 日時: 2010/11/24 00:22
- 名前: とんこつ
- >リオレイアさん
普段おとなしい奴ほどキレると怖いですからね。 自分は中2の時に塾でそれを学びました(今でも思い出すとガクブルです)。
>Sさん
月夜兎は神様のくせして漫画が好きなようです。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.36 ) |
- 日時: 2010/11/24 00:24
- 名前: とんこつ
- 向かった先は水神の住みかである岩山だった。
水神は岩山の中で過ごすときは本来よりも体の大きさを少し縮めている。 しかし今は完全に元のサイズだ。 どうするんだろうなぁと月夜兎が思った次の瞬間、水神の尻尾による一撃が山頂を吹っ飛ばしてしまった。
「あの〜、水神さん?もしかして、相当キレてます?」
水神が住みかにしている洞窟がすっかり上から丸見えになってしまったのを見て、月夜兎は苦笑いしながら尋ねた。
「さっき言ったでしょ。『竜の逆鱗に触れる』の意味が分かってないとは言わせないよ」
水神はかなり刺のある言い方で月夜兎のことを牽制する。
「まずこれ飲んで」
そう言って差し出されたのは月夜兎ほどある壼。 まあ水神からすれば小さな壼なわけだが。 中を覗き込むと、透明な液体が入っていた。
「まさか毒じゃないだろうね?」
月夜兎は訝しげに聞くが、水神はプイッと顔を背けてしまったので観念してその液体を手ですくって飲んだ。
「ん?なんか体がむずむずするぞ。何だこりゃ?……あっ、治まった」
「人間に化ける薬だよ。はい、鏡」
「何じゃこりゃ!?これが私?」
鏡の中には、透き通るような白い肌をした赤い目の童顔の人間がいた(耳は兎のままであったが)。
「もしかしてこの薬の実験台になることが罰だったのか?」
「まさか。そんなわけないでしょ」
月夜兎のわずかな希望は瞬殺された。
「今回の件で人間の味を覚えちゃったんだよ。その責任、月夜兎がちゃんととってね」
「ま、まさか……。私を強制的に人間に化けさせて堪能するつもりなのか?」
水神はその答えの代わりと言わんばかりに月夜兎を口に入れてしまった。
「どうかご慈悲を……」
「薬の効果が切れるまでたーっぷり堪能してあげるからねぇ」
こうして欲深な人間と腹黒な神様に、きっつーい神罰が下されたのだった。
お し ま い
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.37 ) |
- 日時: 2010/11/24 07:02
- 名前: リオレイア
- 良いなぁ…
こんな神罰ならいくらでも…
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.38 ) |
- 日時: 2010/11/24 07:55
- 名前: won
- 1つ気になりますが、月夜兎が人間になった時、
女性でしたか?男性でしたか? 出来れば水神の性別も教えてください
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.39 ) |
- 日時: 2010/11/24 20:15
- 名前: S
- 月夜兎さんもやるときはやるんだなぁ・・・
漫画好きっぽい所もキャラ的には好きです 『神々の戯れ』とても面白かったですw
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.40 ) |
- 日時: 2010/11/24 23:05
- 名前: とんこつ
- >リオレイアさん
月夜兎 「だ、代打を願います……」
>Wonさん
月夜兎は雄(男性)です。 人間に化けた姿は青年といった感じです。 水神は雌(女性)ですが、月夜兎は男だと思い込んでいます(まあ水神の性格と振舞いが女の子らしくないのが原因なんですけど)。 人間に化けた姿は中性的な感じです。
>Sさん 漫画どころかアニメも好きなんですよ。
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.41 ) |
- 日時: 2010/11/24 23:10
- 名前: とんこつ
- ■あとがき
月夜兎 「今回もあとがきは私と水神でお送りいたします」
水神 「また気付いたらただの雑談タイムになってそうだなぁ……」
月夜兎 「今回はまあ何というか、『とんこつ』が暴走したよな」
水神 「ホントそうだよ。初っぱなからいきなりメタな発言だもんね。しかも結構マイナーなネタだし……」
月夜兎 「ユーチューブでCatShitOneの短編映画が無料で公開されてたから結構知ってる人が多いと思ったんだけどなぁ」
水神 「月夜兎の家(祠の地下)ってネットは引いてるわ、漫画はたくさんあるわ、大型テレビとDVDプレイヤーはあるわでかなり人間っぽい暮らししてるよね。というよりむしろオタク?」
月夜兎 「だって神様ってニートみたいなもんじゃん。暇なんだよ。だいたい水神も似たような感じだろ?」
水神 「まあね。って話が脱線しそうだから戻すよ。今回の件で月夜兎の腹黒さが露呈したよね。前々からちょっと腹黒なところがあるなぁとは思ってたけどさ」
月夜兎 「ふむ、それを答えるには私の生い立ちを説明しなきゃならん。私は兎たちの怨念から生まれたんだ」
水神 「えーッ!!月から来た兎さんじゃなかったのー!?」
月夜兎 「そんなメルヘンチックな存在じゃない。食物連鎖の最下層である兎は、常に様々な動物から虐げられている。兎たちは襲われて絶体絶命になったとき『もっと力があれば……!』と思いを抱く。その思いは殺される瞬間『肉食動物への憎しみ』に昇華し、怨念となる。そんなたくさんの犠牲になった兎たちの『肉食動物どもに一矢報いたい』という怨念が具現化したのが私というわけだ。だから私は基本的に腹黒なの」
水神 「ど、どうせ本編の時みたいに嘘なんでしょ?もうホイホイ騙されるもんか。ね、嘘だよね。嘘って言ってよぉ……」
月夜兎 「いや、これマジだよ」
水神 「うわーん!今日はもうひとりじゃ寝られないよー!」
月夜兎 「なんか本編とすっかり立場が逆になっちゃってるな。つーか水神は図体はデカイくせして幽霊とかに滅法弱いね」
水神 「ヒック、ヒック……。だって、怖いの、嫌いだもん」
月夜兎 「そういや前に一緒にホラー映画見たときもずっと私のこと握り締めてたもんな。握り潰されそうでヒヤヒヤだったよ。……あっ、もう時間だ」
水神 「やっぱり雑談タイムになっちゃったよ。えっと、質問があったらどしどし書き込んでね。どんな些細な質問でもちゃんと答えるから」
月夜兎&水神 「じゃ、そういうことで」
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.42 ) |
- 日時: 2010/11/25 20:06
- 名前: リオレイア
- あの…水神さまって、頼まれたら人を食べます?
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.43 ) |
- 日時: 2010/11/25 20:25
- 名前: S
- 月夜兎さんの真相にあらまびっくりw
自分の方は特に質問は・・・ないかと(汗
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.44 ) |
- 日時: 2010/11/26 16:55
- 名前: won
- 確かに兎は食物連鎖の最下層ですね…
月夜兎さんの真相にビックリ; 次回作期待してます^^
|
Re: 神々の戯れ〜神罰〜 ( No.45 ) |
- 日時: 2010/11/27 23:33
- 名前: とんこつ
- >リオレイアさん
素直な性格ですから頼めば食べてくれますよ。 ただそれだとちょっと遠慮がちな感じになるので、挑発して怒らせてから食べられたほうがいいかもしれません(命の保障は出来ませんが)。
>Sさん
私が昔に読んだ怖い短編小説に出てきた『満月の夜に人間を食う兎の化け物』を、自分なりにアレンジして生まれたのが月夜兎なんです。 名前の方は月見バーガーからとったんですけどね(苦笑)
>Wonさん
近いうちに書きます! でも次のを書いたらしばらくROM専になろうかと思ってます。
|