Re: 心 ( No.1 ) |
- 日時: 2010/08/29 16:01
- 名前: S
- ・・・波の音が聞こえる、近くを楽しそうに歌いながら、泳いでいるのはエピオスだろう
というか、そもそも何故俺は海岸なんぞに居るのだろうか・・・
「・・・・・・俺、また負けちゃったんだ」
目を覚ますと、美しい夜空と月明かりが差し込んでくる
俺はそこいらの肉食獣にも負けてしまう程で ギルドからの正式な以来すらも、余りこなした事が無く、納品物や雑魚敵ぐらいしかこなした事が無い 成り立ての正式とも言い難い、文字通りの新米ハンターである
あの時は確か、腕試しにドスジャギィと戦っていたはず・・・ 仲間を沢山呼んで、なかなかうざかったが 意外にもそこそこ戦えて、トドメを刺す時 痛々しそうな所を同情して剣を収め、そこでためらったのが最後 ・・・突き落とされて、ここまで流されたのだろう(しかも渾身のタックルで・・・ 気を失っている間に、ルドロスの餌にならなかっただけまだマシ・・・か
「痛い・・・でも、剣拾わないと・・・」
体は限界なので、キャンプまで丸腰では不安だ この状態で肉食獣なんかと会ったりしたら、今度こそ餌になるのは確実 装備が見当たらないので、目の前の湖を見てみれば 自然の物とは思えない、月の光を受けて反射した物が見えた。・・・おそらくは落とした大剣だろう エピオスには敵意を感じてもらっていないのが幸いだった
「・・・おいたわしや(汗」
俺と一緒に落としてしまった大剣は、一匹のエピオスに刺さっていて 剣の重みで、エピオスは仰向けになって沈んでいた
「早く、村に帰るか・・・」
・・・そういえば、ここ等辺で一度ラギアクルスが現れたっけ 再び現れない事を願いつつ、エピオスの亡骸を裏返してから、大剣を引き抜く 切っ先が特徴のあるバスタードソードだからなのか、水を赤く染めるが広大な湖によって染め返される この状態では、背負って泳ぐ体力が無いので、海岸まで上がって剣を背負う ・・・エピオス達の歌が心地よかった
回復薬も底を尽きているので、もう少し体を休めて、出発する 水面は鏡の如く煌びやかに月の光を反射して輝いていたが とても水蒸気が舞っており、ちょっと息苦しい・・・ ・・・ゆっくり歩いて村まで帰っていると
「あ・・・あいつ・・・」
とっさに、近くの岩陰に見を潜める
先程のドスジャギィが傷を癒す為なのか、寝息を立てて眠っている 下っ端はいない。・・・これなら行けるかもしれない 交戦時は作る時間が無かったが、必要な物はちゃっかり揃えていたので 最後の青キノコと薬草・・・そして、蜂蜜を調合して回復薬Gを作る 道中に、泥棒ぬこが居なかったのが幸いだった
「地の果てまで、送りつけてやるかんね・・・」
大剣を音を立てないように抜く(寝込みを襲うというのは、それはそれで嫌らしい響き・・・
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Re: 心 ( No.2 ) |
- 日時: 2010/08/29 16:02
- 名前: S
- wii版は、クラコンがないとやりづらいが、ヌンチャクでやるのもそれはそれでおもしろい
ちなみに出てきては居ないが、今回のジャギィたんは、一度だけ涙目で逃げたって事で
エピオスは詠ったりしませんが、それっぽいネッシー的モンスターってのが第一印象でしたので何となく・・・ (そもそもネッシーって歌うのか? ジャギィは、その名前なのか、北斗のあの人を思い浮かんでしまうのは作者だけと思います それで海岸に居たのは分かったかと思いますが
1・「や、やめてくれ!た、頼む!・・・」←剣を振り上げられる 2・「かかったな!w」←剣を収める 3・「馬鹿め!勝てばいいんだ!何を使おうが!w」←落ちてく所であざ笑いながら・・・
・・・そいつはごもっとも(汗
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Re: 心 ( No.3 ) |
- 日時: 2010/08/30 07:41
- 名前: リオレイア
- うわぁ…
このハンターに凄い同感。 もし、自分がハンターで大型モンスターを追い詰めたとしてもトドメをさせるかどうか… そもそも、刃を向けられるか…… 2ndGでは密林の巣穴のランポス全滅→レイアを待つ→レイア来る→寝るまで待つ→寝顔観察 してるからなぁ… ラオシャンロンもボウガンのスコープで可愛いお顔を見るだけww
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Re: 心 ( No.4 ) |
- 日時: 2010/08/30 21:11
- 名前: S
- 溜め撃ちを試みて、剣を振り上げる・・・
「あ・・・」
振り上げた時に、僅かに体の方を傷付けたようだった 飛び起きると同時に、尻尾でのなぎ払いで突き飛ばされてしまう
「く、くそがっ・・・なんてドジしてしまったんだ・・・」
着地には成功した。・・・だが、装備を手放してしまったので 剣の方へと、走り出すと・・・
・・・例え難い、歌のような咆哮を上げて仲間を呼んだようだ 雄、雌関係なく、沢山のジャギィが集まってくる 剣は拾えたのだが・・・
「しまった・・・剣の状態は考えてなかった・・・」
下っ端の相手ばかりさせられていたのか 最悪な状況をさらに悪くするようで、切れ味がズタボロな事を忘れていた つい、浮かれてしまっていてこっちの方は目に写ってなかったのだろう
「ただじゃ、喰われないぞ・・・一匹か二匹は道連れにしてやる!」
刃毀れしまくりの、大剣を両手で握り直し、迫り来るジャギィの群れに立ち向かう 縦に一閃、横に一閃を繰り返す・・・これだけでも具合が良ければ、雄ぐらいなら何匹かやられている だが、切れ味が悪いので致命傷を負わせるのが限界 足を引きずり出すと、雑魚の方は再び森の中に消えてしまう 無駄な殺生はしたくない方なので、これはこれでアリだが・・・
背後から襲おうとしているジャギィノスが足場の水面に映る 巴投げでもするかのように、体ごと剣を後ろに振り下げる 切り傷を負ったようで、水面を赤く染める 構えを変えて、再びタックルをぶちかまされる所で、緊急回避・・・
「ぜー・・・ぜー・・・」
転がった川原の砂利が痛い・・・ タックルは避わした物の、引きずったせいで切れ味がさらに落ちてしまったかもしれない あれだけ、斬り回したのに、一匹たりとも転がっちゃいない さっきのジャギィノスは、あれがせめてもの俺へのお返しのようで森の奥へと消えていった
休ませてもくれないようで、一匹のジャギィが飛び掛ってくる ・・・動かなくなった 渾身の溜め撃ちで、一匹はねじ伏せる事が出来た 体も限界というのに、何で俺はこんなに重たい装備で戦うのだろうか・・・ 振り下げた大剣は、地面にしっかりと食い込んでしまって、ちょっとやそっとの力じゃ抜けなかった 挙句の果てに、限界の体では力も思うように込められず ジャギィ達は弱肉強食の中で生きているのだから、加減なんて物も知らない
「ぐあっ・・・」
背後からの奇襲でついに俺もねじ伏せられてしまった 雌は雄よりも、体格が大きく、力も強かったので抜けるに抜けられず 次々とジャギィ達が群がって俺を拘束しだす 見た目よりも凄い重さだった・・・ 視界がジャギィ達で埋まり、たまに生暖かいばかりの吐息が流れ込んで来る
「ん・・・あれ・・・」
いきなり俺から退いたようで ジャギィと言う名の暗闇が晴れて、月明かりが差し込む川原へと変わる 片手を付いて、僅かに体勢を立て直して、顔を上げると・・・ ・・・親玉が目の前に居た
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Re: 心 ( No.5 ) |
- 日時: 2010/08/30 21:14
- 名前: S
- ・・・これは、現実染みすぎている・・・か(汗
今回は、ジャギィ攻めにされましたが、回復薬作る為に、蜂蜜や薬草等を探しに行くと 愛されているのか、必ずドスジャギィが会いに来るからこうしました(普通かもしれないけど ちなみに、多くても5,6体ぐらいしか出てこないが、名前のせいも含めて
「おぅらぁ!w」 「喰らいやがれ!w」 「フヌケがぁ〜!w」
「ふへへへへへwどうだ悔しいか?wあひゃひゃひゃひゃw」 「けッ♪まだまだひよっこだぁ〜w」
・・・やばい、思いつく限りで書いてみると、名前のせいで『ジャギィ=あの人』としか見えなくなった タックルとか攻撃の当りが、フキダシ付きだと・・・
リオレイア氏 こんな序盤のクエストに、返信ありがとうございます
今回はあんな展開ですが、自分なら大剣の溜め撃ちで、冷酷なくらいに起こしてあげるのが通だったりする ・・・経験者でもある兄貴からボウガンは慣れないと、お前じゃ使えないって言われてます(笑 双眼鏡はあるけど、まだボウガン自体持ってませんし、始めたばかりで装備も余裕が無いので 恐竜系キャラは凄く好きなのですが、ズーム↑で寝顔は当分望めそうに無いわ・・・w でも、ジャギィがあんな感じで、命乞いしたら普通にやめてるなw 「何だ!?その目はぁッ!?」と鋭いツッコみを入れられたい・・・
つか、大剣自体を序盤で使う自分が間違ってるのかな・・・(汗 クエストでもないのだけれど、現れたらおちおち採掘もやってらんないから 意地になってドスジャギィ2体まとめて相手したっけな・・・(大剣で
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Re: 心 ( No.6 ) |
- 日時: 2010/08/31 01:23
- 名前: リオレイア
- 大剣は癖がありますからね(笑)
僕はライトボウガンと太刀がメインですな。睡眠弾で眠らせてスコープでドUP ラオは寝ないから観察→接近→退避の繰り返し。 あとは……気づいて無い時に、物陰から覗いてみたり… 安心して歩くレイアの可愛さは犯罪的ww
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Re: 心 ( No.7 ) |
- 日時: 2010/09/01 20:53
- 名前: S
- 捕まえられて、どれくらい弄ばれていただろうか
人を捕食するのは久しぶりのようで、自分という名の夕食を散々舐め回している
先程、練っていた作戦は剥ぎ取り用のナイフで斬り付けて、その内に大剣を・・・ ・・・普通に失敗した(汗 まだまだ、唾液が滴った舌を擦り付けられている とはいっても、ご丁寧に装備が外されているし 他のジャギィ達にも舐めまわされていたので既に全身唾液まみれだった だから、すっかりふやけてしまっていて、水のようにも感じる
「ん・・・これは・・・」
もう一度ポーチの中を探ってみると、何かの手応えがある 空きを作る為に調合していたのを忘れていた閃光弾だった 一瞬だけしか視界を奪わないが 手放されたら、大剣を手に取る時間ぐらいは稼げるかも知れない・・・
「痛・・・」
俺を拘束していた腕の爪が食い込んでしまって その痛みで閃光弾を落としてしまった 閃光弾は、ある程度の衝撃を与えないと炸裂しない 落ちた不発の閃光弾が足元に転がる。・・・既にお見通しだった 付けていたポーチを切り離すと・・・
「ちょ・・・やめ・・・」
そろそろ、舐め飽きたのか口にするようだった ドズジャギィが大きく口を開けると、凄まじい程の唾液が頭から降り注ぐ
「ぐわっ・・・」
頬張ると同時に視界が真っ暗になって 今まで、舐めまわしていた柔らかい舌の感触が頬いっぱいに伝わる 唾液の量も半端では無いので、息もままならなく、泡と化して唾液に混じる
「お前が居なくても、いくらでも代わりは居るから」
「草食獣を狩ってた方が、いい練習になるんじゃないか?」
「ま、また負けちゃった?・・・えぇー?マぁジぃ〜?」
「・・・このまま居続けたら、撒き餌にしてやるからな?」
「ぶっちゃけこんなの連れてくくらいなら、アプトノスの方がよっぽど役に立ちそう(笑」
「うちになら来てくれてもいいよ?。あ、剥ぎ取りとか回収とかの雑用的な意味で」
今までが蘇ってくる・・・
その能力の低さといい、散々馬鹿にされてきたっけ・・・ 誰からも必要とされず、何の役にも立ちはしなかった ハンターとしての素質を誉められた事なんて、一度も無かった ・・・足手まといというのが、いつもの自分だった
そう思われるのも嫌で常に一人で出歩くようになった それなりの自信が付いて、このクエストに挑戦したのがこの結果・・・
結局、夕食同然だった。・・・でも、このまま喰われて死にたかない ・・・だが、もう抗う術も無い。諦めの悪さもここまでだった 体を腹中へと押し込み始めて、諦めかけた時・・・
「オオオオオォ・・・」
・・・夜空から竜のような鳴き声が、口に入れられていても聞こえた 食事中だったドスジャギィもそれに気付いたのか、俺を口から引っ張り出す
気付いた時は突き飛ばされたような衝撃が走って、ドスジャギィから離れていた 粘り付いた唾液を振り払って、ぼやけた視界を元に戻すと・・・
先程のドスジャギィは一匹の飛竜に押し倒されていた ギルドの資料で見た事はある・・・ 今まで歴戦の勇者達の成長を見守って来た飛竜
「飛・・・飛竜・・・リオレイア・・・」
翼の模様が違うような気がするが、今はそれぐらいしか思いつかない 下っ端も、いきなりの出来事でおろおろして、後ずさりしている 今の内に装備を拾えばいい物の、俺もその中の一匹として呆然としていた・・・
「グ・・・ギャッ・・・ガッ」
俺に使った泣き真似は、リオレイアには通用しないと思っているのか 必死にドスジャギィも抵抗しているが、鳥竜と飛竜では力量の差があるようで微動だにしない 無言で顔を覗き込みながら、押し倒している足にどんどん体重をかけて逝っている・・・
「グガッ!」
ドスジャギィの痛そうな泣き声と、何かが砕けたような鈍い音が聞こえた 今までとは、遥かに違う次元を実感して、俺は震え上がってしまっている 腰が抜けてしまって立てず、座り込んだまま後ずさりするしかない・・・
下っ端がリオレイアに睨み付けられて、全員逃げ出した ・・・当りを見回していたリオレイアと一度だけ、目が合ってしまって後ずさりを止める まじまじと俺を見ていたリオレイアは、しばらくすると大剣をくわえて俺の近くに投げて ドスジャギィを頭からくわえ込むと・・・
・・・暴れ続けるドスジャギィの下半身と一緒に、翼を広げ、夜空へと消えていった 羽ばたきが、凄い風を起こして全身を吹き付ける 辺りはやがて、さっきまで交戦していたとも思えない 流れる水の音を取り戻して、元ののどかな風景へと変える
「み・・・見逃してくれた?・・・俺を・・・」
俺は流水の音の中で、座り込んだまま 飛び去っていったリオレイアの後をいつまでも見上げていた・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
親子連れのアプトノスが居る草原で、オルタロスの群れに混じって山菜収集したり 洞窟に行って鉱石を採掘したりする 近くに居たケルビの子供が、採掘や装備の手入れを興味ありげに見つめている
「あれから、どれくらい経った事やら・・・」
大剣の柄に付いている歯型で思い出す・・・こんな、心安らぐ至福の時間・・・ いや・・・全てをもう一度与えてくれたのは、あのリオレイアだった もう一度、会いたかった・・・
あの時さんざん弄ばれたドスジャギィだって、あのリオレイアだって・・・ 俺の心というのは正しい物なのか、今の一時までリオレイアが試しているのかもしれない 心というのは、誰にだってある物だった・・・大剣の刃を砥いでいる砥石に力が入る
「・・今度会った時は、見違える程に強くなってやるからな・・・いつか会いまみえるその日まで・・・」
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Re: 心 ( No.8 ) |
- 日時: 2010/09/01 20:54
- 名前: S
- 恐竜は好きなので今回の捕食者と、モンハンを色んな展開にしてみた結果がこれだよ
やっぱり、ドスジャギィの唾液の量は半端じゃない(笑 どうして捕獲クエストは、自分がお持ち帰り出来ないんだ・・・ リオレイア対ドスジャギィ。・・・実際は分からないが、勝負にならなかった
リオレイア氏 昨日の内に更新する予定だったのだけれど ドスジャギィとロアルドロスを2体ずつ相手していたので出来ませんでした こんな恐竜物?を、呼んで下さっていたのにすみません
太刀は自分も欲しいのだが、まだ作れない・・・w 今は振りが速い大剣みたいなスラッシュアックスが主な武器(若干チート武器だけど・・・ ↑改造したって攻撃力は大剣と大して変わらないから(最後の文末は?
安心して、歩いてるレイア・・・か お次はボルボロスなのだが、まだ飛竜のクエスト自体出てない・・・w どの道、まだボスキャラクターが少ないのですが(汗 ボルたんの水(泥?)浴びかわゆす・・・(それ以外はうざいけど このストーカー的行為は自分もよーく分かりますw 早く装備に余裕が欲しい・・・w
・・・ロアルドロスは、外見を抜かすと可愛いかもしれないw
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Re: 心 ( No.9 ) |
- 日時: 2010/09/03 23:25
- 名前: S
- そんな余裕ないのに、おまけでも書いてみる
・こんな感じじゃないけど、リオレイアは喋る予定だった(色んな意味で、多分イメージ崩壊注意 ・文末のあれとタイトルの関係がやや所か全くの不鮮明だったが、こっちでもそれ ・文自体が少ないのですが、始めはドスジャギィを圧倒させる所から(文はちょっと改修 ・つか、ドスジャギィの声酷いな・・・(が行くらいしか、思いつかなかったが ・捕食が少しだけ(しかもハード
――っと、なっております ちなみに、エンドは変わりません(なんぞそれ
リオレイアは動きがかなり鈍くなったドスジャギィに対して、まだ攻撃をやめない 後ずさりし続けていると、何かが背に当る おそらくは俺と同じくして、腰を抜かしたジャギィと思えば、落とした大剣だった
「やるしか・・・ない・・・」
リオレイアはドスジャギィをどこから捕食しようかと迷っている所だった 今は、一太刀浴びせて追い返すだけで充分だ 足は立った物の、まだ大剣を握る手も震えている それにズタボロに刃毀れしているのだが、こんな状況ではそんな事言ってられない むしろ抗える物があるだけマシだろう ハンマー投げみたく、遠心力を宿らせて大剣を投げ付けようと試みる・・・
「ギシャアアアァァァ!」
リオレイアのさらなる威嚇 その咆哮で再び腰が抜けてしまい、状態を保てずに大剣の回転に負けてしまう
ガシャッ・・・
大剣が手から滑り落ちて川原の細かい石に突き刺さる その音で我に返ったのか、下っ端のジャギィ達も勝ち目が無いと思ったようで一斉に逃げ出した この場には、ドスジャギィ、リオレイア、俺だけになった
リオレイアは、ドスジャギィを捕食し始める 体の一部を砕かれて、抵抗も虚しく捕食に身を任せるしかないようだ 呑気に辺りの花や草木に戯れる虫達と、今のこの状況を取り替えて欲しいくらいだった・・・
鳥竜と飛竜では力の差がありすぎたのだろう 抵抗をうざったく感じたのか、首元に噛み付かれてドスジャギィは一瞬で息耐えた 口からは唾液とも吐血とも分からない物が流れ出ている
至る所から、血染めの白い骨が見え隠れしていて おびただしい程の流血で、ドスジャギィの周囲はおろか水面をも真っ赤に染めている 体中を貪られて、見る影も無かった リオレイアは口元に血を付けたまま、俺の方に振り向く
「はっ・・・」
その鋭い眼光で我に返り、反射するように立ち上がる ただでは喰われたくなかったので、直ぐ後ろにあった大剣を手に取りリオレイアに向ける 静寂の流水が、逃げ場など無いという事を思わせる・・・
「まぁまぁ、およしよ・・・そんなガラクタの寄せ集めで私に立ち向かおうなんて十年早い 命が惜しければ、ちょっと話でもしようじゃない?」 「・・・喋れた・・・のか・・・」
リオレイアは少なくとも、直ぐ様捕食はしないようだった 『見た目で判断するな』なんてのはよく聞くが・・・
「そんな考えなくたっていいのよ?嫌ならその鉄板で私の相手をしてくれるのだろうし」 「・・・・・・」 「そうよ、それがいい判断。誰だって、自分が可愛いから命は惜しい物 私は不意打ちして食べてしまおうなんて思ってないから、こっちへおいで まぁ、怖がらないでって言うのも無理な話だけれどもね」
力量の差は一目瞭然だろう 見た目はもちろん、正直な所、今は口元の血が怖いのだが・・・
「約束・・・しろよ・・・」 「じれったい子ね・・・男なら、早くしなさいっ」
どの道勝ち目も無ければ、逃げ場もないなら会話してみるしかない 本当に直ぐには捕食もしないようなので、大剣を収め、リオレイアの言う通りにする・・・
「あー、しんど・・・」 「・・・!?」 「いちいち、リアクションが大きい子ね」 「び、ビビらせるなよ・・・」 「ほら、あなたも適当に足崩して」 「は、はい・・・(汗」
ため息交じりで、その場に座り込む 敵意は感じないのだが、緊張がまだ抜けない リオレイアが動作一つするだけでも、足の力が一気に抜けてしまう とりあえずは、寄り添う形で俺もリオレイアの隣に座る
「早速だが、何で俺を助けたんだ?」 「え?何か言った?」 「・・・人の話聞けよ(怒」 「正直、こんなのって楽な物じゃないからね ・・・あ、骨クズ取れた」 「関心しながら、洗い続けんな(内心」
口元の血を洗い流したかったようで、水面で洗っている ・・・また赤く染めやがった(苦笑
「・・・で、どうして助けたかはともかくとして 何故あなたは死にたくないなんて思ったのかしらね?」 「え、俺・・・」 「勝てないと分かっていても、武器になりそうな物で相手をしようなんて考えてたんだもの」
言われてみれば、ただ死にたくなかっただけだった? ギルドの仕事で誰かを助けてる訳でも無ければ、誰かから頼りにされてる訳でもない
「私はその諦めの悪さに同感した それで幾度となくクエストを制覇して来たんじゃないの? 何度やられても、その度に相手の動作を見切って・・・」 「それは・・・やるからには最後までやらないと」 「誰かに認めてもらいたかった・・・とか?」 「まぁ・・・そんな所か・・・(ターゲットは、結局お前に食われたけど」
というか、説教されてる俺は一体・・・ だが、歴戦の勇者達と戦い続けたリオレイアは、そんな事などお見通しなのだろう 目的も持たずとして、戦うのは人間でもない
「じゃあ、あえて偶然という事で 帰りに上空を飛んでいて、手頃な草食獣と思っていたら肉食獣だっただけだけどさ」 「俺の考えすぎか・・・」 「・・・トドメを刺せなかったら、いつか命取りになる 目的を果たす為ならば、時には心を鬼とする事も必要って事だった」 「あんな事があっても、あいつも生活背負ってるんだろうし・・・」 「そうよね、そう思えるのはあなたのいい所」
大剣の方へと目が行ってしまう そんな痛々しそうな所目掛けて、こんな物振り下ろすなんて想像したくない 人にもよるが、残酷極まりない・・・
「・・・もう一度、あなたは私の仲間達の前に立ち塞がる 今度は、狩りあう物同士として・・・」 「は?」 「今は、あなたなりに受け止めてくれればいい 死に損ねたのなら、次はどんな死に様をさらけ出すか 助かったのなら、次からどう生かすかと・・・」 「何・・・言ってるんだよ・・・」 「とりあえずは、あなたの心がどの方向に向いていくかって事ね」
色々と性格がおかしいと思っていたリオレイアは真面目に話し出す 何やら話がうまく掴めない・・・
「あらら・・・もうこんな時間・・・話していたら結構遅くなっちゃった」 「・・・・・・」 「帰りに、適当に草食獣を持って帰ってやるか キャンプまで送ってあげようか?」 「は・・・あ、いや、俺は村に帰るからそんな事したら誤解招くだろうし、歩いて帰るよ」 「そう?じゃあこれを使いなさい この価値を知らない新米が捨ててった物だろうけど 使い方は――」 「それくらい新米でも分かるって・・・」 「じゃあ、あなただったんだ(笑」 「・・・価値が分からなくて悪かったな(怒」
そう言って、戻り玉をくれた 何故こんな物を拾ったのか疑問だ
「それじゃ、私はここ等辺でおいとましようかしらね もうあなたと会う事は二度とないでしょ ・・・場合によるかもしれないけど」 「・・・とりあえずは、助けてくれてありがとな お前と会話が出来てよかった」 「今度は立派になって、私の前に現れてちょうだい・・・」
リオレイアは立ち上がると微笑んでいるかのように、俺の顔を見つめる 心まで暖めるかのようだった
羽ばたいては行かずに、大分前まで俺が居た海岸の方へと歩き出す 我が子の夕食に、エピオスでももって帰ってやるのだろう 川面を伝うと同時に、凄い重量で足音がここまで伝わってくる 凄まじいばかりの水蒸気が立ち込める海岸へと続く道へ消えていった・・・
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Re: 心 ( No.10 ) |
- 日時: 2010/09/03 23:28
- 名前: S
- と、ようやくこれで終わりです
見てくださった方々には感謝 リオレイアには夕食の確保のついでに ロアルドロスの相手もして下さってます(笑 ↑のぷにぷにしたたてがみに揉まれて寝てみたい・・・(ローラーかわゆす
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Re: 心 ( No.11 ) |
- 日時: 2010/09/04 07:52
- 名前: リオレイア
- やっぱりレイアさんはかわゆすww
そして優しい…
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Re: 心 ( No.12 ) |
- 日時: 2010/09/04 08:11
- 名前: S
- リオレイア氏
何度も返信ありがとうございます
モンハンでは歴代という事で、自分なりに心身立派にしてみました 正直、会話辺りはキャラ崩壊もあったと思うので、リオレイアが好きな方には 申し訳ない事をしたかもしれないと思っていましたが、気に入ってもらえたなら嬉しいですw 最後は近くだから歩いて行かせたけど(歩くレイアは可愛いらしいから・・・ あんな所に歩いていったけど、リオレイアは水に弱かったらどうしよう・・・w
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