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誰という姿
日時: 2010/08/28 19:22
名前: セイル

どうもお久しぶりです
今回はデジモンを書いてみます

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Re: 誰という姿 ( No.1 )
日時: 2010/08/28 19:37
名前: セイル

地平線の果てまで続く澄み切った蒼天の空。
小さな窓に切り取られた風景。
「はぁ・・・」
頬杖を突いてそれを僕はただ見つめていた。
座席に座りすぎて、体の節々が痛い。
シートベルトを外し、背を伸ばし・・・

ーガクンッ!ー

機体が大きく揺れ、緊急用具が上から降ってくる。
「えっ・・・そんな・・」
飛行機・・空中でのトラブルが発生してしまったのだ。
機体の自由を失い、落下を始める。
「うわあああぁぁぁぁぁ!」
それを確認した時には体は宙に浮いていた。

 * * * 

「ぅぅん・・・痛っ・・・」
意識が深淵の闇から僕に帰ってきた。
全身に激痛が走り、体は動かせない。
が、四肢の感覚は生きている。
手が動けば、足も動く。
でも、少し短い気が・・
と、不意に目を開けて見れば・・
「・・・え・・」
絶句した。僕の体は自分では無くなっていた。
黄色の体、白のような水色、青色の縞模様の毛皮を被っている・・
そうだ・・この姿は・・・
ずっと、架空のモノだと思っていたのに。
「・・ガ、ガブモン・・」
そう・・この無人島で僕はガブモンに変身していたのだった。

 * * * 

暫くすると歩く事は出来た。
が、体は非常にだるく、炎を吐くことも出来ない。
波に晒される体を引き起こし、砂浜を歩いていた。
「おい。そこの貴様。」
「あ・・」
声と共に、すぐ頭上を影が覆い、僕は疲弊した声を上げ、それを見上げた。
「私はガルゾォス・イベンガ・アインツァー。
ガイアと言う。」
僕は少し気が楽になった気がした。
デジモンになってしまったのは僕だけではないようだ。
目の前にガイアと名乗る、エアロブイドラモンがいるからだ。
「貴様は・・・誰だ?」
何を今更、名乗る必要もないだろうとして、頭を記憶を疑った。
僕は・・誰?

   ーガブモンー

うん・・そう・・なの?
ううん。ちがう。僕はガブモンじゃない?
あれ?僕は?
「フフッ・・・頭を抱える事じゃないだろ?自分で分かっているのだろう?」

   ーガブモンー

と、声をあげてそう言おうとして慌てて口を噤んだ。
違う違う違う違う! 僕はガブモンじゃない!
だけど何だったっけ?どうしても思い出せない。
「え・・あ・・そ、その・・」
「どうした?“ガブモン”?デジモンである貴様が他者とでも?」
「ぅ・・あ・・えっと・・」
「フン・・強情な奴め・・・」
デジモンではない。と言う記憶に引っかかる何かが、僕を頷かせなかった。
ガブモンではない。でも、元の姿が分からない。
「あ・・え・・う、うわああぁぁ!?」
体が軽い・・と思った瞬間、僕の体は海の上にあった。
バシャン!バシャッ・・バシャッ・・
そのまま海に落下。氷のような海水が体を刺す。
「あぷっ!わっ・・た、助っ・・助けてっ!」
「助けて欲しいのか?」
いきなり海に落とされ狼狽える僕を見て、明らかに口元に笑みを浮かべているあいつ。
「あっ・・っがはっ!た、助けてよぉっ!」
「そうだな・・貴様はガブモンだと言うことを受け入れるか?」
「何を・・わぷっ!?」
足に激痛。海水が瞬く間に体に流れ込み呼吸不可。
視界は真っ青で赤黒い液体が目前を流れていく。
三秒もしない内に気を失った。

 * * * 

この島はどうかしてる。
どこへ行ってもデジモンばかり。全員、凶暴の極み。
出会うなり、餌でも見つけたかのように襲いかかってくる
あの時、ガイアに助けて貰わなければシードラモンにきっと食い殺されていたに違いない。
現に今、グレイモンの追跡を振り切ったところだ。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・」
息を切らせながらあそことは別の砂浜を歩いていた。
お腹・・減ったし・・もう・・ダメ・・
その砂浜のど真ん中で遂に体が限界を迎えた。
こんな所で寝てたら喰われる。
そんな事分かっている。でも、もう限界。
目の前からガルルモンが来てるし・・
「あら、ぼうや。そんな所で寝てると食べられちゃうよ?」
「あ・・・・・ぅ・・・」
「フフッ・・・美味しそう。」
こいつもそうだ。あいつみたいに僕を見て舌舐めずりして笑みを浮かべる。
Re: 誰という姿 ( No.2 )
日時: 2010/09/02 20:36
名前: セイル

すみません残酷表現アリです。

「それじゃ、行こうとしましょう・・」
ガルルモンはその口をあーんと開いて口内を僕に見せつけた。
粘液で嫌らしく光る口内、牙。牙は紅く、黒ずんでいる。
アグッ・・
その牙が僕の首後ろの皮を咥えた。
だらりと僕の体は浮き上がった。
このまま巣でガルルモンの餌になるのだろうか?
それとも、子供がいて、それらに体を貪られるのか?
どちらにしろ、いい運命ではない・・・
視界が霞み、思考力が失われた。

 * * * 

体の衰弱は激しかった。
体を襲う倦怠感は凄まじく、まず体は動かせない。
呼吸も一回で吸える酸素は少し。
その上、血を流しすぎている。
ガイアによって助けられてから、足の出血は止まっていない。そのために、意識がたまに飛んでいた。
グジュッ・・グチャッ・・
ガリッ・・・ガッ・・・ガッ・・
その時生々しい音を耳が捉え、重い瞼を開いた。
「う・・うぇっ・・・」
弱肉強食の世界。息絶えた何かの死体を貪るガルルモン。
その口元を真っ赤に染めながら、その肉を喰らっていた。
初めての光景に目が揺れ吐き気がこみ上げた。
それと同時に自分がまだ生かされている事を悟った。
大木にもたれ掛かっている。足には葉が巻かれ、一応の止血にはなっているもののその葉は赤い。
ガルルモンが助けてくれたのだろうか?
「ぼうや・・まだ生きてる・・?」
「・・・・うん・・」
子をあやす母親のような優しい声。
体の力を抜いて僕は弱々しく答えた。
キュッ・・
「っ!?」
突然ガルルモンが唇を奪い、僕の口に何かを流し込んだ。
突然の事で、その何かを喉に滑り込ませて・・
「んっ!げほっ!ごほっ・・」
喉に詰まらせて咳き込んでしまい吐き出した。
「だ、大丈夫っ?」
「っ・・だ、大丈夫・・です・・」
ガルルモンが前脚で背中をさすってくれた。
「お腹すいたでしょう?もう少し待ってて・・」
再び死体に口を突っ込み、ガルルモンが肉を貪る。
足の皮膚を喰い千切り、筋を引き千切る。
そこから柔らかそうな腿の肉を喰い千切って口内に収める
モゴモゴと顎と口を忙しく動かし僕の近くに歩み寄る。
口元は真っ赤に血に濡れ、血が滴っている。
普通、誰もがその捕食者そのものの姿を見れば誰もが恐怖を覚える。だけど僕は全く恐くも無かった。
酷い衰弱のせいで意識は朦朧、視界は白い。ガルルモンの声は辛うじて聞き取れる。
僕が生きていられるのも時間の問題だ。
このガルルモンは僕を助けようとしている。
でも・・・もう・・いい・・
このガルルモンに食べられよう・・
それなら・・後悔はない。
そう言葉を紡ごうとした矢先、唇が暖かくなった。
僕の口内に口移しで先程の死体の肉が流し込まれた。
血の抜かれた、小さな肉が幾つも流れてくる。
「落ち着いて。ゆっくり、よく噛んで・・」
十分に動かせない体を精一杯使って肉を噛む。
血生臭く、ガルルモンの唾液の味しかしない。
はっきり言って不味い。だけど食べれない訳じゃない。
「うん・・そう・・ゆっくり・・」
Re: 誰という姿 ( No.3 )
日時: 2010/09/06 20:05
名前: S

コメ凄い遅れてると思いますが
自分は狼系ではザングルゥモンが好きだな・・・w(こっちは吸血系だけど
Re: 誰という姿 ( No.4 )
日時: 2010/09/06 22:17
名前: セイル

いえいえ コメントありがとうございます
僕もです〜
今回は狼捕食はお見送りです
はたして誰でしょうか
Re: 誰という姿 ( No.5 )
日時: 2010/09/06 22:28
名前: セイル

ザングルゥモンってどこのシリーズでしたっけ?
あとs様
僕、北欧神話大好きです
指揮者がんばってください
Re: 誰という姿 ( No.6 )
日時: 2010/09/06 23:45
名前: S

それが、自分はデジモンストーリー(無印)で知ったし
それに無印版のDSが、初めてやったデジモンなのでそこまでは知らないんですよね(元はK1狙いで買ってたりする
暗殺者型っぽいマタドゥルモン使いたかったから、素質99まで上げてたな・・・w(ザングルゥモンから進化
ロスエボに引継ぎ出来なかったから、BANDAIにポケモンを是非とも見習って欲しい・・・

無印版のDSで
余計な勘違いかも知れませんが、ザングルゥモンにはツノモンから進化出来ますが
最初の相棒として出て来るので、そこを逃すと当分仲間に出来なかったりします
ザングルは成熟期なので、成長期はぐっと我慢w
・・・まず、あれはフェンリルの間違いだろ(笑

それから
予定は(現時点でも)、かなり書き換えられていますが、応援してくれてありがとうございます
ぶっちゃけタイトルもテラ適当ですが
せめてガッカりさせないように頑張りますw(こればっかだな・・・
ちなみに自分はヴァルキリープロファイルで、北欧神話を知りました
フレイはごっついお姉さんだったのに、実際は男性だったとは・・・(゚Д゚;)
・・・見てみた所、色んな意味であらまびっくりw
Re: 誰という姿 ( No.7 )
日時: 2010/09/07 05:45
名前: セイル

ザングルゥモンってどこのシリーズでしたっけ?
あとs様
僕、北欧神話大好きです
指揮者がんばってください
Re: 誰という姿 ( No.8 )
日時: 2010/09/08 20:49
名前: 名無しのゴンベエ

デジモンってあまり需要なかったりします?

はっきり言って不味い。だけど食べれない訳じゃない。
「うん・・そう・・ゆっくり・・」
健や軟骨などの硬い部分はガルルモンが噛み砕いており、肉自体も細かい。
十分に噛み解されて、衰弱した状態でも咀嚼は簡単だった
ゴクリ・・
「いい仔ね・・でも・・ごめんね・・本当はもっと美味しい物を食べたいでしょう・・・?」
どうしてか分からない。僕は泣いていた。
大粒の涙をポロポロと流していた。
「・・どうしたの・・?」
戸惑うことなくガルルモンは笑顔で僕を覗き込む。
「・・何・・でも・・ないっ・・・」
「ねぇ・・ぼうや・・名前は・・?」
僕は声を上げずに黙って首を横に振った。
「・・親は?はぐれたの?」
両親なんていない。僕はもう、一人だ。
首を横に振る。
「そう・・・寂しかったね・・辛かったね。
もう、大丈夫・・ぼうやは一人じゃない。」
と、ガルルモンは僕を抱きしめる。
確かな温もりが僕を暖めてくれる。
「お姉さん・・・お肉・・食べたい・・」
僕は頬を赤らめ、控えめな声を上げた。
ガルルモンは背中に回した両前脚を戻し、笑顔で僕の頭を撫でてくれた。
衰弱した見ず知らずの僕の為に死体を貪り、丁寧に血を抜き、硬い部分を噛み砕き、噛み解す。
そして、僕を気遣いながら口移す。
甘く、優しい口づけ・・・

 * * * 

白銀に煌めく月。白銀の月光が深淵の闇夜を照らす。
僕は両膝を腕で抱えて、その月を見上げていた。
早くも姉さんと出会って二ヶ月だ。
だけど、僕の頭の枷は外れない。
ー僕は何者なのだろうか?ー
外見はガブモン。中身はなんなのだろうか。
忘れてなければ、思い出せずにもいた。
溜息を一つ。両膝を寄せ、身を縮ませる。
ぼうっとただ前を見つめる。
「・・眠れないの・・・?」
「うん・・」
姉さんが僕の隣に寄り添う。
何時もなら一人で眠れるのに、今日は何故か眠れなかった
嫌な胸騒ぎがして、恐くて、恐くて。
「姉さん・・一緒に寝てくれる・・?」
「フフッ・・いいよ・・」
横になった姉さんのお腹に頭を預ける。
暖かい・・自然と心が安らぎ、僕は知らない間に眠りに落ちた。

 * * * 

「貴様も強情な奴だ・・懲りずにまだ身寄りのない子供を育てているのか?」
「貴方には関係ないっ!ここから去れ!ガイアっ!」
僕と姉さんの前に現れたのはエアロブイドラモン・・・ガイアだった。
その顔に冷徹な笑みを浮かべ、僕らを見据えている。
「そうはいかぬ。貴様の子供を貰いに北のだからな!」
貰いに来た・・?どういう事・・?
「ぼうや、絶対に出てきてはダメよ!ガイアに捕まったら最後よ・・」
木の陰に隠れた僕は生唾を飲んだ。
不安と恐怖の入り交じった姉さんの声に捕まれば最後・・その言葉はそうさせるに十分だった。
「フォックスファイアー!」
姉さんがガイアに蒼炎を放った。
「己の力の差を知ろうとしない愚か者め。」
その蒼炎は右腕一本でねじ伏せられた。
そして、ガイアはすぐさま姉さんに闘気の鋭利な刃を放つ
「ぐあっ・・・ま、まだっ・・」
その一撃で姉さんは重傷を負う。けれど体を奮い立たせガイアに立ち向かう。
「あ、あなたに・・あの仔は渡さない!」
「・・私の恩恵で生かされているというのに・・・伏せているがいい!」
「あがっ・・」
立ちふさがる姉さんをガイアが腕で地面に叩き伏せた。
悲痛な悲鳴と、土埃が舞う。
「姉・・・」
「ダメ!私の事はいい!逃げなさい!早く!」
「・・・っ!」
拳で空を握り、ギリッと奥歯を噛みしめた。
絶対に捕まるものか。僕は姉さんと日常に帰るんだ。

 * * * 

「はぁ・・はぁ・はぁ・・・」
ここは木や茂みが多く逃走にはもってこいだ。
幸いまだガイアに見つかってはいないが、あっちの気配は感じられる。
ガサッ・・ガサッ・・
と、突然目前の茂みが音を立てて揺れだした。
「まず・・」
足が竦んで身動きが出来ない。
ドクン・・ドクン・・・ドクン・・
体も一瞬に緊張し、心臓が激しく脈打つ。
ガサッ・・・ガサリ・・
ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・
しかし、次の瞬間に僕は安堵した。
胸に手を当て、重い息を吐き出した。
茂みから現れたのは僕にとって無害のデジモンだった。
「よかった・・ガイアじゃなくて・・」
トンッ・・
その時、両肩に何かが触れ、喉元には硬く、鋭い何かが突きつけられた。
そうして・・僕は戦慄を覚えた。酷く恐怖し首すら動かせない。
「見つけたぞ・・私なら此処にいるぞ?」
ガイアが顔のすぐ側で口元を緩ませた。
「あの時、喰わずにいたのは正解だった。こんなに美味そうに成長してくれていたのだからな・・」
ベロリッ・・・
ガイアの舌が僕の頬を舐め上げる。
生暖かい唾液が毛に吸われて、じんわりと伝わり、粘ついた。
「ぅ・・ひぃっ!!」
「下手に動くと爪が喉笛を裂いてしまうぞ?」
上半身は腕一本で押さえられ、下半身、両足には尾が巻かれ、その上、急所を爪で取られていると来た。
僕の力では到底振り解けない。
もし、振り解けたとしても、辺りは木々が少なく、茂みも少ない。さらに見通しがよい広場のようだ。隠れる場所が少なかった。
森に逃げ込んだはずなのにどうしてこんな場所に?
「“ガブモン”か・・確か、私好みの味だったな。」
そうか・・僕はガイアの手中で踊っていたんだ。
追いかける振りをして此処に僕を誘導していたんだ。
ーガイアに捕まったら最後ー
姉さんの声が鮮明に脳裏をよぎった。
もうダメだ・・僕は死ぬ・・
Re: 誰という姿 ( No.9 )
日時: 2010/09/09 08:04
名前: リオレイア

あああ……
逃げてぇ!
とりあえずガイア最低。800mm列車砲発射用意!
Re: 誰という姿 ( No.10 )
日時: 2010/09/09 19:44
名前: セイル

リオレイア様
コメントありがとうございます
今回はご察知のようにガイアが捕食者になります
久々に竜の捕食です
Re: 誰という姿 ( No.11 )
日時: 2010/09/09 22:25
名前: リオレイア

ガイアって竜なんですか!?
列車砲発射中止!
さあ、どんどん食べちゃって下さい。ついでに僕も!
↑何よりも竜が好き
Re: 誰という姿 ( No.12 )
日時: 2010/09/09 22:43
名前: giratina

↑吹いたww
(短コメントorz
Re: 誰という姿 ( No.13 )
日時: 2010/09/10 05:59
名前: セイル

リオレイア様
デジモンには詳しくない方ですか?
だったらエアロブイドラモンは画像をググれはすぐでますよ
Re: 誰という姿 ( No.14 )
日時: 2010/09/10 22:50
名前: S

ガブモンは獣系の成長期だから好みの味も分かる気がするw
無印版しかやってないから、よく分からないな・・・
Re: 誰という姿 ( No.15 )
日時: 2010/09/11 16:24
名前: セイル

「怖がらなくてもいい。痛いのは一瞬だからな。」
ドッ・・グジュ・・ニチャッ
ヌチュ・・・グチャリ・・
僕はガイアに押し倒され、両腕を両腕で拘束され、竜の重舌の洗礼を受けた。
ガイアの意志ではなくそれ自体が意志を持っているかのように僕の体を這いずり、唾液で濡らしていく。
「ぁ・・やっ・・あふっ・・・」
時折、舌が敏感部を責め、反射的に屈辱な喘ぎ声をあげてしまう。
「ククク・お前はどこが気持ちよいのだ?」
「誰が・・お前なんかに・・ぁんっ!」
「ん?何か言ったか?」
顔をしかめ、睨みつけて言葉を紡ごうとするもその舌が首筋をベロリと一舐めし体を震わせ喘いだ。
ニチュリ・・グチュグチュ・・
ドロリ・・・グチャリっ・・・
ガイアは嫌らしい笑みを浮かべ僕の体を執拗に舐め回す。
口元から唾液が滴り、太い糸を引く。
「ほぅら・・ここが良いんだろう?」
アグッ・・ムグッ・・ムグッ・・
「あっ・・・やぁん・・や・ゃめっ・・」
ガイアは僕の喉笛に牙を立て甘噛みを始めた。
噛む力も噛むリズムもすべてバラバラで不規則。
唾液の生暖かさとこそばゆさが相まって僕の体は敏感に反応し、喘ぎ声を上げてしまう。
「随分と気持ちよさそうにしているな?」
「う、うる・・さいっ・・っ・・・えぐっ・・」
何も出来ない自分が悔しくてなんだか泣けてきた。
暖かい雫が頬を伝っていく。
「泣きたいだけ泣け。泣き終わる頃にはお前は私の血肉になるのだからな。」
グイッとガイアが鼻先にまで顔を近づけ、僕の涙を舐め取った。
僕の心を侵食するように舌を頬に這わせ、ゆっくり・・べったりと唾液を毛に染み込まされた。
生暖かい、獣臭い唾液が僕の心を呑み込んでしまう。
「頭か?足か?どちらから喰ってほしい?」
「い、嫌っ・・た、食べないで・・助けて・・」
遂に恐怖は絶頂。首を忙しく横に振り、大粒の涙を流して命乞いした。
「助けて・・お願い・・お姉ちゃんに・逢いたい・・」
「・・・・そうか、そうか・・・同情はしてやる・・だが、お前はもう逢えない。お前は私に喰われて死ぬ!」
グ・・・グパァッ!
無数の唾液を飛沫させガイアの口が開かれた。
「あぁ・・ぁぁぁぁぁぁぁっ!」
唾液と粘液に包まれ、嫌らしく光る口内が視界一杯に展開され、身動き出来ない僕は叫ぶしかなかった。
ガブリ・・グチュッ・・・クチュッ・・
グギュ・・・ヌチャヌチャ・・
上半身を咥え込まれた僕はまず舌と唾液の洗礼を受けた。
顔や胸を幾度も舐められ、さらには巻き付いた。
「あっ・・んっ・・・やっ・・ぁっ・・」
ベタベタにガイアの唾液に毛が濡れ、大量の唾液を飲み込んだ。口内が生臭さに包まれ吐き気を催す。
グッ・・アグアグッ・・ムグッ・・グニッ・・
徐ヶに下半身も引き込まれつつ体に牙が立てられ、甘噛みされる。
「ゃっ・・・ゃめっ・・・っ・んぅっ・・」
牙が肉に食い込む度にビクンと体が反応し喘ぐ。
いつの間にか僕の体は完全に口内に収まっていた。
グジュグジュ・・ニチャッ・・ヌチュ・・
ゴプゥ・・ヌチュリ・・
今度は全身が舌の愛撫に晒され始めた。
余す事なくガイアの舌が激しく僕を舐め立てる。
「ぇっ・・げほっ・・がはっ・・」
顔近くを舐められる度に唾液を飲んでしまい吐きそうになる。
苦しく生臭い吐息を吸いながら噎せていると、ニュルリと舌が僕の口内に侵入、舌を絡め取った。
ニュプ・・ニュルルッ・・
グチュッ・・グチュッ・・グチュッ・・グチュぅっ・・
しばらく僕の口内を楽しんだ後、舌が出し入れを始めた。
喉まで侵入、口から出る。また入れて・・・
「んぇぅ・・げぇ・・」
気持ち悪い。口内にガイアの粘液と唾液の混ざった粘つく液体が残った。
その液体がグチャリと口内で糸を引く。
グチュグチュ・・ズルッ・・・
そうこうしている内に暗闇に包まれた口内にゆっくり傾斜がついていく。
ガイアが上を向き、舌も持ち上げたようだ。
唾液まみれの体に摩擦は発生せず、どんどん体は喉に落ちていく。
「あぁ・・誰か・・お姉ぇ・・ちゃんっ・・た、助けてよぉっ!!」
薄暗い肉洞から見上げた光景。
雲一つない晴天な蒼空。
足が、腰が、喉の筋肉に捕らえられ・・・

ーゴクリー
Re: 誰という姿 ( No.16 )
日時: 2010/09/12 07:41
名前: リオレイア

ううーー
羨ましいです。全身愛撫…もう最高!
Re: 誰という姿 ( No.17 )
日時: 2010/09/13 20:13
名前: セイル

ズリュッ・・ズブッ・・ズブッ・・
食道と言う肉洞を生々しい音を上げゆっくり、ねっとりと燕下されていく。
蠕動運動は激しい。無理矢理、肉を押し広げて胃袋に流し込まれていっているものだから蠕動の締め付けは大蛇のそれに等しい。
「うぁぁぁっ・・・ぐぅうっ・・」
身動きは出来ない。食道は僕を収めるだけの容量はない。
蠕動で締め付けられ、粘液で呼吸は妨げられ、体が疲弊していく。
ズブッ・・・ニチュッ・・グチュゥ・・
グニュッ・・グニュリッ・・
狭いガイアの食道は巧みに形を変え、僕を締め上げる。
「ぁっ!っんっ!かぁ・・っ・・」
ジュブッ・・グニュッ・・グニュッ・・
グジュグジュッ・・・ドチャリ・・
狭い食道が終わり、僕の頭が噴門をこじ開ける。
噴門に激しく体を揉みしごかれ、僕は胃袋に流し込まれた

 * * * 

ーゴクリー

「げふぅ・・美味かったぞ。」
呑み込んだ空気をゲップとして一つ。
ねっとりと舌なめずり。
口元から滴る唾液を手の甲で拭う。
「クク・・ゆっくりと溶かされるがいい・・」
あのガブモンは今、私の体内に取り込まれ生々しい膨らみとして私の喉・・いや食道をゆっくり下っている。
私はその膨らみに手を添え感じる。
こういう奴を丸呑みにするのは実に気持ちがいい。
まず・・味。喉越し。幸福感。そして支配感。
このガブモンのすべてをたった今、私が取り込んだ。
その膨らみはゆっくりと喉を楽しませながら下っている。
どれ、もっと苦しませてやろうか・・
膨らみに触れた手で燕下を遅らせる。
これで燕下は遅くなり、蠕動が容赦なくガブモンを締め付ける事だろう。
ヌチュゥ・・・グチュゥ・・ニチュゥ・・
蠕動で粘液が染み着き肉洞と粘液が擦れ粘っこい音を上げ、太い無数の粘液糸を引いてゆっくりとじっくりと下ってくれている。
ズブッ・・ズブッ・・・グジュルゥ・・
手で妨げながらも暫くすると膨らみは下り切り、その分だけ腹が膨らんだ。
どうやらガブモンは胃袋に収まってくれたようだ。
体が震え、気分が高揚する。
「ククッ・・フフフッ・・」
笑いが止まらない。私はガブモンを喰らった。
ただそれだけ。
「この姿をあいつに見せるのも悪くない。」
ジュルリともう一度舌なめずりし、腹の膨らみ・・・ガブモンをまさぐる。
生臭い吐息と粘つく粘液を吐き散らし、暴食の邪竜は森に消えてゆく・・・
Re: 誰という姿 ( No.18 )
日時: 2010/09/13 21:06
名前: giratina

セイルさんって表現が神ですね。
心から尊敬します。
Re: 誰という姿 ( No.19 )
日時: 2010/09/13 21:34
名前: セイル

そうですか?
一応、捕食モノではないですが小説は書いて二年半ぐらいです〜
闇夜の黒狼はお読みになりましたか?
Re: 誰という姿 ( No.20 )
日時: 2010/09/16 20:36
名前: セイル

「痛っ・・・」
幸い致命傷を避ける事は出来たが暫くはあまり動く事は出来なそうだ。
「・・・ぼうや・・大丈夫かな・・」
あの時は思わずああ言ったが正直あのガイアの獲物になった者で逃げ切れた者の名は聞いたことがない。
・・あの仔を失っても・・もう慣れた事だ。
体を起こそうとして、前脚に激痛。
惨めに倒れ込んだ。
「・・何度戦っても殺そうとしなかったくせに・・」
奥歯を噛みしめ、前脚に力を・・・
「クク・・惨めだな・・シルク。」
「・・・ガイアっ!」
あいつが帰って来た!体を急いで起こしつつ睨みつけた。
「貴様に良いことを教えてやろう・・」
「あなたの事だからあの仔を食べたんでしょ!もっと口元を綺麗にしてからレディに会いに来たら!?」
「そうだ・・ガブモンは私の腹の中で安らかに眠っている。」
ショックは受けた。できるならそうであって欲しく無かった。
唾液に濡れたその口元を見れば一発で分かる。
その生臭い唾液の洗礼は私も受けた事がある。
血が無いからにして恐らく丸呑み。
「・・・減らない口を・・」
「それで何用?あの仔だけじゃ喰い足りなかった!?」
「・・ほぅ・・」
「私の仔たち・・二十三匹も食べておいて今度は私を食べるつもりっ!!」
ニヤリと嫌らしく笑みを浮かべるガイア。
私の背筋が張りつめ、一瞬、恐怖を覚えた。
「その通り。喰い足りなかった。それにそろそろお前を喰らいたいと思ってな・・クフフ・・」
まずい・・本気だ。逃げないと・・・
「今度は逃がしはしない・・」
「ぁっ!」
特に酷い前脚の怪我を容赦なくガイアが掴む。
鈍痛が体を襲い、抵抗出来ずに倒される。
「さぁて・・クク・・味見と行こうか?」
四肢を広げるように私の上に乗りいきなり唇を奪う。
クチュッ・・・ヌチュヌチャッ・・・
グチャリ・・ネチャネチャ・・
粘っこい水音を奏で、ガイアの粘液が私の口内で体液と混ざり合いたちまち口内が粘つく。
それどころか舌を押さえつけられ唾液を無理矢理、飲まされた。
「どうだ?私の唾液は美味いだろう?」
「げほぁっ!ごほぁっ!ぇっ・・おっ・・かぇっ・・」
ネジャリと舌が口内から引き抜かれ私の口とガイアのそれと唾液の糸のアーチがかかった。
美味い訳がない!こんなもの飲み続けたら即死だ!
「あ、あんたの唾液なんか生ゴミよ!冗談じゃない!」
「この状況でまだそんな口が聞けるか・・・なら体に教えてやろう!」
グリッ・・グググググッ・・・
「っ!ああっ!やぁん!や、やめてぇ!」
痛みを伴うほどに四肢が押し広げられ、付け根が痛む。
その上、首筋に牙が立てられる。
「随分と艶のある声をあげるな?気持ちいいのか?どうなんだ・・シルクよ?」
「ぁうんっ・・う、うるはぁいっ!」
「見え透いた虚勢を・・」
バクッ・・クチュクチュっ・・
四肢を押し広げられたままいきなり頭部を咥えられた。
視界が真っ暗になり、舌の愛撫が直撃する。
微かなあの仔の匂いの混じった生臭い吐息を受けながら生暖かい唾液が顔に舌によって塗り込まれていく。
「ぁぶぅ・・ぁん・・ん、んんっ・・ぁ・・ん・・」
舌が私を。
舐める。舐める。舐める。舐める。
突如、視界が光溢れた。
私の頭部が吐き出されたようだ。
毛皮を伝い粘性の高い唾液がボタボタと地面に滴っている
汚らしい姿。
「お前が喘ぐとはなぁ・・どうだ?もういちど咥え舐めして欲しいか?」
私は静かに泣き始めた。
「・・・諦めたか・・ならば喰らうとしよう!」
ガイアが口を大きく開く。
私の視界はそれにすっぽりと覆われる。
・・私は・・死ぬのか・・
Re: 誰という姿 ( No.21 )
日時: 2010/09/16 22:40
名前: hunt◆q1mu6R6UYC2

セイルさんとは、初めましてですよね。huntといいます。

giratinaさんのおっしゃる通り、セイルさんは本当に表現力が素晴らしいですね!

さすが2年以上小説を書いている方だ…僕なんて到底及ばないなー…
Re: 誰という姿 ( No.22 )
日時: 2010/09/17 07:56
名前: リオレイア

う…羨ましい…
竜さんにペロペロ…
されてみたいなぁ…
Re: 誰という姿 ( No.23 )
日時: 2010/09/17 20:48
名前: セイル

>hunt様
初めまして。
お褒めの言葉ありがとうございます
ですが、まだまだです
上手い人は本当に上手いですから・・
でも、書籍化できるようにがんばってます

>リオレイア様
いつもつまらない作品にコメントありがとうございます是非ともして貰いたいものですね〜
竜に・・・(どちらかと言えば狼に・・・フェンリルとか)
Re: 誰という姿 ( No.24 )
日時: 2010/09/19 21:49
名前: セイル

「っぐおっ!?」
その巨口が私を呑み込む寸前にガイアが腹を押さえ、退いた。
私はすぐに体を横にし、ガイアを呆然と見つめた。
「おっ・・かっ・・んぉぅ・・っ・・」
ガイアは嗚咽を漏らしている。腹にあった生々しい膨らみは徐ヶにガイアの胃袋・・・・食道・・喉・・と
次々に膨らませながら逆流していき・・
「んごぁ!・・げほっ・・がほっ・・」
ゴパァッ!ドチャドチャっ・・
大量の粘液やら胃液などをまき散らしながらあの仔が吐き出された。
「!?ぼうや!」
「お、お姉ちゃん!」
ガイアの体液から体を起こし、身を翻す。
が、胃袋に収まっていただけあり、動きが遅い。
しかし、大丈夫だった。ガイアもまだ動ける様子ではない
「お姉・・ちゃん・・もう・・大丈夫・・」
ガブモンは私の前にまで体を引きずり、ガイアに体を向ける。
「何をするつもり!?ぼうや、ボロボロでしょ!?」
胃袋でだいぶ弄ばれたようだ。
全体的に毛は溶かされて短く、角にあたっては半分も消化で失っている。毛皮も溶けて穴が開いている。
「き、貴様ぁっ・・・」
「ガイア・・」
「まあいい・・シルクもろとも、もう一度喰らうまで!」
口元から伸びる粘液の糸を手で拭い、ガイアが怒りを露わにする。
「思い出したよ・・僕は人間だ・・」
ガブモンから紡がれた衝撃の事実。それと同時にその拳が光を纏う。
「全部聞いてた・・お前に喰われて死んだみんなの気持ち・・その罪を償え!ガイア!」
拳の光はいっそう強くなり、輝き出す。
「ガブモンである貴様に何が出来る!」
「人間の力を統べ、今こそ断罪の力を受けろ!」
ダンっと地を蹴りガブモンの体が宙を舞う。
「ゴッドブレイカーッ!」
振り下ろしたその拳はガイアに吸い込まれるようにして直撃した。
「ぐぉぉぉおっ!?き、貴様ぁっ!ぐっ・・か、体が・・・・私の体がぁ・・・・」
驚くことに傷一つ付けられないガイアの体が拳の命中部から分解を始めていた。
それと同時にガブモンはパタリとその場に倒れ込んでしまった。
「ま・・まだだ・・ただでは消えん・・貴様を丸呑みにし・・・今すぐ消化してくれるッ!!」
ガイアが牙を剥き、巨口をグパァと開きガブモンを最後の足掻きとして喰らおうと迫る。
ガブモンは意識こそあるものの、胃袋での消化運動による衰弱と今の技による消耗をその目に宿している。
「グォォォォォォォッ!」
「ぼうやッ!」
激しく痛む体に鞭を打ち、力強く地を蹴った。
今、護らなくて、何時、護る!?
ガチンと噛み合う牙が空を喰む。
「き、貴様ら・・などにっ・・・」
「さよなら・・・ガイア。」
私は確かな怒りと憎しみを目に宿し、ガイアを冷たく見下した。
その口元から牙を覗かせ、完全に消えた・・・


 * * * 

僕はもう人間ではない。
ガブモンだ。姉さんを助ける為に人間であることを捨てた
ゴッドブレイカー・・・
あの技が人間の代償だ。
「・・私はシルク。貴方は?」
「ぼ、僕?・・僕はル、ルビィ・・」
「情熱の宝石の名前?ふふっ・・」
「あっ!ひ、酷いよ笑うなんて!」
「ごめんなさい。ふふっ・・ふふ・・・」
ルビィ・・この名前が僕に似合わない事ぐらい分かってる
だけどいい。やっと今、この情熱を注げる人が見つかったから。
いつかこの名前が似合う人に慣れたらいいな・・
「体・・・もう大丈夫なの・・?」
「うん・・大体は・・」
まだ胃液によって爛れた皮膚が所々残ってはいるが、ダメージはあらかた回復している。
ただ、溶かされた角の半分は帰ってこないが・・
「本当・・?・・よかった・・」
「姉・・・んっ・・」
不意に姉さんが寄ってきて、そっちを向いた瞬間、唇を奪われた。
優しい・・キス。
僕は優しく姉さんに抱きついてそれに応えた。


何時までも・・何処までも・・


fin
Re: 誰という姿 ( No.25 )
日時: 2010/09/20 02:25
名前: リオレイア

まさかの生還!
末永く幸せに〜…
ガイアも、少しでも優しさを持っていたら…
もしかしたら三人仲良く暮らせたかなぁ?

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