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消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜
日時: 2010/08/21 20:38
名前: giratina


「えぐっ!…うぐっ!…うわあああん!」

豊かな緑に包まれた場所に幼い泣き声が響き渡る。

「うっせえんだよガキ!死にたく無かったら黙ってろ!」
ドガッ!

幼き顔を殴る、無情な拳。その持ち主は
凶悪な顔つきをしたポケモン、ニドキング
だった。

「ううっ!いたい…いたいよぉ…」

すすり泣いているのはカイオーガ。まだ体が小さく、顔にも無邪気さが残る。
「けっ!幾ら子供とはいえこれが伝説のポケモンの様かよ…なあ?」
「全くだな…こいつの友達とかいう奴も
全然歯ごたえねえし…」

その言うとニドキングの悪友、ヘルガーは、カイオーガの隣に倒れているポケモンを見つめた。リオルとキモリである。
2人とも傷だらけで、ぐったりとしている。

キモリが弱々しく言う。

「カイ…オーガに…触る…な。」

しかし2人は気にも留めない。
…ぐうううう…
「あ、やべ、腹減っちまった。」
「俺もだよ。何か喰い物は…」

一瞬の沈黙…そして…

「「あった。」」

ニドキングはリオルを、ヘルガーはキモリに向かって大口を開け、一気にくわえこんだ!

「ぎゃ…ぎゃあああ…!」
「ぐえええええ…!」

2人は食い込む牙の痛みに、叫び声を上げた。

「へへっ!結構美味いじゃねえか…」
「癖になりそうだぜ…」

その様子を見ていたカイオーガは、

「やめて!やめてよぉ!食べないで!
ねえ!」
必死に助けを乞う。だが…

…ジュル、ジュプリ
二人は瞬く間に口内に引き込まれ、
くぐもった悲鳴が聞こえる。舐めまわされているようだ。

「ウアア…ムワア…ムムウ…」
「ヤ、ヤメ…助けてぇ…」

「へへへ、そろそろ呑み込むか?」
「ああ、おもしれえ」

「お願い!やめてよお!エグッ!2人を出してぇ!」

カイオーガの願いも虚しく…

ゴクリ!
2人の喉が大きく膨らみ、ズルズルと落ちていった。

「あ、あああ…うそ…」

「嘘じゃねえぜ?二人は死んだんだよ!」
「ククク…」

ヘルガーがカイオーガの喉を軽く噛み、
無理やりニドキングの腹を見させた。

胃の中でまだ抵抗しているようだが、
だんだん膨らみが小さくなっていくと、
動かなくなった。

「や、やめてぇ…!こんなの見せないでよぉ…ヒグッ!」

「ま、食物連鎖だからしょうがないよなぁ〜?」
嫌みったらしく言われたその言葉は、
カイオーガの心を槍のように貫いた。

「僕の…エグッ!…初めての…友達だったのに…ウグッ!」

気弱で優しすぎるカイオーガは、この森有数のいじめられっ子だった。友達はおらず、ずっと親だけに育てられてきた。
しかし親が亡くなった後、
優しく声を掛けてきてくれたのが、リオルとキモリ……だった。


「さーて?こいつはお前にやるよ。
ヘルガー。俺もうさっきから喰いすぎた。」

「俺もだ。もう食べられねぇよ。」

…チッ…
舌打ちの後、ニドキングは言う。

「おいガキ。今回は見逃してやるよ。
せいぜい感謝するんだなぁ!ハハハハ!」
「フハハハハ!」


2人は去ろうと後ろを向く。

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Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.1 )
日時: 2010/08/21 20:46
名前: giratina

どうやら03は早く終わりそうです。
forthは…どうしよう。


Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.2 )
日時: 2010/08/21 21:26
名前: スタクルス

おぉ・・・また切ない話になりそう・・・
forthは・・・人間と仲良くなる話というのはどうでしょう?
もちろん自分d(ハイドロポンプ
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.3 )
日時: 2010/08/21 21:44
名前: リオレイア

悲しい過去ですね…
許せん!ヘルガー、ニドキング!
よし、ポラリス戦略核ミサイルを持って来い!

ところで、4thはスタクルス様と同じく人間との関係を……
セルモスならいつでも貸し出しますよ〜。
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.4 )
日時: 2010/08/21 22:10
名前: 闇銀

さすがgiratinaさん、お仕事がお早い!!
ホントに 尊敬します!!
ヘルガーとニドキングへの 仕返しみたいなのもあったりして?
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.5 )
日時: 2010/08/21 22:20
名前: giratina

>スタクルス様&リオレイア様
分かりました。そういうの初めてだなぁ〜

>闇銀様
それはどうでしょう(多分ある
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.6 )
日時: 2010/08/22 08:08
名前: m.t

闇銀さん確かに仕返しがあるかもね
無邪気なカイオーガ様もいいなー
カイオーガ様の捕食歴もここからかな?
\(^o^)/
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.7 )
日時: 2010/08/22 09:19
名前: m.t

じゃあ、2つ書いてから
完全新作つくってー
どーしても鬼畜カイオーガ様が見たいー
(•〜•;)
Re: 消えた理性03 セカンドプレデター ( No.8 )
日時: 2010/08/22 10:08
名前: giratina

あれから10年、カイオーガの体は成長していた。しかし普通の成長ではない。
なんと標準体型の2倍あるのだ。
何故なら…


ドドガガガアアアアアアアンン!!
静寂の後、凄い音が響き渡る。
森の木が20本吹き飛ぶ威力を持った
「ハイドロポンプ」が飛んできたのだ。

その使い手こそ、10年間ひたすらに体を鍛えて鍛えて鍛えまくったカイオーガだった。その強さは異常なのは、先ほどの事で言うまでもない。

「よし!今日はここまでにしよう。」
笑いながら、カイオーガは友の元へと向かった。

今のカイオーガの体は、昔とは大きく違う。蒼く滑らかな、そして美しい体からは、妖艶な雰囲気さえ感じられる。
優しすぎる性格も少し直っていた。

そして美しい身と心、強き力に見惚れて、
たくさんのポケモンが友達となった。
恋人さえいる。

今やこの森のほとんどのポケモンが、
カイオーガに魅了され、友となっている。
ただ、二人を除いて…






そしてその成長の原動力となったのは、
果てしなく黒いものだった。
「復讐」という名の…
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.9 )
日時: 2010/08/22 11:18
名前: S

初カキコです
ヘルガー、ニドキングへの仕返しで捕食歴が開幕・・・かw
・・・それからハイドロポンプの威力カオスすぎるw
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.10 )
日時: 2010/08/22 13:01
名前: m.t

ちょっwwwwwww
ハイドロポンプ一発で
森の5/1破壊出来るんじゃあないですかwwww
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.11 )
日時: 2010/08/22 13:03
名前: 闇銀

おお!!あれから10年経ちましたか〜・・・
続き とても楽しみです!!
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.12 )
日時: 2010/08/22 14:10
名前: m.t

No.10
訂正です。
正しくは、1/5です
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.13 )
日時: 2010/08/22 21:33
名前: W.WOLF

ニドキングとヘルガー・・・
やはりカイオーガ様は鬼畜にいくのかな(笑
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.14 )
日時: 2010/08/22 22:52
名前: giratina

カイオーガとその友達4人は、森中央部の湖で遊んでいた。いつもの微笑ましい光景である。しかし…

「ハハハ…あれ?カイオーガ、もう帰るのか?」
今一番の親友、ジュカインが、湖から離れていくカイオーガに向かって聞く。 

「うん。用事を思い出しちゃて…ごめんね?」
カイオーガは上目遣いに謝る。
「(か、かわいい…)よし!後の事は任せろ!」

「わーい、ありがとう。じゃあね!」

カイオーガはそう言い去っていった。


…はぁ…可愛いよなぁ…
「おいどうしたんだよ。顔赤いぜ?」
友達に言われ、たじろぐジュカイン。

「う、うるせぇ!この!」
「あー!ごめんごめん!ギブアップ!」

他愛もないはしゃぎ声が、ジュカインの心を引き戻した。



「ふう……」

カイオーガは湖からかなり離れた事、自分を誰も見ていない事を確認すると、独りつぶやいた。

「…みーつけたぁ♪…」

カイオーガは口内に水を溜め、地面に向かって軽めのハイドロポンプを繰り出した。

ドーーーン!

軽めとはいえ、水は軽々地面をえぐりとる。大きな穴があいたその中には…

「あ、あひゃあ…」
「おい…話しが違うじゃねえか…」

あのニドキングとヘルガーだった。
体型は2人ともあの頃より大きくなっているが、今のカイオーガと比べれば蛇とねずみだった。

「なんでここにいるのかな?」
…ひいっ!
2人は恐怖ですくみあがる。
ここに居た理由は簡単、
湖に水を飲みに行こうとしていたが、
カイオーガを見つけた途端、逃げ出したからだ。慌てていたあまり、地面タイプのニドキングはヘルガーをひっつかみ、地面に跡を残したまま地中にもぐったのだ。

「さてと?僕が10年間耐えてきた憎しみ、たっぷり味わわせてあげるね。」
…ジュルリ…

舌舐めずりをしながら少しずつ、木の幹に追い詰めていくカイオーガ。しかし内心、
困っていた。

…う〜ん どうしよう…1人食べてるともう1人が逃げちゃうよねぇ…でも二人一緒に
食べる事は出来ないし…



その様子を、150m上空から見ている者がいた。その者はとてつもない咆哮を上げると、一直線に下に飛んで行った。


…うーん。どうしよ…
「お困りのようね?」

天空から、一匹の竜が舞い降りた。

「手伝ってあげるわよ。」
「な、なんなんだよ!こいつはぁ!」
「レックウザ…」

カイオーガにするすると巻き付き、体を舐めているのこそカイオーガの恋人、レックウザだった。

「久しぶりね。なんで来てくれなかったの?」
「僕がオゾン層まで飛んで行けると思うかい?」

怯えている2人をよそに、カイオーガとレックウザは笑いながら話し合っている。
しかし…

「冗談よ。で?どうしたの?」

「実は、かくかくシカジカ四角いムーブなんだよ。手伝ってくれる?」

「もちろんよ。そうと決まれば…!」

シュルシュルシュル!

「え、あ、うわああああ!!」
レックウザの体が素早くヘルガーに巻き付いた。

「この子は私が頂いていいかしら?」
「うん♪」

「ぐえええええ!!」
カイオーガもニドキングを押しつぶすと、
ニコリと可愛い笑顔で承諾した。

「さあ、いきましょうか。」
「あ、ああああああ!!!?」

レックウザはヘルガーを持ち上げると、
空に飛んでいった。

「たのんだよぉ〜♪」
カイオーガは笑顔で見送る。

「それじゃ…」…ギロリ
…ひぃ!

「僕達も…」
舌が這い出してきた。

「あ…ああ…あ…」

…プチャ…ヌチュウ…ペチャア…

「えへへぇ…」
「ああああああっ!!!!」



-上空500m-

「う、うわぁ…」
「あら…怖いのかしら?」
…ペロリ。

「きゃん!」

「ふふふ…可愛いわね♪」
ミシミシ…パキ…ポキリ…

「うぎゃああああああん!!」
巻き付いてくる体が、更に強くなる。

「あ…うぐぅ…ほ、骨が……折れ…る…」
ボキ…バキ、バキイイィ!!

「ひぎゃああ…!…あ、あ、」

もう悲鳴を上げる事すら許してくれない。

「折れるんじゃないわ。折ってるのよ。」

凄まじい圧力に逆らえず、ヘルガーの体は
細くなる程締め上げられる。

「…た、助け…てぇ......許し......あ...だめ...」
…ゴキン♪

背骨が砕かれる音が、明るく響く。

「ひ…あああ…!」
「あら、体中の骨が折れちゃったわねえ?」

「助けて....くだ、さい...もう二度と....しませんから..」

グチュウ...グチャリ....

「あ.....つ、潰れ....!」

骨どころか、肉さえ潰れてきた。


「謝るならカイオーガに謝ってくれないかしら。……フフ…まぁ降ろしてはあげないけどね?」

「…そ…そんな…ぁ…」

レックウザの優しい笑みが、悪魔に見えた。

グチャアア...ブチュウ...

「ah....ぁ..ぁ...」

「痛いでしょう?もっとしてあげるわね♪」





その後20分間、ヘルガーは全身の骨が粉々になるまで、
緑竜にいたぶられた。
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.15 )
日時: 2010/08/22 23:55
名前: m.t

鬼畜レックウザ様登場!!
大変なこっちゃwwwwww
どうしようもないヘルガー、ニドキング
\(^o^)/
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.16 )
日時: 2010/08/23 02:14
名前: リオレイア

ヘルガー羨ましいな♪
蛇みたいに龍に巻き付かれるのも割と好き。
さあて、どんな気持ち良さそうな食いっぷりを見せてくれるのかな?
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.17 )
日時: 2010/08/23 06:34
名前: giratina

「ギャアアアアアアアアス!!!!」
…ビクッ!

突然レックウザが、ヘルガーに向かって咆哮を上げた。

「どう?驚いたかしら。」
「アガ…ガァ…アグ…」

竜の咆哮を至近距離で受けたヘルガーは、全身が麻痺していた。もうピクリとも動けない。

「ふふふ…あーん♪」
「う…ああ…!」

レックウザは大きく口を開き、ピンク色の口内を見せつける。もうレックウザにはする事が無くなった。あとはじっくりいたぶってから頂くだけ…

「…し…にた…く…ない…」
「だから?」
ギュウウウウウウ!!

「…アア…アアアァ!」
懸命に絞り出した命乞いも、聞いてはもらえず、どんどん口の中に入っていく。

「そろそろ…始めるわよ?」
「…だ…めぇ…」

頭から腹までがくわえられると、レックウザはゆっくりと、ヘルガーを舐め始める。
舌を巻き付け、たっぷり濃厚な唾液を塗りつけて…

…ぴちゃ…くちゅう…レロ〜リ…ネトォ…

「あ…あ…」
「どうかしら。私の舌の感触は。気持ち良い?」

降りかかる甘い言葉に答えそうになるが、
理性をフル稼働させた。

「そんな…ことが…ある訳…むひゃああああ!!」
…ヌチャア…クチュ♪
「そう?結構気持ちよさそうだけど…」
「だ、黙れぇ…」

しかしそれを聞いた瞬間、レックウザの加虐心に火がついた。

「分かったわ、もう何も喋らない。」
「え…うむわああ!!!」

舌が首に巻き付き、喉へとヘルガーを引きずり込んだ。唯一見えていた後ろ足も、完全に見えなくなってしまった。

「むぐううう…や、やめて…ください…」
「………」

年上の彼女に懇願するが、何も喋ってはくれない。ただ不気味に笑っているだけだ。

「だ…黙らない…で…たすけてよぉ…」
「…………フフ」

少し笑みを漏らすと、レックウザは鎌首をもたげ上を見上げた。美しい大空が広がっている。

…が、ヘルガーはそうはいかない。
漆黒の喉に落ちてはいくまいと、必死に舌にしがみついていた。

「や…やめてくれ…よぉ…落ちちまう…」

無言である。レックウザは何も喋らず、ただひたすらに舌をくねらせる。

「あ…あああ…だめ…」
ズル…ズルズル…ズプリ!
「あああ!」

足首が舌より柔らかい喉肉に埋もれ、更に奥へといざなっていく…

「うわ!うわわああああ!!!」
ここに来てパニックになるヘルガー。死を恐れ、精一杯の抵抗をする獲物を、舌は温かく包み込む。

「あ…」
「………」
一瞬訪れた快楽に、気を緩めた瞬間。

…ズズ…ズププ…ブニュリ…
「え、あ!ああああ!!」
喉肉が激しく動き、一気に脚、腹、胸を呑み込む。

「あ…あああ…だめぇ…」

ズプニュ!ブニュ…
「あああ…」

柔らかい喉は獲物を求め、大きな口を開く。そして…

「ああ、ああああああ……や、やめ…」
ムニュン…ゴクリ…

最後の叫びを言わせず、レックウザの首は
ぷくりと膨らむ。そしてまだ、ズルズルと落ちていった。

「ふう…」
ようやく口を開き、感想を述べる。

「結構美味しかったわよ。…フフ、さようなら…」

レックウザは地上へと降りて行った…


Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.18 )
日時: 2010/08/23 07:22
名前: giratina

ニドキングも同じような状況だった。
喉に落ちまいと、必死に舌にしがみついている。

…どうしよう…このまま呑み込んでもつまらないしなぁ〜…

またしてもカイオーガは悩んでいた。
今度はこの後のニドキングの処遇についてだ。
5分間考えた後、結果が出る。


「ねぇ…」
「な、なんだよ!今それどころじゃ…」
「友達を殺した罪は…重いよ?」
カイオーガはゆっくりと述べる。

「だ、だから悪かったって言ってるだろう!?許してくれよ!」

どうやらこのニドキングは、謝れば何でも許されると思っているようだ。

「やっぱり君には…」
「あひぃ!?」

「きびし〜いお仕置きがいるねぇ?」
突然巻き付いていた舌が離れ、下に埋もれていった。…ニドキングも一緒に…

「な、なにを…?」
しかし、舌を見つめるニドキングは疑問を覚える。

…50mもある舌が、どうやって口内に存在しているのか…

だがそんな事考えている間に、ニドキングは舌と共に喉では無く、下に開いた穴に引きずり込まれた。

「うむう…くそっ…むわああ…」
かつていじめていた者の口内にいるのは、変な気分だ。そして声が飛んでくる。

「かわいそうだけど…」
「あ?」

「君は胃袋には入れてあげないよ?」

「え?の、望むところ…」
「そっか。ならいいや。」

あっさりと会話が終わる。そこでニドキングはさっきの疑問を聞いてみた。


「クスクス…」
「あ?てめぇ…」

「いや〜?呑気なもんだなぁ〜と思ってね。」
「う、うるせ…」
「その答えは…」


「下をみてごらん。」

ニドキングは絶句する。

そこには、無数の舌が(1本だがそう見える)蛇のように蠢き、ジュプジュルと嫌な音を立てている空間、いや部屋があったのだから…

「な、何なんだよ!ここはぁ!」
「さあね♪舌袋とでもいっておこうか。」

しかし自分は、ズルズルと舌袋につづくチューブのような管の中を落ちている。
まさか…


「お、おい…」
「なにかなぁ?」

カイオーガが嬉々として答える。

「まさか…ここに落とすつもりじゃあ…」


「よくわかったね?正解だよ♪」
カイオーガは無邪気な笑顔で答える。

ニドキングの心より先に体が動いた。
こんな所に落ちたら…

しかしヌルヌルとした壁にツメを立てても
効果は無く、重い体はどんどん落ちていく。

「あああ…助けてくれぇ!」
「その言葉…リオルも言ったよ…」

慌てるニドキングに、重力は冷たい。

「お、おれをあのイヌと一緒にするなぁ!」





沈黙…









「なんだっ...て…?」
ドスのきいた怒りの声は、ニドキングを固まらせる。

「あ…いや…その…」
「イヌ?」
ズプ…ズププ…

「いぎゃあああ!ち、ちがう!口が滑っ…」
「うるさい。」

突然変わった声色に、怯むニドキング。すると…

ズルゥ!

「あっ…」

ニドキングは足を滑らせる。

「あああああぁぁぁぁぁ……!!!」

ギュムウウウウ!!!



Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.19 )
日時: 2010/08/23 08:09
名前: giratina

落ちた。

「いやだあああああ!!!」

舌の海のど真ん中に落ちたニドキングは、
すぐに起き上がり、舌の上を必死に走り抜けて穴に戻ろうとした。しかし…

穴は、今にも閉じようとしている。


「あああ!嘘だろ、おい!」
そういってる間にも穴は小さくなり、
直径10cm程になっていた。

「待って!待ってくれえええええ!!」

ムニュウウン…

穴は見えなくなった。
密室となった舌袋で、舌と2人きり…

「へへへぇ…僕の舌も歓迎してるみたいだよ?」
グニグニとうねりながら、舌の先が近づいてくる。

「あああ…やめろおおおおお!!来るなあああああああああ!!!!」

「久しぶりの…獲物が来た事をさ。」

グニュウン、グニイイン!

一瞬で巻き付かれた。
舌はまるで生き物のようにしゅるしゅると巻き付いており、舌の海に引きずり込む。

じゅぷぷ…ズプウッ…
「や、やめてくれ!助けて…」

そして、ニドキングを恐怖に突き落とす
言葉が投げかけられる。

「じゃあ、僕はこれで♪」
「え、おい!待ってくれよ!」
「体内に話しかけるの疲れるんだよ。」

「そ、そんな…まって!置いてかないでくれぇ!頼む!」
しかし…

「それじゃあ後は任せたよぉ〜…」

舌は理解しているようだ。獲物をくれたご主人様に感謝しているようにも見える。

カイオーガの声が聞こえなくった。

「やだ!ちょっ、助けてくれぇ!」
…ジュプ…ジュムリ…ズププ…

気がつくと下半身は全て舌の海に埋もれていた。このままじゃ…

「くそ!」
必死に体を動かして抵抗するが、柔らかい舌の前では無力だった。

腹、胸から舌が蛇のように這い上がってくる。
早く引き込みたいようだ。

…ペロリ…舌が意思があるかのように
顔を舐める。
恐怖が頂点に達した。

実際意思は無いが、この舌は生きている。
カイオーガが寝た時、又はカイオーガが舌の操作を一時的に止めた時、
この舌は自由に動ける。
そして今、目の前(目ないが)には一匹の怯えた餌、やる事は決まっている。

…ムニュウ…クチャア…

「むああ…やめ…ろぉ…」
舌の激しい舐め回しに、ニドキングは喘ぐしかない。「助けて」と…

「だ、誰かぁ…俺を…」
舌はニドキングの胸まで引きずり込み、
呼吸を苦しめる。

「あがぁ…」
とうとうニドキングの体は、顔以外の全てが呑み込まれた。もう逃げられない。

…ジュムム…ブニュウ…ギュムムム…
「あ…ぁぁぁぁぁ……ぁ」
小さな悲鳴をあげながら、ニドキングの体は見えなくなった。





















しかしこれは虐待ではない。
いじめ返しでもない。罰である。
カイオーガが流した涙だけの罰なのだ。
そしてその罰の名前は…


「永久幽閉」



これからニドキングは、ずっと舌に包まれて生きていく。身も心もずっと、柔らかく、温かい舌に埋もれて…





舌の海が、嬉しそうにグニグニと蠢いていた。
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.20 )
日時: 2010/08/23 08:23
名前: giratina

カイオーガ専用技「永久幽閉」…解説

カイオーガですら本当に怒りを覚えた相手にしか使わない、カイオーガ最強の技…というか手段。今回が初使用。

概要…獲物を舌の海に埋もれさせ、2度と外に出さない。獲物は消化されず、永遠に拘束される。(要するに無期懲役です)

餌はカイオーガが上機嫌なら貰えるが、不機嫌なら凄い力で圧迫される。



舌を50m伸ばす事があれば出れない事もないが、ほぼあり得ない。

体験談:ニドキングより
「ちょっと…気持ち良いかも…」
…グニグニ♪



舌袋(仮称)について

50mの舌が収納されている袋。胃袋と同じような構造だが、胃袋よりは小さい。
常時舌が蠢いている。足で立つと、ズブズブと沈んでいく。

出入り口もあるが自由に通れるのは舌だけ。開閉も自由。
一度入ると出られない。


以上。コメントお待ちしています。
鬼畜ごめんなさいorz
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.21 )
日時: 2010/08/23 10:17
名前: giratina

キャラ解説

カイオーガ(昔)
15歳 性別…自由に変更できる。
友達が森で一番多い。

レックウザ(昔)
17歳、カイオーガの彼女。性別♀
技…不明

ニドキング&ヘルガー
カイオーガが五歳の頃のいじめっこ。
2人とも残虐非道で、当時はみんなから恐れられた。
が、10年後、カイオーガ(レックウザ)に襲われる。

ヘルガー…レックウザに捕食された。
ニドキング…監禁中
である。

また、この世界での伝説ポケモンは体の大きさを自由に変更できる。(限度はあるが)
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.22 )
日時: 2010/08/23 12:34
名前: 闇銀

おおお!!!! ニドキング、羨ましすぎる!!!!
永久幽閉と舌袋かぁ〜・・・giratinaさんの発想力はすごいなぁ〜・・・
メスのレックウザも かなりイイ・・・!!
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.23 )
日時: 2010/08/23 17:25
名前: giratina

>闇銀様
いえいえそんな…僕の発想力はカスです。
(いやホントに)

舌の海に溺れる夢を見たのでネタに使いました(殴

ご評価、もったいないぐらいありがたいです!

Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.24 )
日時: 2010/08/23 20:58
名前: リオレイア

う、羨ましすぎる!ニドキング!交代してくれ!
てか、カイオーガ!舌袋に入れてくれ!
あ、その前に、レックウザさん、呑み込んで♪
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.25 )
日時: 2010/08/23 23:21
名前: giratina

>リオレイア様

あ〜〜ん♪
レックウザ「さあ、リオレイアくん。入ってきていいのよ?たっぷり舐め回してから、優しく呑み込んであげる♪」

…こ、こらこの無礼者!…

レックウザ「あなたって本当にリオレイア君の風上にも置けないわねぇー。
後でじっくりお仕置きしてあげるわ♪」

…よっしゃー、厳しくお願いします。

※レックウザは体長自由自在なので、
何でも締め上げられます。
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.26 )
日時: 2010/08/24 09:47
名前: giratina

これからテスト期間中なので、もしかしたら書けないかもです。
(書いてほしい人なんて居ないとは思いますが)
ではでは…
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.27 )
日時: 2010/08/24 11:40
名前: W.WOLF

羨ましいなんてもんじゃないですな・・・
お、俺なら歓喜に満ち溢れるww
カイオーガ様に是非会いたい。
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.28 )
日時: 2010/08/24 12:57
名前: giratina

舌の海を想像する時は、胃袋っぽい所に無数の大蛇がいると考えてます。(僕の場合


カイオーガ「そんなに埋もれたい?」
…うん

「まぁ君には色々恨みもあるし…いいかな?」

…おっしゃラッ…ムウゥッ!

「行ってらっしゃーい♪」

ゴクゴク…ゴポリ…

…ああ…(快
という訳でテスト期間中ずっとはいってまーす。

やあ、ニドキング……って目が死んでる…

「テスト終わっても出さないかもねぇ〜」

…それもいいよ……ギュムウ♪…
Re: 悠久の時 ( No.29 )
日時: 2010/08/24 16:45
名前: リオレイア

あうう……
良いよぉ…(歓喜)
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.30 )
日時: 2010/08/24 19:47
名前: giratina

「ただいま♪」

「おかえりぃ〜」

制裁を終えて帰ってきたレックウザと、
きつく抱き合うカイオーガ。

「どうだった?」

カイオーガが問う。
レックウザはニヤリと微笑むと、少し膨らんだお腹を見せつける。

「アハハ、まだ抵抗してるみたいだよぉ〜?」

「その内消えるわよ。あなたはどうだったの?お腹は膨れてないみたいだけど…」

「えへへ…お仕置き中。」

カイオーガは笑って答える。

「あらら…かわいそうに…」

全然そうとは思えない口調で、レックウザは言う。

「さて、どうしましょうか。」
「うーん。一緒に遊んでくれない?」

「デートっていうのよ?
全く子供なんだから…」

「えへへぇ…ボク子供だもん♪」

「まぁいいわ。いきましょ?」

「うん!」

2人は森の中へ消えていった。

※サード完結です。
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.31 )
日時: 2010/08/24 21:40
名前: S

森の中でデートw
レックウザの純粋さに惚れた・・・w

・・・テストって事は登校日なのかな?かな?
自分もあと二日くらいしたら、休みも終わって体育祭の練習だな・・・
最近暑いから、炎の化身に焼き殺されないようにしないと・・・w
熱くなったらカイオーガに冷ましてもらいに来よw
その時はよろしくです〜w

それから
自分のスレに書いてたヤツはやっぱり修正しました
傷付けてしまったのであれば、すみません
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.32 )
日時: 2010/08/25 12:31
名前: 闇銀

うう・・・オレもテスト期間に もうすぐ入る・・・
giratinaさんの 小説が見れないなんてぇ〜・・・しくしく・・・・・・
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.33 )
日時: 2010/10/25 20:59
名前: ケイル

舌袋ときましたかっ
なんだかもう妖怪みたいなカイオーガですねw
そして幼き日の悲しい思い出が、間違いなくカイオーガのあの性格を形成してますねw

あとまぁ加虐表現がけっこうキツイので、注意文を付けてもらえると助かります。
すごく今更ではありますがw
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.34 )
日時: 2010/12/18 23:01
名前: akod

最初から見させていただきました。
舌袋とは斬新なアイディアっっ!

04も見ますね〜
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.35 )
日時: 2010/12/18 23:48
名前: ロンギヌス

じ、自分でも懐かしの・・・コメントありがとうです!
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.36 )
日時: 2010/12/19 11:27
名前: 闇銀

このころのカイオーガ君 かわいかった・・・
・・うん! 今でも十分かわいいよ! カイオーガ君!
この小説も 名作だったね
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.37 )
日時: 2010/12/19 11:39
名前: ロンギヌス

自分ではあまり名作とは感じないんですが…

カイオーガも成長したんですよ♪(言い訳w
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.38 )
日時: 2010/12/20 19:27
名前: akod

この作品を見る前は
「主人公の子供の頃を小説に入れよう」
とか思ってたんですが先を越されちゃった(テヘッ
この作品は自分の中でBest3に入る作品です(もしかしたら一位かもしれません)
泣いちゃいましたよ。(実話)
ロンギヌスさんの作品は毎回楽しみです〜
Re: 消えた理性03 〜幼き過去よ、眠れ〜 ( No.39 )
日時: 2010/12/20 20:47
名前: ロンギヌス

そ、それは申し訳ない・・orz

Best3は光栄ですが、まさか泣いていただけるとは・・・
本当に嬉しいです!

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