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指揮者
日時: 2010/08/21 00:59
名前: S

今回は北欧神話を元にして書いてみる
今作も進行は殆どぐだぐだの上、捕食も少なくなりそうです
元ネタになっているVPから一部の設定をお借りしています

Page: 1 |

Re: 指揮者 ( No.1 )
日時: 2010/08/21 01:00
名前: S

プロローグ
・今回は珍しく冒頭に捕食有り


とある一日の放課後

「いやあああああああああああ!打てねぇ!打てねぇじゃねぇか!
 ぶっ壊すぞ!くそがッ!くの!・・・etc」
「狂ってますよ」

休みも終わって今週の月曜から、また一週間が学校というので体もダルい極まりない割には
なぜかPC時のタイプミスした時には、クラッシャーと化すくらいにやけにハイテンション
私物ならともかく、PCだってもちろん学校の物

「また叩いてしまった・・・」
「ほぉんとに頭おかしいですよ」
「さっきから亀○ネタやめれ」
「あ!?」
「○造はもっと厳禁w」

帰宅する際には学校から友人と一緒に駅まで歩く
いつもは一人だが、今回はたまたま残っていて
遊びに付き合ってもらっていただけなので、二人でそいつと帰るのは久しぶりだった
学校でも今でも同じように
○宅的ネタ(謎)を振って話題を弾ませている(ちなみにツッコミ入れてるほうが俺

・・・・・・・・・・・・・

そんな話をしていればあっという間に駅に到着
丁度良く、友人は自転車置き場にチャリを止めて入り口まで歩いていると

「あ・・・お前の来たみたいだな」
「じゃあ、俺こっちだからw」
「あ、うん、そんじゃまた明日w」

電車が到着したようでアナウンスが流れる
何度も乗っているので、大抵の出発時刻は覚えてしまっていた
なので俺の電車とは反対方面の友人の電車が来たようで、いつものように別れて
エスカレーターを走っていく友人を見送った
そして、この時間帯ではお馴染みの一人になった

・・・・・・・・・・・・・・・・・

適当に腹ごしらえが出来そうな物を買う為に、売店に立ち寄り
電車が到着する少し前にホームに上がる

「結構込んでるな・・・後一つか二つ過ぎれば空くだろうな」

今は車内、丁度良く席が埋まってしまうが
計画通りに空いた席を見つけて、隣に鞄を置く(+ちゃんと座る
暇つぶしに当然ながらも
持ち込み禁止されている携帯とさっき売店で買った菓子パンなどを通学鞄から引っ張り出す

「ん・・・錯覚か?・・・」

携帯電話を開いて、今まさにいじくろうとした時に黒い何かが視界を横切った
黒猫が横切ると不吉な事が・・・とか言う話は聞くが、どうしてこう電車の中で(汗
見渡してもそれらしき物は見当たらない
窓の景色でも見たのだろうと考えすぎかとか、疲れているのだろうと思って携帯をいじり始め
まだ話し足りなかったので、既に電車の中の友人にかける

「あれ・・・電波が悪いのか・・・って、画面消えてる・・・」

トンネルには入ってもいない
それに、悲鳴のような物まで聞こえたから、雑音にもたとえ難い音だった
しかも電池切れにしては二つもあったのに、こうなるのは理解しがたい
携帯の画面は真っ黒に染まって沈黙していた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そうこうする内に、到着
次は駅から自宅まで帰宅する道を歩かなければならないのである
携帯が使えなくなったのは、俺だけではなく他の乗客の反応を見る限り全員のようだったし
おまけにさっきの黒い物を見たのも俺だけじゃなさそうだった

「あいつ・・・無事かな・・・」

ああなって、ほんとに暇だったのでラジオでも聞いていると
友人が乗っていた電車が脱線したとの事
事故があったのはこっちと比べればまだ都会の方なので、今頃は救助には当っていると思うが
死者や重傷者はで出てないわけがない。これなら、悲鳴も納得できる
早く帰って無事を確かめたかった
その中に混じっていませんようにと・・・

だから今日は近道してでも早く帰ろうと思って、いつもとは違った帰り道を歩む事にする
・・・が、その近道を歩んだ事をひどく後悔するとは知らなかった

「何だか気味悪いな・・・」

さっきから妙な音がしていたので、耳をすましてみれば何かを貪るような音が聞こえる
あの出来事もあったので、気になって気になって仕方が無いので
その音がする方に誘われるようにして行き、塀越しに様子を覗うと・・・

どうやらカラスが喰われていたようだった
だがその喰っている方はなにやらはっきりとしない
その姿は手足があるので、人の原型をとどめている様なのだが、実在の生物とは言い難い者だった
尻尾もあるし獣人?いや竜・・・なのか?

・・・この展開では毎度お馴染みで、『突然襲い掛かられて****される』とはよく言った物
俺もその餌食になるのかもしれないというのに
気分を落ち着ける為に塀に隠れて呼吸を整えてもう一度見てみる

「・・・消えた?」

だが地面には足跡みたいなのも残っているし、食べ終えたのかと思わしき黒い羽も落ちている
それを確かめに行こうと近づいた時に

「わ・・・」

自分の影に重なって大きな影が重なり、振り向くと同時に押し倒されてしまう
畑のように肥えた土だったので、怪我は無い
ここは田舎の上に全く手入れもされてないので助けを呼んだって誰も来ない

さっき食べたであろう黒い羽根を口から落としながら
じっと見て、ナマ暖かい吐息を吹きかける

「この姿を見ておきながら逃げないとはなかなか度胸があるな?
 余程食われたかったのか?」

こんな化け物を目の当たりにして当然の如くビビってしまって何も喋れなかった
喋り方は機械的に話している様でもないのでもしかしたら会話が通じるのかも知れない
・・・だが、心の準備が出来ていない

「人間はお前を食ってしまえば三人目だが、まだ子供のようだな
 代りに一人連れてくれば見逃してやってもいいか
 ・・・目撃者は消せってのもあるがな」

自分で質問しているくせに否定などさせないかのようにして
まだ加減しているのかもしれない押し倒している手に次第に、重量をかけて
脅すようにして顔を覗き込みながら問う
この言動的には子供は好みじゃないらしく断った場合も結果が知れているが・・・
だが、俺で三人目?他にも喰らったとなると・・・今はそんな事考えている場合じゃないか・・・

「・・・こ」
「ん〜?聞こえないな〜?」
「断る・・・」

それだけを答えるのが精一杯だった
ヤツから見れば答えが違ったのだろう
さっきまでの余裕の様な表情が、少し揺るんだようだったが

「どうやらお前は本当に度胸がある人間のようだ
 そんなにがくがくと震えた体と同じようにか弱い物と思っていたが」
「・・・生贄を捧げるなんてやりたかないし」
「その反抗的な態度・・・その度胸がますます気に入った
 ・・・心を洗えば使えそうだな」

舌なめずりをして、したたり落ちた羽根と唾液が服の上に落ちる
押し倒していた手を持ち替えて両手で掴むと同時に
大きく口を開けて、唾液で濡れた牙が見える口の方へと持っていく・・・

「子供を喰らうのは気が進まないが、姿を見たからには仕方ない
 大人しく食われてもらおうか」

抗ってはいたが見た目通り体格の差が大きく、勝てそうにもなく
言う通りに餌になるしか道が無さそうだった

そう考えていれば、もうひざの辺りまで呑み込まれていた様だった
つま先を舌で押されるのを感じなくなった時に
・・・呑み込まれた音がした
Re: 指揮者 ( No.2 )
日時: 2010/08/21 01:00
名前: S

保管庫へぶち込む際には、面倒そうな気がするので別スレにしておきます

冒頭でいきなり喰われてしまったっぽい主人公
最近は休みの終わりも近いから、道中に突然襲われて・・・て展開にしてみました
Re: 指揮者 ( No.3 )
日時: 2010/08/21 01:37
名前: リオレイア

うわぁ…羨ましすぎる。
竜さん。僕も食べて下さい!足からじわじわ食べてぇ!

セルモス
「はい。アグ、ムグ。ひょう?ひもちひひ?」

あうう…(喜)
でもあの仔に食べられたかった。
Re: 指揮者 ( No.4 )
日時: 2010/08/21 10:27
名前: giratina

やばい…羨ましい…
喰ってください!金ならいくらでも(ないない

カイオーガ「僕の立場はどうなるの?」

…あ、すんません…
いろんな奴に回し呑みされたい…
音楽止まったらゴックンw
Re: 指揮者 ( No.5 )
日時: 2010/08/22 10:16
名前: W.WOLF

はい!代わりに俺が生け贄に!(笑)
続きが楽しみ〜♪
Re: 指揮者 ( No.6 )
日時: 2010/08/22 10:25
名前: giratina

ドラゴンシリーズ本当大好きだあ〜
実在するのならばあちゃんでも売れる。(殴
Re: 指揮者 ( No.7 )
日時: 2010/08/22 17:29
名前: S

リオレイア氏
みー、セルモスたんの方が居心地よさそうな気がするのですw
でも、そんな事書いてもらうと、とっても嬉しいですよ
それからあの子って何なのかな・・・かな・・・w

giratina氏
今回何度も食べられると思いますので、呑まれて戻されの続きかと思いますのですw
謝らなくたって、今回は結構食べられてしまうと思いますです(意味不
ぶっちゃけ、こちらも、あんなカイオーガと組ませたいのですよ・・・w
かぁいい!かぁいいねぇ!
・・・でも年よりは、少ない人生なのだから、ご勘弁をw

二回も返信ありがとうございます


W.WOLF氏
竜系の捕食者に関しては、生贄がほんとに沢山ですね´`ィ(´∀`;
でも、展開は殆どがぐだぐだですが、ガッカりさせないように頑張ります


以上の方々返信ありがとうございます。あんまり嬉しくってつい発狂してしまいました(笑
・・・実は最近バカ兄貴が帰ってきたから、これぐらいでしか気を紛らわせないと悟り、新作を投稿してみました
返信してくれた方々、本当にありがとうございます。・・・だが、ヤツにこんな所見られたらどうなるやら・・・
長年の経験からして(学校ではしょっちゅういじられてるので
前作で暗黒の女神様に吐きつけられた(させたが正解)あの台詞ぐらいしか浮かばないな・・・
Re: 指揮者 ( No.8 )
日時: 2010/08/23 09:28
名前: S

1日目

・前回は軽口を入れにくかったので今回で入れてみる
 文の始めはともかく途中から笑ってくれるとうれしいかも


・・・もう呑み込まれてどれくらいたったのだろうか
奴の胃袋に収まって胃液に濡れた胃壁に包まれている
体を動かす度に胃壁が優しく?音を立てて抵抗を和らげる

この状況下では消化に身を任せるしかなかったと思っていると
体が吸い上げられていくような感じがし・・・


滝のように流れた唾液と一緒に俺を吐き出した
吐き出したそいつも吐き出された俺も咳き込んだ後にお互い息切れをしながら答える

「・・・やはり呑み込んだ物を吐き出すのは少々体に応えるな」
「こちとらお前の唾液も含めて気分がおかしくなりそうなんだが・・・(汗」

やっぱり体液まみれで風が当ると寒気も感じる程だった
体も衣服は溶けてはいないが皮膚の方は大分ふやけているようだ
髪なんてどうなってるのか想像したくない
・・・まず口から流れ出ている唾液を先に拭いたらどうなんだお前わ

「お前の心構えには気に入った。俺達に手を貸してもらいたい」
「な、何だよ・・・またさっきの食い物の件?
 ・・・あと口調がなんか丁寧になってない?」
「なんだっていい。向うで話す、こっちに来い」
「いや普通に断r(ry
 ちょ・・・やめ・・・」

返事を待たずにまだ唾液まみれの頭を掴んでは、引き寄せて豪腕で絞め殺すかのような強さで抱きしめる
そして何かを唱えているようだったが日本語じゃなさそうなので全く聞き取れない

「※■☆△〒⇔μ・・・」
「・・・目が覚めたか?」
「またあの時みたいに腹の中に戻されると思っt(ry
 って、寒・・・」

あの呪文らしき物を境に視界が真っ暗になった後
こいつと一緒に以上に寒く、冷気のような匂いもあるこの異世界へと飛ばされたようだった
ここがどんな所かと言うと

1・まず寒い 2・とにかく寒い 3・凍るほど寒い
4・おまけに何も見えないほど霧で霞んでいる

「まぁ濡れているのにも関わらず人の体でよく生きていたな
 普通なら目を覚ますどころかこの時点であの世生きというのに」
「・・・ママまズマずここコがそのあノ世じゃナいのかヵ?」

冷気で体が震え上がってしまって言葉の方にやや不具合が生じていた(笑
気分を少しの間集中&落ち着つかせて

「まぁいいや
 なんで連れて来たのか教えてもらおうか」
「教えてもいいが体の方はそこまでもつのか?。冷気に耐性があるならともかく」
「・・・じゃあどうすれば?
 そこ等辺はお前から連れて来たんだからなんとかしてくんないと
 つか人間はそんなにハイテクじゃないんだから
 こんな強い冷気に耐性なんて持ってる訳g(ry」

とは言っても奴の翼で包むにしても翼の方はそんなに立派じゃないし
腕で抱くにしても間違って?絞め殺されてしまいそうだったので
薄々感づいていた答えが出る

「ならまた腹に入れて運ぶしかないな。少し濡れるが我慢しろよ♪」
「少s(ry」

ツッコみたい所多しだが色々とまとめて言葉と裏腹に嬉しそうなのは何故だ?
なんて思っているとさっきみたいに一度呑み込まれたように
がっちりと掴まれて今度は上を向きながら落すようにして頭から足までごぼごぼと一気に呑み込まれた

・・・また目的地への待合室ならぬ体液がしたたる胃袋へと入れられてしまった
短時間で二回も呑み込まれるハメになるとは・・・
少なくとも喰われたままというのは無さそうだが・・・(汗?
Re: 指揮者 ( No.9 )
日時: 2010/08/23 09:30
名前: S

返信でネタバレ書いてしまったようだったので、更新

今回の竜も、自分は飛べない竜が好きだから、翼が使えそうにないから飛べない設定(これじゃ竜じゃなさそうな気がするが
VPのセラゲ版のキャラと被らないようにしたつもりですが
原作の↑では設定が崩壊しているので誰かと被ってしまっていないようにと願いたい所
実際にやってみれば、病みフレドの壊れっぷりには吹いた

↓それからようやく天然っぽさ?が出せたのでちょっと遊びで載せてみる


別途捕食(謎
「え?足から?。・・・頭からむしゃむしゃするのが好みなんだが、どうするべきか・・・w(とか言いつつ手を伸ばす」
「呪ってやる〜っ!(セ」←性格変えてすみません


金銭交渉 ※
「回し呑み・・・か。・・・ぢゃあ○○くらいくれたら、俺も参加汁w(次はカイオーガの隣に居るかも知れない」
「・・・紹介したヤツ、マダー?(一方その頃」


もしもあの時
「じゃあ、ちょっと待ってね・・・(携帯でmm飛ばしまくって対象を探す」
「何それおいしいの?」


元ネタ→前スレにて返信してくださった方々
                           ありがとうございます


1・返信も今回も遊びです
Re: 指揮者 ( No.10 )
日時: 2010/08/23 20:51
名前: リオレイア

なんと素敵な待合室。
僕も入りたいです。
Re: 指揮者 ( No.11 )
日時: 2010/08/24 22:34
名前: giratina

傷ついてなんかいませんよ。(^-^)
それどころかお返事くれたことに感謝です♪
Re: 指揮者 ( No.12 )
日時: 2010/08/26 18:00
名前: S

リオレイア氏
「あと一人くらいなら、いけそうか・・・」
「代りに僕が食べてあげるんだからっ!」

giratina氏
改めまして、すみませんでした
あんなに、返信もらったの初めてだから、浮かれてました
本当に、申し訳無い・・・。以後気を付けようと思います


ほんとに今更〜って感じですが、以上の方々返信ありがとうございます
Re: 指揮者 ( No.13 )
日時: 2010/09/03 06:52
名前: S

1日目/2

ごほぉあっ

「さすがにあの冷気では、人間に応えたか」
「勝手に連れておきながらその言い方・・・(怒」

吐き出されて着いた所は、異型の者達が集まっていた
体液まみれになって吐き出された俺に一斉に注目が集まる
・・・気温の方は丁度いいくらいだった。・・・なんて問題じゃなくて
こいつらに喰われてしまわないようにしないと・・・(怖

  ・・・・・・・・・
   ― 話省略 ―
  ・・・・・・・・・

彼の名はニーズヘッグと言うらしい(何か聞いた事あるな・・・
用は俺にこの世界で、この魔物達が敵対している国との戦いで指揮を取って欲しいとの事
敗因は皆知能が低いから本能のみで戦って、団体での戦略等が使い物にならないかららしい

 ―これは笑った方がいいのか?―

まぁ可能な限りは守ってやるとか言っているし
どの道、当分下界へは帰れなさそうだし、少なくともすぐには餌にはならなさそうだし(俺が
ただ待ってても退屈なので引き受ける事にした
呑んでもらった条件は負けても何も言わない事だが、負けた時点でどうなるか検討が付く程だとの事

 ―なんぞそれ―

そこで指揮を取るためにも各魔物の特徴や、目立った能力などを頭に叩き込まれる事に・・・
・・・戦争をやらされるってのは、こんな気分なんだな
連れて来られた時は色々と不可解な事もあったのでとりあえずは聞いておく事にする

1・あの時なぜ助けたのかは(吐き出した

「ただの気まぐれだ
 気が変っただけでそうでなければ、お前はまだ腹の中だろうな」

・・・そいつはごもっとも(笑

2・ここはさっきと違いこんなに快適な気温なのかは

「ムスペルヘイムから流れ込む暖気を使わせてもらっている
 お前の宿を取る為にそうしたが、そうでなければ最初に来た所と同じだろうな」

・・・周囲の気温が分からないって、考えてみれば恐ろしいな

3・最初に来た所は

「空調されているここもそうだが、人間の言葉では氷の国のニヴルヘイムと言う所で
 ムスペルヘイムとは反対で炎の国という事」

その中間辺りにその暖気とさっきの冷気が激しくぶつかり合っている所もあるらしく
本当に物騒な所に連れてこられた物だった
それからあんなに寒く感じたのかは、今の自分の体は下界との関わりを
断ってないから体温が無くなるらしかった。・・・だから、お前は涼しい顔してたんだな(汗

4・誰と戦っているのかは

「アインヘリヤル
 地上での戦死者の魂がヴァルハラの館に集められ、満足行くまで戦いをする
 お前から見れば死んでまで戦って何がいいんだって感じだろうが」

全く持ってその通り
というか、お前が一方的に連れておきながら、何だそんな言い方は・・・
早速明日から、次元を超えた○し合いの指揮を取る事になるのである

・・・ちょっと待て(汗

色んな事を一歩間違えば、くらっしゃーと化す自分が
全ての魔物の運命を背負って、その上食事も取らせるだと?
しかも、自分は帰れる事自体も分からず何も食う物なし?
・・・あのまま喰われていればよかったと今更後悔する
Re: 指揮者 ( No.14 )
日時: 2010/09/03 06:53
名前: S

1日目/夜の部

・夜の部はただ話すだけです


夜といっても明るさなんて全く変らない
昼の神やら夜の神なんてのも居るらしいから、今は何時頃なんて分かる物じゃなさそうだ

・・・それにしても、今日は色々とやる事が多かった
二回も呑み込まれては、腹の中にしまって、ここまで運ばれて、吐き出されて、唾液まみれになったり
その挙句に、スケールのでか過ぎる話に巻き込まれては
その争い事の戦闘部隊を指揮をする事になって、魔物の特徴も細かい所まで叩き込まれたりと
学校的な意味で例えると(意味不
まるでやる事をやるまで帰られない生徒会長がするような事だらけだった
おまけに後ろには寝息を立てながら、明日のために眠りに付いている魔物達

「・・・今日はこれくらいにしておくか?」
「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」
「何でリザードマンとかドラゴンくらいしか居ないのに、こんな時間まで・・・
 とか思ってるあなた?」
「え・・・俺?・・・(疑問系」
「人間何をするにも理由!、意味がなきゃいけないと思ってんじゃねーか!?
 俺だっt(ry」
「炎の化身、こんな所にも人気があるんだ・・・」

こっちに来てから、早々日が暮れたようだった
知識を与える為に、随分と長い時間話し合っていた
そんな時のいきなりのボケ?で一気に気が抜けた

「明日はおそらく攻め込んでくる。指揮の方はもう大丈夫そうか?(キリッ」
「お、おそらく?」
「おそらくってのはこんな氷の国には余程の物好きじゃなければ来なさそうだからな」
「そう言えばお前がこの国を治めているのか?
 今更だけど見るからにリーダー格的な感じもするしさ」

あの体格なら質問するまでは無かったのかもしれないが

「昔はヘルって言うこの国を支配していた女王が居たのだがな
 今はヘルヘイムに移ってしまったし
 俺がニヴルヘイムに残った魔物が今後どうなるかが気になって・・・っと、いった所か」
「ようするにお前がリーダーみたいな者ね」
「まぁそういうこった
 昔の住まいもニヴルヘイムの近くだったから、そんなに減る物じゃなかったが」

ニヴルヘイムにはこの環境といい、ここを支配していたヘルとやらが居なくなってしまった為と
今はニーズヘッグが治めているらしく、化け物だらけの国という事で一番物騒な国になっている為
向うにはこの国を先に潰しておこうなんて事になっているらしい(お気の毒に・・・

ニーズヘッグは大量に残っているニヴルヘイムの魔物達のためにと
前まで過ごしていた泉から抜け出して
その時の自分が持っていた友を全て投げ出してまでここまでしたと言う
なんでヘルとやらが居なくなったのかは

「多分ネタバレだから黙っておく(謎」

なんて言ってたが(笑
前まで過ごしていた所は、蛇やら大鷲とたまに触れ合ったりとかかなり荒んだ生活だったと予想が付く
・・・それもそれでニーズヘッグなりには楽しかったんだろうな

「もう一度くらいは、あいつらに会ってみたいってのもあるな
 ニヴルヘイムの魔物達のためにと一人だけ泉を抜け出してここに来たんだがな」
「んぢゃ、お前がここを治めてどれくらいになるんだ?」
「さぁて。あいつらと別れてどれくらいになるやら
 ヘルもここから消えてしまったし、あいつらの為にと使わせてもらってたナーストレンドも今はないしな」
「な、なーすと?」

ナーストレンドとやらは死者の世界で、そこでニーズヘッグは死者の血をすすっていたりと
狼がその世界に居る者たちの体を裂いてしまったりと
想像するだけでも身の毛もよだつ光景であると予想できる
その死者の世界の上に北向きに付いた扉がある館は
天窓からは毒がしたたり、壁は蛇の背骨を用いて作られていたんだとかを含めての事

そこが無くなったから魔物達を養うにしてもこんなに苦労しているんだろう
自分の生活を捨ててまで、魔物達を守ってはアインヘリヤルと戦ってはと毎日大変な思いをして
だからこう思うのは同情なのか俺にすがったってのも分かる気がする

喰う物がなくなれば飢えて死ぬしかないんだから(現にそれは今の俺
とゆうか・・・今は何より聞いておきたい事が・・・

「・・・下界の電車を引っくり返したのもお前だったんだな?」
「御察しの通り。反対方面の電車とやらに、お前が乗っていたのは偶然だがな」
「その救助に行った連中はどうしたんだ?」
「トンネルに入った所を狙ったから、そう簡単には奴等も入って来れないだろう
 出入口も封鎖したし」
「デザードでも喰うように、手早く平らげた・・・って事か」
「・・・悪かったな、お前の友人までも奪ってしまって・・・
 謝っても戻る訳ではないが、今はせめてこんな事ぐら――」
「終わった物は仕方ない
 謝ってもらっても気分が悪いだけだからそれくらいで堪忍してやるよ」
「・・・・・・立派な器だな・・・恩にきる・・・」

ちゃんと『これから起こる事は・・・』的な事も促したし(意味不
あの時の悲惨な出来事を、生中継でもさせないように無線機としての役割を持つ物の電源を落とした
それはこの為なら分からないでもない
・・・俺が決める事ではないが、俺はこいつを許したかった

「そ、それから、今回では勝手に巻き込んだんだから命だけは(汗」
「お前の身は可能な限りは守るつもりだが必ずとは言い難いな
 お前の世界とここでは争い事の次元が全く違うのだから」
「・・・こんな事になるくらいならあのまま喰われt(ry」
「何か言ったか?」
「あ、いや、空耳だ・・・本当に空耳だかんね??」

顔見ながら軽く舌なめずりされてた(汗

「お、俺もう寝るから」

どうも眠る気にならなかったとはいえ
腹の中で眠らされるのだけは免れようと寝ようとして横になる
疲れていたのかすぐに睡魔が襲って来た

あんな見た目とは違って、話してみれば割と面白いな・・・謝ったり・・・笑ったり・・・
Re: 指揮者 ( No.15 )
日時: 2010/09/03 06:55
名前: S

今日は体育祭の本番だというのに、朝っぱらに更新してみる
今日の天気は炎の化身に焼き殺されそうなくらいに日が照りつける日だとの事・・・
「俺のせいかな・・・」

表・
笑う所はこれでよかったのかと迷ってる所
捕食者は、竜だったのか蛇だったかはイマイチ分かっていませんが
北欧神話では唯一の竜らしき存在だったニーズヘッグにしました(大蛇のヨルムンガンドもよかったけど・・・
冒頭であんな目にされたヤツと手を組むって他の方からはどう見られてるのかな
ちなみに一部、八月・・・じゃなかった、VPキャラの台詞を使用してあります
登場させる魔物の予定はドラゴンとリザードマンだけだったりする(捕食者向け的なヤツがこいつ等ぐらいしか・・・

夜・
ちなみにヘルヘイムとニヴルヘイムは同一視されている可能性があったみたいですが
今は『そんなの関係ねェ』って事で・・・(めっちゃ古い
自分はボケや天然さもそろえたこんな話し相手が欲しい・・・

・複数ある呼び名からアインヘリヤルを使用したので
 咎でのエインフェリアと存在は同等
・捕食がしやすいかと思って手足を付けましたが
 『手足がある+ニーズヘッグ』となれば
 ブラッドヴェインぐらいしか思いつかないな(あれもドラゴンだし・・・
Re: 指揮者 ( No.16 )
日時: 2010/09/06 20:00
名前: S

2日目

朝だって昨日と同じく明るさがどうなっているのかなんて分からなかったが
鎧とか何やらを装備しているようで、がちゃがちゃと鳴っている音で目が覚めて、とりあえずは起床
それに昨日聞いていたように、それらしき部隊が攻め込んで来た
あんなに沢山居るし下界でも満足しきれずに死んでまでこんな所で戦う姿には恐れ入る(汗
・・・あれで、戦士としての最高の誉れなんだろうし(実話

こちらの配置はリザードマンとドラゴンのみ・・・か(+αで
となれば、迷うまでも無い
見るからにリーダー格のニーズヘッグを先頭に立たせて
さらにリザードマン、後方にドラゴンという配置ぐらいしか思いつかない

これなら力だけってのも分かるな・・・
・・・見るからに単純そうな配置だがこんな事も出来なかったのかな?(笑
なぜならこんな配置でもあっさりと追い返しているようなのである

「適当に何人か生け捕りにして食わせないといけないな」

後列に居た今の視点からには大剣を軽々振るったり、火球を当てているドラゴンの姿が見える
だが、そんな事を今更考えていても遅く
先頭で頑張っているニーズヘッグには届きそうではない
おまけに護衛として置いてくれたリザードマンが指揮するだけしかさせないようにと出向くのを静止する
・・・何もネコのように掴んで静止しなくてもいいだろ

・・・っと、言う事で自分でも信じられないくらいに今回は初勝利となった(謎

リザードマンやニーズヘッグは置いておいて
暴れちゃいるがドラゴンにくわえられて持ってこられたりと
食い物の件では悩むまでもなかったようである

とりあえずは終わった事だし空調されたニヴルヘイム(今の宿)に戻る事にする



アインヘリヤル達を頭か足から一気に丸呑みにしたり、皆で寄って集って喰ったりと
少なくとも自分が喰われる集団の一人にならなくてよかった
・・・悲鳴が若干?酷いです´`ィ(汗

「自分で掴んだ初勝利はどうだ?」

手に食い物を持ってニーズヘッグが聞きに来た
まだ喰い足らんのかお前は・・・

「早くこんな所から出られるようにしたい物ですね´`ィ
 まぁ毎日こんなんじゃ退屈はしないけどさ」
「・・・食い物がないと言う事は誰だって応える物だな
 お前も何か食える物もあればいいんだがな」

そう言って掴んでいたアインヘリヤルを自分が最初にされたように頭から食い始める
・・・気遣う振りして、喰い始めるなんて俺はいじめられてる?

「今回はうまくいったみたいたけど次もこううまくいくなんて有り得る?」

見えていた足を大きな舌で押し込んでいるから今は食事中な為喋れなさそうなので

「お前の存在はまだアースガルズには知られてなさそうだから
 期待は出来そうだ
 だが、下界で争い事を繰り返している限り、戦死者の魂も途絶えない
 だから終戦は、一層まで上ってヴァルハラの館を壊す他ないだろう」
「え?どゆこと?(焦」

見た感じと聞いた感じを含めて魔物達の食い物には難はなさそうだろう
ちなみにアースガルズとは、昼間交戦したアインヘリヤルが集まるヴァルハラの館がある国らしい
ニヴルヘイムは三層目の国(多分最下層)でアースガルズは一層目(おまけに最上層)にあるという事は
・・・ちょっと?遠くない?

しかもヘイムダルとか言う虹の橋が掛かって守られているとかこちらの不利極まりない
地道に進軍して、ヴァルハラの館をぶち壊すしかないと思っていたが
ミッドガルドからその橋を利用して、行ってみるとの事
だが、たまにはこちらから出向かないと共食いでも始めるかもしれないって言うから
もしかしたらこのまま魔物達へと一生を尽くさないといけないっぽい(汗

「たらふく食ったようだな。可愛い寝顔して、皆眠りこけてしまったか
 ったく何も食う物がなくてこちとら一日でぶっ倒れてしまいそうなのに・・・」

動物のようだった、そいつらが羨ましい限りだった
明日からは念には念を入れて、体格が大きいドラゴンとかで自分の姿が見えないようにするらしいし
それに事はうまく進んでいるようだし、このままうまく行けば退屈しないで帰れるだろう
学校だって当分休めるし(笑
Re: 指揮者 ( No.17 )
日時: 2010/09/06 20:02
名前: S

二日目/夜

・会話だけ(ずっとだが


「・・・もう眠ってしまったか?」
「いや、まだだけど・・・」

前回と同じく今日もどうも眠る気にはならなかった
・・・眠る気ではなくて、眠りづらいの方が妥当なのだが

「本当に俺は下界に帰れるんだよな?」
「・・・・・・」

眠ちゃった?いや、まだ半開きのまま眠るなんて考えたくないな(汗
そんなに答えずらい質問をしてしまったのか自分は

「帰れないといったらお前はどうする?」

突然口を開いたかと思えばそれかよ

「ニヴルヘイムで魔物達の為に一生働くなんてのもいいかも
 でも食い物ぐらいは欲しいんだがな」
「・・・こんな事に巻き込んでしまった事をやっぱり怒っているのか?」
「あ、いえ、そんなつもりは毛頭ありません(苦笑」

むしろ退屈だった一週間をないがしろにしてくれた事にも若干感謝がある
だがこんな戦争に巻き込んだ事も若干は憎んでいたかもしれない

「まぁ多少は・・・って・・・おい・・・何しt」

いつ俺もやられるか分からない話しにくい会話に背を向けて
横になってそろそろ寝ようとすると、昼にされたようにネコみたいにつまみ上げられ
膝の当りに置かれ掛け布団のようにして幅広の手を被せられた

「何か覆う物でもないと寝ずらいんじゃないのか?」
「まぁ少しは下界に帰りたいって気持ちもあるけど
 ・・・不器用だな、お前のその気遣い方」
「・・・お前には思う者がいて羨ましい限りだ
 こんな異型の姿の俺達とは早く手を切ってしまいたいんだろうに・・・」

昼の部で思った事は動物と同じで喰ったら寝るだが、動物好きな自分は
魔物でもあんな風にいい気分で眠りにつく寝顔も分からないでもない
この世は全てが弱肉強食で、強い物だけしか生き残れない
命有る者は弱い者を喰ってその身に宿さないと生きていけない

「もしもだぞ?もしも今すぐに送り返せるとしたらお前はどうする?」
「・・・今回の戦争が終わるまで帰るに帰れないな
 ここの魔物達の食い物が、俺で補給出切ているのだから縁も切るに切れないし」

「あいつらに会いたい・・・」
「?・・・何か言ったのか?」
「・・・いや、独り言」

こっちもこっちでそれなりにいいが、しばらくの間友人と話せなくなると言うのはなかなかの苦だった
ニーズヘッグもそんな気を自分なりに少しでも晴らせようと、こんな膝枕的な事をしてくれているんだろう
今更だがここではこいつと会話ができるのが、この世界を知る為の手段だったが
こうやって化け物とでも世間話ができるのも十分に気を安らげる事でもあった
それに俺を思っての事なんだからそんな気遣いは黙ってもらっておこう
Re: 指揮者 ( No.18 )
日時: 2010/09/06 20:02
名前: S

実際にリザードマンやドラゴンは殆ど裸装備(装備は剣一本のみ
あんまり力になれないのかも知れないと思っていても、出来るだけ力になりたいと思ってしまう
自分もそんなお人よしが何度災いしたやら・・・(汗
Re: 指揮者 ( No.19 )
日時: 2010/09/10 22:28
名前: S

3日目
・食事(丸呑み等)の風景は想像に任せます


なんだが凄く柔らかい感じがする
なんだっけ?一番は始めに擦りつけられて感じたこの感触・・・
・・・舌?
期待を裏切ってくれないニーズヘッグだった

「な・・・何してんだ?」
「あんまり起きない物だから、こうすれば起きると思って・・・」

今回は呑んではいないが、また唾液まみれにされてた
おまけに他の魔物達が皆俺の方を見てるし(恐
起こそうとしていただけ?
・・・普通に起こせ

「で?用は何だ?」
「あぁその事だが・・・」

内容は魔物達への朝食と今日は何処に出向くかだった
あれだけ何も食い物がない自分へ見せ付けておきながら
さらに腹減っただと?

だがこのままだと共食いなんてただでさえ酷い地獄絵がさらに酷く繰り広げられるなんてまっぴらだ
学校だって少なくとも一週間は休んでいたいし・・・。とゆう事で進軍する事になりました

3層目の国はニヴルヘイムも含んだ色んな意味で喰えそうな物もないらしいし(共食いを避けるためにも
魔物達の腹も2層目の世界までは持ちそうらしいので
目的地はそこまで殴り込みに行く事になったのだが、そこまで行くにはニヴルヘイムの極寒の冷気が漂っており・・・
あらら、なにやら大きく開いた口が見えt

「おい・・・ちょ・・・おま・・・やm(ry」

ごくん・・・

・・・今度は確かめる猶予も無くして、また呑み込まれてしまった
実は昨日もこっちに戻る為に喰われたし
今回も含めて、こう何度も喰われたらちょっとばっかし嫌んなる
溶けない程度に急いで欲しいとだけとりあえずは祈っておく

・・・ごほぉあっ

着いた目的地は黒い妖精の国スヴァルト何とか(中略)と言うところらしい
そこではアース神族の者がフェンリルとかを縛るための足枷をもう入手してしまったらしく
厄介な奴等が過ぎ去ってしまってるんだとの事

魔物達から見れば食い物であるその国の住人ドヴェルグは(またはドワーフとも言うらしい
小柄な為、喰うにも問題なしで神々の神器たる物も製作しており
喰うにしても次の場所へと攻め込むにしても、格好の場所だと言う
・・・それを聞く限り、酒のつまみみたいに一口で食われてしまいそうですが
これも今後の自分と魔物達の為・・・どうかお許しを(苦笑

「俺、どうすればいい?」
「そうだな、じゃあ今回は前線で指揮を取ってもらうか」

進軍しながら、ニーズヘッグは前日のリザードナイトを護衛に付ける
・・・正直こいつ等と組むのは気が引けるが、実力は確かなのでわがままは言ってられないか

先に突ったニーズヘッグや率いた魔物達の姿も見えなくなった
到着して直ぐに慌しい物音ばかりする
ニーズヘッグの命令は絶対なのか、リザードナイトはちゃんと後ろから付いて来ている
・・・正直俺は指揮と言うより餌のように使われているみたいだ(汗

「とりあえずは、追ってみるか・・・」

配置はあれくらいしか思いつかないのでとりあえず昨日のように配置
神器を作成している種族なのか
こちら側に対する抵抗も半端じゃなかったのであるが(昨日と比べれば
小柄なゆえにドラゴンには大きく口を開けられれば一飲みにされてしまったり
リザードマンには蹴ったり殴ったりされて気絶さして喰われたりと

地道に蹴散らして進んでいく
戦場と化して、様々な建築物が壊されており、至る所で種族問わず、戦死した者も居た
ようやくニーズヘッグに追いついたようだった
・・・怪我は負っているが軽傷みたいで、体勢を崩しそうでもなかった(流石だ・・・

特に酷かったのが悩むまでも無いニーズヘッグである
いくら小柄だからって、4人もまとめて呑み込んで喉を詰らせたりしないのかこいつは・・・(しかも丸呑み
まぁ呑んでも腹の中から抵抗されてしまったり
ふざけていたのかニーズヘッグの真似?みたくまとめて呑み込んで失敗して
腹を下したヤツも多数(それ以外の魔物は皆普通に寄って集って食ったりしていたが

ドヴェルグ達の今の体を持っている由来は色々と訳有りらしく
それで魔物達も食うにも若干ならがも抵抗が有ったから聞いてみたら・・・
・・・やっぱり聞かなかった方がよかった

今回このスヴァルトアールヴヘイムとやらは住人を食い尽くしてしまい生き残ったのは極僅かな人数
その僅かなドヴェルグ達は非常食と言うことで取っておく事になって
とりあえずはここも制圧したようだった

「・・・んで、俺の意味は?」(無かった
「タイトル自重だが、ぶっちゃけありませんよ?(笑」
Re: 指揮者 ( No.20 )
日時: 2010/09/11 08:17
名前: リオレイア

ニーズヘッグさん最高。僕も(餌として)お会いしたいです。
Re: 指揮者 ( No.21 )
日時: 2010/09/12 23:22
名前: S

3日目/2

今晩の宿を取る為にニーズヘッグと前回の街をふらついている(戻る為に喰われたくないから
他の魔物も休息したりと、隠れて過ごそうとする残党的を狩り出したりしていた(俺の指示で
この組み合わせは散歩しているのか、されているのか分からないがそれもそれでいいかな(汗

「何だか、俺の世界の町並みとあんまし変わらないな」
「こっちでは生活するのに困らなければいいだけだからな、お前から見れば空き箱のようにも感じるだろうし」

言われてみればそんな感じがするかも
風雨を防げたりとか、寝られるだけあればそれで良しって感じだ
そもそも、小人の国ってんだから大半の家屋がやけに小さい
・・・とりあえずは、ニーズヘッグと入れそうなくらいに、一番大きな建物で決めて、そこで再び身支度を整える

「・・・そうか、お前達はまだいけるか」
「え?何言ってるの?」

和訳(byニーズヘッグ
一つは生き残っていた住民を全員集めておいた事
二つはまだ○り足りない事(らしい

この勢いにのって、さらに小人の国ニダヴェリールも制圧するとの事だが
ここは神器を作られる所なだけあって相手の抵抗も半端ではなく
現にふざけて呑み込んだ後に腹の中から暴れられたり、まともに凶器でやられたりと
こちらの被害も少なくは無かったので、ニーズヘッグに問うが
自身も含めて傷はそれ程深くも無いとの事(本当なのか?

・・・体が異常なのか、痛みって物が感じないのか
それとも志ゆえにそんな物を感じる余裕もないのかは不明

「四人まとめて呑んじゃうくらいなら心配ないか・・・」
「次は何人まとめて呑んで欲しいんだ?(笑」

答えながら、舌なめずりする事が出来るくらいにまだいけそうだった
実力的にも申し分なしで、ニダヴェリールの住人も先程と同じくしてドヴェルグなのだが
一人で行くなんて事にはどうも不安が拭えなかった

「俺も来ちゃらめ?」
「撒き餌としてなら( ´,_ゝ`) プッ」
「・・・タイトルそれにしとけばよかったな」

っと、こっちにしておけばよかったと前々回続いて?今更後悔する(楽屋裏

とゆう事で(謎)見張りで何匹か残らせて、少数ながらも次の国を制圧すると言うことになった
・・・近国で気温も同じくらいらしいので、今回は俺を腹に仕舞う必要はなかったのであった

しかし戦死した者や残った者も合わせて大分減ってしまい
少数では無理があったので、今度は3方向から殴り込む事にする
一方でニーズヘッグは一人で突入(一番余裕があるっぽいので
その一方で魔物のみで突入
そのまた一方では、俺という文字通りの撒き餌として前線を行く事になる


・・・国境門を突破してニダヴェリールへと突撃・・・


今回も身近にニーズヘッグは居ない
だが、今回は撒き餌としての役割な為か、同じくしてナイトばかりで編成されてたが(またこいつ等か・・・
俺も、ドラゴンの火球を放つように指示しなければならないのである

「うおあ!?何だ!?」

やられてしまったのか、ドラゴンが倒れ込んでくる
・・・凄い重さで抜け出すに抜け出せない(潰されないだけ、まだマシだけど

「おわわわわ・・・冗談だろ・・・」

何故か近くに居た魔物達も散らばっていく
その上今までの仕返しなのか、ドヴェルグが一人、目の前に立っていて

「ちょ・・・洒落にならんだろ、おい(汗」 ←今更こんな事言えません(笑

側に転がっていた、戦死したリザードマンの亡骸の近くに手を伸ばす
大剣を掴み取って、その幅広い刃を盾のようにしてヤツの攻撃を防ぎ続ける
・・・あんなに軽がると振るっていたのだが、見かけによらず剣が重い
防いだ衝撃でこっちで潰されてしまいそうだ

訳が分からない言葉と、手斧を浴びせ続けられてどれくらい経った事やら
とうとう手が疲れてしまって、剣で防ぐ力も無くなって
その隙を見て大きく振り上げる

「あ・・・あれ・・・」

手斧の割には、やけに手応えも無く別の物が落ちて来た
瞑った目を開けてみれば、さっきのヤツの代りにドラゴンが立っている
その口元には・・・ってのは言うまでもなく
見上げた所で膨らみが腹の方へと下っていた
・・・さっきから押し倒されていた亡骸もどけられた
先程の俺に制裁しようとしたヤツは、今や腹の中だろう

散らばっていったのは、どうやら近くに居る奴等を一掃しに行っていたみたいで
見渡してみれば、数は減った物のこっちは制圧に近いくらいだった
信じてあげればよかったな、こいつ等・・・
・・・今はあえて、こっちはそれなりにいい感じだった(苦笑

とりあえずは続行、こんな感じで他の魔物達もうまくやっているといいが
この戦闘で建築物などが壊され、街を飾る木や水も共に瓦礫の下敷きになったりしていく・・・

突然、建築物の一つが巨大な腕の一振りで激しく壊された
それに気を取られ確かめもしないで火球を撃たせて、見事にヒット
漂う煙の中で、崩れた瓦礫に倒れ込んで姿を表す
・・・だがこの感じはあれなのか

「・・・敵と味方の区別も付かんのか?(怒」

お約束ってヤツなのか、反対側を制圧し俺と合流する為にと
色々とぶち壊してショートカットまでしてここまで来てくれたニーズヘッグだった
・・・食っちまうぞ的な表情と呆れた顔で睨まれてた(笑

「あら?でも撃ったのは俺ぢゃn(ry」

まぁ撃たせたの俺だけど振り向いてみると、火球を撃ったドラゴンはそっぽ向いて知らない振りしようとしてた
・・・と言う事で、ニーズヘッグとも合流した事だし、最期の部隊と合流する事に

「そこまで送って行k(ry」
「は(若干疑問系)、早く行くぞw」

だが、近くに魔物らしき軍も見当たらなくどうやら相殺になってしまったようだった
横たわっている異型の亡骸と共に当りに刺さっている剣など斧などがより心に傷を残すかのよう

考えれば俺がこんな光景を見たのは初めてで、俺が居るのと居ないのの差も理解出来た気がする

「どこに持ってくんだ?あ、埋葬してやるとか?」
「こいつらには申し訳ないが他の魔物達の食い物にしないとな
 ただでさえあの人数の魔物を養わねばならないのだから」

大体の事も分かってはいたので何も言えなかった
俺も手伝って戦死した魔物の亡骸を担いでスヴァルトアールヴヘイムに戻る事にする
だが、こいつらと会ってまだ三日目だったはずだが、なんでこんなに哀しいのだろう
Re: 指揮者 ( No.22 )
日時: 2010/09/12 23:22
名前: S

3日目の夜の部・ニーズヘッグと雑談


なんとか一日が終わろうとしている
今日は一段と湿っぽい事があったのが残念だが、今日も生き延びる事が出来た(まだ撒き餌として
何やら下界よりこっちの方がずっと楽しいような気がするな・・・

「ありゃ?何かポケットに入ってる」

学校では持ち込み禁止になっているが黙って持っていって学校帰りに襲われた時のまま
すっかり忘れていた携帯だった
電源は切ってはいなかったのだが付かなかったので、付けようとしても応答なし
何度か唾液まみれにされた自分の衣服と紛れていたせいか、壊れてしまっているようだった
完全防水なんて嘘っぱちだったのか
それとも腹の粘液の方が下界とは全く違っていたのかは不明だが

「なんだそれは?」

夜では唯一の話し相手でもあるニーズヘッグが興味ありげに聞いて来た
とっさに携帯を背に隠す

「さ、さぁて何の事やら(汗
 ちょっ・・・おま・・・。分かった分かった、話す、話すから」

ネコみたいにつまみ上げられそのまま開いた口に持ってかれて
また喰われそうだったので話そうとした所

「あ・・・」
「んぐっ!?・・・」

手を滑らせて落すと同時に大きく開いた口のくねる舌に当らず
丁度よく奈落の底のように暗い喉の方に落してしまい

「ごわっ・・・」
「だ、大丈夫か?・・・」

驚いたのか口を閉じかけた時と同時につまんでいた俺も上半身まで喉に入る
その状況で心配している俺は一体・・・的な感じだが
勢いよく入ってしまった為か、激しく咳き込んで、俺は吐き出しても携帯の方は

「何か呑み込んでしまったようだが?」
「実は・・・」

結局喰われてしまったが、とりあえずは話しておいたのだが

「なにそれ?おいしいの?ってか早く取りに行かない?(別の意味で」

みたいな表情から全く替わっていなかったのであった

「だが離れていても話せるのはいい物だな。下界ではこのような物があるのか」
「えー・・・と、他にお前が興味有りそうな物はだな・・・」」

とか下界に対しては興味はあるようだったので、他に色んな話をしてやったりした
それで目の前でカラスなんか食ってたんだから当然と言えば当然かもしれないが(汗

「・・・そう言えばニーズヘッグなんて、何か呼びづらいんだが
 他にお前の名前はないのか?」
「ん?あぁ名前か
 下界では地方によってニドヘッグルやニドヘグとか呼び名があるが?」
「・・・それぢゃあまり変らんだろ(汗」

このままにしておくか、それとも・・・

「IN○ル入ってる?」
「古いネタ好きだな、これ書いてるヤツ・・・」
Re: 指揮者 ( No.23 )
日時: 2010/09/12 23:24
名前: S

実はニダヴェリールとスヴァルトアールヴヘイムも同一視されている可能性がありました
神話物はゲームに使われている単語などが出て来るので読んでておもしろい
小人には『人』って文字が含まれているので町並を出しました
VPのドラゴンは人系キャラとの体格差はそんなに無いのですが、丸呑みは出来るのかな・・・(リザードマンもアレだけど
最後のヤツですが、名前は募集中です

リオレイア氏
返信ありがとうございます
傍観者系だった自分もこれをきっかけに、餌になってみたいなんて思ったりして来てます
元ネタがアレで、引用したのがアレで、使いまわしのネタもアレだから、ブラッドヴェインに見えてるだけだけど(汗
Re: 指揮者 ( No.24 )
日時: 2010/09/13 00:14
名前: hunt◆q1mu6R6UYC2

Sさんもやっぱり捕食シーンの書き方とか上手いですね。北欧神話とか、いろんなことを知っているようで。その点自分は知らないことが多すぎるな…
Re: 指揮者 ( No.25 )
日時: 2010/09/13 19:11
名前: S

そぉ・・・ですかね?w
今までは想像に任せる的な事ばっかでしたがそう言われたのは初めてだったり・・・w

北欧神話は、ただ気になったので読んでみただけです
それに色んな事というのも大半が役に立たなさそうな事ばっかですのでw(汗

それから
知らない事が多すぎるなんて事は無いと思います
様々な方の作品も参考にしたりしていますし、冷静に考えてみたら自分の作品は大半がグダグダですし(笑
何だか失礼な言い方かも知れませんが
hunt◆q1mu6R6UYC2さんの作品もキャラの個性や思いがけない行動があるのでおもしろいですしw
Re: 指揮者 ( No.26 )
日時: 2010/09/13 19:58
名前: セイル

北欧神話といったらフェンリルですよね?
だす予定ありますか?
Re: 指揮者 ( No.27 )
日時: 2010/09/13 23:34
名前: hunt◆q1mu6R6UYC2

そんなことを言われたのは初めてでしたか?…うーん、僕、ちょっと他の人と違うところあるのでそのせいでへんなこと言っちゃったのかも…。深い意味とかあるわけじゃないので、あまり気にせずにいてください。

それから、僕の名前、最後まで書いていただいてるみたいなんですが、hunt で十分ですよ。
Re: 指揮者 ( No.28 )
日時: 2010/09/14 19:25
名前: S

セイル氏
出来るだけ人外を出すつもりなので、予定はありますね´`ィ(3日目でもちょこっと?だけ出てますし
それからネタバレですんで、どこで出すとかは書きませんが、大事そうな所は喋らない所かと
希望があれば台詞を追加したり、性格や口調なども搭載してみますw

・・・設定は神話上の様々な物を使って、自分なりにそれっぽい感じを出している(つもり)のですが
竜っぽい存在だったニーズヘッグをあそこまで壊してしまっているので、期待はしない方がいいかと・・・w

hunt氏(では改めて・・・w
深い意味で理解して、返信したって訳でも無かったり
やっぱり偉そうな事言ったかななんて自分も思っていたり・・・w(汗
それに自分はちょっと所か多大に変わった所があr(ry
それから名前の方はコピペしたので、そんなに時間はかかってませんw(笑
捕食のお褒めの言葉は本当に嬉しく受け取っております


以上の方々返信ありがとうございました

・・・名前の方はもう自分で考えるか・・・(汗
Re: 指揮者 ( No.29 )
日時: 2010/09/14 20:42
名前: セイル

•••
それはどうもすみません
フェンリルで捕食・・・
ありますか?
Re: 指揮者 ( No.30 )
日時: 2010/09/15 19:47
名前: S

FFの斬鉄剣でお馴染みの主神オーディンが(VPにも出てるけど
フェンリルに飲み込まれた(どっちの意味かは不明)との説があるので、捕食はあります
ただこんな感じかなってみたいに作ってあるので、お気に召されるかは・・・w(汗

前回も書いてましたが、何か希望があればどうぞ
それっぽくなるように頑張ってみます・・・w
Re: 指揮者 ( No.31 )
日時: 2010/09/15 21:19
名前: S

5日目


「んじゃあ、デザイアなんてどうだ?英語で望みって言葉になるそうですが」
「望み・・・か、この状況下では様々な意味を合わせ持っているしな
 それにお前から名前をもらったのであれば拒否する訳にはいかないな」

っと、いとも簡単に納得してくれた
俺が下界へと帰る為・・・、ニヴルヘイムの魔物・・・っと、他にも様々な意味があるのかもしれない
・・・それに作者は『彼食者になりたい』的な意味も持たせていますし(笑


  ・・・・時間あったっぽいので、一日中相談+αしてて、こうなってたって事で・・・・


今日は敷き物付きで寝たせいかニヴルヘイムとは違いまるで下界のように実に目覚めがいい

・・・次に行く所は人間の国ミズガルズと言うことになった
昨日で同じくドヴェルグ達が住まう小人の国ニダヴェリールも制圧し
神器も作成されずに魔物達の食料もそれなりに空きがある
だが、ここから本拠地のアースガルズに攻め込むも同然なので油断は禁物との事

「・・・それにしても、俺も腹減ったな〜」
「よく飲まず喰わずで、5日も生きていた物だ」
「同情するか、喰うかどっちかに汁・・・(汗」

朝食代わりに昨日の残ったドヴェルグ達を喰らい出す魔物に混じったデザイアと話をする
・・・断じて俺は人肉なんか喰らいませんからっw

「そのまま行くと、今日中に倒れるか、それとm(ry」
「うるせぇぞ、この馬鹿・・・(苦笑」

でかい声も出せないくらいだった(笑
っと、ここ等辺にしておいて・・・

ミズガルズは人間の国と聞いて、人間が住まう国と言うだけあって
俺も多少は会ってみたい気持ちもあったが、魔物達のためにとそんな望みは振り払う事にする(・・・あれ?何か違和感が
橋の様に巨大な虹が立ち、町を囲む海洋が見える

「あんな所から行くのか?」
「あれがアースガルズへの近道。だがその近くにだけあってここを制圧するのは、一筋縄では行かないだろう
 お前は後に居た方がいい」

おっしゃる通りっぽいです´`ィ・・・
立ち止まって、もう一度ミズガルズを見渡す
橋は一箇所にかかけられていないようなので、そこからしか突撃は無理みたいだ
一箇所しか無いのなら、篭城もいい所だ。そう簡単に落とせそうではないのは分かる

「そろそろ行くか、このまま立っていてもどうかなる訳じゃないんだから
 まずはこっちから動かないと・・・」

北西っぽい位置に見えていた橋の方へと進軍していると
デザイアは何処となく不安気であってこの当りを警戒していた
ミズガルズも大分近づいていた

「どうかしたのか?さっきからそんなに警戒して・・・」
「このままうまくいけばいいが・・・
 ・・・いや、もう遅いか・・・避けては通れない相手のようだ」
「・・・何言ってんだか、全く馬鹿馬鹿し――」
「・・・・・・」

そんな考えすぎのようなデザイアの言葉を無視して再び進軍し始めようとする俺を静止する

見えていた海面から凄まじい音と波を立つ
姿を表したのは巨大な蛇だった
だが、デザイアが止めてくれたので引き起こされた津波は、こちらまでは届かなかった

「もう少し言うのが遅れたら、どうなってた事やら」
「あ、あぁ・・・疑って悪かった・・・」
「ヨルムンガンドか。こいつまでも目覚めるとは、時は迫っているという事か」
「こ、こんなでかい蛇相手にするってのか・・・」

腰が抜けたも同然
津波で辺り一帯は水浸しで、まともには浴びてないのだが
足元くらいが、ずぶ濡れにさせられるのとついでに恐怖をも植え付けられた
ヨルムンガンドは、率いて来た近くに居る魔物を手当たり次第に喰らっていき
長い体を次々と膨らみが伝っていく・・・
魔物達の抵抗も弄ばれているかのようでヨルムンガンドは微動だにしない

「喰われたくないなら下がっていろ」
「ど、どうすんだ?お前は・・・」
「お前との約束だからな、そう簡単に喰われはしないから心配するな」

デザイアも俺をその場から遠ざけると、直ぐ様ヨルムンガンドの方へと向かい出す
俺は後方に待機していた魔物と一緒にデザイアの帰りを待っていたが
・・・いきなり交戦しているような声が途絶えた

「まさかあいつやられ――」
「ギャガッ!」
「アアアァァァァァ・・・」

何やら悲鳴に例え難い奇声がすると思えば大木のように太い尻尾で
待機していた魔物が全て縛り上げられていた
おそらくは海中を進んで回り込んだのだろう

「何をしている!早く逃げろ!」

聞き慣れた声が響く
だが、我に返ったその時にはもう遅く、視界は俺という食い物目掛けて
ヨルムンガンドが大きく口を開けて迫り


轟音で視界が真っ暗になる
分かる事はどうやら走っていた地面ごと喰われたようで
体中にまとわり付く唾液に、土らしい物が混じっていると感じる


腹中に行き着いたようで、流されるのが止まった
こんな事も何だが、デザイアの腹と違って安心出来ない


そんなに強くはないのだが、胃壁に圧迫されて身動きがままならない
・・・抵抗も止めていれば、急激な眠気に襲われて眠ってしまった


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


声が聞こえる・・・。なんで腹の中に居ても声がこんなにハッキリと聞こえるんだ?

唾液を飲んでしまって何度も嘔吐をしているのだから返事なんてしたくともできなかった
そう思っていると突然視界が光に満たされて、引きずり出されているようだった
肌触りが初戦でされた時のようなあれだ、確かリザードナ・・・

「・・・どうやら息はあるみたいだな」
「間違えたか・・・」

リザードマンかと思えばデザイアだった
緊迫が解けたようで、さっきの一言にもツッコミもせず
抱きかかえていた俺に軽く表情を和らげる
・・・まだ下半身が腹の方に入ってるんですが(汗

「なんで・・・勝てたんだ?」
「妖精の国に残っていた魔物達が駆けつけてくれたようだ
 だが、こちらの部隊も大半が全滅に近――」
「んぐ・・・ごほっ・・・」
「・・・?どうした?」
「いや戻しただけ・・・」
「・・・どうやら、そんなに深い傷は負ってないみたいだな
 こんな所にいつまでも居るのも何だし、向うに行くとしよう・・・」
「・・・いい加減に気付いてくれたっt(ry」
「え?あらほんと(笑」 ←多分わざと

っと、ヨルムンガンドからようやく引きずり出されてデザイアが俺を背負う
デザイアの翼はそんなに立派じゃなくとも、風を受けてなびいていた
・・・見とれていると、何故か眠気が襲って来た

「お手数掛けます〜・・・(ガクっ」
「お疲れさん・・・」

まだヤツの腹の中の体液が残っているみたく、無理な体で喋ったからまた吐いてしまった
今回は俺を腹に仕舞わず背負ったまま、制圧したミズガルズの町へと歩き出しす
今の心境は『力尽きました・・・』もいい所だ

「はい死んだ!今の気持ち死んだよ!w」
「・・・熱い」
Re: 指揮者 ( No.32 )
日時: 2010/09/15 21:20
名前: S

『希望』にしたくて自分なりに調べたのだが
英語くらいしか分からなかったので、多分同じ意味みたいな『望み』で自分で考えて、名前はデザイアとなりました
やっぱり化け物用語はが行くらいしか分からない(前回のドスジャギィだってこれになったし・・・

余談ですが、VPでは、ネーミングにちょっと捻りが入れられているようで
神の世界アースガルズがアスガルドになっていたり、人の町ミズガルズがミッドガルドになってた
でも、どっちが正式かは不明です
Re: 指揮者 ( No.33 )
日時: 2010/09/16 08:09
名前: リオレイア

おや…
魔軍は壊滅か…?
ならばデザイアだけでも下界へ連れ出せないかなぁ…
Re: 指揮者 ( No.34 )
日時: 2010/09/16 20:12
名前: S

大半がヨルムンガンドにやられ(食べられ)ました

自分も友達感覚で話さしてるデザイアは是非とも居て欲しいものです
・・・ぶっちゃけデザイアはスペルの読み方が分からないので、間違ってる可能性あり(笑
Re: 指揮者 ( No.35 )
日時: 2010/09/16 21:01
名前: hunt◆q1mu6R6UYC2

名前は desire 、から取って、デザイアになさったんですね。希望とは…ニーズヘッグはいい名前つけてもらいましたね。

関係ないんですが、確か desire は、ディザイアと何かの辞書に書かれていたかも…?
ただ、デザイア、の方が言いやすいと思うので、やっぱりデザイア方がいいですね。
Re: 指揮者 ( No.36 )
日時: 2010/09/17 20:07
名前: S

もう一度辞書引いてみたら、性的欲求だの、願望だの、嫌らしい響きが多数ありました(笑
まぁ、彼食者になりたい的な意味もあるし、こんなキャラも好きだから、それもそれでいいか・・・w

スペルも充分に読めなければ、英検5級なんてやっぱり持ってる意味ねぇw ←実は合格点1点差で合格(実話
Re: 指揮者 ( No.37 )
日時: 2010/09/20 22:54
名前: S

5日目・その後+夜の部


「何だか、下界にありそうな町並みだな・・・」
「ミズガルズは人間の街だから、ここが元となってお前達の世界が作られたのかも知れないな」

翼の方を見ていればパタパタと音を立てて眠気を誘うような感じだが、吐き気で眠れない
デザイアの背に背負われたまま、ミズガルズの町を見ていく

「ほれ、着いたぞ」
「そういや、ここはもう制圧してしまったのか?」
「一部の地域はまだだが、直に完了するだろう
 それに俺も出る幕じゃなさそうだからお前の近くにいてやる」

制圧したミズガルズの一つの建築物で俺を寝かす
ここは人間の街というだけあって、部屋を何かで飾ったりとか中の設備も下界と同じようだった

「・・・そういえばさっきの蛇は何だ?」
「さっきも言ったようにヨルムンガンドと言う名の大蛇だ
 お前の予想ではなぜミズガルズに行かずに俺らを狙ったかという疑問もあると思う」

・・・俺の質問まで持っていかれた

「じゃあ、ここを守るために俺らを?」
「噂じゃあ、ヨルムンガンドもミズガルズを制圧する為にとここを囲む海洋で
 自分で自分の尾をくわえて、来たるべき時を待っているそうだとか」
「さざ波一つ立てず、動かずにただじっと?」
「そういうこった。今回お前がそう感じたのは無理も無いもない話だろうな」

何だか不可解な点が少々・・・まぁいいか・・・

「だが、あいつは不死身だ
 腹を裂いても、体中を裂き回しても、傷を癒してどの道ここに乗り込んで来るだろう」
「・・・その時は俺を捨てて、ニヴルヘイムに帰っておくれやす(笑」
「あの傷ではさすがのヨルムンガンドとは言え深手に値するから心配するな
 しばらくは上がっては来れないだろうから、十分休んでおけ」
「・・・ごほあっ」

デザイアの初めての時もこうだったけど慣れない腹の中に収まるとこんな事になるんだな
数十回目の嘔吐だった
ヨルムンガンドがここに乗り込んでくる予想の時間帯は
「ネタバレだから黙っておく」とかまだ言ってた(苦笑
あの蛇がまた復活するなんて話はかなり不安だが
ここはしばらく安心出来るのだから一晩泊まって、早朝に旅立つとの事

「・・・そう何度も吐いてしまえば、ただでさえ腹が減っているのだから、さらに空いたろう?
 ここになにかしらお前が食えそうな物が有れば持ってくるようにと指示をしておくとしよう」
「ありがとうごz(ry。ぐふっ・・・」

デザイアはさっき言ってた事が矛盾していたような気がするが
この広間の近くに居た魔物のそれだけを伝えてすぐに戻って来て、俺の隣に座った

人間の街ってんだから、もしかしたら喰えそうな物が出てくるかもしれない
期待は出来るかも・・・とりあえずは嘔吐を止める為にも眠る事にした



     ・・・・・・  その夜  ・・・・・・



「・・・気分はどうだ?」
「まだ吐き気が抜けてないけど、大分楽になったとは思う」

デザイアならともかくとして、他の魔物の腹に収まるのだけはもう全力で拒否りたい所
今まで何も食っていないし、おまけに戻してしまったとなるともう餓死してしまうぐらいに腹が減った

「あの時の魔物達に頼んでおいた物だが、これはお前は食えるか?」
「・・・何これ?」
「見て分からんのか?」
「いや・・・色が変だし」

差し出されたのは林檎のようなのだが、どうも色が変である
腐っているのではなく黄金に光り輝いているからだ
だが、魔物達が俺を対称に探して来て、色々と骨を折らせてもしまったはずだから
こんな偉そうな事は言える立場ではない

「こんな物があいつが食えるか馬鹿ーっ!」

的なツッコみというか怒鳴り声的な声も聞こえたのだから下手すれば酷い物が出てきたかもしれないし・・・

「・・・食えないのならsy(ry」
「いやいや、結構です、食べます、食べれます、是非とも食べさせてください」
「ぐふっ・・・ごほっ・・・」
「もう少し落ち着いて喰え」

デザイアの手に2、3個程乗っている金の林檎を一つ取り貪りつく
甘さが強烈だった為も含めて、咽てしまったが、空腹さゆえにすぐに慣れた

「大変だったな。今まで飲まず喰わずで腹も限界だっただろう?
 ここにそいつが残っていてよかったな」
「全くだ(笑」

金の林檎は各神々が○○の日まで老いる事の無いようにと、イドゥンと言う者が育てた林檎らしく
不老不死にも近い物だと言う(多分今後のネタバレだと思うので伏せたとの事
聞きながら喰い終わって、芯を残して二個目の林檎に手をつける

・・・食べといてなんだが、これ喰えば俺はもう死ねないの?(汗
一個目でそれなりに空腹が満たされたようで、飢えも気分も大分楽になってゆっくりと食べ始める

「そいつは人体には効果は無いらしい。・・・多分ね」
「ふーん。じゃあ、なんで老いることのないように喰わないといけないんだ?」
「・・・・・・」
「・・・あれ?どったの?」
「お前には関係ない事だ」

俺が平らげた芯を食べながら答え、何か言いたくなさそうだった
いつのまにか緩んでいた表情も消えている

「あ、そうそう。お前も丸腰では不安だろう?
 もう、こんな事にならないようにとこいつを渡しておこう」
「え?何それ・・・」

デザイアの腹から剣のような物が柄まで出てくる
引き抜かないといけないらしく恐る恐る引き抜く

「うわ、なんぞこれ・・・」
「今のお前には全ての魔物の運命を背負っている
 だから、それを持つに十分な資格がある・・・だが、渡すのが遅すぎた
 それを振るえる機会は明日か明後日ぐらいしかないと思うが・・・」

何も言わずに剣を見つめる
それから、鏡のように黒く輝く剣の波紋に魅了されていた
Re: 指揮者 ( No.38 )
日時: 2010/09/20 22:55
名前: S

6日目

どうも今日は全く持って気ままな一日だった
ミズガルズまで制圧してしまえば、もうどこかへと行く必要も無いので
明日に向けて動かずに留まっていた

今日泊り込んだミズガルズからアースガルズへと虹の橋が掛かっているらしく
次の日に本拠地に向かうらしく最期の戦いが始まるのであった
・・・ヘイムダルとか橋の番人的なお方は結局居なかったのか?(汗

「だって、そいつの画写見つけられなかったんだもん・・・
 このPCスペック足りてないから処理も重いし(苦笑」

何度目かだが、ヨルムンガンドが復活する明日に寝過ごしたら
あの蛇の腹の中で起きることになるのである

「ほんとに気ままな一日だったな・・・」
「そうか?
 だが、この一日もお前にとっても俺達にとっても最初で最期の日なのだがな」
「・・・は?」
「あ、間違えた。アースガルズにて敗れればな
 だから敗れる前にはお前を帰しておかなければならないな」

「・・・本当に偉く平凡な日だな」
「慌しい日々があり、それを片付ければこんな休む為の日が訪れる・・・
 毎日あんな野蛮な事ばかりしていれば、お前も体が持たないだろう?」
「言われてみれば・・・」

「じゃあさ、俺は暇だし、今日はどこにも行かないんだったら・・・」
「・・・ああ、いいだろう。とことん付き合ってやる」

今日は魔物達も人間の街と言われていたミズガルズで
動物のように遊んだり、武器の手入れをしていたり、またはただ寝そべっていたりと
個性が色々ある事が覗えた
俺も混じりたかったってのもあったが黙って見ていたのである

「ここからミズガルズが見渡せるな」
「あんな所を正面突破して制圧したのかお前わ・・・」
「来た方角はあっちで、お前が食われた所がおそらk(ry」
「あいやー、俺等本当に遠くから来た事(笑」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「もっと力入れないと、決定打にもならないなコレ」
「ご忠告どうも・・・くの!」
「そんなに、力み過ぎなくていい。もっとこんな感じに・・・」
「・・・角材での指導ありがとうございます」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「くそがッ!もう一回勝負しろぃ!」
「たかが○×くらいで熱くなっちゃって・・・。まさかこんなに単純とは(笑」
「逃げるな!勝ち逃げなんぞ許さん!w」
「・・・普段冷静なヤツ程賭けには熱k(ry」
「話かけんじゃねぇよ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「それにしても、竜の体って凄いんだな」
「出来れば翼も洗ってくれない?」
「飛べない=あんまし必要なさそうだから、頭から尻尾までで充分(笑」
「じゃあ、首輪付けて四足で這ってやr(ry」
「たかがこれぐらいで、プライド捨てるなお前わw」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「っと、言う事で答えは10になるって訳」
「計算って文字に表したらこうなるんだな・・・」
「下界の英数字を使ったから、使い慣れてた数字じゃないけどね
 ちなみにこっちは下界の文字だけど、何て読むのかは馬+鹿d(ry」
「また見下げたような漢字だったらぶっ飛ばす(怒」
「・・・今気付いたが、お前の腹の中に教科書含めて、色んな物入ってた通学鞄置きっぱなしなんだが」
「未来の事も思っちゃ駄目」
「・・・(´∀`;)その後的な意味で?・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ほ〜れ、飯だぞ〜」
「どうせだ。居るだけ連れて来い」
「そんなに食事攻めにされちゃ最後の晩餐って感じがすr(ry」
「・・・もうお前は思い残す事は無いか?」
「何言ってるんだお前わ
 明日の最終決戦で俺達が勝って終わらせれば、また遊べるしな
 お前とこれが最後なんて縁起悪い(笑」
「嬉しい事を言ってくれる・・・」

ミズガルズの町を回ったり(散歩したり
指導の下で昨日借りた剣で素振りをしたり(あっちは角材と言う木刀
池で今まで戦闘ばっかりの体を洗ってやったり(ちゃんと無報酬で洗ってあげた
遊びや計算、漢字の読み方等では思っても居なかった反応が見れた(結局殴られた
あの図体でこんな反応なんだから、いじってしまうのも無理はない・・・のか俺は

夜は盛大に今までの非常食(捕えて来た者達)を皆喰らい尽くしてた
今日は、まるで下界に居た頃の学校のように賑やかというか平和な一日だった
俺は下界に帰りたくないくらいに、こっちが充実していた
・・・でも明日が最後の闘いだから、勝ってしまえば今まで慌しかった事も終わるんだっけ
Re: 指揮者 ( No.39 )
日時: 2010/09/20 22:56
名前: S

・5日目/その後
今回はVPでの腹の中に剣が収まっているという設定とクソッタレ兄上の台詞を使用(後者は咎とは別
多分レヴァンテインは喰ってしまったんじゃないと思います
主人公はヨルムンガンド側もいいとは思ったが、終末の日まで水中で見を潜めているとの事なので
色々な都合でニーズヘッグ側にしました

・6日目/昼夜
もしも一日だけ余裕があればこんな事をしてやりたい+してもらいたい的な事(汗
って感じで6日目はこうなりました
ここまで出来そうなら、実際に連れ出してやりたい・・・


どうせぐだぐだだし、短いと思ったので二つまとめて更新しました
・・・どうでもいいけど最近ヨーヨーやり始めて、0時過ぎなのに寝る前に30分も練習してた
Re: 指揮者 ( No.40 )
日時: 2010/09/21 08:01
名前: リオレイア

うーん、かぁいい!可愛いよデザイア!
何とか下界に連れ出せないかなぁ…
Re: 指揮者 ( No.41 )
日時: 2010/09/22 21:14
名前: hunt◆q1mu6R6UYC2

とうとう最終決戦ですか…
最後というだけあって、どうなるのか楽しみですね。
Re: 指揮者 ( No.42 )
日時: 2010/09/23 23:30
名前: S

7日目
・出血あり(謎

言われていた通りに朝早くからヨルムンガンドが来襲してきたが虹の橋を渡りきり
ついに敵の本拠地でもあるアースガルズへと付く
津波と共にミズガルズに押し寄せていたので、逃げ遅れた魔物はもう助からないだろう

「全くラグナロクが始まったというのに
 俺達の相手までしてくれるなんて暇な奴等だ」
「こっちは共食いばっかしてっから魔物もあと僅かだし・・・。それにしても暑いな」

皆食い尽くしてしまった為に、共食いでもしないとここまで生き残れないほど(俺は喰ってはいないけど
追い詰められており逃げおおせていたのである

ラグナロクとは世界を焼き尽くす最期の日で、その為か今日はとても暑い日だった
この日を迎えたヘルヘイムから死者の爪で造った船ナグルファルに死者を乗せ
巨人に加勢する死者の軍団がアースガルズに俺たちと同じくして攻め込んで来ているらしい
(理由は分からんが良くは思って無かったのかもしれないってのも有りだろうか?

攻め込ませたのはニヴルヘイムの女王・ヘルとの事
ニヴルヘイムを去ったのはこの為だった?
・・・色んな事がネタバレとか言って黙ってたけど
たったこれくらいの事でここまで黙っておく事必要はあったのかと内心思っていたりする(作者も

「だが、奴等がアインヘリヤルなだけまだマシな方だろうな
 フェンリルやスルトもここに殴り込んで来てるらしいから
 オーディンやフレイもそいつ等で手が一杯のはず」
「なんだか物騒な事だなほんとに・・・っ・・・あいててててて・・・」
「・・・無理してこんな所まで来るからだ」

随分前にアインヘリヤルとの戦闘の流れ弾に当り右肩を損傷
おまけに手当て出来るような器具もなく今までそのままだったので痛いの何の極まりない

「いい加減に帰ったらどうだ?こんな修羅場だから気力も高まってきているし、すぐにでも送り返してやるぞ?
 ここに居たらもうのたれ死ぬしか道はないしな」
「悪いな、意志と根強さは一級品な物だからよ」
「・・・しぶとさと諦めの悪さの間違いかと」

こんな事態というのに、いつものような会話になって少し気が安らぐ

「あ、あれ?どったの?」
「そこまで見る目を失うほど魔物も食い物に飢えているようだな
 このままではお前が餌になるかも知れんが」
「・・・俺帰んないよ?」
「だが死ぬ前には送り返すからな?今は良くとも・・・」

近くにいたドラゴンが俺の襟首をくわえ上げられたり、舌で舐めて来たりとされるのだが
そんな場が和む雑談も終えて、またアインヘリヤルの追っ手から逃げる事に戻る
・・・ついにアインヘリハルが集うヴァルハラの館にたどり着くのだが

「・・・オーディンは敗れた上に食われた様だな」
「そりゃ、お気の毒に・・・でもオーディンとかが居ないんならもう帰ってもいいんじゃ?」
「俺はここで散る覚悟。今まで尽くしてくれた奴等に顔向けが出来ん」
「・・・俺も同意」

フェンリルと言う狼に呑み込まれたとかのようで、オーディンらしき亡骸が見当たらない
俺の装備はデザイアから借りた黒い剣一本のみで
防具もないので当ったらかすり傷程度じゃ済まない(現に肩に喰らってるし
おまけに食い物なし、休む間も殆どなし、魔物達の志半ばで潰えてしまって全滅
ここまで来たのはいいが、残っているのはデザイアと俺だけ

ヴァルハラの館は既に炎上し、使い物には成ら無さそうだから
もう俺はこんな事にまで手を染める事なんてしなくともいいはずなのだが
ただデザイアとまだ一緒に居たいだけだった
ここに旅立つ前に剣の手ほどきを一通りの基本を教えてもらったのが何よりだった

「俺らで倒せるのか?」
「・・・分からん。だがヤツもオーディンとの戦いで十分手負いのはず
 勝ち目はあるかも知れないな」
「じゃあ、俺も戦――」

表面を自分に向けて両手で強く剣を握る
黒い波紋には自分の傷ついた顔が写っていた

「悪いがまともに戦わせる事は出来ん
 お前にはヤツの不意を突いてかすり傷程度でも負わす事ぐらいしか」
「ち、いいとこ持ってくつもりだな〜?」
「この状況で軽口は抜かすんじゃない。とにかく決して正面からはぶつかるなよ?」

軽くボケてみても、無反応だった
フェンリルも気付いたらしく、食事を中断し牙を剥き出しにして威嚇する
デザイアも珍しいくらいにも同じくして威嚇する

無言になり、野生の本性をさらけ出せば、記憶の中のデザイアも今と比べれば別人の様にも感じる
・・・刺し違えてでも討ち死にする気だろうか?

その威嚇で始まった肉弾戦を隠れて俺は眺めるしかない
俺が出来る事は奴の隙を見つけて剣を刺すぐらいだから
いつでも振るえるように剣を力いっぱいに握り締めていた

両者の牙や爪が腕や体の至る所に傷を作り
その肉弾戦の際に舞う血も見られるがどちらが流しているかなど分からない
フェンリルの体当たりが決まり、吹っ飛ばされたデザイアが近くまで転がってくる
立ち上がろうとしているがフェンリルに押え付けられているので、身動きもままならない
このまま見ていれば首でも噛み切られてしまう

「無理しやがって・・・動くななんて言われてたけど
 お前の命には変えられない・・・」

幸いフェンリルは俺の方には気付いていないのだから、このままなら横腹にでも突き刺せるのかもしれない
足音を殺してゆっくりと近寄る・・・
デザイアは俺に気付いたらしいが、まだフェンリルは気付いていない

パシャ
「え・・・」

地面には血が広がっていて、気付かずにその血溜まりの中に足を踏み入れたようだった
その音でようやくフェンリルも俺に気付いて、一睨みで恐怖心がこみ上げて体が凍りついてしまう

視線を逸らして気を許したフェンリルを逃さず
デザイアは頭突きで怯ませて、倒れたままの体勢でフェンリルの前足を掴んで投げ飛ばす
そこで起き上がるデザイアに近寄る

「引っ込んでろと言ったのに、全くお人良しなヤツだ・・・」
「助けたかっただけ・・・だったのに」
「・・・じゃあ、今度から俺から離れるなよ。いくらお前に話しても無駄なようだ
 お互いを思う者同士なら共に・・・」

直ぐに返事を返す
デザイアは呆れながらも俺の事を信じてくれていて、もうフェンリルに対して恐怖心は一片も感じない
・・・だがそれは消えかかっている蝋燭の一瞬の煌きのようだった


フェンリルが俺の方に飛び掛るが、盾となるようにしてニーズヘッグが立ちはばかるのでまともには当らない
押し倒されるのに巻き込まれないように横に避けるて剣を突き刺す

・・・デザイアの声もあがっていた?
噴き出した血で視界が埋まってしまい、目を閉じてしまう
それと同時になぜか俺まで血の気が引いていき剣を握る力も弱弱しくなっていく

「あら?・・・・・・」

目を開ければ一瞬の内に裂かれていて、体に何本かの爪跡があった
デザイアの首にはフェンリルが噛み付いている

流血で血の気が引き、動かすのもやっとなくらいなのに
機械のようにガタガタと振るえる手で俺だけ突き飛ばす

「ご苦労・・・だったな。後は俺に任せておけ」
「一人で格好付けるから・・・、今助け――」

走り寄ろうしたが剣がないのに気付く
それになぜか力が入らない手の方を見てみれば、真っ赤に染まっており、意志すら伝わずにダランと垂れていた
剣はフェンリルの横腹に刺さったまま、突き飛ばされたようだった

ああは言っているがデザイアは口から血を流しており無理しているようだった
だがお構いなしにふら付き始めている体を引きずってフェンリルに近づこうとするのだが

「ここで下界の民のお前が命を断つ事は決して俺が許さない
 こんな悪夢に取り付かれて自らの死まで歩みつづける事も
 だからお前は下界へ帰れ!」
「下界に帰ったって何があるってんだ・・・何も目的を持たずにただただ遊んでいただけ
 今帰ったって何の意――」

「甘ったれるな!下界にはお前を思う者が居る
 お前の帰りを待ってくれている者を悲しませるな!
 ここで死んでもいいのは俺のような化け物だけだ・・・
 俺を思うのなら・・・今のお前に出来る事は・・・逃げる事だけ・・・・・・・」

あふれ出る涙を堪えていずれ息耐え逝くデザイアを置いて逃げるしかなかった

「そうだ・・・それでいい・・・・・・・・・生き延びろ・・・・・・・・・・・・」

最後に聞いたのはあの一言と何かが地に付く音だった
だが俺は・・・・・・


>>45 ― 1・やっぱり助ける

>>46 ― 2・このまま逃げる
Re: 指揮者 ( No.43 )
日時: 2010/09/23 23:30
名前: S

電子科のくせにリンクの付け方も分からない自分は一体・・・
付け方が分からなかったからって訳でもあってまだ分岐を付けてませんが
次回の更新でちゃんと二つとも付けますのでご了承を



リオレイア氏
画写はありませんが、ルールさえ分かれば、どんな遊びでも出来たりする事が出来る・・・って設定
とはいっても、体格のせいで手が大きいので、そんなに器用に動かしづらかったり
こんなキャラだといじるとおもしろいが、後々怖い・・・w
・・・何だか気に入ってもらえたようですが、こんな目に遭わせて申し訳ごz(ry

hunt氏
ですよね〜w
今回は今までと違ってエンドを二つ搭載してみました
・・・分岐先は・・・あんな結末が好きな方には、それなりに気に入ってくれれば嬉しいです(汗


以上の方々返信ありがとうございました
Re: 指揮者 ( No.44 )
日時: 2010/09/24 01:41
名前: リオレイア

ああ…
デザイアさん…
助かると良いなぁ…
Re: 指揮者 ( No.45 )
日時: 2010/09/26 21:27
名前: S

分岐1


もうそろそろ姿が見えなくなる頃でフェンリルも追って来なかった
・・・だが、俺は足を止める

「・・・ここで逃げたら・・・俺はあいつに何の礼も出来ない・・・」

せめてものあいつの願いは俺が生きている事だった
とはいっても、どの道ここの道も分からないし、この傷だと助かりそうにも無い
・・・真っ赤に染められている手で出血の酷さが分かる

なら、派手に散って死んだ方が相応しい死に方なのかもしれない
ここまで来るまで何度も助けてもらったし、このまま逃げればその恩を仇で返すような形になってしまう

俺が歩むはずだった進行方向を180度変えて走り出す
足に流した血が伝い、進路に血を滴らせていく・・・

「・・・!?なぜ・・・戻って来た?・・・」
「生きてたか」
「それはこっちのセ――」

こんなに出血しているのに、なぜか意識が遠くなる所か妙に冴えてくる
言葉も擦れていなかったから、不思議な気持ちだった
フェンリルも威嚇して俺を近づけさせないようにするが、無視して近寄る

「離れろ・・・いい加減に気持ちを分かってくれ・・・こいつは俺が――」
「もうバカイヌに吼えられても怯まない」

俺を睨み続けていたフェンリルは気が変ったらしく、対象を変えて襲い掛かってくる
行かせまいとデザイアはフェンリルを引掻く
止められなかった物の、横腹に刺さっていたままだった剣が外れた

「・・・ぐっ・・・こ・・・こいつを使え!」

ねじ伏せられていたニーズヘッグも自由を手にし、抜けた剣を手にして投げる
剣を受け取りフェンリルの攻撃を受け止めるが、衝撃には耐え切れずに倒されてしまう
とっさにデザイアが到着して、腕の一振りでフェンリルをなぎ払って、その内に体勢を立て直す


   ・・・・・・そうして、どれくらい頑張ってた事やら・・・・・・


舌なめずりをされて舌や牙からデザイアの血が入り混じった唾液が体に滴り落る
何だか会ったばかりのデザイアにもされたっけな
・・・こいつ等から見ればそんなに俺は上手そうなのだろうか

「お前に食われるくらいなら・・・」

今まさに捕食しようと大きく口を開けた所に剣を突っ込む
声に成り難い悲鳴を上げ、舌が串刺しにされて半端じゃない血が俺に降り注ぐ

それでも俺だけでも倒そうとまた剣が見える大きく口を開けて視界が
血の気で充満したフェンリルの口いっぱいに広がり

俺に被さるように体勢を低くして、頭からくわえ込む
剣という抵抗出来る物を手放してしまったがために、それが有ればまだ抗えていたのかも知れない
フェンリルの口の中はすっかり唾液で満たされていて手の掴み所も無く
抵抗空しく落とされるように呑み込まれていく

「あ・・・これは・・・・・・わ・・・」

手の平中の滑る感触の中に不自然な物が有った(今までそれに手が当らなかったのも充分不自然だが
だが、それを掴み取ると同時に上半身から滑り落ちてしまう

それは突き刺したままの剣で、刺しておきながら自分が抜いてしまったのである
手にしていれば、脱出する事くらいは出来たのかもしれないのだが
いきなりの事だったので、つい手放してしまった
剣とはいっても、俺とは重量が違うので先に滑り落ちてしまっているようだった
呑み込まれている際中に手を伸ばしても、包み込むフェンリルの唾液意外に何も触れてこなかった
・・・こんな事すれば飛び込むような感じだが

「この感触・・・俺の最後は化け物の腹の中か・・・」

・・・外の轟音が聞こえ難くなり始めると同時に、飲み下されたような音が聞こえて
暑さや戦闘でかいた汗や流した血も全て、腹の中に納まる為の食道で
俺という食い物と一緒に流されているようだった

流されるのが止まったと思えば、柔らかく包み込むようにぬめった胃袋の中なのだろう
未だに活発に動いているみたく、この真っ暗の空間が大きく揺れたり
俺を包み込んでいる胃液が音を立てている
フェンリルも人間一人を喰らったぐらいで身動きがしづらくなるような奴では無さそうで
両者も重傷ながらデザイアと未だに交戦中なのか、逃げおおせているのかは腹の中からは分からない

こういうのは何度も喰われていたからなのか、精神的に慣れてしまっているようだった
だが、外の気温も熱くなっていたし
息も上がっていた所を呑み込まれてしまった為なのか、呼吸がかなりしづらい(出来ないとも言える

「・・・悪かったな・・・いっつもお前の言う事聞かなくて・・・・・・・・・」

この胃袋から脱出する気力も失せていた・・・



   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



何やら倒されたかのような衝撃が走り目を覚ます
そういえば重力が下に向かうとすれば今俺は横になっている?
何だか妙に呼吸がしやすい・・・

「・・・・・・・・・」
「・・・生きてるよ」

目の前が裂かれて眩しいばかりに紅い光が差し込んで来る
フェンリルの体液が付いているようで視界がぼやけている

だが、体に触れているこの感触はデザイアの物だろう
初めて見せた半泣きの顔で無言で揺すりながら起こそうとしていたので、返事を返す
それで安心したのか、表情が僅かに和らいだようだった

「フェンリルは?・・・それから泣いてるのかお前わ・・・」
「あれが動きそうか?」

後の質問をスルーして、返答するデザイアの視線の先に俺も目をやると
フェンリルと思わしき獣が無残な姿で横たわっている
・・・ここまでやられれば疑問系にもなるだろう

「お前さえ救えたのならフェンリルも生きていたかも知れないが、あまりにも暴れるからな
 それで少しばかり頭を打ち付けて、しつけてやったら動かなくなってしまった」
「・・・しつけるって言葉学んだ方がいいと思うぞ?」
「軽口叩ければ問題はなさそうだな・・・
 ・・・すまなかったな、ラグナロクがそろそろ始まるのだけれども
 お前を元の世界には・・・・・・」
「直に終わる物は仕方ない。それで焼き尽くされるか、それとも・・・」

「・・・・・・」
「・・・どうした?」

地響きに耳を傾けていたが、デザイアはさっきからずっと俺の顔を見ている
・・・何だか、最初に有った時のようだ

急に黙り込んだかと思えば、手に力が込められているようで震えを感じる
瞳は何やら邪眼のような色へと染まっていく・・・
その衝動を、抑えようとして震えているのかよく分からない

「ど、どうしたんだ、お前・・・」

・・・フェンリル所かデザイアにも再び舐め始められる
こんな事はたった2,3日の間されてなかったはずなのに、何故だか懐かしく感じる

「・・・まぁ、いずれはこんな事にはなるかもっては思ってたが」

・・・こんな展開ともなれば、もう結果は分かったような気がする
デザイアに喰われる・・・結末はそれだけだろう
野生の表情にも人を喰らうという喜びが混じっているようで笑みが覗える

他の結末で途絶えるくらいなら、この方が痛みも無くてまだマシな方・・・かもしれない
それに少なくともあのまま焼き尽くされて死ぬくらいなら
デザイアは好まないのかもしれないが、俺には理性を失ってでもまだ生き長らえて欲しかった
・・・そう思うのは似た者同士だからなのか

いつのまにか抵抗を止めていた
理性がある内にこんな事をされれば、泣き言言うかもしれないから、今はこんな展開には感謝・・・だな
禍禍しく光る瞳には、自らの飢えを満たそうと俺だけを見つめ
喰うのがもったいないとでも思っているのか、どこから喰おうとしているのか
顔を覗き込んだりしている

散々弄ばれると、もう何度目か視界が埋め尽くされ・・・

 ごくん・・・

口内で弄ぶ事もなく、一気に呑込まれた
視界は真っ暗、初日のような感じで、俺を待ち構えていたようで
胃壁は一層優しく包み込んでいるようだった


・・・あの時のように吐き出される事は無く、大人しくデザイアの腹の中で消化に身を委ねた・・・
Re: 指揮者 ( No.46 )
日時: 2010/09/26 21:28
名前: S

分岐2


土地感も無く逃げ続けて、もうどれくらい経ったのだろうか
胸を引き裂かれたままの血まみれで、視界がとても霞んでいて、歩くのもやっとなくらいだった

「・・・痛い・・・もう無理だ」

あお向けになって道端に倒れる
意味もなく助けては人によっては苦痛を与えるだけなのだったのだろうか
見捨ててでも生きるってのがあいつの最後の願いだった
なんで目の前で大切と思う奴を見捨ててまで生きなければならないんだろ・・・

・・・心中するのは望んでないから、あいつから嫌われたくなかった
だが、分からない・・・どうも俺に吐くにはもったいないくらい合わない言葉だとしか

何やら多くの足音が聞こえてくる
おそらく大騒ぎを起こした俺等を始末する為のアインヘリヤルだろう

「悪いな・・・俺もお前の後をすぐ追うから・・・もう少しだけ・・・」
「・・・・・・そいつはいけませんね〜?」
「この・・・声・・・」

急に足音が少なくなり
何やら聞き覚えのある少々ふざけ気味かつドスが聞いた声がする方に振り向けば

「お前・・・生きていたのか?」
「こっちの台詞だ。お前もその傷でよくここまで生きて来れたな
 おまけに勝手に殺してくれるな。節穴アイかお前わ?ちゃんと足あるだろ?
 大体さぁそのしぶとさから見た限りじゃ視界もまともに見えないって事も
 ありそうだけどせめてそこぐらいは見えなくちゃ目の方はもっとおかs(ry」
「・・・生きていたんだな」

「・・・最後の悪あがきで剣を抜き取り、首をぶった斬ってやった
 だが、この体で動くのも多少は無理があるがな。というよりもここまで来れたのが奇跡かもしれんが」
「心配・・・ばっかかけて・・・」
「お前が人の事は言えるのか?(笑。・・・悪いがお前とはここでお別れのようだ
 強がってはいるがお前の体も限界だろ?せめて下界にぐらいは送――」
「・・・・・・・・・」
「出血で死んだ・・・訳じゃなさそうだな、眠ってしまったか・・・。だが、それでいい
 こっちでお前に恨まれるなんてのはともかく、下界の方で俺を恨んでくれるなら・・・」
 ・・・ん?」

でまかせばかりの言葉攻めにしてやれば、喋り疲れて眠ってしまったようだった
足元を見てみれば、この人間の手がしがみ付いている
もう言葉を発する事が出来ない為か、次に行う行為を気を失ったままでも拒否しているのだろうか

・・・どの道このままだとラグナロクが世界を焼き尽くす
俺のような異型の化け物と人間とで、巻き添えの心中なんて真っ平だ

その前にお前を下界に帰してやるのが
せめてここまで巻き込んでしまった俺からの最後の罪滅ぼし

所詮は魔物は夢の中でしか生きられない。お前の夢の中でそいつ等が出て来るならそれでいい
お前の命は下界で生きる為に、神から授けられた物なのだから



   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「・・・気は済んだか?」
「あぁ・・・もう言い残す事はない
 アースガルズの者が魔物に手を貸してくれた事を感謝する」
「亡きオーディンの仇を討ち取ってくれた者への礼だ」

「・・・そういえばヘルはどうしてる?」
「感付いては居たと思うが、ヘルヘイムで死者の兵士をこのアースガルズへと送り込んでいる
 どこで交戦しているかは分からないがな」
「約束は約束だからな。俺もスルトとの戦いに混ぜるんだって?」

「生きたくなければ、この場に残っていろ」
「既に死んだ身だ。もう思い残す事はない」
「あの人間にすっかり心を洗われたようだな・・・・・・」
Re: 指揮者 ( No.47 )
日時: 2010/09/26 21:29
名前: S

1・
何だかあんまり変わらないような気がするので、どちらも悲的になるのなら
こんな展開もいいかな〜って事で、最後に理性失って食べられるって事で・・・
・・・書いといてなんだか、あんな展開は何だかレジェンズでもあったような気がs(ry

2・
最後の会話はニーズヘッグとフレイとの会話で、役者がヴァルキューレっぽくなってしまっているフレイが
ニーズヘッグの魂をヘルヘイムに連れて行って体を与えて、再会した・・・と言う設定
実際にもフレイは男性だが、自分はVPでの印象が強かったので迷ったけど、やっぱり男性って事にしておきました
・・・ぶっちゃけ、あんな状況で早口?でねじ伏せる事は簡単に出来るのだろうか(汗
つか、1と比べれば極端に短いな・・・


ちなみにフレイはオーディンの側近のお方、しかも妹あり
咎しかやった事無いから分からないけどVPでは優しいフレイなんて居るのかな?
セラゲでは悪役とでも仲良くしてるけど


リオレイア氏
返信ありがとうございます
どの道結局助からないって訳なので、希望に答えられなくて申し訳無いです(汗
内心では自分もそう思ってるのに、別れる時だって無いわけではないが
どうしてずっと一緒的なエンドを書かないのだろうか・・・
Re: 指揮者 ( No.48 )
日時: 2010/09/27 07:47
名前: リオレイア

悲劇的……っていうんですかね?
でも1みたいな終わりなら良いなぁ…
ドラゴンに身を捧げるのなら本望なので…
引かれるかも知れなくても、ドラゴンになら何をされても…
Re: 指揮者 ( No.49 )
日時: 2010/09/27 22:24
名前: セイル

お疲れ様でした〜
フェンリル無惨(T ^ T)
あぁいいな〜フェンリル
フェンリルに食われて、デザイアにも・・
いいな〜
Re: 指揮者 ( No.50 )
日時: 2010/09/27 23:53
名前: S

エピローグ


土のような匂いがする・・・
それに体も何かしら砂利が混じったような物に包まれているようだった

・・・気が付けば痩せた土に埋もれていた
あの時まで負っていた傷は嘘のように痛みも無くなっていた

「夢・・・だったのか?・・・・・・あ・・・」

・・・肩を擦ってみれば矢のような物が刺さってたような穴が空いていた
しかし、傷らしき物も有ったが塞がっている
通学鞄やポケットに入れていた携帯が無い所からして、夢では無かった事が思い知らされる

「・・・あの馬鹿・・・やっぱり帰してしまったか」

埋もれていたのは風邪引くなよ的な不器用な優しさ?だろうか
落ち付いて考えれば、ここは初めてデザイアと初めて出合った場所だった

辺りは真っ暗で、もう夜を迎えていたようだった
埋もれていた土からまだ抜け出さずに、星が見当たらない真っ暗な夜空を眺める
・・・デザイアはあの後どうなったのだろうか

「ん?・・・」

そういえばデザイアからも言われた通り、こんなに遅くなっているのだから親も充分心配しているだろうな
もうそろそろ帰ろうと思い、抜け出そうとした所で違和感

体の下に何かがあるようだった
先に土から抜け出して、その後に掘り起こそうとする

「・・・黒?」

ちらりと見え出したのは黒い色をした物だった
黒く薄い灰色をしたデザイアの体の一部が見えているのではないかと思ってしまう
恐ろしくなって、掘り起こしていた手が止まってしまっている

・・・いや、無事を祈っているのならそうではないと思おう
覚悟を決めて掘り続けると、腕にしてはどうも細かった
指や尻尾の辺りにしても、こんな形状はしていないのだろうと思って、少しは気が和らいだ(ってのも少々無理が有るが
ようやく掘り起こして手に取る・・・

・・・見間違える訳が無い
それはデザイアが俺の護身用にと渡したレヴァンテインだった
だが記憶が正しければ、フェンリルに突き刺したままだったはず・・・
俺と一緒に落ちて、俺の傷も癒している上に剣までくれた・・・

「て・・・手間・・・かけたな・・・・・・」

冷静さは保つのが限界だった。涙も出そうなくらいだったのだが、湿っぽいのはあいつは苦手だろう
本心は取り乱したい・・・
振るえる手に取っている剣はもちろん微動だにしない。それを見守るかのようで、まるでデザイアのようだった
あれだけ振るったはずなのに、刃こぼれもしていない綺麗な黒い剣を両手に握りなおして強く握る


・・・友を捨ててまで魔物達の為にと必死に足掻いて、自分の最期まで戦い抜き
あいつから手を貸して欲しいなんて言われてたのに、それといった事は何もしてやれず足手まといなだけだった


・・・動物と同じなのは俺だった
魔物は死闘を繰り広げながらも自分の未来を掴もうとしていた
それに比べて俺は、ただ義務的に与えられた事だけして帰ったら夜更かししてまで遊び明かしていただけ・・・


・・・俺は本当にこっちでなにがやりたかったんだろう
校則破って放課後にキーボード叩いて帰ったら遊び明かして・・・これじゃニヴルヘイムの方がまだ充実していたかもしれない


家へと帰る道には当り前だったが
久しぶりに聞く虫達の合唱が月も星一つ地上を照らさない暗闇の中で響いていた
どこまでも、どこまでも鳴き止まずにずっと・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「あれから一年・・・随分と早かったな・・・
 生きてるかどうかも分かんないけどそっちでの生活はどうだ?」

他人から見れば何処にでもあるような道端にしか見えないが、唯一あいつとの繋がりがある場所
今日は年に一度に花束を捧げに帰って来た

もしかしたらあの時のように襲われて連れて行かれたいなんて思ってはないが
ここが唯一の繋がりがある場所なのだから
魔物とはいえどあいつがそこまでやっても報われなかったなんて認めたくない
だからこんな事でもして、あいつの無事と幸せを祈らずに入られない

それだから、学校帰りな時にはもちろん
暇な時にとかは、食事でもしているのかもしれないと思ってここに来ていたのだが
上京した事も含めて今日は私服で来ていた

「楽しかったな。あの一週間・・・
 もし手順を間違えなかったらいつまでもお前の側にいてやれたかもしれないのに・・・
 ・・・やせ我慢なんかしやがって」

微かに笑みを浮かべてあの時みたいにおちょくるように呟く
返事なんて返ってこない。だが俺はもしも届いてくれたらとだけ思っている

「あの時の会話は俺は聞こえてもいないし、聞こえていたとしても訳も分かんないけど
 俺をそっちに連れ出すのはいつだっていいからな?
 腹に入れるにしても力ずくでもいいから、俺は待ってるから・・・」

「観自在菩薩行深般若派羅密多時照見御雲皆空度一切苦厄舎利子色不異空空不異色色即・・・・・・」

花束を捧げた後に手を添え、未熟な般若心経を唱える
何だか思っている事が矛盾しているような気がするが、仮にそうだったらどうか安らかにと・・・
Re: 指揮者 ( No.51 )
日時: 2010/09/27 23:54
名前: S

と、結局はお馴染みの展開になってしまってます
とりあえず、その後の生活みたいな事でこの話は完結になります
お経の方は自分も見ないで唱えられるように練習中・・・それから、滝に打たれ・・・(実話
誰も望んじゃ居ないと思うが、前作みたいなおまけ的な物は、今回は人数が少ないのでナシって事で
・・・今回はちょっとホラー・・・かな


リオレイア氏
いつもは意味ありげなBADENDでしたが、今回はちょっと違ったBADENDにしてみました(結局はBADENDだが
心の崩れ様が酷いような気がするが、やっぱ鬼畜的なエンドが好まれる事が多いのかな・・・(汗
今回も捕食をしているような音という画写が無かったけど、珍しくそっちのエンドの記述が多かったw

「頑張れ頑張れ出来る出来る絶対出来る頑張れもっとやれるって!やれる気持ちの問題だ頑張れ頑張れそこだ!そこで諦m(ry」

なにやらあっつい幻聴が・・・(笑


セイル氏
とうとう終わっちゃいましたけど、自分の作品への返信は学校帰りの楽しみでした(笑
だから更新は平日前だったけど・・・

お気に入りキャラをあんな目にあわせて申し訳無いです・・・
でも今回の捕食者も相打ちだから、そんなに問題・・・って事は関係無いか
ニヴルヘイムから移動するだけでデザイアに喰われたりと
ヨルムンガンドに食われたり、フェンリルに喰われたりと主人公は今回何度食べられたんでしょうねw


ケイル氏へ
前作の返信を苦心したかも知れないので、少なくて済むように早めに完結させてみました
本当に前作での返信に偽りは無いです(涙


今まで返信してくれた方々、ここまで見て下さった方へ
毎回毎回、涙するくらいに嬉しかったです
ほんとに今までありがとうございました
Re: 指揮者 ( No.52 )
日時: 2010/09/28 08:01
名前: リオレイア

デザイアさんは守れて良かった…のかな…
いつかひょっこり現れたらいいな。

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