Re: 特生3課 ( No.1 ) |
- 日時: 2010/07/27 01:34
- 名前: とんこつ
- 「強盗犯に告ぐ!君たちは完全に包囲されている!おとなしく投降しなさい!」
もう何度目の勧告だろうか。 拡声器を使って必死に説得を続けているのだが、一向に動きはなかった。 事の発端は三時間前。市内の銀行に二人組の武装した強盗が押し入ったと警察に通報が入った。 警察はすぐに出動し、銀行を包囲した。 ところが逃げ遅れた強盗たちは客と行員を人質にとって篭城。現在に至っている。
「――ご覧ください。機動隊やSATだけでも十分物々しいのですが、あの特生3課までもいます。現場はまさに緊迫した雰囲気に包まれています」
現場を実況中継しているリポーターの言葉を聞いてオイラはガクッときた。 『あの特生3課までも』とは失礼な。 オイラは警視庁特殊生物3課の隊員だ。 特殊生物3課というのは、平たく言うと『遺伝子操作やら何やらで人為的に生み出された生物たちで構成されている』特殊な課なのだ。 ちなみに隊員はオイラ一人だけ。理由はいたって簡単。 オイラがとんでもない生物に育ってしまったからだ。 計画ではオイラは体長3メートル程度のリザードマンになるはずだった。 ところが何をどこでどう間違えたのか、オイラは体長30メートル近くまでなってしまい、そのうえ蝙蝠のような翼まで生える始末。 要するに体長30メートルのドラゴンもどきな警官が誕生してしまったのだ。 これがきっかけで計画は凍結され、一人ぼっちの課になってしまった。
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Re: 特生3課 ( No.2 ) |
- 日時: 2010/07/27 01:55
- 名前: とんこつ
- さらに二時間が経過した。
強盗たちに動きが見られるものの、目立った進展はない。 あーあ、早く帰って晩御飯が食べたいな。 オイラはほんの一瞬、気を抜いてしまった。 しかしそういうときに限って何か起こるのである。 連続して銃声が鳴り響いた。 同時にガラスが割れる音と警官の罵声。
「な、何だ!?」
オイラは慌ててビルの物陰から飛び出す。 次の瞬間、足が何か金属製の物を踏み潰したのを感じ取った。 下を見ると、強盗たちが乗ってきたワゴン車のボンネットを踏み潰していた。 どうやら強盗たちは包囲網を突破してきたらしい。 すると中から強盗が出てきて、オイラに向かって銃を乱射してきた。 オイラは全く平気だったが、流れ弾で警官や民間人に死傷者が出かねない。 そう判断したオイラは強盗たちをつまみ上げ、口の中に放り込んだ。 すると強盗たちは暴れ始めた。 オイラの口の中を殴ったり、蹴ったり、銃で撃ったり。 しかしそんな抵抗もオイラからすると心地よいだけであった。 そういえば生きている物をこうして口の中に入れたのはいつ以来だろうか。 昔は食事で生きている牛が出てきて、それを口の中で散々弄んでから丸呑みにしてたっけ。 でもお偉いさんは気に食わなかったらしく、いつしか生きているものを食べる機会はなくなっていったんだよな。 そんなことを思い出しながら強盗たちを舐め回し始める。
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Re: 特生3課 ( No.3 ) |
- 日時: 2010/07/27 12:15
- 名前: S
- お初です
警察みたいな事は よく知らないので展開には付いて行け無さそうかも(汗 何故十倍近い大きさになったってのは興味ありますw
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Re: 特生3課 ( No.4 ) |
- 日時: 2010/07/27 21:49
- 名前: リオレイア
- うわぁ…
強盗達ビックリ! でも、羨ましいな。しかし…警官(?)がこんな事して良いのか?ましてやテレビカメラが見てる前で… こんな事が放送されたら被食派の人達が大挙して凶悪事件を起こしそうです(笑)
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Re: 特生3課 ( No.5 ) |
- 日時: 2010/07/27 22:05
- 名前: ケイル
- なんと斬新な設定
隊長30mのドラゴン刑事とはすごいなぁ・・・ よほどの事がないと出動しなそうw
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Re: 特生3課 ( No.6 ) |
- 日時: 2010/07/28 00:32
- 名前: とんこつ
- >Sさん
その謎は最後の方で説明を入れようと思っているのでもう少しお待ちください。
>リオレイアさん
警察の上層部「そういう人たちがいるとは想定外だったorz」
>ケイルさん
凶悪犯罪や大規模なテロの時のみ出動します。しかし平和な日本でそんなことがポンポン起きるわけもなく、『警視庁の抜けない伝家の宝刀』『3課の予算の8割は食費』『破壊神お巡りさん』と評判は散々です。
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Re: 特生3課 ( No.7 ) |
- 日時: 2010/07/28 00:34
- 名前: 名無しのゴンベエ
- 「おーい、コタロウ巡査。聞こえるかー?」
足元からオイラのことを呼ぶ声がした。 オイラは片膝をついて頭をグッと下げる。 そこには特生3課の現場責任者の佐藤警部補がいた。
「はい、何でひょうか?」
強盗たちを無理やり舌の下に押し込めたため、サ行がうまく言えない。
「よくやった。危うく警察の面目が丸つぶれになるところだった。……まさか呑み込んではないよな?」
警部補の問いかけに首をブンブンと横に振った。
「ならいい。ところでまだ犯人たちは暴れてるのか?」
今度は縦に頷く。 だって今もオイラの舌の下で暴れてるみたいだから。
「そうか。……だったら反省しておとなしくなるまで口の中に閉じ込めてやれ。我々を散々てこずらせ、一般人たちに恐怖を強いたんだからな。殺さなきゃ何したってかまわない。私が許す」
警部補は黒い笑みを浮かべながらとても公僕とは思えない台詞を言い放つ。
「報道陣が見てまふけど。ほれに公務員による拷問て禁止はれてまふよね」
これでもオイラはれっきとした警察官。 巡査の階級だって持っている。
「だからこそだ。日本の警察も時には強行手段をとるということをアピールする良い機会だ。だいたい君が実は警察官として巡査の階級にあるから立派な公務員であるってことをほとんどの国民は知らないだろうから構わん。万が一有職者がツッコミ入れてきたら『口の中に閉じ込めるという行為が拷問かどうかは明確な判断基準が無い』と開き直れば大丈夫だ。だいたい本音は楽しみたいんだろ?」
そう言って警部補は銀行の方へと向かってしまった。 うっ、見透かされてたか。
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Re: 特生3課 ( No.8 ) |
- 日時: 2010/07/28 00:37
- 名前: とんこつ
- スミマセン。
さっき投稿した文章に名前を入れ忘れてしまいました。
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Re: 特生3課 ( No.9 ) |
- 日時: 2010/07/28 09:34
- 名前: とんこつ
- オイラは口を開けて、新鮮な空気を取り込んでやった。
死なれたら困るから。 すると強盗たちが必死で外に出ようとするのが分かった。 強盗たちが舌の先に来た瞬間、サッと口を閉じてやった。 お楽しみのネタ、じゃなくて凶悪犯を逃がすわけにはいないからねぇ。 まず舌で二人を牙の裏に押しつけ、レロレロと擦り付ける。 次に舌で窪みを作ってそこに二人を乗せて、まるでトランポリンのようにポーンポーンと舌を使って放り投げた。 それを何回も何回も繰り返す。 強盗たちは屈辱的と感じたらしく、あらんかぎりの罵詈雑言を浴びせかけてきた。 こいつら自分の立場が分かってるんだろうか? 少しビビらせてやろう。 オイラは舌の角度を徐々に急にさせていく。 二人はオイラが何をしようとしているのかを悟ったらしく、舌に掴まろうとした。 しかし唾液でぬるぬるする舌を掴むのは至難の業。 しかもオイラが弄んだせいで体力が削られている状態だ。 ズルズルと喉の方へとずり落ちていく。 そしてとうとう喉に落ちていった。 出来ることならこのまま完全に呑み込んで夕食の前菜にしたかったが、そんなことをするわけにはいかない。 途中で喉をキュッと狭くして、再び口の中へと押し戻した。 これを数回繰り返したところ、急におとなしくなった。 そろそろ頃合いかな。 オイラは近くの小さな雑居ビルの屋上にそっと二人を吐き出してやった。
「ちょっとは反省したか?」
オイラは顔を近付けて睨み付ける。 二人は力なく頷くだけであった。
「じゃあ署まで来てもらおうか」
オイラは再び二人を口の中へと放り込んだ。 だって唾液まみれになってるのをパトカーに乗せるわけにはいかないからね。 さてと、寄り道しながら署まで行くことにしよう。
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Re: 特生3課 ( No.10 ) |
- 日時: 2010/07/28 16:36
- 名前: リオレイア
- うわぁお!
舌責めww 強盗達涙目かな? 寄り道って… 何だろ?強盗達には是非とも胃袋に寄り道して貰いたいです(≧∇≦) でも、勾留中に訴えられそうな逮捕術。
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Re: 特生3課 ( No.11 ) |
- 日時: 2010/07/28 18:22
- 名前: S
- 呑み込まずに反省させるなんて
捕食者側にとっては結構しんどそうだな(汗 それにしてもこれで巡査ですかw
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Re: 特生3課 ( No.12 ) |
- 日時: 2010/07/29 10:11
- 名前: とんこつ
- >リオレイアさん
寄り道と称しての第2ラウンドで、犯人たちが署につれてこられたのは日付が変わってからです(苦笑) あと逮捕のやり方については
「銃を乱射する犯人を取り押さえるとなると、こちらも銃を使わざるをえない。しかし銃を使うと犯人が死傷する確率が高い。コタロウ巡査はそういう凶悪犯を無傷で逮捕したのだから、責められる要素など一つもない」(by事件後の警察の記者会見より)
とのことです。
>Sさん
呑み込みたい衝動を抑えているわけですからね。 ちなみにお給料は食費に消えます(笑)
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Re: 特生3課 ( No.13 ) |
- 日時: 2010/07/29 10:12
- 名前: とんこつ
- ―後日談―
ここは特生3課の本部、 ではあるが実質的にはオイラの住みかとなっている埋め立て地。 オイラの世話係兼見張り役として数名の職員が交代で常駐している。 現場責任者の佐藤警部補はだいたい2日に1回のペースでやってくる。 今日もそんな感じで警部補がやってきたのだが、『大事な話がある』とのこと。 なのでオイラは警部補を手のひらに乗せて、話を聞くことにした。
「話は2つある。1つ目はこの前君が逮捕した強盗たちのことだ。強盗たちは自分たちの犯罪行為を“ものすごーく反省した”らしく、こっちが聞いてもないのに色々と自白してくれたよ。おかげで芋づる式で犯罪組織を壊滅出来そうだ。お偉いさんたちは君のことをべた褒めだったぞ」
まあオイラは普段の鬱憤の捌け口としてあの二人のことを口の中で弄んだだけなんだけどね。
「あともう1つの話だ。君にとってはこっちの方が遥かに重要だろうな。……君の発育異常の原因が判明したんだ」
オイラは思わずポカーンとしてしまった。 自分が予定の約10倍の大きさになってしまった原因とは一体何なのだろう?
「君が平沢生物研究所で造り出されたのは知っているな。そこの所長である平沢博士は相当変わった人物でね。まあ端的に言うとかなりのマッドサイエンティストなんだ。おまけに子供っぽいところもある。そんな人間が警察側が提示した『身長3メートル程度のリザードマン』に納得するわけがない。平沢博士はさらに大きくなるように遺伝子をいじくり、ついでに翼が発現するような遺伝子も組み込んだみたいだ。まあ平沢博士もさすがに君がここまで大きくなったのには予想外だったみたいだけどね」
要するにオイラがこんな体になったのは平沢博士の暴走だったわけね。
「そうなんですか。まあ確かにこの大きさだと不便も多いんですけど、この大きさだからこそ味わえるお楽しみもありますから。ここはむしろ感謝ですかねぇ」
オイラは警部補を顔の真ん前に持ってきてニヤリと笑う。
「まあ犯人が死なない程度に留めるように」
「分かってます」
オイラは警部補に向かってビシッと敬礼した。
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Re: 特生3課 ( No.14 ) |
- 日時: 2010/07/29 20:13
- 名前: S
- あれだけやりゃ犯人も全部吐くでしょうね(汗
研究所の博士も予想外になるくらいに手を加えられたのに 感謝するなんて心も広いコタロウさんだなw それから給料いくらもらってるんだろう
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Re: 特生3課 ( No.15 ) |
- 日時: 2010/07/30 00:02
- 名前: とんこつ
- >Sさん
お給料は約18万円です。 しかしほとんどが食費に飛びます。 というか給料すべてを食費に充てても足りないことの方が多く、その時は特生3課の予算から支出されます(苦笑)
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Re: 特生3課 ( No.16 ) |
- 日時: 2010/07/30 00:06
- 名前: とんこつ
- ―あとがき―
「俺も書いてみるぞー!」と勢いだけで書き上げた『特生3課』ですが、とりあえず無事に終わりました。 正直終わり方があっさりしすぎかな、むしろ消化不良の感も否めないのですが、SSなのであまり引っ張りすぎないようにしました。 説明などが長くなって肝心の捕食シーン(呑まずに口の中で弄んでいただけですけどw)が短くなってしまったのはひとえに自分の力量不足であり、その点が悔やまれます。
……さて、ここからは『特生3課』のどうでもいい裏話を載せるので興味が無い方はスルーをお願い致します。
・『特生3課』でピーンと来た方がいるかもしれませんが、所々に某警察ロボットアニメのパロディネタがあります(分かりにくいと思うけど)。
・コタロウ巡査の名前の由来は昔話の『龍の小太郎』より。
・コタロウ巡査の身長は本当は20メートルのつもりだったが、私が打ち間違えてしまって30メートルに。
・描写こそないが、コタロウ巡査は空を飛べる。
というわけで最後までお付き合いいただきまことにありがとうございました。 実は続編も考えてたりするので(今度は呑み込むよw)また近いうちにお会いすることになるかと思います。 あっ、質問は随時受け付けておりますのでお気軽に書き込んでください。 それでは(´・ω・`)ノシ
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特生3課 ザ・オマケ ( No.17 ) |
- 日時: 2010/08/03 23:40
- 名前: とんこつ
- 続編を書いている途中でふと思いついたネタを膨らませてみました。
あっさりとした短編です。 ―――
またこの子たちか。 昼下がりの埋め立て地でのんびりと昼寝をしていたオイラは心の中でため息を吐いた。 目を少しだけ開いてみると、オイラの周りで遊んでいる男の子たちがいた。 ここは一応立派な警察の施設。 本来一般人は立ち入り禁止になっていて埋め立て地の周りは金網で囲んでいる、はずだ。 なのにこの子供たちは我が物顔で遊んでいる。 実はこれが初めてではないのだ。 以前からたびたび入ってきてはイタズラをしていくという困った悪ガキたちなのである。 駐在している職員たちが見つけしだい摘み出しているのだが、完全にいたちごっこ状態。 今日もこうして堂々と侵入してきて遊んでいる。 しかしこんなに近くで遊ばれてると怪我を負わせそうで迂濶に動けない。 困ったなぁ。 オイラがやきもきしていると、男の子の一人が口を開いた。
「口の中に入ってみようぜ!」
オイラは慌てて半開きになっていた口を閉じようとしたが、それよりも早く言い出しっぺの男の子が口の中に入ってきたので閉じるに閉じれなくなってしまった。
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特生3課 ザ・オマケ ( No.18 ) |
- 日時: 2010/08/04 08:53
- 名前: とんこつ
- 「ほら!寝てるから大丈夫だって!だいたい人間を食うかよ。ひょっとしてビビってんのか?」
最初に入ってきた男の子が茶化すように言うと、残りの三人の男の子たちも口の中に飛び込んできた。 ……美味しそうな匂いを醸し出してやがる。 肉食獣の観点から言わせてもらうと、生き物は若いほうが美味しい。 今、オイラの口の中には若い人間が四人いる。 肉食獣としての本能が理性を上回りかけていた。 せめて舐め回して弄んでやりたい。 ……そうだ、良いこと思いついちゃった。 お仕置きという大義名分の下ならば怒られないよね。 子供のイタズラを叱るのは大人として当然のことだ。 大人が子供にしてはいけないことを教えてあげなければならない。 よし、そうと決まれば善は急げだ。 オイラはそっと口を閉じた。 すると男の子たちは悲鳴を上げ、舌の上を移動するのが分かった。 どこへ行こうというのだね。 オイラはくるんと舌を巻いて行く手を阻んだ。
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特生3課 ザ・オマケ ( No.19 ) |
- 日時: 2010/08/04 13:15
- 名前: とんこつ
「助けてー!」
「人間なら食べないって嘘じゃんか!」
男の子たちは必死で舌の上で暴れた。 君たちからすればそれは抵抗のつもりなんだろうけど、オイラからすると寧ろ食欲をくすぐられるだけなんだけどね。 あー、呑み込みたいけど我慢だ。 オイラはまず舌で男の子たちを絡めるように何度も何度も舐める。 うーん、これだけでも美味しいな。 唾液が絶えずに出続けていることがそれを物語っている。 オイラは舌のあちこちに転がしては、男の子たちの味を楽しむ。 しばらくそうやって楽しんでいると、悲鳴すら聞こえなくなった。 そろそろ潮時かな。 オイラは最後に舌で男の子たちを潰さない程度に締め上げた。 うん、やっぱり美味しいや。 後味に名残惜しさを感じつつ、そっと優しく地面に吐き出した。 男の子たちは唾液まみれで、目を真っ赤に腫れさせていた。
「君たちは以前から何度も何度も注意されてきたよね。そのたびに大人たちからこう言われたはずだよ。『ここには恐ろしい怪物がいて危ないから入ってきちゃ駄目』って。大人の注意はちゃーんと聞くもんだよ」
なるべく優しい口調で諭すように言った。
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特生3課 ザ・オマケ ( No.20 ) |
- 日時: 2010/08/04 23:54
- 名前: とんこつ
- 男の子たちは泣きじゃくりながら謝ってきた。
助かった安心感と、30メートル級の生物が動くのを目の前にしての恐怖が入り交じったんだろうな。
「あれ?」
オイラは男の子のうちの一人が全く泣いていないことに気付いた。 こいつなかなか神経が図太いな。
「君、反省してる」
オイラはその子に顔をグッと近付けて聞いた。
「うん、ちゃんと反省してます。……でも、もう少し中にいたかったかも」
その子の答えにオイラは思わず吹き出しそうになった。
「いやいや、そんなことで強がらなくていいからね」
どう考えたって嘘でしょ。 だって自分よりも遥かに大きな生き物、しかも肉食獣の口の中に閉じ込められるなんて悪夢以外のなにものでもないだろうに。 現に他の子供たちは泣いている。
「もう一回いいですか?」
しかしその泣いていない男の子はあろうことか自らオイラの口の中に入ろうとしてきた。 オイラはそれを手で制する。 まさかオイラは何か自分でも知らないフェロモンを出していて、それがこの子を惑わしたのだろうか。 もしそうだとしたらどうしよう……。 オイラは呆然とその場に立ち尽くした。
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特生3課 ザ・オマケ ( No.21 ) |
- 日時: 2010/08/05 10:37
- 名前: とんこつ
「――もうここには入ってこないように。ここは警察の施設で、おまけにこういうおっかない奴がいるんだからね。分かったね?」
佐藤警部補とオイラは入り口から男の子たちを見送った。 あっ、オイラの唾液まみれになっちゃった彼らの服はあの後ちゃんと洗濯して乾燥機で乾かしてやったからね。
「あの、警部補。ちょっと折り入って話が……」
オイラは様子が変だった男の子について報告した。
「そいつは『捕食フェチ』なんじゃないか」
話を聞き終えた警部補はそう答えた。
「『捕食フェチ』?えっ、マジでそんなのがいるんですか?」
「世の中にはそういう人たちもいるんだよ。……あっ、そうだ。被食派の人間をこっそり募集してみるのもアリかもしれんな。コタロウ巡査の数少ない娯楽を安定供給してやれるかもしれないし。ちょっとネットで募集してみるか」
警部補は何やらブツブツ言いながら(後半は聞き取れなかった)職員が駐在する建物へと戻っていった。 あーあ、そういう『捕食フェチ』の人が来てくれたらいいのになぁ。 そしたら遠慮なく楽しめるだろうに。
―おしまい―
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Re: 特生3課 ( No.22 ) |
- 日時: 2010/08/05 11:43
- 名前: giratina
- 実にそのサイトに応募してみたいです。
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Re: 特生3課 ( No.23 ) |
- 日時: 2010/08/06 22:12
- 名前: リオレイア
- 応募しま〜す!
にしても娯楽って(笑) 絶対事業仕分けとか予算監査で叩かれそう。 子供も子供だけどね〜。捕食フェチになるの早すぎ(爆)
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Re: 特生3課 ( No.24 ) |
- 日時: 2010/08/08 00:31
- 名前: とんこつ
- >giratinaさん
佐藤警部補「コタロウ巡査ー!お一人様ご案内だぞ」
>リオレイアさん コタロウ巡査「事業仕分けは佐藤警部補に『会場の外から覗いてるだけでいい』って言われてそのとおりにしてたら、何故かすんなりとこちらが要求したとおりの予算がもらえた。何でだろ?」
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Re: 特生3課 ( No.25 ) |
- 日時: 2010/08/08 17:37
- 名前: giratina
- 懐かしのパoレイバー
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Re: 特生3課 ( No.26 ) |
- 日時: 2010/10/14 22:26
- 名前: ケイル
- 捕食フェチをなぜ知っているw
本編の怪獣公務員も斬新で面白かったですが、 オマケの日常編も、子供と遊んであげてるだけなのに なんだかエロさと危なさがあって素敵でしたw
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omega constellation perpetual calendar set date ( No.27 ) |
- 日時: 2024/02/29 07:00
- 名前: omega constellation perpetual calendar set date <rwovkbpta@msn.com>
- 先日購入しました。いろいろ購入前は悩みましたが、ショップレビュー等を見て大丈夫かなと思い購入を決めました。状態もキレイで買って正解でした。梱包も気を使っていただきありがとうございました。また機会があったら是非利用したいお店です!
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